モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

澄んだ空気

2018-01-15 20:20:32 | 大人 油絵・アクリル

河内 油彩

どうも幸介です!本日は大人クラスより河内さんの油彩をご紹介いたします。モチーフは、アトリエにある小原先生の旅の写真。極寒のチェコの川緑の写真です。逆光に照らされた繊細な枝が印象的ですね。

強い日差しの風景をモチーフとする場合、光源と影との明度差に気を取られて色の鮮やかさや幅を扱いきれない事も多いかと思います。河内さんの今回の作品は、もちろん明度のコントロールもしっかりとされているんですが、ベースの茶色や中間色の幅が広く美しいです。これだけ明暗のクッキリしている作品ですが、色彩の幅がとても緩やかで広いのは素晴らしいですね!それ故、光源の見えている逆光なのにキツい印象を与えず、むしろ光が柔らかく感じられます。光に負けて消え入りそうな細さの枝や、向こう岸の建築の淡さなど、澄んでいて冷たい冬の空気が伝わってきます!ベンチに座るカップルの白い息さえも見えそう!!画面の右端の方の木の色の微妙な淡さ・存在感の出し方なんかも絶妙です。木なんかは暖色ベースですが、細かく寒色も混ざっているため間延びせず画面を引き締めていますね。光源や影の部分と中間色の対比がとてもドラマティックな作品に仕上がりました!

中間色の扱いに長けてらっしゃる印象ですので、油彩もきっと合っているんですね。これからの河内さんの作品もますます楽しみです!

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朝日の眩しい新年のアトリエと作品

2018-01-10 21:44:59 | 大人 油絵・アクリル

佐藤T 油彩

あけましておめでとうございます。水曜日担当の滝口です。
今日は、水曜日の新年初めての授業で、朝気合を入れてアトリエに訪れてみると、昨年の大掃除でアトリエがピカピカで、教室の中が朝日で心地よく光っておりました。
そんな新たな気持ちにさせられる1日の始まりでしたが、今回は「水曜午前クラスの佐藤さんの作品」を紹介したいと思います。
 この油彩画、今日の朝の心地よさのように、朝靄の中で朝日がキラキラと光が射すようなイメージ。細かい描写は施されておりませんが、奥から手前に来る柔らかい空間と、中景の青い色から近景の赤やオレンジの色の変化が、佐藤さんの描きたいテーマをストレートに演出しています。パッとこの絵が何を伝えたいのかということの、根幹となるイメージのみで描かれているように感じます。
 僕はじっくりと時間をかけて丁寧に丁寧に細部を描いた作品も好きですが、この絵のように必ずしも細かい部分まで丁寧に描くという目的ではなく、イメージが伝わった段階で終わっているような表現も、とても絵画らしい作品で好きです。
 抽象表現主義で、アメリカ人の著名な美術批評家のクレメント・グリーンバーグの批評で「フォーマリズム」というのが有名で、うる覚えで正確ではないですが、絵画性の持つ表面のマチエール感が持つ魅力こそが絵画表現であるとしています。この佐藤さんの作品の中には、そういった絵の具の持つ色彩、流動性、薄塗りから厚塗りまでの様々な表現技法が、画面の中でとても生き生きと表現されているなと思いました。僕が見た佐藤さんの作品はこの作品1枚だけですが、是非もっと他の作品も見せてほしいなと思いました。

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技術美ある空間

2017-11-21 19:21:53 | 大人 油絵・アクリル

原 油彩

どうも幸介です!本日は大人クラスより原さんの作品をご紹介。お仕事中の姿をモチーフに選ばれることの多い原さんですが(前回の仕事中の作品はこちら)今回もまたご自身の姿をモチーフにしての制作となりました。

こちらは屋上の防水加工の下地作りの作業中とのことですが、フラットで無駄なもののない空間、でも「作業中」という未完成だけども技術美ある空間を絵にしたくなる気持ち分かります!建築風景や工業製品などもそうですが、一見無機質に見えて自然美とは掛け離れた印象をもつ物たちも、結局は細部まで見ると人の手が確実に関わっているものですよね。よって、油絵という画材のマチエールや滲みや揺らぎを用いて、そういう統率の取れたものを描く事はアンバランスなようでそうではない。実にマッチした世界観を生むのだなぁと原さんの作品を見て感じました。

