モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

キャンバスに描いた水彩画

2017-07-21 01:24:53 | 小学生 絵画

左上から 一輝 2年 / 大澄 4年 / 麗 1年
下段 あゆみ 2年 / 洸太 3年 / 詠 2年

大竹です。夏休みに入る前にギリギリようやく完成した(若干まだ終わっていない子もいますが…)油絵のカリキュラム。その中で、入会したばかりの子達はアクリル用のキャンバス(油絵用は麻キャンバスに油性白亜地が塗ってありますが、こちらは綿キャンバスに耐水性下地が塗ってあります)に、水彩絵具で描きました。
とは言っても、油絵と同じように鉛筆で下描きをした後はアクリル絵の具で補色(反対色)を塗ってありますので、かなり重厚感のある作品に仕上がっています。

一輝 2年 
海賊モチーフのおどろおどろしさが存分に感じられます。幾何学的な模様で描かれている羽ペンもすごく面白いですね。白を塗った後、線をクレヨンで描き起こしています。布も暗めの緑色が使われている事により骸骨のクリーム色が映えていい感じ!また、背景の青も一色でベタ塗りするのではなく、紫が混じっていたり左から右へ明るくなっていくグラデーションになっていたりと隅まで手を抜かずに描いていますね。すばらしい!

大澄 4年
真っ黒な床と真っ赤な壁という組み合わせがクールですね〜。あと、紙皿の溝を線で描くのではなく、線を描かずに残して描いているのがグッド!手前のパンの色がサツマイモ色になっているけど、逆にそれが全体の色合いのバランスをよくしている事に驚きました。フランスパンの色だったら、黄色ばっかりでボヤけ気味になっていたかも…もしかして、それがわかっててあえて紫色にしたのかな?!

麗 1年
明るい色合いから漲るエネルギーをビシバシ感じますね!白と青の布の部分、黄色が混じっていたり、レンガの青い影が入っていたりして一年生とは思えない色使いです!花瓶の花のモチーフは造花ですが、まるで本物の花のように生き生きと描かれていますね。鑑賞するこちらも元気を分けてもらえそうです。

あゆみ 2年
色合いや筆使いがとにかく可愛くてオシャレ!パッと見た時に手帳の表紙にすごく合いそうだな〜と思いました。色のパズルの様に塗られたフランスパンが良い仕事をしていますね。コーヒーやポット、奥のフランスパンが暗めに描かれていますが、それが背景の明るいクリーム色と影響し合いうまくバランスが取れています!

洸太 3年
全体的にグレー掛かった色合いの中で骸骨や金の盃が怪しく目立っていて良いですね。また、動かないモチーフの中で蝋燭の炎が右に揺らめいている事によって、そこで動きが生まれています。骸骨を横から見る構図が面白い!表情もなんだかニヤついているようで、死んだ後も悪巧みを考えていそう…?見ている人が海賊の作戦会議に参加しているような気分になれる、物語を感じさせる作品ですね。

詠 2年
葡萄の一粒一粒が違う色で描かれていて工夫されています。正面を向いたポットの注ぎ口も難しいのによくここまで描きました!青いミルク入れも明るい部分まで色を塗り分けていて金属らしさがよく出ています。下の布のしまの幅がバラバラなところも独特のリズムがあり、狙って出すことができない面白さがありますね。驚いたのが、布の上にある物の影は青っぽく、お皿に置いてあるパンの影は赤っぽく、と色を使い分けていたところです。スゴイ観察力!

