プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★時の移ろい

2008-03-13 10:24:16 | 日記・エッセイ・コラム

 もう雪かきの心配はなかろうと除雪用具を片付けようとしていたら、前の畑から声が飛んできた。「来年は雪捨て場がなくなりますよ!」。「エッ!どうして?」と、訊き返すと畑の持ち主が土地を不動産屋に売ったので、6戸の住宅が建つとのこと。

 私がこの地に越してきて今年30年目だ。当時は、たんぼと畑が一面にひろがっていた。市の中心部から5㎞圏内で緑が残る環境に魅かれて居を構えた。夏、飛び交うホタルを夕涼みがてらに子供の手を引いて散歩したり、稲刈りを終えた田んぼで紙飛行機を飛ばした思い出が蘇る。前の畑で雉が餌をついばむ光景も見られなくなる。

 時代の流れとはいえ、10年前に渋滞緩和策としてバイパス道路が開通して以来、マンション・アパートが急増し外食店が乱立気味になった。おかげで中心街へ出かけなくても大抵の用事は満たされる。典型的な日本の都市開発パターンだ。

 食糧自給率が低いといわれるが、休耕田を奨励し、宅地に転化し自然を破壊し続けた農政の所産だ。今後10年間で59兆円を投じて実現しようとする道路計画が国民にもたらず功罪を身近に感じるだけに、より一層複雑な気分になる。