英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

霊験お初(2024年5月4日)

2024-05-09 10:17:12 | ドラマ・映画
 原作は未読。
 犯行動機……というか、悪霊の怨念があまりにもひどい。怨念なので、そういうモノなのかもしれないが……

 下手人(げしゅにん)……聞き慣れた言葉だが、漢字で書くとピンとこない。特に、私は将棋が趣味なので、上級者を表す“上手(うわて)”に対する“下手(したて)”と読んでしまう。相撲好きならまわしを掴む“上手(うわて)”、“下手(したて)”と読んでしまうのではないだろうか。“下手”=“へた”とも読むなあ。
 その下手人だが、主人公のお初たちより100年前、生類憐みの令(5代将軍徳川綱吉が発布した殺生禁断の令。1685年以後しばしば発令。特に犬を大切にし、犯す者は厳罰に処した。綱吉の死後、廃止)が発令されていた頃の浪人(元・侍)の内藤安之介。
 子どもが犬に襲われているのを見かねて、助けるため犬を斬ってしまった。そのため、士官を解かれ浪人に身をやつし、《自分は正しいことをしたのに、こんな不遇な目に遭った。世の中が悪い》と、心が廃れていった。
 心が壊れ、辻斬りを行う。赤穂浪士を警戒した吉良家に用心棒の話があったが、剣技の試験で、血気が過ぎて、相手を滅多打ちにしてしまい、士官ならず。更に心が壊れ、辻斬りで憂さを晴らす。挙句、こんな間違った世の中では、《家族も地獄だ》と思い込み、その地獄から解放しようと、妻、子どもふたりを斬殺。その士官試験に居合わせた、安之介を心配した吉田沢衛門兼貞が駆けつけ、安之介を斬った。(もっと早く駆けつけろよ!)

 発端は気の毒だったが、その後は非道すぎる。
 辻斬りの被害者たち、安之介の家族、100年後乗り移り、関係ない子供を殺害。乗り移られた者は殺人者となってしまった。


 お初や古沢右京之介、六蔵の活躍より、最後の悲劇は回避でき、何となくほんわかした雰囲気で終了したが、理不尽に殺された者たちの不憫さを振り返ることはなかった。
 そこまで強い怨念なら、死後、綱吉かその関係者を祟れよ!

【細かい疑問、突っ込み】
・ドラマ冒頭、武家屋敷の火事に巻き込まれた時、黒い影の少女に導かれ、逃げまどう人々を率いて無事、屋敷から脱出した。その場面を南町奉行根岸肥前守を目撃、お初の霊力?を見込んで奇談怪談の収集を依頼する運びとなったが、なぜ、根岸肥前守の方に逃げなかったのか?なぜ、根岸肥前守はお初を助けようとしなかったのか?お初が逃げた方向が安全だったのなら、根岸肥前守がいた方は、危険だったのではないだろうか?無事、助かったのだから、どちらに逃げてもよかったのでは?あの黒い影の少女は誰?火事現場にお偉いさんが現場にいるものなのだろうか?
・吉田沢衛門兼貞は赤穂浪士で吉良家を内偵に来ていた。兼貞は試験の場で安之介と偶々、見掛けただけで全く縁は無し。実際に安之介を斬ったとはいえ、100年後も内藤家を心配するモノなのだろうか?
・“死人憑き”の設定だったが、2人目、3人目は生きる気力が薄くなったとはいえ、生きている人間に憑りついていた


【ストーリー】(番組サイトより)
 日本橋通町一膳飯屋“姉妹屋”の看板娘・お初(上白石萌音)は、岡っ引きの兄・六蔵(満島真之介)、ともに店を営む義姉・およし(野波麻帆)と3人暮らし。ある日、宴会の仕出しを頼まれ、とある武家屋敷に赴いたところ、火事に巻き込まれてしまう。荒れ狂う炎に飲み込まれそうになったとき、お初は突然、無数の黒い影に取り囲まれる。それは炎に焼かれて命を落とした人々の残留思念で、お初はあやうく道連れにされかけるが、黒い影の少女が逃げ道を示してくれたおかげで、逃げまどう人々を率いて無事、屋敷から脱出することができた。こんな不思議な体験は初めてのことで、お初は戸惑う。
 翌日、姉妹屋に年配の武家が訪ねて来る。彼は南町奉行根岸肥前守(坂東彌十郎)と名乗り、お初に奇談怪談の収集を手伝ってほしいと頼む。実は、肥前守はかねてから不可思議な出来事を書き記しており、前日の火事の現場で偶然、お初を目撃。お初には不思議な力“霊験”があることを見抜いたという。
 肥前守はさっそく“死人憑き”について調べてほしいとお初に依頼する。最近、深川で死んだはずの男が息を吹き返すという不可思議な出来事があったらしい。お初は肥前守からサポート役にと遣わされた与力見習いの古沢右京之介(京本大我)とともに死人憑き事件を調べはじめるが、右京之介はどこか頼りなく、お初はあきれてしまう。やがて“死人憑き”によると思われる、殺人事件が発生して…!?
 そんな中、肥前守のもとに不気味な情報が舞い込む。赤穂藩主・浅野内匠頭が切腹した屋敷の庭にある岩が夜ごと震える…という奇怪な現象が起きているというのだ。肥前守とともに現場に赴き、鳴動する岩に触れたお初。その瞬間、お初の目の前には100年前、白装束の浅野内匠頭が切腹する場面が広がり――。殺人事件と“死人憑き”、『忠臣蔵』と“震える岩”、2つの“謎”は大きくうねりながら、やがて思いもよらぬ結びつきを見せて…!?

脚本: 浜田秀哉
制作: テレビ朝日 東映
【原作】宮部みゆき『霊験お初捕物控』……新人物往来社『別冊歴史読本』特別増刊の雑誌『時代小説』1992年冬号と1993年春号に「百年目の仇討ち始末」の題名で発表され、1993年9月30日に『震える岩 霊験お初捕物控』に改題されて、新人物往来社から単行本が刊行された[1]。1997年9月に講談社文庫版が発売された。
(ウィキペディアより)

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