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油絵の下塗りについて

2017-06-28 01:47:35 | 小学生 絵画

本日は真面目に油絵講座を…
油絵の下塗りと言う、白いキャンバスの上に見える色とは違う色を最初に塗る技法について説明します。下塗りとは絵を描く前にあらかじめキャンバスに色を薄く塗っておくことです。下塗りをしておくと物理的には絵の具のノリが良く筆が滑りやすくなり、視覚的には発色が良くなります。
また、絵の具を全体に塗ることによって塗り残しの感じがなくなります。子どもは飽きっぽいので、例え白いキャンバスの地が見えていても直そうとはせず完成にしたがります。ですので最初の段階の下塗りは厳しくして、1㎜の隙間もなく塗らせています。


補色(12色相環の180度反対側の色)の下塗りについて(↑銅のヤカン、レンガの下塗りに緑を使い、右は青い花瓶の下地に赤を塗っています)

補色は混ぜると黒に近付き汚い色に変色しますので、定着力の弱い水彩絵具では絶対に避けなければならない組み合わせですが、乾けば二度と溶けない油彩では、下塗りとして塗っておき、乾いてから本当の色を塗る技法を用いることがあります。
補色は隣り合わせにすると目が痛いようなビビットな印象になりますが、子どもの適当な塗りで隙間からチラ見え(もしくは透ける)と、勢いのある元気な印象の作品になります。


プラスして例えば青色から黄色にもっていくには 何度も重ねなくてはならず、逆にその塗り重ねや、部分的に下地を透かすことで、レモンの瑞々しい鮮やかさや輝き、重量感といったものが表現できます。(写真左)
白や黒には補色はありませんので、白や透明のモチーフは黄色、黒のモチーフは赤で塗らせていますが、右2枚の頭蓋骨のように、透けた黄色が反射光や乾いた骨の色味に見えてボリューム感や存在感がグッと増しインパクトが出ます。


下塗りに使う色は、反対色を使わなければならいということはありません。モチーフの印象からイメージする色、もしくはどんなモチーフにも合うナチュラルカラー(黄土色=イエローオーカーやセピア系)などを塗ることも多いです。(大人クラス神宮さんの油絵を模写している子達は、スーパーリアリズムを目指し、本物の色に近付ける為オーカーを塗らせています)

絵の描き方を建築に置き換えている方の言葉が分かりやすく引用させて頂きますが、油絵やアクリル画、水彩画は建築と同じで、本来土台、柱、床、壁、屋根という風に構築していくのが理想ですが、「絵」ですので、地面にいきなり屋根を作って終わり(最初からキャンバスに直接本当の色を塗る)という事も可能です。建築では明らかにおかしい事も、平面絵画ではそれが間違っているのか非常に分かりにくいので、何枚も描かないと感覚(この下塗りだと重い色に感じる。下塗りしないと軽いチープな印象になる。など)はなかなか理解できないでしょう。

他にも白の交じった絵具は下塗りには不向き(白を下地に混ぜると、よく言えば優しく柔らかく、悪く言えば濁った印象になる)など色々ありますが、実際に描きながらの説明でないとなかなか伝えきれないので、油絵を制作中の大人クラスの方はその時その時で理由を説明させて頂きますね。
ご質問は油画科在籍・洋画科出身の山下か大竹、オバラまでどうぞ!

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アンデルセン挿絵ラスト

2017-05-08 00:50:00 | 小学生 絵画

オバラです。長々と続きましたアンデルセンのラストの記事です。
今回の作品紹介で3人の先生が色々制作風景を書いてくれたので、その補足を少々。
このカリキュラムを指導する際に気を付けたことは3点あります。

・舞台がヨーロッパであること(髪の色や目の色は黒の方が少ない)
・月が出ている時間あること(つまり場面は夕方~夜)
・月の視点であること(画面の中に月を登場させるか、月明りを感じさせる)

観察画ではないので、かなりフリーダムに(普段はアニメのような表現は禁止しています)描かせましたが、上記3点の制約を加える事で、逆に子どもたちの想像力・表現方法が豊かになりました。禁止事項がある方がむしろ幅が広がるのは、制限・束縛がある方が頭を使い工夫するということでしょう。「自由に伸び伸びと」が、ただの放置になってしまっては教育とは掛け離れてしまいます。
そんなことが見て取れる面白い課題でした。

