崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

差別と天皇制

2010年01月20日 03時48分33秒 | エッセイ
 萩へ行くのはこれで三度目。最初は20年ほど前にタクシー観光、二度目は萩在中の金優社長の案内で松下村塾と椿群生林地などの観光、そして、今度は博物館観覧が主目的であった。姜顕秀氏夫婦と教育院長の徐聖淑氏と同行した。私は吉田松陰と明治維新を紹介しようといたが、私自身が伝聞などによる知識しかないので勉強するつもりで博物館を訪ねた。吉田に関する展示と村塾に注目して、DVDと本を購入した。私の吉田への関心に萩に根をおろして成功した金社長が嫌な表情をした。訳を聞いたら吉田の「尊皇と差別」という大き過ぎの問題があるという。
 萩文化福祉大学のロケと景観は素晴らしい。自然と文化、伝統と歴史の素晴らしい環境に恵まれて成功した金社長の差別云々は気がかりであった。私は差別の主体は無知な人間のすることだと言いながら外国出身の人が根を下ろすまでの苦労を深く共感した。
 車の中では韓国語での楽しい時間であった。姜さん夫婦が短い期間で日本人との付き合う話は差別とは全くの逆な話である。韓流ドラマばかりで韓国が好きになった日本人から韓国人は皆「美人」「金持ち」のイメージで聞かれるという。ドラマでは普通の家庭でも生け花がしてあり、果物をよく食べる日常生活だと思い込んでいるという。先日韓国からの女性団体旅行者がバスから降りるのを見たある日本人がテレビドラマで見るような美女ばかりではないことにびっくりしたという言葉が気になった。昨日は差別と優遇の明暗が極まる一日であった。