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夫婦別姓禁止判決で 顰蹙を買う日本政府

2015年12月21日 | 

夫婦別姓禁止判決で  顰蹙を買う日本政府

12月16日、最高裁がこれまたヒドい判決を出した。

もうお忘れかと思うが、新聞で大きく報じられた夫婦別姓訴訟。提訴が2011年2月だったから、四年十ヶ月もかけて争ったこの裁判で、夫婦別姓禁止を合憲とする判決を出した。
 
そもそも夫婦別姓を認めないのは、先進国の中で日本だけ。判決要旨で最高裁は「同姓だから家族であることを実感できる」などと述べたが、こんな屁理屈は日本以外の先進国ではとても通用しない。例えば、作家・歌手の八木啓代さんはツイッターで「スペイン語圏はみんな夫婦別姓ですが、家族の結束や絆は日本より強いです」と書いている。さすがメキシコにも拠点を持つ八木さんらしい報告だ。
 
日本政府は、国連女子差別撤廃委員会から別姓導入について再三勧告を受けている。委員会は「選択的夫婦別氏制度を採用することを内容とする民法改正のために早急な対策を講じるよう締約国(日本)に要請する」(委員会最終見解2009年)。要するに別姓を認めないことを国際的に問題視されてきたわけだ。現に判決の当日(日本時間では翌日)、米国の人権擁護団体「イコーリティー・ナウ」の法律顧問は、「女性が自由に姓を選ぶ権利が損なわれる恐れがあり、他の先進国より『数十年遅れている』」と指摘、同じ日のCNNテレビも「日本の女性、自分の姓を持ち続けるための闘いに敗れる」との見出しで、判決を「日本が夫婦別姓を認めない唯一の先進国で、女性の社会進出も比較的遅れている」と指摘した。
 
判決はさらに、「通称使用が広がっているから、不利益は緩和され得る」などと言い做した。不利益を被る側の苦痛や苦労など、一切理解しようとしないその姿勢に呆れる。けれども、女性裁判官の三人全員と二人の男性裁判官が反対意見を述べたことは救われる点だった。
 
マスコミにも大きな問題がある。見出しはそろって「夫婦同姓は合憲」。この批評精神のなさに唖然とする。原告として名乗りを上げた人の気持ちを踏みにじるものだ。共同通信の一部の記事は「夫婦別姓禁止」と報じたが、夫婦同姓を強制する判決だったと一目で分かる見出しをつけるべきだ。また、世論調査の結果を大々的に載せたりもした。サンプル数が少ない世論調査など当てにならない。世論がどうであれ、夫婦別姓は法律上の人権問題だと認識する必要がある。
 
日本政府は女子差別撤廃委員会の次の報告書はどうする?「最高裁が夫婦別姓禁止を認めてくれました」と書いて笑われるのか。
 
佐賀新聞; 論説; 夫婦別姓と再婚禁止
 
WSJ.com: Japan’s Top Court Rules Married Couples Must Have Same Surname

 

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