千恵子@詠む...................

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スノーデンが 共謀罪に警告

2017年07月01日 | 

クリエイティブ・コモンズにて、転載。救援連絡センター発行「救援」紙の、2面の連載コラムより 

 スノーデンが 共謀罪に警告

6月1日の共同通信の報道によれば、現在モスクワ近郊に在住するエドワード・スノーデンに共同通信が単独会見し、スノーデンは「日本政府が個人のメールや通話などの大量監視を行える状態にあることを裏付ける」と証言した。これは、NSA(米国家安全保障局)が極秘の情報監視システムを日本に供与していたことを確認した事実に基づく。供与されたものは、大量に収集・蓄積されたデータから、特定の情報を瞬時に検索・分析ができるエクスキースコア(XKEYSCORE)だ。

共謀罪が可決・成立した現在、日本の一般市民は、政府からの監視でプライバシー侵害の大きな危機が訪れたことを意味する。

共同通信がユーチューブに配信した「監視技術、米が日本に供与  スノーデン元職員が単独会見」で会見の模様を一部見ることができる。
 
その動画のなかでスノーデンは共謀罪について「(法案には)深刻な懸念がある」と明言し、「法案がなぜ必要なのか、明確な根拠が示されていない」「これは日本における大量監視の始まりであり、日本にかつてなかった監視文化が日常となる」と。よく言われる「何も隠すものがないなら、何も恐れることはない」との言葉を引き、それは戦時中のナチのプロパガンダだと言い切る。プライバシーは、開かれた社会、多様性を認める自由な社会を守る、と言う。法律は守るべきだが、社会や国民や、将来のためになるという限りにおいてだ、とも。

捜査官憲が通信傍受するとき、令状が必要なのだが、犯罪捜査のための通信傍受にすぎない。「行政傍受」という言葉があり、令状は必要なく、政府などの行政機関が勝手に傍受すること、令状不要に要注意だ。今後、政府の行動を、注意深く細心に監視することが必要になる。

オリヴァー・ストーンの映画『スノーデン』に、アラブ大富豪のプライバシーを暴き、関係者に不法滞在者を見つけ出すのに五分もかからなかった場面が出てくる。エクスキースコアは、それほど強力な情報検索プログラムなのだ。

これから映画『スノーデン』を観ようとする人に一言アドバイスすれば、関連書籍に目を通しておくべきだ、と。映画は情報満載で知識がなければ理解できないシーンが沢山ある。たとえばガーディアン紙のニューヨーク支局長とグレン・グリーンウォルドが激論するシーン。日本語字幕にはガーディアンの説明がないし、たった五分程度で終わり。実際は何日間もかけた押し問答だったのだ。

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映画「スノーデン」

 

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