特に今回の作品は個人的にすごく好きです!人体の描写も今までの作品に比べ自然な陰影で捉えられていますし、配色も少な過ぎず、かつ無駄も無い。密集すべき場所と描き込まない間のバランス、それを引き締める下地の朱色が素敵な作品だと思います。オシャレですよね。なんか純文学の小説の装丁とかに使っても違和感なさそう。派手な額ではなく、アクリルケースなんかで額装したらモダンな部屋にも合いそうです!

次作はなんと正面からの自画像(こちらもお仕事中)を制作されている原さんですが、そちらの作品も楽しみにしております!

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黄昏時に潜むものは?

2017-11-17 14:16:08 | 大人 油絵・アクリル

馬込 油彩

大竹です。今回ご紹介させて頂くのは馬込さんの油彩の作品です。

こちらは中世の街並みのイメージで制作されました。まだ家の中には灯りは灯されず、どこか怪しげな雰囲気です。私は昔からドラクエやゼルダのような中世をモチーフにしたゲームが大好きだったので、こうした街並みは堪らないです。作品の町の中を、ちょっと怖いなあ、なんて思いながらランタン手に歩き回って探索したいです。

細かく沢山の色を置いた筆使いが中世のレンガ造りの家や橋とマッチしていますね。特に手前の橋などは、同じ色のレンガブロックは1つもないほど豊富に色が盛り込まれているのに、散らかった印象は全くありません。画面全体の中で主張しすぎず、しかし埋もれすぎず非常に魅了的な存在になっていますね。

そして黄昏時の空の色合いがとても美しいですね!この空の色を目にした時、ブラックオパールの遊色を思い出しました。夕陽が落ちる束の間の時間帯特有なトワイライトに悩まれ、壁に当たる明るさの調整に苦労されたそうです。最終的には明るくし過ぎた壁に思い切った暗い影の色味でおつゆ掛けをされ、グッと明度を落としたことで調和がとれました。その為全体的に暗めの画面ですが、それにより屋根の赤の鮮やかさがよりいっそう印象的に演出されていますね。

小原先生によりますと「私の馬込さんのイメージは、幻想的な中に隠された邪悪なものに心惹かれる、なれるものなら魔女になりたい人。」だそうです。そう思って改めて作品を見てみますと、右下の橋の下の闇に何かが潜んでいるような気がしてきました…。眺めていると、色々とストーリーが膨らんでくるステキな作品ですね。個人的に、こうした雰囲気で廃墟や森なども見てみたいな、と思いました。現在も油彩を描かれているのでしょうか?次回作も楽しみにしております!


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日常の中の美しさ

2017-10-14 16:54:22 | 大人 油絵・アクリル

英保 油彩

土曜日は私、岩田です。
今回は土曜午前クラスに通われている英保さんの油彩です。描いたのはお住まいのマンションの裏口。ペットを散歩するときに使っているとのことですがそんな身近な場所にも美しさを見出し、作品に昇華しようとする英保さんの姿勢って良いなあと思います。
やっぱり絵を描くことが本当に好きなのだなあと感じます。だからこそ日常のふとした瞬間にもインスピレーションが湧いてくるのでしょう。

こちらの作品、思い起こせば数か月かけて描いていらっしゃったでしょうか。結構長い時間をかけて完成をさせた印象があります。特に試行錯誤したのは建物の内部。
途中、パースを修正したり壁の質感や色を変えてみたりと色々と変化が見られました。影の世界から春の日差しが眩しいほどの外の世界へ・・。桜の花が右手に見えたその時の感動が如実に伝わってくるようです。
建物の床から外に続く道もスーッと歩いて行きたくなるほど、美しく描かれていますね。見ている鑑賞者が自身を絵の中に投影したくなるような素晴らしい作品に仕上がりました。

