モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

好きは未来の第一歩

2023-11-30 22:20:34 | 学生


駿 高3 色鉛筆・アクリル

お鍋の季節がやってきましたね!マユカです! 〆はラーメン派です
今回は駿の作品をご紹介します。

こちらの作品は芸術系の学部へのAO入試で必要なポートフォリオに入れる、最後の作品として制作しました。アクリルで描いた背景の上に、色鉛筆で描いたイラストを貼り、コラージュのようにしています。キャラクターと背景を別に描くことで、バックは自然になり、なおかつ描きやすいという一石二鳥、またサイズもそこそこに大きな(B2)作品なので、見ごたえもあります。

背景をぼんやりとさせたので、服と同系色でありながら、メインキャラクターがくっきりとして見えますね。今回は背景のみリアル寄りにすることで、アニメのような表現に近づけました。

彼はポートフォリオのためにデッサンとイラストを交互に描いていましたが、特にイラストレーションに対する熱意はとても強かったです。
ポーズの工夫や形のとり方、バランス、頭身の比率など、イラストにおける大切なポイントなどは、押さえるのがとても速く、また模写など、自主的に描いたものを持ってきてくれたりすることもありました。少しの隙間時間でも絵を描こうとするその情熱は素晴らしいものだと思います。
その意欲が実り、先日、見事合格を頂くことが出来ました!基礎のデッサンを描いていた頃からずっと担当させて頂いていたので嬉しいです。本当におめでとうございます!これからもその好きの気持ちを絶やすことなく、たくさん絵を描いてほしいなぁと思います。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

波に誘われ

2023-11-29 23:43:34 | 大人 油絵・アクリル


小川 油彩

ここ数日の寒暖差に惑わされています、ナツメです。今回は水曜大人クラスの小川さんの作品をご紹介します!

早朝の海岸と向こうに見える日の出。明け方の密やかな空間に、打ち寄せる波の音のみが響いている情景が思い浮かんできます。逆光になっている鳥居と陽の光を映し出す水面から神聖さが感じられます。

一見静かに見える海面ですが、砂浜を覆う波には躍動感がありますね。波の泡立ちには、絵の具を多めに乗せてマチエールをつけ、変化をつけずに平坦に塗っている他の部分と差をつけることで、波が泡の立体感を引き立たせることにも一役買っています。

段々と日が昇り、緑を侵食するように明るく淡いピンク色へと空が移り変わっていく描写も素晴らしい!緑とピンクは補色の関係にあるため、二つの色を混ぜてグラデーションを作ろうとすると境になる色が濁って汚く見えてしまいます。淡く鮮やかな色同士なので混色のコントロールも特に難しかったのではないかと思いますが、青や紫などの間に入る色を使い段階的に変化をつける工夫をしているため、非常によく馴染んでいますね。

黄緑やピンクは手前の波にも使われています。カラフルなようで黄色~緑とピンク色を基調として全体的に使っているためちぐはぐな印象にはならず、統一感のある画面になりました。まだ暗さの残る中でキラキラと揺れ動いているようにも見える色彩には、閑静かつ幻想的なこの風景へ誘われているような感覚にさせられます。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆待ち遠しいクリスマス☆

2023-11-28 20:49:06 | 親子

未就園児の親子クラスから、11月の制作をご紹介します。こんなに大きなクリスマスソックスがあったら、クリスマスまでワクワクしてきますよね!赤い色画用紙に、大小の緑色の三角をバランスよく貼ると、かわいいクリスマスツリーができました。ツリーのオーナメントは、クレヨンで描いたり、キラキラシールを貼ったり、豪華なツリーになりました。白い絵の具は、雪に見立てて、丸いスポンジスタンプで表現しました。スタンプは、楽しくなってしまい大雪警報です!

