崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「愛」

2013年02月07日 05時33分56秒 | エッセイ
日本のカレンダーに韓国のカレンダーを重ねて書きこんで、今週の日曜日2月10日が中国文化圏の旧暦の「正月」であり、14日が日本のバレンタインデーと近接している。バレンタインデーとは西洋のカソリック文化の祝日の家庭と結婚の祝日である。元々ローマ時代の宗教的な祝日から由来した「恋人たちの日」となっている。日本の「縁結びの神」への祈りのようなものであろう。
 日本や韓国の伝統的な年中行事をみると豊作と多産を祈る、祝うものが多い。その中に西洋のバレンタインデーの男女に恋愛、結婚、家庭を大事にする祝日が入ったのは珍しい。日本語と朝鮮語には愛という言葉がなく、漢字語から表記するようになったという。韓国人や日本人に愛の感情がなかったという意味ではないだろう。それを公に表現するのを控えたからもしれない。愛を積極的に普及させたのはブッタの慈悲、キリストの愛であろう。
 昨日大丸百貨店で地下のお土産コーナーに立った。チョコレット一色であり、混雑、商売盛況であった。普段お世話になった人へと思ってその中を歩きながら相手だけを考えていた。お土産を選ぶ心は自分のためのショッピングの心とは逆であり、自分の食欲を越えている。食や味を越えていることを悟った。これが「愛」であると。持って行って喜ばれ、楽しい談話が長く続いた。