英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

将棋界の一番長い日(午後11時現在)

2016-02-27 23:10:59 | 将棋
今日はA級順位戦の最終局の一斉対局。
所謂、“将棋界の一番長い日”である。


 土曜日なので、少し忙しい。
 それでも、午後はちらちら観ることができた。
 夕方から忙しくなって、午後10時過ぎになって、ようやくパソコンを開くことができ、今、一通り観てからこれを書き始めたところ。

 最終局を前にしての状況は……(「A級順位戦(2015年度)8回戦 結果」を再利用)
【最終局の組み合わせ】
▲行方 尚史八段(6勝2敗)-△佐藤 天彦八段(7勝1敗)
▲佐藤 康光九段(5勝3敗)-△渡辺 明 竜王(5勝3敗)
▲屋敷 伸之九段(5勝3敗)-△郷田 真隆王将(2勝6敗)
▲深浦 康市九段(3勝5敗)-△広瀬 章人八段(2勝6敗)
▲久保 利明九段(2勝6敗)-△森内 俊之九段(3勝5敗)


 降級に関係する対局は、屋敷-郷田戦、深浦-広瀬戦、久保-森内戦の3局。
 郷田王将は、最終局に勝っても広瀬八段が勝つと陥落する(久保-森内戦の敗者より上位になるが、勝者より下位になる)。
 広瀬八段は、最終局に勝てば残留できる(郷田王将が最終局勝っても広瀬八段よりも下位、また、久保-森内戦の敗者より上位になる)。負けると降級。
 森内九段と久保九段は勝てば残留(広瀬八段、郷田王将が最終局勝っても久保-森内戦の勝者よりも下位)。最終局に敗れた場合、広瀬八段と郷田王将がともに敗れれば残留できる。
 郷田王将以外は自力残留。

 各対局が五分五分とすると、残留確率は森内九段と久保九段が5/8、広瀬八段が4/8、郷田王将が2/8。郷田王将は大ピンチ。

 この記事では、いろいろ御託を並べた後、こう予想している。
▲行方 尚史八段-△佐藤 天彦八段○
▲佐藤 康光九段-△渡辺 明 竜王○
▲屋敷 伸之九段-△郷田 真隆王将 (予測不能)
○▲深浦 康市九段-△広瀬 章人八段
○▲久保 利明九段-△森内 俊之九段

 予想できないのが屋敷-郷田戦。将棋の調子を重視すると屋敷九段、対戦成績の13-2を考えると郷田王将となる。(深浦-広瀬は対戦成績を加味しても深浦勝ちの予感)
 他の対局予想が的中すると仮定すると、
郷田王将勝利の場合は、森内九段と広瀬八段が降級、
郷田王将敗北の場合は、郷田王将と広瀬八段が降級となる。
……と書いている。

  
【本日午後のパッと見の形勢】
▲行方 尚史八段(6勝2敗)-△佐藤 天彦八段(7勝1敗)

 横歩取り(空中戦)。佐藤天八段の方が模様が良さそう。佐藤天八段が冷静に指し回している。

▲佐藤 康光九段(5勝3敗)-△渡辺 明 竜王(5勝3敗)
 横歩取り(空中戦)。後手の渡辺竜王が△2四飛と飛車をぶつけた手に対し、佐藤康九段が▲同飛と応じ開戦。
 香を吊り上げ1一に飛車を打ち込むが、渡辺竜王がその飛車の封じ込めを図る。佐藤九段の飛車の活用が難しそうだ。

▲屋敷 伸之九段(5勝3敗)-△郷田 真隆王将(2勝6敗)
 矢倉模様から、屋敷九段が例によって銀を中央に繰り出したが、やや無理っぽい。郷田王将が冷静に受け止め、隠居状態であった2二の角を△1四歩と突き1三への活用し、郷田王将が優勢。

▲深浦 康市九段(3勝5敗)-△広瀬 章人八段(2勝6敗)
 矢倉戦から「▲3五歩早仕掛け」を敢行。
 深浦九段の積極性が目立つが、広瀬八段は自然に対応。形勢はわからない。