追伸 先日紹介したヨシュア君のユーチューブが新しくなりました!以下ヨシュア君から

アンデルセンも前回のはテストなので、小学生クラスの粘土の作品もプラスして、こちらに入れました。
https://youtu.be/Y8sT7mVwmSw 

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アンデルセン挿絵6

2017-05-06 00:24:17 | 小学生 絵画

『絵のない絵本』アンデルセン - 上段左から 匠汰 慶徳 こなみ 貴史

第三十一夜

『あれはある小さな田舎町での出来事でした。』
と月は言いました。
『実は去年の晩、びっくりするようなことがあったんです。あれは、町外れの居酒屋でした。下の食堂でクマ使いの男が夕飯を食べていました。クマはつみあげた薪の束の後ろでつながれていました。見かけはおそろしいが、らんぼうなことをしないのに、かわいそうだと思いました。上の屋根裏部屋では、私(月)の光をあびて、クマ使いの小さな息子たちが三人遊んでいました。一番上の子は6才ぐらい、一番下の子は1才か2才でしょう。
“バタン、バタン”
階段を上ってくる足音がしました。だれでしょう。パッとドアが開きました。それは毛むくじゃらの大きなクマでした。きっと庭でじっと待っているのにあきてしまったのです。そこで、階段を上っていく道を見つけたのでした。私(月)は、それをしっかり見ていました。』
と月は言いました。
『子どもたちは、毛むくじゃらの大きなケモノを見て、たまげてしまいました。部屋のすみっこにもぐりこみましたが、クマは三人とも見つけてしまいました。そうして鼻でくんくん嗅ぎまわりました。でも、別に悪いことは何にもしませんでした。
“これはきっと大きい犬だ。”
子どもたちはそう思ったものですから、クマをなでてやりました。クマはゴロンと床の上に寝そべりました。一番小さな子が、そのうえをころげまわって遊びました。その子のちぢれた金髪の頭は、クマの濃い黒い毛皮の中に隠れました。今度は一番大きな子が太鼓を持ち出してドンドン叩きました。すると、クマは立ち上がり踊り始めました。本当におもしろい様子でした。今度は、子どもたちが、鉄砲を持ち出してきました。子どもたちが鉄砲をかつぐようにクマも鉄砲をかつぎました。
「いっち、にっ、いっち、にっ」
と、みんな行進し始めました。
すると、またドアが開きました。それは子どもたちの母親でした。そのときの母親の顔といったら、ほんとうに見せてあげたいものでした。母親は、青白い顔をして、ポカンと口を半分開けたまま、じっと見つめていました。ところが、それを見た一番下の男の子は、コックリと楽しそうにうなずきながら、大声をはりあげて言いました。
「僕達、兵隊さんごっこ、ちているだけだよ!」
そこへ、クマ使いがやってきました。』

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アンデルセン挿絵5

2017-05-05 00:20:33 | 小学生 絵画

『絵のない絵本』アンデルセン - 上段左から 絵奈 昆 優 月咲 江里子

第二十二夜

また別の日の晩、
『小さな女の子が泣きじゃくっていました。』
と月は話し出しました。
『いじわるをされて、悲しくて泣いていたのです。その子は、とてもきれいなお人形をプレゼントにもらいました。それは、とても可愛らしくて素敵なお人形でした。それなのに、いじわるなその子のお兄さんは庭の高い木の上にその人形をのっけました。お兄さんは背が高いので、女の子は手が届きませんでした。だから泣き出してしまったのです。お人形もきっと泣いていたでしょう。もう外は暗くなり、もうじき夜になってしまいます。女の子はお人形をひとりぼっちにすることができませんでした。
「お人形さん、私もずっとここにいるわよ。」
とその女の子は言いました。
この子だって暗い夜は怖いのです。背の高いとんがり帽子をかぶった、いたずら好きな妖精たちが、木の間からのぞいているのがはっきりと見えました。それに真っ暗な通りを、ひょろ長い幽霊達が、踊っていました。だんだんお人形の方に近付いてきて笑いながらお人形を指差しています。女の子はどんなに怖かったことでしょう。
「でも、お化けや幽霊だって、なんにも悪いことをしていない人には、何にも悪いことできないはずだわ。私、何か悪いことをしたかしら。」
そういって女の子は考えてみました。
「ああ、そうだ。」
と女の子は言いました。
「私、足に赤いきれをまいていた、かわいそうなアヒルを笑ったことがあったわ。だって、足の不自由なアヒルさん、とてもおかしかったんだもの。だから笑ったんだわ。だけど、生き物を笑うなんていけないことよね。」
そういって、女の子はお人形を見上げました。
「あなた、生き物を笑ったことがある?」
と、聞きました。
するとお人形は頭を横に振ったように見えました。』

