崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「噂が人を殺す」

2009年12月15日 05時18分09秒 | エッセイ
 東京のあるテレビ局から電話インタビューがあった。韓国のあるものに関するうわさを確認する番組だと言う。「焼き肉のカルビの語源とは何か」などの質問であった。カルビとは肋骨であり、人の肋骨もカルビという。焼き肉のカルビは「牛のカルビ肉」の意味であるというと聞き手は笑った。人の肋骨を食べるイメージがわいたからだという。私は早速反論した。なぜ日本人は脳味噌と言うのかと。脳の中を食品の味噌というのは不思議と思ったからである。その類のうわさについて多く質問された。
 事実ではないうわさが多い。「うわさが人を殺す」(소문이 사람 잡는다)という韓国のことわざがある。魯迅の「阿Q伝」で中国の村落社会でうわさが人を殺すのをテーマにした。私は小さい農村で噂とデマで朝鮮人27名が虐殺された事例を出した。今の時代にはマスコミなどが事実を報道するのでうわさや黒色の宣伝などは少なくなった。しかしマスコミが噂を広げ、「人を殺す」ようなことを平気でしている。
 今天皇に会う前の予約受け付は1カ月前になっているのにそれを守らなかったということで騒ぎになっている。古代ユダヤ人が律法を持って人を攻撃したり非難したりした。それにイエスキリストは律法主義("反対" と "法" )から解放さるように叫んだ。今まで多くの人が妄言などでマスコミの集中非難でやめなければならなかった。正義と戦うことは必要であるが大衆と民衆の世論政治という名目でマス(大衆)で人を追いコミしないようマスコミが注意すべきであろう。