最後にソックスの縁を縫うように、モールで綴じていきます。モールをねじる制作は、幼稚園生でも難しいですが、コツを掴んだようで、一人でしっかりと綴じることができました。

こちらは少し制作時間が余ったので、粘土でミニサンタとミニツリーを作りました。クリスマスソックスの制作導入で読んだ絵本『まどから おくりもの』のワンシーンを背景に撮影してみました。

クリスマスリース作りは、絵本『さんかくサンタ』に登場する三角からイメージして、サンタクロースとトナカイを作りました。オーナメントには、大小の〇△▢の色画用紙を使って、自由制作です。プレゼントは、四角と三角の組み合わせで簡単にできます。〇△▢の組み合わせで、何に見えるかな?と親子でお話しながら制作すると、まだまだ色々なアイデアがうまれそうです!(伊藤)

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

描きたい!という気持ち

2023-11-27 23:16:59 | 小学生 絵画


湊 3年 / 莉央 4年 / 空 6年

サヤカです。街はすっかりクリスマスムードに切り替わり、年末が待ち遠しくなってきました。今回は、小学生クラスの油絵を紹介します。

湊 湊の表情を見て、悠々と流れる川を眺めながら何を考えているのかな?ただ黄昏ているだけかな?と、 想像してしまいますね。元住吉を流れる渋川のようですが、建物や木の高さのパースもうまく撮れていて遠近感が伝わってきます。筆跡が残るタッチで描かれていて、水面や青空が複数の色を組み合わせて、どの部分も雑なタッチにせず、丁寧に表現されています。川と空は、どちらも同じ青色ですが、水面は光を反射して空よりも明るい色の組み合わせになっているのも良いですね!また、洋服をパッと目を惹く鮮やかな黄色(青の反対色)にすることで、画面内の主人公に注目が行きやすくなっています。画面全体の奥行き、見どころの分かりやすさに優れた作品です!

莉央 一年生から続いている莉央のユニコーンシリーズも今年で四作品目となりました。日々新しいものと出会う小学生時代に、四年続けて同じモチーフを選び、年々技術をあげ、クオリティをあげるのはなかなかできないことです。莉央のまっすぐさに感心してしまいます。今年のユニコーンは、翼を堂々と広げ、光に照らされた神秘的な雰囲気を放っています。全体は青・紫を基調としていますが、白や黄色で光を表現し、立体感をうまく表現できました。ピンクや赤などのアクセントが効いていて全体的に引き締まっていて、とてもおしゃれ!背景には、星のように散りばめられた黄色、右端には光源があり、小宇宙のようですね。描きたいものをとことん突き詰めて、表現する莉央、とってもかっこいいです!

空 愛犬とくつろいでいる様子を描いた一枚。全体的に彩度の低い色でまとめられ、落ち着いた雰囲気になっています。ワンちゃんを見つめる空の表情は柔らかく、ワンちゃんと空だけのゆったりとした時間が流れているんでしょうね。人物の表情をぼんやりと描いたり、犬の周りを緑・黄緑でまとめたりすることで中心の犬の存在感が際立っていますね。ワンちゃんの顔の陰影は、白をグレー、黒といった近い色を使いながらも繊細に表現しています。瞳と鼻先にハイライトが入れられ、リアルな生物の質感が出ています。人物の顔にも、淡黄でハイライトが入れられてるのに加え、頬にオレンジを入れることで表情が優しい印象になり、家族に向ける温かな眼差しであることが伝わってきます。

3人とも、自分の描きたいものに対して妥協せず、長期間(約4ヶ月)の制作を頑張りました!これからも、「これを描きたい!」という素直な気持ちを持って創作を楽しんで欲しいです。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

流石というしかない

2023-11-25 23:17:23 | 大人 油絵・アクリル


秦野 アクリル

今回は、秦野さんの作品をご紹介します。

青を基調に、入道雲が印象的な作品。道端に立って空を見上げた1枚の写真を元に描かれたアクリル画です。まるで見ているこちらが少年の頃に戻ったような、どこか懐かしい感覚をも与えてくれます。

暑い盛りの昼を過ぎて、日差しも少し陰ってきた午後4時頃でしょうか。
アブラゼミと、ヒグラシの声が同時に聞こえてくるような、その場の音さえも聞こえてきそうな絵ですね。
敢えて明瞭にしすぎず、どこかぼんやり描いているからこそ、見ている者が自身を絵の中に投影させ、色々な想像を膨らませることができるのでしょう。

逆光の雲の隙間、日差しを受けた真っ白な入道雲を起点に、視点は右手のアンテナから連なる建物の奥へ。標識のポールを伝いながらバス停のサインを舐めて、駐車禁止の丸い標識に。そこから上方の空へ向かい、最後には雲の様をゆっくり鑑賞する。

見ている側の目の動きまでもちゃんと意図されていて、1枚の絵を思う存分楽しませてくれるのです。

実に素晴らしい作品。流石の秦野さんというしかありません。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お休みのお知らせ