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アンデルセン挿絵4

2017-05-04 00:14:59 | 小学生 絵画

『絵のない絵本』アンデルセン - 上段左から 秀磨 操希 彩乃 愛莉 唯香

第十六夜

また別の日の晩、
『イタリア喜劇の、ピエロのポロンシオンを知っています。』
と、月は話し出しました。
『彼は、身振りひとつひとつまでもがおもしろく、彼が現れると劇場は、爆笑のうずにまきこまれます。それは、彼の生まれつきの素質なのです。
彼は、背中に一つ、胸に一つ、こぶがついています。しかし、清らかで美しく、豊かな心を持っていました。もし、顔や体形が美しかったら、一流の役者になっていたことでしょう。
けれども、彼はピエロでなくてはいけないのです。彼が真面目に演じることが、逆にお客さんを笑わせるのです。
恋人役の女優であるコランビーネは、彼に優しく親切でした。しかし、コランビーネは結婚相手に同じピエロのアーレキノを選びました。コランビーネがポロンシオンと一緒になったら、美女と野獣の組み合わせで、それこそおもしろいことになったでしょう。
コランビーネが婚約してからポロンシオンはすっかり落ち込んでしまいました。
彼が少しずつ明るい顔を取り戻すと、彼女は彼をからかいはじめました。
「あなたが、なぜ落ち込んでいるのか、私にはちゃんとわかっているのよ。」
と彼女は言いました。
「あなた、恋をしているからよ。」
彼は思わずふきだしました。
「おれさまが恋をしているだって!」
と彼は大声をあげました。
「そりゃまたゆかいな話じゃないか。さぞかしお客がおもしろがるだろう。」
と彼は言いました。
「恋をしているからよ。」
と彼女はつづけました。
そして、おどけ半分に、悲しそうなふりをして見せながら言いました。
「あなた、恋をしているんだわ。この私に。」
彼は、笑いころげました。しかし、彼女の言っていることは当たっていたのです。彼は、彼女を深く愛していました。彼は彼女の結婚式の日、夜ひとりになると、声をあげて泣いていたのです。
ところがその後、コランビーネが突然亡くなりました。
葬式の日、夫のアーレキノは舞台に出なくてよいと言われました。
そのため、ポロンシオンは舞台がさみしくならないように、にぎやかにしなくてはなりません。彼は、悲しみで胸いっぱいになりながら踊り、はしゃぎました。彼の芝居は、本当にすばらしいものでした。沢山の拍手と歓声をあびました。
そして夕べの事です。彼は、コランビーネの墓の前にうずくまり、かたひじついて私(月)を見あげていました。なにやら、きみょうで、こっけいで、まるで、墓場のポロンシオンとでもいう名の記念像のようでした。観客が見たらきっと拍手をして大かっさいして歓声をあげたことでしょう。』

