河童の歌声

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今井雅之・・貴方は立派な男だった

2015-05-29 07:41:04 | 日記


俳優の今井雅之さんが亡くなりました。

数日前のテレビでの会見を観ると、
もう、痛々しいほどの激痩せぶりに、誰しもが彼の死期が近いのを感じたと思います。



私は今井雅之という俳優の顔は知っていましたが、
彼がどんな役柄を演じ、どんな人柄だったかまでは知りませんでした。

しかし、あの激痩せテレビ会見を観ると、
「あァ、もうこの人の余命は長くないな」とすぐに思いました。
そして、まさにその通りになりました。

54歳。
それは、あまりにも若すぎる命でした。

ですが、彼は己の死期を感じながら、涙を見せる事なく、
仕事に対する意欲を語っていました。

立派です。
人間として、同じ「男」として、貴方の姿には胸を打たれました。


松田優作。
彼が死んだ時にも同じ様に、
「人間としての死に方」・・そんな事を思いました。

今井雅之の54歳に対し、松田優作は40歳という役者としての絶頂期でした。
自分がガンと知った松田は、大病院に行く事なく、
かかり付けの近所の医者に、己の命を託しました。

はっきり言って、もう自分の病気をあきらめたのかも知れません。
ハリウッド映画(ブラックレイン)に、残された命を賭けたフシも感じます。

あの時も、松田優作という「男」に立派さを感じました。
そして、今、今井雅之という一人の男に、立派さを感じるのです。


先日のブログに書いたのですが、
ロシア・バルチック艦隊のウシャーコフ号・艦長のミクルフ大佐。
彼は、強力な日本軍艦に囲まれ、逃れるすべは無いにもかかわらず、
「私はロシア海軍軍人である、栄光の為に死を辞さない」と負け戦を挑み死にました。
その立派さは、日本海軍の兵士たちの心を打ちました。

そんな死は、男として憧れすら感じます。
私は、子供の頃から母親から「お前は体裁屋だね」といつも言われていました。
なので、自分が彼等と同じ様に死期を悟った時に、体裁だけでのカッコ付けでの死を迎えるかも知れません。
ですが、とても涙もろいというのも私の本質なので、
泣いてしまって、とってもカッコ悪い死に方をするかも知れません。

以前、ある知り合いの男性が亡くなった事があり、
彼の死にざまは、あまり誉められた死に方ではなかった事があります。
死んだ人は自分を弁護する事はできません。
ですので、死んだ人を悪く言うのはルール違反なのでしょうが、
あの死に方はやっぱり・・自分ではそうなりたくないと、心に思った事があります。

今井雅之・・松田優作・・ミクルフ大佐。
そんな彼等の立派な死を思うと、
人として、一人の男として、深く「死」に対する思いが胸をよぎるのです。

コメント
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