2023-11-20 22:09:14 | お知らせ

明日11月21日(火)より24日(金)まで、慶應初等部の受験直前プライベートレッスンを朝から夜まで行っている為、通常授業はお休みです。(幼児クラス・キッズ受験クラス・プレ受験クラスを抜かす)
お間違えの無いようお気を付けください。

なお、休業中はブログもお休みさせて頂きます。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

現代的な富士

2023-11-18 23:37:14 | 大人 油絵・アクリル


渥美 油彩

岩田です。本日は、渥美さんの作品をご紹介します。

こちらは、お父様の依頼で15号(652×530mm)のキャンバスに描いた富士山の絵です。画面も比較的大きく、とても立派な富士山が正面にそびえ立っています。

青を基調にした色彩の中に、手前には芽吹き始めた木々が。冬の寒さがまだ少し残りつつも、春先の澄んだ空気を感じられるような美しい色調で描かれています。

富士山といえば、富嶽三十六景を始め、昔から日本では代表的な絵画のモチーフですが、浮世絵の影響を受けたゴッホなど、海外の作家も自身の絵の中に富士山を描き入れたりしているのです。富士山という山の存在感、その均整のとれたかたちなどに描き手も魅了され、それぞれの捉え方で様々な絵画が現在まで生み出されてきました。

とはいえ、私よりずっと若い世代の方が富士山を描くというのは、もしかしたら珍しいのかもしれません。一昔前にあった古くさいイメージの絵ではない、どこかサラッとしていて現代的な富士山がここにはある気がします。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

透き通る視線

2023-11-17 21:53:57 | 大人 油絵・アクリル


山田 アクリル

大竹です。今回ご紹介させていただくのは、山田さんのアクリル作品。フクロウの写真集をもとに制作されました。

大きな瞳が印象的な1枚ですが、覗き込むとハイライトから瞳の水晶体に映り込むものまでが細かく描き込まれているのが分かります。下の絵の具を隠蔽する力が強いアクリル絵の具では、半透明なものを描く事が難しくなりますが、そんな中でうるうると濡れた質感がよく表現されていますね。森の賢者とも呼ばれるフクロウですが、この大きな瞳も相まってこのフクロウはなんだか子供の様な無垢さも感じられます。
羽毛の折り重なった繊細な描写も素晴らしいです。一本一本の毛先まで繊細に絵の具を重ね、触った時の感触までもが伝わってくる様!オレンジや茶色など濃い色を先に塗り、段々と薄い明るい色で筆の毛先を使って塗っていく事でアクリルでの細かな描写が可能となります。
また、透き通る瞳、フワフワの羽毛に続いて嘴の硬く艶やかな質感の描き分けもお見事です。隅々まで観察し、丁寧な仕事が行き渡り、作者の制作に対する真摯な姿勢が伺えます。油彩やアクリルは幾らでも加筆出来てしまうので、永遠に描き続けていられますが、描き続ける(絵に向き合う)気力や体力も必要となり、山田さんはその両方が備わっている方だといつも尊敬しております。

背景の色合いも美しく、ただ暗闇にするのではなく、青や緑が浮かび上がる様なグラデーションで作られています。周りに形ある物は描かれていませんが、観る人は夜の森の静寂な雰囲気が感じられる事でしょう。フクロウそのものの描写も素晴らしいですが、この背景の色選びもとてもセンスが良いですね!これからの作品も楽しみにしています。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

黒インクから生まれる躍動感

2023-11-16 22:48:56 | 大人 パステル・色鉛筆・他


佐藤M ペン画

マユカです!今回は佐藤さんの作品をご紹介していきたいと思います!

軽やかに駆けていく馬の姿、ふわりと宙に舞う尻尾と後ろ足がその躍動感を美しく見せています。パカラッと軽快でリズミカルな足音すら聞こえてきそうです。
今回の作品は半年前にご紹介したアクリル画とは打って変わって、ペンのみで乗馬の風景を描かれました。ハッチングなどで繊細に陰影を描写し、眩しい太陽光に溶けるように光に当たった部分を白飛びさせた為、競馬ウマの体重500㎏の重量感を出されるのに苦労されました。踏み込んだ足の力強さや、その筋肉のたくましさを見れば、その重さや力強さが伝わってきますね。