▲久保 利明九段(2勝6敗)-△森内 俊之九段(3勝5敗)
 相振り飛車。後手の森内九段が先手陣に圧力を掛ける。
 圧力負けしそうな久保九段だが、“捌きのアーティスト”らしく、9筋に飛車を展開し戦端を開く。
 これに対し、森内九段、今度は久保九段の攻撃陣に圧力を掛ける。
 これを食い破ろうとする久保九段だが、若干攻めが細くなりつつある。


【午後11時前の形勢】
▲行方 尚史八段(6勝2敗)-△佐藤 天彦八段(7勝1敗)

 模様の良い佐藤天八段が≪そちらから来なければ、次に攻めますよ≫という圧力を掛ける指し手。
 急かされるように行方八段は攻めるが、無理気味なのは否めない。その後もあれこれ手を出すが、佐藤天八段が冷静に応じ、じわじわ優位を拡大。そろそろ、佐藤天八段が攻勢に転じそう。

▲佐藤 康光九段(5勝3敗)-△渡辺 明 竜王(5勝3敗)
 22時34分、78手で佐藤康九段が投了。
 渡辺竜王が佐藤九段の攻めをきっちり余しての勝利。渡辺竜王6勝3敗で3位が確定。佐藤九段は5勝4敗で終える。

▲屋敷 伸之九段(5勝3敗)-△郷田 真隆王将(2勝6敗)
 屋敷九段が詰めろを掛けたが、郷田王将は先手玉を攻めることで先手の攻めの主軸の龍を消去。
 詰めろが解除できたので、あとは必至を掛ければよいという状況。
 (さらに局面は進み)屋敷玉は5五の地点で四面楚歌状態。しかし、後手の持駒も桂と2枚の歩。先手の屋敷九段は豊富な持駒(飛飛角金金銀歩歩歩歩)で攻めながら詰めろを外すことができるかという局面だが……

▲深浦 康市九段(3勝5敗)-△広瀬 章人八段(2勝6敗)
 駒が激しく振り換わった後、二度目の中盤から終盤に差し掛かったところ。
 捻じりあいが続いており、長くなりそうで、深浦九段ペースとも言える。残り時間は深浦九段1時間3分に対し、広瀬八段は18分。

▲久保 利明九段(2勝6敗)-△森内 俊之九段(3勝5敗)
 勝負手連発の久保九段に対し、森内九段も一歩も譲らず応戦。まだまだヤマがありそうだが、上部が開けている森内九段が勝ちやすそう。


 現在の形勢からそのまま勝敗に向かうとすると、佐藤天八段の名人挑戦権を獲得。
 降級は久保九段と広瀬八段となるが……
【一旦終了】
 

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2 コメント

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A級順位戦の感想 (Stanley)
2016-02-28 06:54:50
英さん、おはようございます。

>現在の形勢からそのまま勝敗に向かうとすると、佐藤天八段の名人挑戦権を獲得。
降級は久保九段と広瀬八段となるが……

佐藤天彦八段が逆転された後、最後1分将棋で粘って再逆転で勝利。羽生名人への挑戦を決めましたね。
天彦八段強し!羽生名人が、天彦八段の後手横歩取りをどう受けて立つか、今から名人戦が楽しみです。

降級は、タイトルホルダーの郷田王将と、振り飛車党の久保九段でした。森内九段は最終局で中飛車に
対して勝率の高い三間飛車を採用して、勝利しました!最後久保九段が▲9六銀ではなく▲8六銀とし
ていたらどうなったのでしょうか?いろいろ興味は尽きません。
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難解ですが… ()
2016-02-28 13:56:16
Stanleyさん、こんにちは。

 深浦九段-広瀬八段戦は、事前予想、局中予想、共に外れました。
 事前予想はともかく、その他の4局は夕休前の形勢がそのまま勝敗に反映されました。と言っても、行方八段-佐藤天八段、久保九段-森内九段戦はもつれた将棋でした。
 特に、久保-森内戦はStanleyさんが述べたように、終盤、▲9六銀ではなく▲8六銀だったら、どうなっていたか分かりませんでした。
 余力があれば記事にしたいのですが、局後の検討では久保九段が有望な局面になる可能性が強そうだということでした。
 後手が正確に指せば、後手の勝ちのように思いますが、▲8六銀だと勝負は分からなかったと思います。
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