モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

黒インクから生まれる躍動感

2023-11-16 22:48:56 | 大人 パステル・色鉛筆・他


佐藤M ペン画

マユカです!今回は佐藤さんの作品をご紹介していきたいと思います!

軽やかに駆けていく馬の姿、ふわりと宙に舞う尻尾と後ろ足がその躍動感を美しく見せています。パカラッと軽快でリズミカルな足音すら聞こえてきそうです。
今回の作品は半年前にご紹介したアクリル画とは打って変わって、ペンのみで乗馬の風景を描かれました。ハッチングなどで繊細に陰影を描写し、眩しい太陽光に溶けるように光に当たった部分を白飛びさせた為、競馬ウマの体重500㎏の重量感を出されるのに苦労されました。踏み込んだ足の力強さや、その筋肉のたくましさを見れば、その重さや力強さが伝わってきますね。

スケッチのようにさらりと書かれているように見えますが、どの個所を見ても細かに描写されており、馬は勿論のこと、上にまたがる人間もよく見れば服のシワや横顔の曲線の美しさなど、馬に引けを取らないクオリティで描写されていることが分かります。お互いに同じ進度で描き切られているために、絵として浮いたりせず、その場の雰囲気や空気感をより現実的に感じさせてくれるようです。同じくらいの完成度、というのは簡単なように見えて意外と難しいんですよね。
また、絵の重心が一点しかない馬の左足で支えられているという、不安定な構図をしているため、見ている人たちは少しのスリルをもってこの作品を見ることになるでしょう。このスリルが、絵をより印象深くさせてくれるのです。

色は付いていなくとも、その構図と時間をかけた描写によって、魅力あふれる一枚へと昇華された今回の作品。ペン一本でここまでの表現ができるのは、佐藤さんのデッサン力の高さと、光の扱い方が美しいためであると感じました。

コメント
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