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アンデルセン挿絵3

2017-05-03 00:10:02 | 小学生 絵画

『絵のない絵本』アンデルセン - 上段左から ひなの 琢斗 梢 渉太 音羽

第十四夜

また別の日の晩、月は話してくれました。
『森の道にそって、二軒の農家が並んでいました。入り口のドアは小さく、窓は上と下についています。家の周りには紫色の花や黄色い花を咲かせた植物がおいしげり、屋根は苔でおおわれていて、黄色い花が咲いています。
小さな庭には、キャベツとジャガイモしかありませんでしたが、赤い実をつけた木が、壁のように並んでいました。その下に、小さな女の子がすわっていました。
その子は茶色い眼で、家と家の間の年取ったカシワの木をじっと見つめていました。この木は枯れた高い幹をもっていて、幹の一番上にコウノトリが巣を作っていました。
家から小さい男の子が出てきて、女の子の隣に座りました。二人は兄妹だったのです。「なにを見ているの?」
と男の子が聞くと、
「コウノトリを見ているの。」
と女の子が言いました。
「お隣のおばさんが言ったの。今夜、コウノトリが弟か妹をつれてくるって。だからつれてくるところを見ようと思ってじっと見ているの。」
「コウノトリなんて、なにも連れてきやしないよ。」
と男の子は言いました。
「おとなりのおばさんは僕にもそう言ったんだ。でも、言いながら笑っていたんだ。だから僕聞いたんだよ。"神様にちかって"も、ほんとだって言えますかって。そしたら、なにも言わなかったよ。だからコウノトリの話なんて、つくり話にきまっているんだ。」
「でもそれなら赤ちゃんは、どこからくるの。」
と女の子は聞きました。
「神様が連れてくるのさ。」
と男の子は答えました。
「神様が服の下に隠して連れてくるんだ。だけれども、人間には神様は見えないんだ。だから連れてくるところは見えないんだよ。」
と男の子が言うと、急に風で木の枝がザワザワという音をさせました。
子どもたちは両手をお祈りするように組んで、顔を見合わせました。きっと神様が赤ちゃんをつれてきたのでしょう。それから二人は手を取り合いました。家の戸からおばさんが顔を出しました。
「さあ、入ってらっしゃい。コウノトリがつれてきた赤ちゃんをごらん。可愛らしい弟だよ!」
とおばさんが言いました。
でも二人とも、その弟が来たことを、もうちゃんとわかっていました。』

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アンデルセン挿絵2

2017-05-02 00:03:51 | 小学生 絵画

『絵のない絵本』アンデルセン - 上段左から 暁希 啓人 伊麗奈 萌花

第二夜

ある日の晩、月は私に話してくれました。
『私(月)は昨日、家に囲まれている、小さな中庭をのぞいていました。そこには1羽のニワトリと10羽のひよこがいました。ところが、そのまわりを、ひとりの小さな女の子が走りまわっていました。
ニワトリはびっくりして、ケコッコッコと鳴きながら、ひよこをかばいました。そこに、女の子のお父さんがきて、女の子をしかりました。
それで今日もまた、その中庭をのぞいてみました。すると、またあの女の子がひっそりとニワトリ小屋に入り、ニワトリのところに近付いていきました。
ニワトリは驚いて、鳴きながら羽をバタバタさせ、逃げまわりました。女の子ときたら、そのあとを追いかけるのです。私(月)は、その様子をニワトリ小屋の壁の穴からのぞいていました。私(月)は、このいけない子にすっかり腹が立ったので、その子のお父さんが女の子の腕を掴んで、昨日よりも強くしかったときは、ホッとしました。
女の子は、頭を後ろにそらすと、青い目に大粒の涙が光っていました。
「ここでなにをしているんだ。」
とお父さんは問いつめました。
女の子は泣きじゃくりながら
「きのうはごめんなさいってニワトリにキスしたかったの。でも、パパにそういうとしかられると思ったの。」
と言いました。
するとお父さんは、むじゃきで愛くるしいその子のひたいに、キスしてやりました。私(月)もその眼と口にキスしてやりました。』

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アンデルセン挿絵1

2017-05-01 23:58:54 | 小学生 絵画

『絵のない絵本』アンデルセン - 扉絵  健太

オバラです。ゴールデンウィークはアンデルセン『絵のない絵本』特集でいこうと思います。先にアンデルセンの事を少々。少年時代はあまり裕福ではない家庭に生まれ、苦労したそうです。大人になってから片思いの歌姫に振られ、その後は生涯独身を貫き、根無し草の旅人のような暮らしをしました。旅の途中で数々の童話を生み出したそうです。
『人魚姫』も『醜いアヒルの子』 も可哀そうな話なのは、そんな作者の作品だからでしょう。試しに高学年に「友達にいじめられるのはまだ耐えられても、醜いアヒルの子みたく、親兄弟にまで生まれた時から大人になるまでずっといじめられてたらどう?」と聞くと「俺、白鳥になる前に自殺してるわー。」「死ななくても相当卑屈になるよね。」「白鳥になってからも悪い夢見続けて鬱だよ。」と全くハッピーエンドにはなりませんでした。
では、物語のはじまりはじまり~ 

