電脳筆写『 心超臨界 』

誠実な心が誠実な行動を生む
( ブリガム・ヤング )

不都合な真実 《 井伏鱒二現象――渡部昇一 》

2024-07-01 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


井伏さんは数多くの賞を受けています。ちょっと数えただけでも、直木賞、読売文学賞、日本芸術員賞、野間文芸賞、文化勲章、東京都名誉都民。とういうことは、賞を与える側の関係者も大勢いた。その人たちはただ関係しただけではなく、授賞に際しては井伏さんを褒(ほ)めまくっています。その賛辞は活字に残っている。ベタ褒めした人の作品がじつは剽窃、盗作だったと知れたらどうなるでしょう。


◆井伏鱒二現象

「中国・韓国に二度と謝らないための近現代史」
( 渡部昇一、徳間書店、p187 )
第五章 「敗戦利得者史観」を排せ

ノンフィクション作家の猪瀬直樹(いのせなおき)氏が『ピカレスク』(小学館)という本のなかで「井伏鱒二(いぶせますじ)の主要作品は剽窃(ひょうせつ)である」と暴露したのがきっかけです。著名な作家の代表作が盗作だったというのですから大変な発見です。私は、マスコミは上を下への大騒ぎになるだろうと見ていました。ところがテレビは報道しない。新聞の文芸欄もこれに触れず、日本の主要出版社の文芸雑誌も何も書かない。それは、猪瀬氏の発言が勇み足だったからなのか。そこでわが友人であり、明治以後の文献学者としては飛び抜けた存在である谷沢永一(たにざわえいいち)さん(関西大学名誉教授)が猪瀬氏の書いていることをことごとく追跡調査してみました。するとそれはすべて真実でした。

たとえば井伏さんの代表作『黒い雨』。広島の原爆を題材にした作品ですが、これは実際に被害を受けた人のノートを90パーセント以上丸写ししたものでした。しかもその人(重松静馬氏)から「ノートを返して欲しい」といわれたとき、井伏さんは「紛失した」と言って返却せず、結局は井伏さんの遺族が120万円支払って手を打ったということもわかりました。周知のように『黒い雨』は映画化やテレビ化され、そこからの収入は億単位であったといわれています。

井伏さんの出世作「山椒魚(さんしょううお)」はロシアのシチェドリンという作家の作品を下敷きにしたものでした。「ジョン万次郎漂流記」も、石井研堂という人の『中浜万次郎』を引き写したものだから史実の間違いもそっくり同じだったといいます。さらに「人生足別離」という漢詩を「『サヨナラ』ダケガ人生ダ」とした有名な訳詩(『厄除け詩集』講談社文芸文庫、所収)なども、すでに江戸時代の漢詩の訳詩集にあったことが判明しました。

要するに井伏さんの作品の多くが先行するものの盗用だったのです。谷沢先生はすべて文献に当たってそうした剽窃の全容を調べ上げ、一本の論文を仕立て上げました。いうまでもなく谷沢先生は、新潮社からは『人間通』(新潮選書)という大ベストセラーを出し、文藝春秋からは大冊の『紙つぶて~自作自注最終版』を出し……といった具合にほとんどの大手出版社から著作を出しています。ところが、この注目すべき論文はどこの社の雑誌にも載らなかった。 みな断られたのです。結局どうなったかといえば、辛うじて、文学とは縁の薄いPHP研究所の「Voice」という一般紙に掲載されました。

そのとき初めて私は、戦前の日本を憎み、革命に憧れ、中国や北朝鮮を擁護する、いわゆる「東京裁判史観」がなぜ払拭(ふっしょく)されないか、その秘密がわかったと思いました。

井伏さんは数多くの賞を受けています。ちょっと数えただけでも、直木賞、読売文学賞、日本芸術員賞、野間文芸賞、文化勲章、東京都名誉都民。とういうことは、賞を与える側の関係者も大勢いた。その人たちはただ関係しただけではなく、授賞に際しては井伏さんを褒(ほ)めまくっています。その賛辞は活字に残っている。ベタ褒めした人の作品がじつは剽窃、盗作だったと知れたらどうなるでしょう。井伏さんはむろんのこと、褒めた人たちのメンツも立たない。社としても面目丸潰れだ。だから、出版社の編集長や編集幹部でその後役員などになっている人たちは、いくら谷沢さんの論文だといっても載せるわけにはいかなかったのです。

これが何を意味しているかといえば、剽窃を暴かれては困る井伏さんと利害(利得)の一致した人たちがいまの日本の文芸界を支配しているということです。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 不都合な真実 《 自国の歴史... | トップ | 不都合な真実 《 中国国防動... »
最新の画像もっと見る

04-歴史・文化・社会」カテゴリの最新記事