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メルヘンを感じる絵です。

2017-09-23 23:25:24 | 大人 油絵・アクリル

木村 油彩 

岩田です。太陽の日差しもほんの少し影を潜めてきた感があるこの頃皆様いかがお過ごしですか。

本日は日曜日クラスの木村さんの油彩をご紹介致します。木村さん、建築物を描くことが多いのですが今回も小さな教会や城など、メルヘンを感じさせ、どことなく女性的な作品達。しかし木村さんをご存知の皆さんはお分かりになる通り見た目は屈強な男性。そのギャップにとても魅かれるものがあります。

特に左の作品は星いっぱいの夜空に流星が流れる美しい絵です。水面の映り込みも絶妙です。因みにこちらは新婚の方のお引越し祝いにプレゼントされたようです。

右はノイシュバンシュタイン城、ドイツ国内でも名高いお城です。森の中に鎮座する立派な城に歴史を感じます。大きい城だけに窓が多い、そこはかなり苦労されたところだと思いますが全体のパースが今以上ににカチッとしてくると更に良い印象になるでしょう。緻密な筆運びが木村さんの繊細さを表しているようです。 
今度これ描けば?と木村さんに城の写真を渡してご提案した仲良しの佐藤さんも、さぞ喜んでいらしゃることでしょう。

佐藤さん、木村さんに又何か描くネタをご提案してあげて下さいね!私としては木村さんの次作は、日本のお城など良いと思うのですが・・・。

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技と画材の集合体

2017-09-13 22:00:58 | 大人 油絵・アクリル

永瀬 油彩・インク 

水曜朝クラスの山下です。 
今回ご紹介するのは永瀬さんの油彩画。
永瀬さんは大人の女性をモデルにした作品が多く、その作品のテーマにあわせたポージングを後からデッサンしていきます。今回の人体ポーズは小原先生をモデルに制作されていました。

中央にうずくまる女性は何かに悩んでいるのか、それとも苦しんでいるのでしょうか。
憂い帯びた人物に加え周囲の落ち着くような、不安になるような雰囲気が自然と人の目を惹き付ける力がある絵です。
何を表現しているのか?それを無意識に考えさせられ、感じる内容も人それぞれ異なるのでしょうね。

こちらの作品、写真では分かりづらいのですが、かすかに盛り上げられた絵の具の筆跡が残されています。
永瀬さんは描き始めにペインティングナイフを使っており、部分的に絵の具が盛り上がる所・かすれる所などナイフを使う事で現れる表情が後にいい影響をもたらしています。
ナイフを使うとつい”塗る”という感覚に陥り、単調で平坦な色になりがち。ですが、永瀬さんは1色で塗り潰しすぎる事なく、観ていて心地良いナイフ使いです。
ナイフ以外には、実は前作同様インクも少し使われています。( 前回の作品はこちら  )インクは色や線が単調な為扱いが難しく、更に絵の具と併用した場合異なる画材の為違和感が生じ易いのですが、こちらの作品はインクが全体に見事にマッチしています。
もちろん筆を使っての表現もされています。最初、筆を手にするとどうしても色をならしてしまい、ナイフの大胆さをなくしてしまっていましたが、何度も描き重ねる毎にナイフならではの大胆な表情・筆ならではの繊細でふわっとした表情を描き分けられ、まとまりのある画面となりました。
1つの画面の中で様々な画材・描き方が凝縮され、それでいて深いテーマを感じる見事な作品です!

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大胆な構成

2017-09-02 09:59:25 | 大人 油絵・アクリル

馬込 油彩

土曜日、岩田です。
今回は、馬込さんの作品。15号の大作です。こちらヨーロッパの風景写真を描いたものです。
正面にそびえる城のような建物や空がとても味わい深いですね。手前はラベンダー畑でしょうか。ブルー・パープルとイエロー・オレンジの色合いがとても鮮やかです。

こちらの作品、左右シンメトリー。更に上下も丁度真ん中に建物を描いています。こういった場合、やもするととても退屈な画面になってしまいがちです。しかし馬込さん、向かって左にあるグリーンや雲の配置、そこに使う色などによってそうならぬよう工夫しているんですね。
又、正面の建物をちょっと古びたような質感を出しモノトーンで描きつつ、手前は鮮やかで活き活きとした植物を配置し、あたかも生と死を対比させるようなメッセージすら感じさせてくれます。
こうした全く違った世界を一つの画面に大胆に構成するという試みは大変面白いものですね!

