崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

音痴が名曲を鑑賞

2017年04月30日 05時43分41秒 | エッセイ

 「昭和の日」、連休の始まりの日とされる昨日、チャリティコンサートを鑑賞した。東京芸大出のソプラノの松原典子、ヴァイオリンの漆原直美、ピアノの穴見めぐみ の3氏のコンサートでは楽しみ、幸せな時間であった。ホールは音声空鳴など音響が良い。一曲も歌えない者としてこのような高級な音楽を楽しめるようになったのはどういうことだろう。田舎ではシャーマンの歌や民謡しか知らない私がソウルに転学して、古典音楽を知り、ショックであった。田舎で聞いてきた歌に偏見が生まれた。単調なメロディと歌詞中心の歌を低級のものと思い、歌詞を詠むような歌謡曲などを無視するようになった。高校と大学では名曲に関して熱心に勉強した。そして私は一曲も歌えない音痴になった。昨日はほぼ歌詞を脱した名曲の時間であった。音痴が名曲を鑑賞したのである。