双葉文庫から早瀬利之氏著「西郷内閣」という歴史小説が出ています。明治新政府で岩倉使節団が外遊中の留守内閣を任された西郷隆盛の700日間を書いています。何も手を付けるなと言い渡された西郷隆盛は、残されたものに「昼寝でもするか」と冗談を言いながら廃藩置県、法整備、地租改正、軍制改革とどんどん手を付けて西欧諸国に劣らない国家体制を築き上げます。帰ってきた大久保利通や木戸孝允は居場所がないくらいひがみます。それでも歴史教科書でいう征韓論争で西郷隆盛は郷里の薩摩へ帰ります。ここまでのことは教科書どおりなのですが、これでは西郷隆盛の真実はわかりません。実にこの小説は、たった700日間の出来事から西郷隆盛の真実を描き出しています。教科書でいう征韓論争も西郷隆盛にしては使節派遣の遣韓論でした。行き場を失った旧士族を救う手立ても蝦夷地の対ロシア政策など、人間西郷隆盛を描き出したものになっています。上野公園にある西郷隆盛の銅像の前にある「敬天愛人」の本質をここに描き出していると感じました。さて、その後の明治政府から現代の政府につながる政策はどうでしょうか。ふとこの小説を読んで日本の曲がり角は明治維新ではなく西郷内閣の終わりにあったような気がいたします。、
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