崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

長生きとは

2017年09月28日 05時53分32秒 | エッセイ

 私は戦前の貧困農村の出身である。我が家には回る道具は綿の種を取るムレ、木の臼位い。鉄でできたものは包丁と鎌、若干の農具があった。常備薬はなく、トイレットペーパーもない。小学校4年生まで自動車を一台も見た覚えがない。日本の警察の自転車を見たことがあるだけであり、ほぼ石期時代の後期のような状況であった。そんな時、朝鮮戦争が起きたのである。飛行機や戦車、銃、大砲など多くの武器を見た。残酷な戦争の中に巻き込まれた。当時最新の武器、文化に接した。10歳ころの私にとっては、原始時代と現代文明との混合であった。このような農村出身であることとは不名誉に思われるかもしれない。しかし私はそうとは思わない。今私は長生きをしていると思うが、それはただ年齢を指すものではない。石器時代からインターネット時代まで、第1波、第2波、第3の波を全部生きてきたという意味がある。戦争体験談である最新著『韓国の米軍慰安婦はなぜ生まれたのか』について慶南大学校の張教授が研究論文を発表をするという電話を受けた。嬉しい。


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