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描く事だけが表現ではない

2017-08-02 22:57:39 | 大人 油絵・アクリル

矢作 油彩 

子ども達のワークショップの裏方・看板や飾付け用の絵を描く係の山下です。今日は少し涼しいですが、最近蝉の声が聞こえ始め夏真っ盛りという感じですね。
さて、本日ご紹介するこちらの作品はF15号と少し大きめのサイズです。一目見てパッと明るい気分にさせてくれる、"ウキウキ"や"ワクワク"といった言葉がそのまま絵になったようですね。元となったのは1964年のソビエト連邦時代の『東欧州』という写真集から、ウィストゥラ川を手前にワルシャワ旧市街の多彩な建物の並ぶ正面を見据えたシーンを選ばれました。
集合した家々が中心となっていますが、周囲に木々を入れる事で自然の空気感を感じます。建物のような規則正しい形のものを描くと、どうしても絵がかたくなってしまい、息苦しくなってしまいがち。ですが、鮮やか色・広がる木々・フリーハンドで柔らかく直線を描く事で画面が活き活きとしています。植物の自然な色と建物の人工的な色を使い分けられているのも、とっても良いです!

そして一際目を惹く色鮮やかな家々。生活感が感じられ、活気のある声が今にも聞こえてきそうです。
人間を描いていないのにそのように感じるのは、窓の奥にはそれぞれに違った生活をしている人達がいるという事を想い、筆を進めたからでしょう。
一見、"自然の中に佇む活気だった家々"に着目しているようで、"その中で繰り広げられる人々の暮らし"という、抽象的なテーマも込められています。
人間やモノなど、具体的に目に見える物を描く事だけが表現ではないという事ですね!

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「森」を見て描く。

2017-07-29 18:29:13 | 大人 油絵・アクリル

河内 油彩
少し髭を生やしました、岩田です。
今回は土曜午後クラス、河内さんの作品、この佇まいが素晴らしい。アトリエにある造花のガーベラをここまでの作品にしてもらえるとは・・。
実は河内さん、油絵は子供の頃以来だとか。でもそんなブランクを感じさせない色使いや描き方です。まず絵を見て思うのがご自分がどんな作品にしたいかという完成予想図がはっきり頭の中に描けている感じ。
このガーベラだって、実物はこの絵より細かい花びらも沢山あってもっとごちゃっとした印象。でも河内さん、実物の花の印象通りでなくもっとシンプルに花を表現したかったのです。
この絵を見るとモチーフも隅から隅まで見える通り描けば良いわけじゃないというのが分かりますね。
静物を描く上でモチーフ良く観察することは大切なこと、それ故最初に思い描いていた全体のイメージが薄れてしまいがちですが「木を見て森を見ず」にならぬよう、どういう絵にしたいのかというイメージを最後まで持ち続け完成まで至ることが大事なことだと河内さんの作品は教えてくれるのでした。
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力強い場所

2017-06-30 01:54:41 | 大人 油絵・アクリル

長沼 油彩

大竹です!今回は水曜夜間クラスの長沼さんの油彩作品をご紹介させて頂きます。何度か水曜日クラスにはお邪魔したことがありますが、その数回でも長沼さんの作品に対する情熱は強く印象に残っております。この二枚の作品も、顔を見なくても作者の人柄や生命力を強く感じられますね。どちらも神が宿る聖地を描いているのもあるのでしょうか。