世界一物知りなお月様が教えてくれる不思議な出来事。
私は貧しい絵描きです。友達はいないし、窓から見えるのは、灰色の煙突ばかりでした。ところがある晩のこと、外をながめていたら、月が声をかけてくれました。
「私(月)の話すことを、絵におかきなさい。」
はじめて来た日の晩に月はそう言いました。そして、月はたずねてくるたびに、前の日の晩とか、その日の晩に見てきたことを、なにかしら話してくれました。これからお話しするのは、紙の上に描きつけた、ほんの下書きにすぎません。ですから、このお話を元に、絵を描いてみて下さい。きっと素敵な絵本ができるでしょう。

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アンデルセンをユーチューブで

2017-04-29 00:45:02 | 小学生 絵画

オバラです。時々このブログに登場する、ヨシュア君(アトリエに10年以上通った元生徒・職業‐写真加工のレタッチャー)が、目指せユーチューバー(彼は趣味が多彩)とのことで、アトリエに取材に来ました。

丁度教室内に飾ってあった、上記の読書感想画をピックアップしてくれました。お時間ありましたら、アクセスしてみて下さい。 以下、彼の文章↓

例の番組のテスト版を作ってみました。
アトリエミオスの先日撮った動画は・・・
写真を撮る予定が、急遽動画にしてしまったり、カメラをブンブン振ってしまったり、ほぼ自分の声しか拾ってなかったりで、(コンデジなので遠くの先生の声が予想より小さくなってしまいました)結構失敗してしまいました・・・ ごめんなさい~(泣)
しかしせっかく収録したので、今後改善出来るように一応テスト版としてUPしているのでURLを貼りますね。

■ふれあいアートテスト アトリエミオス編
https://youtu.be/iRYQmdFxYFw

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緑の床にピンクの壁?

2017-04-28 15:01:23 | 小学生 絵画

 

大竹です。アンデルセンの絵のない絵本、ご報告第三弾です。
私はこの絵のない絵本の授業は初めてなのですが、まず驚かされたのは配置や構図!斜め上からの視点(語り部の月視点)や下から見上げる構図、1階と2階を一緒に描くドールハウスのような描き方など、本当に皆小学生?と首をひねってしまいました。またこうして並べると、同じ物語の人物や背景も人によって違った姿をしているのが分かって面白いですね。個人的に、真ん中列の右端の絵の、お父さんと娘の服装が爪先までお揃いコーデになっているのが可愛らしいなあと思いました。
色彩もその子の好きな色がそのまま使われているので、家の床が緑色で壁はピンク、なんていう賑やかな組み合わせになっていますね。この賑やかさと子供の描く自由な線が噛み合い、物語の挿絵や絵本の中の1ページのような魅力が生まれています。製作中、この子なんだかトンデモない色で塗ろうとしてるぞ…?流石に止めた方がいいかな…?と思う事が多々ありましたが、空想画だし自由にやってもらおう!とあまり口出ししすぎないようにしていました。(その分クオリティを上げるためのアドバイスを沢山しました)皆の完成した作品を見たら正解のようで良かった!

また今回の授業では、肌はペールオレンジで塗るな号令を掛けていました。絵の具セットに入っているペールオレンジをそのまま使うと明るすぎて安っぽく見えてしまうので、他の色と混ぜて自分の肌と同じ色を作らせるようにしました。実際に作った色を自分の手に塗って色を比べながら作っていたので、思ってたより肌って黒い!とビックリする子もいました。そういった部分も注目して頂けたらと思います!

