薬害エイズ訴訟の被告企業の一つのミドリ十字の創業社長・内藤良一は７３１部隊（関東軍防疫給水部）の幹部でした。トップは陸軍軍医中将・石井四郎で内藤良一は直属の部下でした。戦中は満州ハルピンの７３１部隊の化学工場で人体実験も行っていました。またこの部隊は風船爆弾に細菌兵器を載せるための準備もしていました。この部隊・この組織は陸軍参謀本部も承認している組織で国家意思でもあります。薬害エイズの源流は７３１部隊でもあるのです。薬害も歴史も人がつくるから繰り返されるのです。
今日は夕方からHPVワクチン東京訴訟期日のオンライン集会でした。原告被害者から自らの被害と共に薬害を受けた人が生きやすい社会を作っていくためにも声を出して社会問題を前向きに関わりたいと力強い発言がありました。支援者からもこの問題は他人事でないと支援活動の関わりを発言しました。厳しい情勢の中ではありますが原告被害者・弁護団・支援ネットワークが一体となって活動を続けていかなければならないと感じた報告集会でした。次回の東京訴訟期日は11月15日です。
天璋院篤姫ほど逆境に身を置きながら前向きに生きた人物はいないでしょう。私の最も尊敬する女性です。表面的に見れば薩摩藩分家に生まれ将軍御台所になるのですから華やかに見えますけど、政の道具に使われ江戸城大奥では周りのほとんどが反対派、夫である将軍家定も早死し、幕府は徐々に衰退し崩壊の危機に、そこへ実家の薩摩藩から倒幕軍が押し寄せます。こんな逆境の中でも天璋院篤姫は嫁ぎ先の徳川宗家に身を置きながら徳川宗家の生きる道を考えながら前向きに生きます。逆境に身を置きながら前向きに生きた天璋院篤姫の生き方こそ現代に必要な生き方でしょう。
今日は大阪でがん哲学外来あずまやカフェを主宰する東先生の哲学してみる読書会「論語と算盤」に参加しました。渋沢栄一「論語と算盤」を皆で読みあいながら現代に照らして考えました。渋沢栄一の生きた幕末・明治・大正・昭和と時代の流れを読み解きながら、今生きる私たちはどう生きるか様々な議論が交わされました。現代に一番欠けているものは、歴史と哲学ーこの生きる道しるべ学ぶ場として読書会があると今日は心地よい体験をしました。
「浦賀へ着いたから、おれは一同を入浴のために、上陸させてやろうとしているところへ、浦賀奉行の命令だといつて、捕吏がどやどやと船中へ踏みこんで来た。おれも意外だから、『無礼者め、何をするのだ』と一喝したところが、捕吏がいふには、『数日前、井伊大老が桜田で殺されたについては、水戸人は厳重に取調べねばならぬ』といふから、おれは穏やかに、『アメリカには水戸人は一人も居ないから直ぐに帰れ』と、冷やかして帰らせたよ。しかし、おれはこの時、桜田の変があつたことを初めて知つて、これは幕府はとても駄目だと思つたさ。それから品川へ船を廻して一同上陸したが、おれも久しぶりで家に帰らうとする途中で、コレラ病に取りつかれたのだ」（勝海舟「氷川清話」より）
１８６０年万延元年、勝海舟は咸臨丸で太平洋を渡って渡米、その帰国の時の出来事です。勝海舟が渡米中に桜田門外の変で大老の井伊直弼が暗殺されました。幕府の大老が殺されたのですからもう幕府も終わりです。その幕府に身を置く勝海舟は幕府が終わりだと感じながら日本のためにむしろ前向きに動くのです。しかしコレラに患うとは勝海舟らしい。
いまから１６１年前のことです。コロナ渦中で右往左往する日本政府ーもう政府も駄目だと言って動き始める人物はいるでしょうか？
