モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

遊びから作品へ

2022-02-28 21:04:25 | お知らせ

火曜・親子クラスから、2月に制作した作品をご紹介します。先週制作した写真左の作品は、もうすぐ桃の節句ということで雛人形です。柔らかくてとても良く伸びる粘土を使いました。制作前には、粘土がどれだけ伸びるかお子様と私で競争!ナント3歳の身長と同じ位の長さまで伸びましたよ~!ぐ~んと伸ばした後は、丸めてみたり、叩いてみたり、握ってみたり、色々な方法で粘土を触ってみて、形の変化を楽しみました。粘土遊びは無限に広がってとっても楽しいです!雛人形の体型は、粘土遊びの延長で作る気に入った形で決めました。丸くても可愛いですし、スラッと細身の体型も良いですね。制作者によって、雛人形の体型が変わるのも粘土の良いところです。そしてヘアスタイルがユニーク!男雛は、最新ヘアスタイル??紫・緑・水色のヘアカラー。斬新な雛人形となりました!

写真中央は、ボールに絵の具をつけて、斜面を転がして絵を描く造形遊びです。ボールを転がすスピードを変えても楽しいですし、赤・青・黄の絵の具がだんだん重なり合って、新しい色が増えていく発見があります。

写真右の作品は、2月前半に制作しました。最近は梅の花も咲き揃って、春が来た感じがしますが、数週間前は雪景色の日もありましたね。雪色の白い絵の具を丸いスポンジにつけてポンポンと画用紙にのせると、空からチラチラと雪が降ってくるイメージになります。スタンプは楽しいので次々にポンポンつけていくと、あっという間に雪景色。雪だるまも丸いスポンジを使って、ステンシル方式で描きました。

2~3歳未就園児対象の親子クラスは、このように色々な材料や画材で遊びながら作品へと導いていきます。ご参加方法は、単発参加でも継続参加でもOKです。随時体験ご受講も承ります。(Eri Ito)

3月の予定 8日(火)・22日(火)10:30~11:30

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アイデアをエネルギッシュに

2022-02-26 18:06:52 | 大人 油絵・アクリル


松尾 油彩・カシュ―漆・木・紙粘土

今日は少し暖かいですね、岩田です。動画での作品紹介-第六弾です。
松尾さんの動画での作品紹介、なんと2回目!12月18日のYouTube初回の時にご紹介させて頂いてから、すでに2枚も描き上げてしまったという事!
もちろんご自宅でも制作されているとはいえ、普通に社会人をしながら夜間や休日にここまで取り組めるとは、なんてバイタリティーのある方なのだろうと思います。だからこそでしょう、作品からも圧倒的なパワーを感じます。
カシュ―という漆に近い素材(カシューナッツの樹脂から作られた絵具)を併用する混合技法ですので、素材のインパクトもありますね。木や粘土で盛り上げたり、ニードルで支持体のパネル引っ搔いて削ったり、足し引きの効果が楽しく、近付いたり離れたりで全く違った絵に見えるのも面白い。
見る人を楽しませようとするアイデアが素晴らしいです。

ユーチューブでは、カメラに近付けて細部を見せたり、傾けて厚みが見えるようにしているので、ぜひ沢山の方にご覧頂きたいです。YouTubeはこちらをクリック
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コロコロおひなさま

2022-02-25 19:25:46 | 幼児



大竹です。幼児クラスでは、ひな祭りに向けてお雛様のお絵描きと張り子人形制作を行いました!
お絵かきの方では、普段は肌をペールオレンジで塗り、お目目はまんまる、口はしっかり…と描いていきますが、今回お雛様達はお化粧をしているので白い肌、目はほそ〜く糸のように、口はおちょぼ口、といったように昔の人らしい顔つきで描いていきました。十二単の着物の色も、クレヨンの色全てを使うがごとく沢山の色を使用しています。二人の着物の色は自由に選択しているので、一人一人違った色合いの、カラフルで華やかなお雛様たちが並びました。



そして、ころんとしたフォルムが可愛らしい雛人形たちは、丸めた新聞紙に色とりどりの紙を貼り付けていき、そのまま乾かして固めて作ったなんちゃって張り子です。(本来の張り子は、中の型を取り出し空洞にします)強度は十分で、うっかり落っことしても大丈夫!色々な紙を重ねているので、その色合いがまた美しいですね。1週間じっくり乾かしたら、いよいよ顔や飾り付けです。顔は1週目で練習した細目やおちょぼ口を描き、扇や笏も1つ1つ作って持たせてあげたら、おにぎりよりも少し大きいお雛様達の完成です。職人さんが作った立派な雛人形も良いですが、こうした手作りの雛人形も温かみがあって素敵ですね!