スケッチのようにさらりと書かれているように見えますが、どの個所を見ても細かに描写されており、馬は勿論のこと、上にまたがる人間もよく見れば服のシワや横顔の曲線の美しさなど、馬に引けを取らないクオリティで描写されていることが分かります。お互いに同じ進度で描き切られているために、絵として浮いたりせず、その場の雰囲気や空気感をより現実的に感じさせてくれるようです。同じくらいの完成度、というのは簡単なように見えて意外と難しいんですよね。
また、絵の重心が一点しかない馬の左足で支えられているという、不安定な構図をしているため、見ている人たちは少しのスリルをもってこの作品を見ることになるでしょう。このスリルが、絵をより印象深くさせてくれるのです。

色は付いていなくとも、その構図と時間をかけた描写によって、魅力あふれる一枚へと昇華された今回の作品。ペン一本でここまでの表現ができるのは、佐藤さんのデッサン力の高さと、光の扱い方が美しいためであると感じました。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遊び心を加えて

2023-11-15 22:12:33 | 大人 油絵・アクリル


増村 油彩

新しい手袋が欲しいです、ナツメです。
本日は水曜大人クラスの増村さんの作品をご紹介します。
下地にジェッソを塗って厚みを出した上に、元々描いてあった油絵を潰して描かれたので、かなりマチエールが効いています。空ひとつをとって見ても、色のみに注目するととあまり変化のないように見えますが、画面の凹凸によって同じ色が置いてある箇所にも表情の違いが生まれているのが面白いですね。

ちなみに、キャンバスはP8サイズですので、よく見るFサイズのキャンバスよりも横長になっています。パノラマサイズの風景を描くのに適した比率です。

MMarine (海景)
Paysage(風景)
Figure (人物)
Square (正方形)

MSの順でキャンバスの短辺が長くなり、面積が大きくなります。

マリンブルーや、海に映る色をどのように表現するかに、かなり長い時間掛けて試行錯誤されていました。右にいくにつれて暗くなっているため、コントラストが強くなり建物との風合いが強調されています。元の建物はベージュや白などの落ち着いた色だったのですが、色で遊んでみたいと全体的にサーモンピンクのような華やかな色合いにされました。また、川に面している壁は鮮やかに描かれていますが、影となる側面はピンクを暗くしたような紫や茶色ではなく、群青に近いブルーや緑を乗せているところにも遊び心を感じます。

今回は細部まで描き込むのではなく、色合いを調節しながら全体の雰囲気を意識して描かれました。遠近感や水の映り込みなど必要な部分は押さえつつも、敢えて窓などの小さなパーツはぼかすことで、風景を空気感ごと切り取って収めたような「景色」を描いた作品になりました。

コメント (3)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

朗らかに

2023-11-14 23:03:28 | 小学生 絵画


写真左上は、欠席が続き未完成の子の作品。この写真だと分かり辛いですが、蛍光オレンジとピンクで肌・髪を下塗りしています。(この子はノースリーブなので、肩まで下塗りしました。)

サヤカです。先週は暑さすら感じましたが、ここ数日一気に冷え込みましたね。今回も引き続き小学生クラスの自画像を紹介していきたいと思います。技術面のことは、他の先生方が書いてくださったので、私は心理学科で学んだことを活かしたお話をさせていただきます。

今回の自画像は【歯】をしっかり描くために笑顔の写真を撮りました。どの作品も明るく、朗らかな印象があります。
では、人の印象はどのように決定されるのでしょうか?まず、相手と対面した時に、性別や年齢などからカテゴリー化し、次に性格から個人ベースで印象を形成していきます。

この時、笑顔というのはとても魅力的な要素となります。印象が良いと、人柄以外の知的さや健康さもよく映ります。

ただ、人間の認知はものさしのように真っ直ぐな基準は存在しません。人それぞれ歪んだ基準を持っています。また、その基準自体も直前に聞いた言葉に影響されたり、自分にとって望ましくない情報を無意識に重視することもあり、常に曖昧なものです。

過去に経験したことの積み重ねで、認知は形成されていきます。ミオスでスタッフとして働くと、経験や予備知識が少ないからこその子どもの素直な発想にいつも驚かされます。私自身も、子どもたちにとっても、自分のものさしを大切にできる場所になることを心掛け、また他者のものさしも理解し受け入れられる人間になれるよう、これからも日々精進します!