まず左の作品ですが、並木と石畳の対比がとても面白いですね。石畳にはよく見ると様々な色が使われていて神秘的な雰囲気を画面に作り出しています。紫や黄色、緑など本来なら石畳には無い色でもうまくまとまっていて、ここの部分だけ見ていてもしばらく楽しめるほど色使いが素晴らしいですね。それに対して並木の方は重量感たっぷりに絵の具が乗っていますね。強めの赤や青があえて残されているのもこの画面作りに一役買っています。手前の木の光が当たる部分には明るい黄色が使われている事により、並木全体が暗くなりすぎずバランスがとれています。並木と石畳ではそれぞれ全く違う色作りをされているのに、こうして一つの作品として噛み合っているのが何より魅力的ですね。

そして左の作品ですが、こちらも油絵の具らしさが存分に発揮されています。白い絵の具のかすれ具合によって、滝の勢いや水しぶきが上がっている描写が上手く表現されています。崖の荒々しい岩肌もこだわって何度も絵の具を重ねられたのが見てとれます。こちらも左下の方にある原色の赤や青があえて残されていますね。残しすぎず潰しすぎず良い残し具合となっています。また、空の色がクリーム色というのもバッチリですね!草木の青を補色の関係で引き立ててくれますし、薄めの色味で塗って仕上げてある事により、画面の中に"抜け"ができ重すぎない仕上がりとなっています。
話しが飛びますが、最近私は鉱物を集めるのにハマっています。この作品の青の色使いを見たときに藍銅鉱(らんどうこう)という石が思い浮かびました。長沼さんの作品は、鉱物を見た時に感じる魅力と似たものを感じます。

そんな長沼さんが現在熱中されている作家さんが絹谷 幸二というフレスコ画家だそうです。私も気になって調べて見ましたが、パワフルで圧倒される作品を一目見て(長沼さんが好きそう……!!!)と納得しました。しかし、長沼さんの補色の下塗りを大胆に残した筆跡も、まさにその神がかり的な力強さで負けていないと思います!なにしろ小学生の油絵の中に混ぜて飾っていても分からない若さとパワーがありますから…!(半世紀以上年上なのに!?)

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身近な人を描く

2017-06-14 21:20:37 | 大人 油絵・アクリル

海江田 アクリル

水曜夜間クラスのアカリです。今回ご紹介させて頂くのは海江田さんのアクリル作品2点です。
左側の作品は海江田さんがご自宅で飼われている猫で、右側の作品は甥っ子さんを描かれたそうです。
写真を見ながらそれぞれ描かれていましたが、猫の柄や毛並みの流れ、甥っ子さんの小麦色の肌や一点を見つめる目の形など、写真だけでは分からない、普段身近にいる方だからこそ分かる細かい部分に着目されながら描かれていました。
真剣な眼差しでじっと魚を見ている甥っ子さん。ユラユラと泳いでる魚を見ると何故か時間を忘れてしまいますよね。そういえば私も子供の頃、スーパーの魚コーナーにある水槽にへばり付いてずっと魚を眺めていたら、親とはぐれて迷子になった事があったような....この絵を見てそんなエピソードが思い出されました。笑
毛の質感や肌の色など非常にこだわりながら描かれていたので、海江田さんの愛がたっぷりとつまった2枚に仕上がりました。

現在この猫の作品は海江田さんご自身の家に飾っており、もう一枚の甥っ子さんの作品はお兄さんご家族にプレゼントされたそうですよ!
身近な人や、愛着のあるものを描くのもまた新たな発見があったりして楽しいですよね。海江田さんの次回のアクリルも楽しみにしております。
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溢れる技法と表現

2017-06-07 22:48:16 | 大人 油絵・アクリル

髙橋 油彩
 
水曜朝クラスの山下です。さて、今回ご紹介するのはこちら高橋さんの風景画。観ていて懐かしさと安心感を感じる、落ち着きのある作品ですね。 
前景にどっしりとした存在感の茅葺屋根の家と緑を描いているのに対し、背景の山や空には透き通るような空気感を感じます。
そのように感じるのは、山と空に多めの溶き油で薄めた白絵の具でうすーく色をかけているからです。この技法を”グレーズ”というのですが、高橋さんはグレーズを上手に使えているからこそ遠近感と空気の透明感を表現できているのですね。