おまけ 乾燥中の顔が着く前のお雛様たち。なんだか未知の生物の卵のようで、これはこれで可愛らしいですね!

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個性の出どころ

2022-02-24 20:43:34 | 小学生 絵画

週の真ん中の祝日で曜日感覚がゼロになっています、ホノカです!
今回のブログも引き続き小学生クラスの日本画をご紹介していきます。水辺の青と花の白い部分の次は、葉と花の色味を塗っていきましょう!そろそろ生徒たちも日本画の絵の具に慣れたのか、グラデーションやぼかす様な塗りが上手く取り入れられていますね。

葉の緑は写真のように同じ色でもたくさんの種類を用意して塗ることで、葉の光や影だけでなく、少し枯れた感じや遠近感の表現も可能になっています。水の青を塗る際には岩絵具を4色程用意して塗りましたが、葉には水干も使うことで鮮やかな色味が足されていますね!また、葉を塗る時も青を塗った時と同様に筆を洗わない!ということを約束し、黄色などの明るい色から塗り始めます。そうすることで、色が複雑に混ざり合う自然な葉の色になっています。意外と葉の緑には個性が出ている感じがしませんか?

そして、花の赤やピンク、紫の部分を塗っていきます。あらかじめ塗っていた胡粉の白がベースになっており、花の色が映えています!花びらもただ一色に塗るのではなく、花びらの脈を意識した線で塗ることで単調にならず、日本画らしい雰囲気にもなっています。低学年の生徒たちは花びらの重なりがある部分の前後関係を描くのが難しく、白を塗った時点では全体が一つの塊のようになっていました。ですが、ピンクだけでも2、3色で花の色を入れることで影になっている部分も描けています。

葉や花に色が付いたことでいよいよ完成が見えてきましたね!一口に日本画といっても作品の完成形は様々です。骨描きの線がちらりと見えていたり、花びらや葉がストライプ模様のようになっているものも普段描いている絵とは違います。ですが線が特徴なのも日本画ならでは!普段と違う絵を楽しんでください!

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捉えた一瞬

2022-02-23 21:22:37 | 学生


波那 中1 岩絵具・銀箔/パネルに和紙

出不精すぎて結局冬服を一着も買わずに終わりそうです、ナツメです。先週に引き続き学生クラスの日本画を紹介します!

今回ハナが描いたカワセミには水辺で長い間待ち構えて、ここだ!という一瞬を切り取ってきたような力強さを感じますね。平らな水面から跳ねた水や広げられた羽までとても生き生きと描かれています。細い線を何本も重ねて丁寧にカワセミの毛の部分を描き、大きい白い飛沫はほとんどシルエットに近いくらいアバウトに表現しているため、色としては1番目立ってしまう白の情報量を主役のカワセミよりも抑えています。そしてこれでもかと散らされている水飛沫ですが、実はなんとこの一つ一つに銀箔が貼ってあるんです。本当に小さな水の粒が光を浴びて輝いているように見えるような工夫も素晴らしいですね。

体がやわらかく表現されている分、キュッとしたクチバシの鋭さも更に魅力的になっていますね。カワセミのクチバシは全体が黒いのがオスで、メスは今回描かれているように下半分が赤くなっているそうです。絵に使われている色にもよりますが、今回は目元と合わせて体の色と似た暖色が入っていることでより引き締まった画面になったため、(本人はそこまで狙っていないかもしれませんが)個体を選ぶところから成功しています!資料選びから絵作りは始まっています。ぜひ次からも吟味して集めてみてね!