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

先輩への憧れ

2023-11-13 23:49:48 | 小学生 絵画

オバラです。10月20日の大竹先生のブログで、学生クラスの『辰年の掛け軸』の授業の様子をお見せしましたが、学生達が取り組み始めて2週間が経ち、壁中に中高生の激ウマな掛け軸が増えてきました!下書き無しの一発描きで気合を入れた躍動感あふれる龍やドラゴンに、大人クラスの生徒さん達から感嘆の声も聞こえてきます。私も唯一無二のオリジナリティーに「うちの子達マジ天才!」と鼻高々です!

龍は干支の中で唯一空想の生き物ですから、基本自由であります。とは言え、角は鹿・耳は牛・首は蛇・手足は鷹など、一応それっぽく見えるパーツは押さえておかなければ、「紐に目と口」になってしまう可能性も。
2年前に行った小学生クラスのカリキュラム【オリジナル鳥獣戯画】でも、「相撲をしていてもウサギらしさ・カエルらしさがなくてはいけない」という制約がありましたが、最初にひたすら鳥獣戯画の模写をしてから、スポーツカーを運転するサングラスのウサギを描くから、リアリティーが生まれるのですね。

とは言え今回は、画家の龍や先生のお手本を真似させるのはつまらないなぁ…と頭をひねり、学生に先に同じカリキュラムをやってもらうことを思い付きました。す・る・と、どうでしょう!こんなに素晴らしい参考作品の数々に囲まれ、小学生達も羨望の眼差し!「僕も中学生になったら、こんなに上手になれるの?」「この人の龍、格好いい!私の先生になってくれたらいいのに…」と、食らいつくように模写し始めました。先輩から教わるのって、なんでこんなに説得力があるのでしょうね?
さぁ小学生の描く墨絵の『龍』、どんなふうに仕上がるのでしょうか?期待で胸が高鳴ります!

追伸 大人クラスの方も、良ければチャレンジしませんか?学生と勝負しなくて良いんですよ。(どうせ負けますからw)書道のつもりで制作すると、新鮮な制作意欲が湧いてくること請け合い!

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めての画材を使って

2023-11-11 00:43:36 | 大人 パステル・色鉛筆・他


小嶋 模写 水彩色鉛筆・色鉛筆

岩田です。今日は寒かったなー。本日は、小嶋さんの作品をご紹介します。
こちらは、絵ハガキを模写したものですが、2匹のヒヨドリ?が赤い実をつばんでいる様子が可愛らしく描かれていますね。

小嶋さんは、入会後、最初に描く基本的なデッサンを終えて、初めて色を使った作品に取り組みました。色鉛筆や水彩色鉛筆を駆使し描かれた作品ですが、色をしっかりと乗せ、メリハリある誠実な印象の作品に仕上がりました。

水彩色鉛筆は、色をそのまま塗ることもできるし、上から水を付けた筆でぼかしたり、色同士を混色するなど、工夫次第で表現の幅が広がる描画材だと思います。

今回は、鳥や植物などは色鉛筆で、主に背景に水彩色鉛筆を使って描いていますが、モチーフを描く際にも水彩色鉛筆の特性を活かし、遠くにいくに従ってぼかしていけば、画面の中にも更に空間が広がって、オリジナリティ溢れる作品へと昇華していくことでしょう。

初めて使う描画材で、ここまで描いたことは作者にとっても自信になったことと思います。今後も色々な素材にチャレンジしていって下さい。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

釣り名人を目指して

2023-11-10 12:27:27 | 小学生 絵画

大竹です。急に冬が来たようですね、うっかり半袖で外出して後悔しております。
さて、小学生クラスの自画像の授業の様子&作品紹介が続いておりますが、今回はミオスのカリキュラムの「ねらい」について書かせて頂きたいと思います。

学校の授業の全てには、教育目標(子供達に達成させたい目標)が設定されています。中学・高校の学習指導要領(国が定めた学校の授業の内容や目標がまとめてある、先生の教科書のようなもの)では美術教育の目標に

第2章 各教科 第6節 美術
第1 目標 表現及び鑑賞の幅広い活動を通して,美術の創造活動の喜びを味わい美術を愛好する心情を育てるとともに,感性を豊かにし,美術の基礎的な能力を伸ばし,美術文化についての理解を深め,豊かな情操を養う。