 

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ミオス流の描き方

2017-04-27 22:10:39 | 小学生 絵画

黒羽です。先月完成させた「絵のない絵本」について、田中先生に続きご説明させて頂きます。
アンデルセンの「絵のない絵本」は短編の作品集です。それを読んで自分の好きなシーンを描きます。
同じ話を選んでもシーンによっては違った絵になるのが面白いですね。
全体の流れは、自分でシーンを決め、その後下書きをします。そして本番用にクレヨンで線画を描き、絵の具で着彩します。
子供にもキチンと下描きをさせるのがミオス流のポイントかもしれません。
自分の中のイメージを一度下描きし、バランス、構図を確認する。絵を描く時にとっても大事な事ですよね。
自分の”想像”は意外と手を伝って紙に起こすと「あれ…思っていたのと違うなぁ」という事は多々あると思います。
僕自身、脳→手→紙のズレを少しでも無くす事は結構難しいなと思っています。小さい時から練習できるのはミオスだけ!(笑)
もう一点、絵のない絵本の作成で注力したのは「塗り」です。
絵の具での着彩はベタ塗りにならないようにいろんな色を”置く”イメージで塗って貰いました。
木などの自然物なども茶色だけじゃなく、明るい赤が入っていたり暗い青が入っていたり…
いろんな色の響きで絵に力強さが出たんじゃないかなぁと思います。
高学年チームはアオリの構図や俯瞰の構図を使ってさらに難しいものに挑戦していました。
そんな力作の作品を今回はブックカバーにまでしましたので、是非お子さんには描いた時の話を聞いてみてください。

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絵のない絵本・空想を絵にすること

2017-04-25 19:32:19 | 小学生 絵画


小学生クラス 絵のない絵本を読んで描く空想画

どうも幸介です!本日ご紹介するのは、2月に制作した小学生クラスの空想画の課題。アンデルセンの「絵のない絵本」を読み、物語の中から自身が印象に残った場面を絵にします。タイトルの如くもちろん挿絵などのない本なので、描く絵に正解等はなく完全に自由。お話を読んだり聞いたりして浮かんだイマジネーションをそのまま描画します。アトリエでは実際にモチーフを見て描くことが多いのですが、小学校の図工など空想画を描く機会も多いかと思います。今回の課題は描写の技術を高めるというよりも、そういった「空想力」を高める課題ということで実施いたしました。

7年前にも一度やったことのある課題なんですが、その時も皆の出来に驚かされました!!風景画や静物画と違い、どの作品ものびのびとした構図ですね。色彩も、空想ですので生徒それぞれの色彩センスがダイレクトに反映されております。小難しいことは考えずに配置・着彩したそれぞれの作品は、見たものをそのまま描く課題と違って生徒達の持つ線や色の魅力を再確認させてくれます。僕自身も物語を読みましたが、みんなの作品を見て「あぁそういう解釈もあったのか、そういう風景が思い浮かんだのか」と感激しました!

今回の課題の完成に伴い、みんなの作品をカバーにした本も生徒全員に配りました。お家の方もぜひこのストーリーを読んで頂いて、空想の場面を頭に描いてみて彼らの作品を鑑賞してみてくださいね!!

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ミオス桜 満開

2017-04-14 22:55:19 | 小学生 絵画

大竹です。日本画ワークショップご紹介第四弾です。こうしてズラリと並べてみると、同じ桜でも描く子によって全く印象が違っていて面白いですね。

私は洋画専攻ですので、今回のワークショップでほぼ初めて日本画に触れました。油絵は絵の具を厚く盛ったりできるのが特徴ですが、日本画でも部分的に厚く塗ったりすることができて面白いなー!と思いました。今回の桜の枝の部分は、絵の具をぷっくりのせて仕上がっていると思います。ワークショップ中も、桜の花びらの描写よりも枝をてんこ盛りする方にハマってしまう子もいました笑。また日本画は、画材自体にもとても魅力を感じました。油絵の具とは違い、岩絵の具の色は砂粒の大きさによって変化し、塗った後は粒が作品の上でキラキラと輝くので、塗られた岩絵の具自体も素材として楽しめます。岩絵の具は膠と混ぜ合わせ、水で溶いて塗るので塗った直後は濡れているため色が濃くても、乾くと思ってたより薄い…ということが何度もあったので、今回の背景のグラデーション作りは難しかったと思います。それでも皆、桜を綺麗に引き立たせる良い背景が作れましたね!