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なんだか懐かしい景色

2022-02-22 22:26:53 | 大人 水彩


釘宮 透明水彩

花粉の気配を感じます、一平です!本日は日曜クラスの釘宮さんの水彩をご紹介します。

温泉街の旅館のような暖かい雰囲気があるこちらの一枚、日本人のDNAに刻まれているのでしょうか、行ったことも無いのになんだか懐かしい気持ちになります。
街並みは暖かい色で統一し奥の山々は冷たい色を置くことで絵に奥行きを与えています。暖かい色だけだと画面がもったりとしてしまいがちですが、奥の山に冷たい色を置く事で締まりが出ていますね。実は山や旅館の屋根を含めると絵の半分くらいが冷たい色なのですが、絵全体を見てみると凄く暖かく、安心する印象を覚えます。また「暖かさ」がなんとなく街の活気をも感じさせてくれるような気さえします。
もちろん雰囲気だけではなく建物のパースや真ん中を流れる川の奥行きなどの基本的な技能も素晴らしいです。建物の細かい柱や屋根の部分もよくここまで絵の具で描き切ったな
と衝撃です。僕だったら下書きの時点で鉛筆でちょっと誤魔化してしまいそうなところを、しっかりと最後までやり切っています。主役である橋の真ん中に灯るライトも演出として凄く綺麗ですよね。
また、旅館や石畳の道、流れている川など全てが暖色でまとめているのにも関わらず全体がごちゃごちゃとしていない、そして奥に行くにつれて後退色である山の青に繋がっていく色彩計画もバッチリです。

色のコントロールからさまざまな感情を想起させるこちらの一枚、なんだか見れば見るほど惹き込まれます!

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挿絵やイラストの仕事、承ります

2022-02-21 23:23:28 | 学生


陽飛 中2 岩絵具・顔彩/パネルに和紙

オバラです。こんなにご機嫌な日本画を、どなたかご覧になった事はありますでしょうか?私はありません。
いつも陽気で明るいハルトの人柄がそのまま表れているかのようなこちらの作品、飾った部屋をお洒落な雰囲気にするだけではなく、見る人を明るく前向きに、リラックスさせる効果がありますね。軽快なリズムがある構図、ほのぼのとやわらかで優しいハーモニー奏でる色彩センス、肩の力が抜けるようなゆったりとした時間を感じられます。ボサノバが聞こえてきませんか?

しかしこの作品の凄いところは他にあります。なんと資料は一切見ずにこの絵を描き上げました!(『花屋さん』の英語と『ブレッツェル』のドイツ語のスペルだけは、隣の高校生の先輩に聞いていた。)
石畳のパースも、看板の細工も、散歩の犬も、屋根の上の猫も、お買い物中の女性も、遠くの遊園地も、一瞬で描いてしまう恐ろしい才能!
どなたか仕事ください!何も見ないで、なんでも描けます、この子!

まぁ、強いて難点を言うと、胡粉で描いた白壁が印象的ですが、胡粉を一生懸命時間を掛けて作ってあげても(先週の帆花先生のブログの作り方参照)「そんなこと知ったこっちゃない」とばかりに、惜しげもなくジャンジャン使ってしまう、というところでしょうか。まぁそのマイペースさも魅力なんですけども。

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透明水彩で様々なものを。

2022-02-19 23:37:05 | 大人 水彩


殿山 透明水彩

土曜日の岩田です。今日は多摩美・武蔵美の合格発表でした。元ミオスの学生達は皆、ご縁を頂いたようでホッとしております。残すは藝大ですが、浪人生たちもいますので、良い報告が来るよう祈って待っております。

さて、土曜午前クラスに通われている殿山さんの作品をご紹介します。
殿山さんは、一貫して透明水彩で様々なものを描かれています。
時に風景、時にリアルなモチーフ。そして今回掲載したように、娘さんも度々登場するのです。生まれて間もない頃から現在まで成長の記録をつぶさに拝見させて貰っています。お父さんの愛情を感じざるを得ませんね。

まるでチアガールのような出で立ちでポーズをとる姿がとても可愛らしいです。
絵の具の扱いも、以前とは比べ物にならない位思い切りが良くなっています。今回の絵では衣装よりも特にボンボンの描き方がとても良いなと感じます。彩度の高い色使いと筆のさばき方がそのモノの軽やかさを上手に表現しています。
とはいえ、大事な顔の表情こそが一番素敵に描けているのは言うまでもありません。

