崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

与党と野党

2010年01月22日 05時26分58秒 | エッセイ
 民主党が与党になって初めての予算審議会の中継を一日見た(「毎日新聞」)。中継の議論を聞いて強く感じたのは攻防と防戦である。中継は相撲の時間とダブったが本当に内容までダブっていると言いたい。鳩山総理は小さい問題、繰り返しの質問に誠意をもって答えた。私はその姿勢に感動した。彼の姿勢は野党の時とそれほど変わっていない。しかし自民党総裁の谷垣氏は与党時代とは変わって猪突的になった。仙谷氏が地位によって意見が異なるのは当然であろうという答えには余りに露骨であり、失望した。自民党の小里氏の質問を聞いては自民党には人材がいないという印象さえ受けた。
 与党と野党の交代、つまり政権交代が実現したことに日本の民主主義に希望を持っている私が政治自体に失望しそうである。政治と学問は根本的に異なるとは思う。が、私は研究会などで議論している中で反対意見が出た場合、反論するか受け入れるかの基準は真実である。私は反対(敵?)の意見でも参考文献にする姿勢である。しかし政治やスポーツは相手の弱点を見つけようとし、戦う。
 国会中継全体を聞いた感想としては鳩山氏の野党の意見でも受け入れようとしている姿勢が浮き彫りにされた。金持ちの坊ちゃん育ちが非難されるようであるが非難する質問者の品の低さとは対照的であった。与野党を超えて普遍的な「人格」、日本の「品格」を持つべきであろう。