英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

プロの矜持 その1「気象予報」

2017-08-11 11:01:24 | 気象
「矜持・矜恃(きょうじ)」……自分の能力を信じて持つ誇り(旺文社 国語辞典)
 「矜」という字は、①誇る、②憐れむという意味を持っているが、「矜持」の場合は①の意味。「矛」(ほこ)を持つ優位性(能力)をよりどころに、自信を持ち、誇るというのが元来の意味のようだ。
 とすると、今回取り上げたい「プロ意識」「職業意識」というより、「自尊心(うぬぼれの気持ちを含む)」の方に近いことになってしまうが、自分の能力を信じてプロとしての職務を果たす(技を披露する)“心がけ”という意味で、「矜持」をタイトルに使うことにした。

Ⅰ.週間天気予報、台風進路予報
 迷走した台風5号は進路が定まらず、予報は難しかった。そのため、進路予報円が非常に大きいものとなっていた。
 実際、当初の予報は、東海地方に上陸→北陸の日本海に抜けるという予報であった。その後、どんどん進路予報は西へ西へと移行し、予報円は東シナ海~黄海まで広がっていた。それから、奄美付近に到達した時は、九州西部を縦断の予報になり、それが今度はどんどん東に移行し、九州はおろか四国も避けて、紀伊半島・和歌山県に上陸した。
 予報円の大きさと言い、進路方向のぐらつきと言い、今回は落第点を出しても良いであろう。しかし、ほとんどの予報官は「進路予報円の進路が定まっていないので、最新の予報に注意してほしい」と堂々と言い切っていたし(まあ、最新の予報に注意することは重要ではあるが)、進路予報が右往左往したことに悪びれた素振りもなかった。

 週間予報に関しても同様なことを感じた。
 台風の進路予報が「東海→北陸」となっていた時点で、各地の予報は予測台風通過時期に雨マークを出していたが、北陸地方は晴れマークしかなかった。北陸を通過、あるいは、通過しなくても少なからず影響を受けそうな進路予報だったにもかかわらず。
 それが台風が四国付近に近づいたころに、雨マークが登場(修正するのは当然ではあるが)。
 台風通過(予測)後に晴れマークが出ていた。しかし、一昨日になって昨日(10日)の予報が一転、雨マークに。

 週間予報の3日後以降には「信頼度」が表示されていて、「A」「B」「C」の順に確度が低くなっている。
 このことを、NHK福井の二村予報官は「便利な情報」として紹介していたが、こんなものは「予報の自信のなさ」「無責任さ」「言い訳」としか思えない。

 確かに気象予報は難しい。だから、「間違うな」と怒っているのではない。
 しかし、難しいことを言い訳してはいけない。「予報円の大きくして、進路が定まっていない」とか、「降水確率」や「信頼度」を表示するとか、責任回避の予防線を張っておくのはいかがなものだろうか?
 過去の事例や、各地の各要素のデータ、気象理論を駆使して、必死に考えて予報を出してほしい。
 そして、予報と結果の検証・反省を積み重ねて、予報の精度を高めていってほしい。無責任で無反省(に見える)では、予報の進歩はない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ブルーレイ・レコーダーが壊れる | トップ | プロの矜持 その2「小林裕... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

気象」カテゴリの最新記事