左手の作品は喫茶店のテーブルに置かれたクリームソーダ。
良く見るとグラスには「不純喫茶ドープ」と書かれています。お聞ききしたところ実際にこのお店があるとのこと。こうしたモチーフを選ぶのも殿山さんならではだと感じます。
画像では中々伝わりづらいのですが、器に注がれたソーダの抜けるような青がとても美しく描かれており、中に含まれた気泡もちゃんと表現されています。
今見ると背景の明度を更に落とすことで、アイスクリームの白がより映えたかもしれません。

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厳しい寒さの下で

2022-02-18 22:24:04 | 学生


明日菜 中1 岩絵具・銀箔/パネルに和紙

3月も近付いてきたのに、ますます寒さが厳しくなってきたように感じます。大竹です。今回ご紹介する学生クラスの日本画は、厳しい寒さの中でほっこりするような1枚となっております。
雪の中、小枝の上で身を寄せ合う二匹の雀の、寒さで羽毛も膨らんだ姿がとても可愛らしいですね。ぶるりと身震いし、体に降り積もる雪を振り落とす動きまで見る人に想像させてくれるでしょう。背景の白く霞んだ景色には、下地に青色が入っており、そこから百叩きをした胡粉(作り方は昨日の帆花先生のブログを参照)を塗り重ねています。所々塗りムラがあり、白の濃さがまばらになっているのも味わい深いですね。
ふっくらとした雀の毛並みも、細い筆で1本1本生やしていき、色味も少しずつ変化させており丁寧な仕事ぶりが伺えるかと思います。その分、枝は細かい描写は抑えシンプルに画面を横断させる事で、画面全体にメリハリを効かせています。銀箔の使い方も良いですね、曇り空の下の僅かな光を雪が反射している様です。

普段は「こんなにおしゃべりしてて、ちゃんと完成するのかしら?」とこちらが心配してしまうほどのおしゃべり大好きさんですが、毎回きちんと仕上げているので器用だなぁと常々思っております。楽しく制作して貰えるのは絵画教室としては大変嬉しい反面、一度でいいから彼女が息を止めるかのごとく集中して制作した作品にもお目にかかりたいな、とも…笑

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日本画って楽しい?

2022-02-17 21:33:25 | 小学生 絵画

冬も佳境に入り自身の寒さ耐性が上がっているのを感じます。この耐性が来年に引き継がれたらいいなと毎冬思います。ホノカです。
今回も小学生クラスの日本画をご紹介します!これまでのブログでは水張りや、下塗り、骨描きを見ていただきましたが、今回からいよいよ着彩の工程に入ります。

まずは、水辺の青からです。
今回水の部分には岩絵具を使用しています。ですが岩絵具は基本的に混色できません。なぜなら、岩絵具は粒子の大きさが絵具の種類によって異なります。なので、異なる種類を混ぜて理想の色を作っても、乾いた際には粒子の軽いものが表面に浮かんでしまうので理想の色にならないのです。そのため、今回は青の岩絵具だけで4〜5色も使用しており、水の深い浅い、花の影の暗さ、空の色が反映など、幅広く表現できます。
この混色できないので岩絵具は数を揃えねばならない、という性質も日本画の難しいポイントですね。

次に蓮や睡蓮の花を胡粉(ごふん)で塗っていきます。胡粉は、牡蠣の貝殻を細かくすりつぶして作られた日本画の白色絵具ですが、絵具にする時は岩絵具と違い、大変手間の掛かる『百叩き』という作業が必要になります。
①乳鉢で細かく擦り膠を混ぜる
②白玉だんごを作る要領でこねる
③耳たぶ位の硬さになったら、ひとかたまりに丸めて、お皿に叩きつける
④これを100回繰り返す
胡粉は鉱物ではなく動物性炭酸カルシウムの為、これをやらないと粒子がバラバラでざらつく原因になってしまうのです。使う時は、練った団子から使う分だけちぎって、膠で描きやすい粘度まで溶かします。余った胡粉は密封して冷蔵庫で保管し、膠が腐る前(1~2週間くらい)に使いきるようにします。胡粉はなんと、牡蠣を10年間屋外にさらしたものを砕いているとのことで、人工的な純白とは違うこっくりとした自然の白さがあります。私も学生クラスに在籍していた頃に、胡粉で蓮の花を描いていたのですが、水辺の青い景色の中に胡粉の白さが映え、とても綺麗に描けたと未だに感じています。

このように日本画は手間もかかり、普段使っている水彩絵具などとは使い勝手も全く異なります。ですが、岩や砂の質感、胡粉などにしか無い色合いなど、いつもとの違いを楽しめるのも日本画の特徴ではないでしょうか!ちなみに私はアトリエで描いた自分の日本画が気に入りすぎてずっと部屋に飾っています。今見ると未熟な部分も多い作品たちですが、日本画らしい雰囲気が絵をいい感じに見せてくれて好きなんです(笑)
小学生のみんなも徐々に完成が近づいています!完成したものが飾っていたくなる作品になるといいですね!

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試行錯誤の末に

2022-02-16 23:50:02 | 学生


莉紗 中3 油彩

絶賛春休み中なのですが段々と曜日感覚がなくなってきました、ナツメです。今回は木曜学生クラスの莉紗の作品をご紹介します!

優しくフクロウを抱きかかえている女の子の油絵。何を思っているのでしょうか、突き出した唇がとってもチャーミングです!見つめられていることに少し困惑しているようなフクロウの表情も絶妙です。背景を暗めの緑にすることで赤茶のフクロウや明度の高い女の子の顔が引き立ち、そして森の中にいるような(!?)雰囲気も出ています。どこも少しずつ色を変えて塗っているのですがフクロウはざっくりと大胆めなタッチで描き、背景はそれよりも少し細かく塗って服は更に少しずつといったように筆遣い一つを取っても大きく変化をつけているので、密度やボリュームといった質感の差を感じる絵になっています。パーツが下に集まっている子どもの顔のバランスや手、唇に苦戦していました。衣類やフクロウなどの他の部分と比べて肌は質感や色を表現するのが難しく、それに加えて少し強めに立体感を出さなければ幼い子ならではのふっくらとした体型を描写しきれないため、四苦八苦したことでしょう。特に手など、自分が納得するまで何回も何回も描き直した根性に感服!純朴であどけない空気感までもを描き切りました。今後の制作の壁にもその粘り強さを武器に立ち向かってほしいです!

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2人の女性

2022-02-15 23:42:51 | 大人 デッサン


竹永 鉛筆

学外展無事終了致しました、一平です!本日は日曜クラスの竹永さんのデッサンをご紹介します。

写真を参考にしながら描かれたこちらの2枚、どちらも寝そべっている女性の絵ですが、左は優しい笑顔の朗らかな雰囲気、右は強いライティングが当たり、グッとこちらを見つめている力強い雰囲気で、並べて見てみるとその2枚の差異が面白いですね。
左の女性は全体的に柔らかいトーンでまとめられ、日光を浴びているかのような暖かい印象を覚えます。シーツの上や草むらに寝っ転がっている様にも見えますね。
右の女性は強くハッキリとした光を当てることで、頬のラインがしっかりと見え何にも屈しない逞しさを感じます。強い光を感じるのはしっかりと暗い影があるから、とたまに生徒さんにも言いますが、この右の絵はそのお手本の様な作品です。しっかりと髪の毛や背景の上部に暗さを持ってくることで肌の明るさが際立つのです。受験生がやる様なデッサンではあまり見られない光量ですが、しっかりと黒を付けられずに絵がやわやわになってしまう受験生に見せてあげたい作品です。

普段は絵を描く際の基礎、練習としてやる事が多いデッサンですが、かの有名なダヴィンチのデッサンは13億円の価値がついたそう。つまり油絵や日本画などと同じくらいまだまだ奥が深いということ13億とは言わずとも、練習としてではなく、作品としてデッサンを学び深めていくのも、解答が決まっていない美術の世界では1つの正解と言えるでしょう!

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風の流れ・時の流れ

2022-02-14 23:12:14 | 学生


健一郎 高2 岩絵具・透明水彩/パネルに和紙

オバラです。本日紹介する健一郎、中2の時に入会したのでまだ4年の付き合いではありますが、もっと長く一緒にいる気持ちになるのは、数少ない「私に意見できる人間」だからでしょう。
絵を見れば彼がどれだけ知的な人間か分かるかと思いますが、いくら頭が良くてもそうそう私に意見を言えるもんでもないのは、生徒の皆さんなら頷いてしまいますよね?
そう、彼は私を全く恐れていない。知識はどんな理不尽な恐怖にも打ち勝つ武器であると心得ている。ペンは剣よりも強し=言葉は暴力に勝る。そんな彼の姿勢が、私に「ねぇねぇ、健一郎ならどう思う?」と意見を求められてしまう存在になっているのです。
(絵画教室で理不尽な恐怖や暴力がはびこるっておかしくない?しかもそれ先生がやっちゃってんの?…猛獣使いの方、早く退治に来てください!)

さて、絵の解説を本人から。
「仏・モンサンミッシェル大聖堂の北へ位置する列柱廊。かつては修道僧の瞑想の場だった。」
神聖な場所に中庭から流れ込む風や、ここに流れた時間を表現しようと、水晶の粒子などの白を使って風化したような空気を描きました。罪や穢れをここで懺悔し、悩みや苦しみを包み込んでくれるような空間に思えます。岩絵具でなければこのような演出はできません。洗練された作品だと思います。

こんな場所を日本画に選ぶこと自体、もう賢そう!さすが私のコンサルタント!
「もうすぐ高3、お別れの時が迫って来たねぇ。」と言ったら、「え?辞めませんよ!卒業するまでずっと来ますから。」と嬉しい言葉が。私から求められる能力は多岐に渡りますが、いずれも高いレベルで答えを出してくれる頼もしい男に、今後も期待しております。

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受験ノ心得

2022-02-12 21:25:01 | 美大・美術高校受験生作品

アトリエは3連休中ですが、岩田です。
来週の火曜15日が神奈川の公立高校の受験日なので、直前講習を開いておりました。2枚の制作・講評や今まで描いた作品の総評などを含め、休憩無しぶっ通しの約5時間。
私も久し振りに一緒に制作し、90分で完成させる時間の短さを改めて実感しました。下の2枚は私の描いたデッサンです。

ここに『受験ノ心得』を書き出します。

先ずは与えられたモチーフがどういうモノなのか観察して「知る」こと
焦って構図を決めたりしない
とにかく落ち着いて
長方形の画面に合うように考えて並べよう
いきなり描き始めるなよ
モチーフの置かれ方、手前と奥の距離、光の方向、陰・影の付き方、質感の違い、一番暗いところ、一番明るいところ、客観的にモノが見えてきたら、さぁ描き始めよう。

ビビッて構図が小さくなったり、逆に大き過ぎたりしないように
大切なのは、よーくよーくカンニングすることだ!
しかもいたって冷静に
答えは君の目の前以外にはないぞ
「構図」「かたち」「色」「質」「空間」、最後は「描き込み」だ
高校受験は美大と違って基本的なことしか見られない
これらのキーワードを使ってチェックするんだ
悔いが残らないよう
最後まであきらめるな

さぁ、楽しんで描いておいで。

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明暗の対比

2022-02-11 21:44:26 | 大人 水彩


杉田 透明水彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは杉田さんの水彩作品です。30年前のファッション雑誌から題材を選ばれていますが、とってもお洒落ですね!全体の彩度が低めの中で、鮮やかなオレンジの羽織がまた美しいアクセントになっています。シワの表現も見事で、しっかりと布の内側にある体の形を感じさせてくれます。
水彩は絵具を重ねすぎてしまうと色が濁り、薄すぎても弱く見えてしまいます。その塩梅が難しい所ではありますが、杉田さんの作品はそのバランスも取れています。特に、木の根と肌の対比はこの作品の一番の見どころでしょう。「木の根の力強さは思い切って濃く溶いた絵具使い、肌は最後までほとんど塗らずにサラッと仕上げた事で、木の重量感と透けるような透明感のある肌の美しさの対比が天才的!」と小原先生も絶賛でした。暗い部分の色作りは、ともすれば明るく鮮やかな部分よりも魅力を作るのが難しいかもしれません。この作品の木を見てみると、様々な色を含んでおり、それらが濁らずに互いに調和して美しい暗さを作っているのが分かります。
油絵科出身の私としては、杉田さんの油彩作品も見てみたくも思います。もし機会がありましたら、是非ともチャレンジして頂けたら嬉しいです。

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