実はまだ仕上がっていない子もかなりいますが、連日の悪天候により残念ながら桜もだいぶ散ってしまったので、ブログでのご紹介は以上で〆させて頂きます。

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日本画の描き方

2017-04-12 23:52:43 | 小学生 絵画

オバラです。今回の日本画カリキュラムも前回同様、事前に日本画の教授のところへお邪魔し、子ども達に日本画を指導するにあたり、色々ご相談させて頂きました。その際、教授が開発した岩絵具代用品(アルミナ樹脂を使ったエコ岩絵の具)を分けて頂きましたので、お礼はレポートで…と、制作風景をいつもより詳細にブログを書かせて頂きます。

今回は桜一枝という小さめのモチーフでしたので、サムフォール(SM)サイズの小さめ木製パネルを使用しました。
まずは、和紙(麻紙‐ましという日本画や墨絵用の和紙で、最初から滲み止めのドーサが塗ってあるタイプのものを使用)を水張りします。
日本画は画用紙やケント紙の水張りと違い、水張りテープで貼るのではなく、折り込むエッジをヤマト糊で貼ります。これにより皺やツレなどもできにくくなります。

パネルを乾かしている間に、下描きをします。後でカーボン紙で写す為、下描き用の紙は薄手のものを使用します。
また、桜は実物大では小さ過ぎ、荒い岩絵具で細かく描くには不向きなので、一回り大きく描きます。
始めたのが3月半ばということもあり、桜開花は間に合わず写真模写となりました。 

構図を決め、カーボン紙で写します。下描きの紙は『念紙』と呼ばれ、下塗り本塗りの際に絵が消えてしまった時はもう一度なぞれるよう、作品が完成するまで大切に取っておきます。

カーボン紙の線を、細い面相筆などを使い墨汁でなぞり濃くします。この作業を『骨描き』と言います。
ここまで1回の授業(1時間半)でできる子が半数です。残り半数は、下描きに時間が掛かり、カーボン紙までいきません。 

いよいよ色塗りです。まずは中間色の赤1色を選び、太筆で端まで全て塗ります。グラデーションを何度も重ねるので、多少のムラや濃淡は気にしません。

乾かぬ内にわざと筆を洗わず、暗い紫~ピンクまでのグラデーションを作っていきます。筆を2本使い2色を同時にせめぎ合うよう塗ると楽に綺麗なグラデーションができます。
その際、骨描きが消えぬよう花の中は塗り残します。 (※重要)

「骨描きの線は踏まないでね!」と言う注意は低学年には難しく、ほとんど見えなくなってしまうこともしばしば。
そんな時はドライヤーで乾かしてから、念紙とカーボン紙でもう一度なぞり墨で骨描きし直します。

花は白で濃淡を付けて描いていきます。胡粉(蠣の貝で作った白)を使いたいところでしたが、今回は講座の回数が少なく、百叩きする(粒子を均一に膠と混ぜる為、乳鉢で摺り、耳たぶの硬さになるまで練り、100回皿に叩きつける)時間が取れず、ジェッソで代用しました。

枝は粗目の岩絵具を使います。 

葉は顔彩で描きます。

最後におしべに金箔を貼ります。おしべの部分に筆の後ろで膠をちょこんと付け、竹ひご2本で小さく裂いた金箔を丁寧に乗せていきます。金箔は吹けば飛ぶ程薄いので、私語厳禁です。「喋るな!」というと子どもはなぜか笑いが我慢できなくなるので「金箔1枚1万円なんだから呼吸禁止!」と嘘をつきました。本当は折紙弱の大きさの純金箔(24K・純度99.99%)で1枚350円位です。しかも皆が使っているのは12K・純度41.31%の安物です、ごめんなさい。

なんだか最後に嘘をついて、堂々(?)完成!

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