またもう一つの遠近感の表現のポイントとなっているのが、前景に使われている絵の具の色です。彩度の高い色は近くにあるように感じるので、鮮やかで活き活きとした緑色を手前に使う事で前景がグッと近付いてみえます。

緑色というのは面白い色で、使う色によって季節を表現する事ができます。例えば、春は白や黄色が交じった若草色、夏は原色に近い元気なビリジアン、秋や冬は茶色の混じったくすんだモスグリーン。一言に緑といっても、その色幅はとっても広いんです。
こちらの作品は夏から秋への移り変わりの時期でしょうか?緑色の表現に加え、画面左に見える枯れ枝が秋である事をさりげなく演出していてとっても良いですね!

そして最後に主役の存在感を放っている古民家に着目してみましょう。写真では分かりづらいですが、茅葺屋根はペインティングナイフを使って藁の刺してある方向に絵の具を盛っているんです。絵の具を盛り上げるマチエール技法は、油絵ならではの表現方法。ただ筆で描くのとは異なり、そのものがより際立って立体的に観えます。

絵を描く時、色をどう使うかという事に思考を巡らせがちですが、油絵具の特性を活かした使い道があるんですね。1枚の絵の中に様々な技法が使われている事もあり、観れば観るほどたくさんの発見ができる作品に仕上がりました!
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水辺の下塗り

2017-05-31 21:02:07 | 大人 油絵・アクリル

大澤 油彩 

アカリです。5月も今日で最後となりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。外は真夏のような暑さですね...私は夏が本当に苦手なので、既に寒い冬が待ち遠しいです。

さて、今回は木曜夜間クラスの大澤さんの作品をご紹介致します。
澄み渡る空気の中おしどりが浮かぶ水辺の光景は、ゆっくりと広がる波紋によって時間がゆったりと経過していくような、優しいイメージの作品に仕上がりました。
大澤さんが描かれる作品は、ただ対象物を描くだけではなく、どれもその場所の空気感も色で捉えつつ描かれている印象があります。ですので、作品を見るとその場の情景がパーッと明確に想像できるんですよね!
左側が出来上がりの作品、右側は途中段階の下塗りです。なんといってもこの水辺の美しさ!この水辺だけで一体何色使われたのでしょう...沢山色を塗り重ねられていますが、非常に落ち着いた雰囲気のある優しい水面です。この柔らかで優しい水面を描きあげる為には、下塗りの段階から繊細で美しい桃色の色合いを作られたからこその仕上がりなのですね..!見えない工夫の重要さを改めて感じました。

現在大澤さんが描かれている作品も今回の作品と同様に水辺が舞台(ベネチア)となっていますので、次はどのような世界観に仕上がるのか完成が楽しみです。 次回の作品にも乞うご期待です!

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豊かな色

2017-05-27 20:48:04 | 大人 油絵・アクリル

原 油彩

岩田です。今日も暑かったっす。
本日ご紹介しますのは水曜夜間クラスの原さんの作品。犬を連れている少女が野原を散歩しています。夕刻でしょうか。背中の方から日差しが当たり手前に長く伸びる影が綺麗です。

原さんの素晴らしいところは、一つの描き方に固視しないこと。ある時はナイフを使ってマチエールを大胆に作ったり、はたまた今回のように面相を使って繊細な描き方をするなど幅広い表現にチャレンジしているのです。

今回の油彩、先ず驚かされるのが植物の色のバリエーション。木や草によって黄色味が強かったり、青みや茶色みが強かったりと色を変化させているのです。故に絵自体がとても豊かに見えてきます。
更に先述したように地面に落ちる影の色が良いのです。
というのも、影の色と言えばついつい黒っぽくなったり汚くなってしまいがちです。ところがこの絵の影は、他の部分と比べても微妙に明度が低いだけ。そして影の中にもほのかな明るさを感じるのです。絶妙です。

植物の色、影の色、空の色といい、原さんは実に色感の良い方だなあと思うのでありました。

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