とあります。国は美術を通じて、豊かな心を養う事を目的としています。引用元は中高の美術の目標ですが、小学校の図画工作でも同じ事が言えるでしょう。

ではミオスではどのような教育目標があるのでしょうか?豊かな心を養うことはもちろんですが、ミオスでは更に”生きる力”を身に付ける事を目標にしています。(と、ミオス暦18年の私は思っております)
出来ない事、難しい事があってもすぐ諦めず取り組めるか。先生だけでなく、周囲の友達に助けを求められるか、また助けてあげられるか。失敗してもヘコたれず、「ちょっと直せば誤魔化せる!全然大丈夫だ!」と立ち直れるか。子供の内から沢山失敗を経験し、それに対処して行く事は、やがて社会でも必要になる力となるでしょう。ミオスでの制作を通じ、世の中を生きていく力を養っていって欲しいと思い日々指導させて頂いております。

また、必ず答えがある数学などの他の教科とは違い、美術の制作では答えが一人一人違います。ミオスでは1年生から6年生までが同じ授業を受けますが、学年によっても出来る事が違うのでそれぞれに達成目標があります。今回の自画像で言えば、1〜2年生は顔の輪郭をただの丸ではなく、顎の尖りや楕円の形を描ける様にする・肌をペールオレンジだけではなく、他の色も使って混色ができる様にするなどがありました。高学年になると出来る事も増えるので、顔の立体感や皮膚のシワを細かく観察し、顔のパーツのバランスや肌の影の色合いをより自然にするなど難しい部分まで追い求めていきます。
思えば、美術ほど全学年が同じ内容で授業を受けられるものはないですね。(後は体育でしょうか?)同じ学年の友達だけでなく、他の学年の子や作品と触れ合えるのも日々良い刺激となっているのでしょう。

中国の格言で『授人以魚 不如授人以漁』というものがあります。 「人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣り方を教えれば一生食べていける」という考え方です。まさに教育そのものを表している言葉だと思います。難しい所を変わってやってあげれば、作品自体はは完成します。しかし、そのやり方が出来ない・分からないままでは、何の意味もありません。ミオスの子供たちが将来一生食べていけるほどの釣り名人になれる様、我々も頑張って行きたいと思います!

 

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よりほんものらしく

2023-11-09 22:43:06 | 小学生 絵画

少し寒くなり喉を傷めてしまいました、マユカです!本日はナツメ先生に引き続き、小学生クラスの自画像をご紹介していきたいと思います!

子どもたちの個性が光る自画像の数々、顔を際立たせるために使われた蛍光色により色鮮やかで、一枚ずつ見ても、全体的に見ても楽しい気分になりますね。

子どもたちに自画像を描いてもらう上で、気を付けてもらった点が2つほど。

まず、歯や口の中を描いてもらいたくて、なるべく笑顔に描いてもらいました。明るい表情は、活発な印象を与えます。子どもたちの無邪気な笑顔が眩しいですね~!
開けた口を描く時のコツとしては、口角に黒を入れて引き締め&深く穴が開いているように見せる事。と教えました。これによって、表情がかなりキリっと感じます。顔の凹凸による影などのおかげで、はっきりとした表情になり、元気いっぱいな仕上がりになっていますね。

また、汚くなってもいいから、色を重ねて混ぜて影の色を工夫する事や、薄く軽く何度も何色も重ねる事。(クレヨンは強く塗り過ぎると色が乗り辛くなるから)…と口酸っぱく言いました。表皮に透けて見える動脈は紫、静脈は緑に見えます。血色があるからこそ1色では表現しきれない複雑な肌の色は、クレヨンのうすだいだい一色で描いてしまっては、能面のようになってしまうので、皆、黄色や赤、青っぽい色を薄く塗りました。頬や目元の影も血色を意識したダークカラーを使ったため、立体感に加え、暖かみも感じられます。

自画像はかなり自分の主観が入ってくるものです。目が大きくなってしまったり、パーツが気に入らなかったり…。アニメや漫画に触れて過ごしていたら、鼻や唇などの基本パーツも、リアルとは違いかなり悩んでしまう気持はとてもよくわかります。(子どもたちの見るアニメや漫画の多くは、鼻の形は【く】、唇はないので。)
より本物らしく自画像を描くためには、色も形も表面だけを見るのではなく、肌の下の筋肉や血管、骨まで考えて描いていくことで、実際の顔そっくりに近づきます。もちろん自画像だけでなく、飼っているペットなどの動物や、剥製だったりでも、意識することでさらにランクの高い作品作りが出来るようになるのです。是非見えない部分まで頭で想像しながら、描いてもらえたらなと思います。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする