木村 油彩
ユーチューバーデビューした一平です!しかし、小学生クラスの生徒に「小学生には長過ぎて途中で飽きるよ!ちゃんと編集して!」と怒られました。技術が無くてすみません。
気を取り直して本日は、日曜クラスの木村さんの油絵をご紹介したいと思います。
鮮やかなサンセットを砂浜から見つめる女性がとてもロマンチックですね。海上に浮かぶ雲も奥行きをグーっと作り出してくれていたり、青い空が段々とオレンジ色に滲んでいく様や、その空が映し出されている海面の非常に繊細で美しい光の階調からは、その場の温度までも感じとれそうな見れば見るほど引き込まれる絵です。
また、女性の陰の濃さから強めの夕日が当たっているのだなと感じることが出来ます。この女性の逆光がある事で暗さを手前に作り、光源であると同時に背景でもある夕日をより鮮やかに美しく感じさせているのです。手前の女性よりも奥の夕日の方が絵の中で主人公のように感じられますよね。このように光をメインに設定し、女性をここまで暗くしても絵の中でノイズにならないのは、やはり木村さんの光の扱いが素晴らしい動かぬ証拠です!
みなさん建物や花、人間など目に見える物質や生物を絵の主人公に据える事が多いと思いますが、木村さんの凄い所は光という実体が無いものを主人公に設定している所です。水などの不定形なものともまた違う難しいテーマでありモチーフですが、サンセットという場面の空の色が変わっていたりなどの条件を利用し、見事に空間を意識させ、さらに見ていると温かいような視覚以外の五感にも響いてくる素敵な絵になっています。
今回の木村さんの絵を紹介するにあたり光という言葉をよく使ってきましたが、僕らはこの「光」が無ければ何も見えず、ずーっと闇の中です。人間は猿人の頃から常に火や雷など光にすがって生きてきています。そして電気が発明された近代では当たり前になっている光の暖かさ、どれだけ我々の生活を照らしてくれているのかという光の恩恵を、木村さんの絵の事を書いている中で改めて考えちゃいました…。もしかしたら木村さんはそんな事全然考えてないかもしれませんが、僕はそんな人間の原始的な喜びがこの絵に表現されていると思います。こんなご時世でまだまだどうなるかわかりませんが、希望を強く感じられるポジティブでとても優しい一枚です!