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●冤罪で死刑執行、飯塚事件…『正義の行方』木寺一孝監督《が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」》

2024年03月07日 00時00分23秒 | Weblog

(20240302[])
常に無実を訴え続けた久間三千年さんを冤罪で死刑執行してしまった飯塚事件。こんな理不尽なことが世の中にあるだろうか? こんな正義が許されるのか。#正義の行方。きちんと確認することもなく、気安く死刑執行にサインしたのは、当時、飯塚が地元の麻生太郎政権の森英介法相だ。《一貫して全面否認だったが、2006に死刑判決が確定。08年に執行された》。僅か2年後に死刑執行。もう一つ、足利事件のDNA鑑定問題との関係…《2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ》⇨《2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行》。なぜ、そんなに死刑執行を急いだのか? 両事件では同じDNA鑑定手法が使われていた。足利事件の再鑑定結果をなぜ待たなかったのか? 《2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず》。もう一点加えれば、木寺一孝監督「浮かばれないのは被害者の2死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか」。真犯人を逃してしまったこと、さらには、被害者や遺族が居た堪れないこと、やるせないこと。検察や警察の大きな罪だ。
 《「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう》。そして、マスコミ。《事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち》。
 《◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初》。《◆デスクメモ …恣意的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う》。

   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
     証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》



【映画『正義の行方』特報予告(2024年4月27日㊏公開)】
 (https://youtu.be/mlLKQ26ZZzc
――――――――――――――――――――――――――――――――――
文化庁芸術祭大賞受賞の傑作ドキュメンタリー、ついに映画化
映画『正義の行方』4/27㊏よりユーロスペースほか全国順次ロードショー!

◤イントロダクション◢
これは私たちの「羅生門」
死刑が執行されたいまも多くの謎につつまれた「飯塚事件
〈真実〉と〈正義〉がぶつかりあう圧巻のドキュメンタリー

1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害された「飯塚事件」。DNA型鑑定などにより犯人とされた久間三千年2008年に死刑が執行された。しかし冤罪を訴える再審請求が提起され、事件の余波はいまなお続いている。本作は、弁護士、警察官、そして新聞記者という立場を異にする当事者たちが語る真実〉と〈正義〉を突き合わせ、事件の全体像を多面的に描きながら、この国の司法の姿を浮き彫りにしていく。

圧巻は、事件発生当初からの自社の報道に疑問を持ち、事件を検証する調査報道を進める西日本新聞社のジャーナリストたち。その姿勢は、マスメディアへの信頼が損なわれ、新聞やテレビなどの“オールドメディア”がビジネスモデルとしても急速に翳りを見せる今日たしかな希望として私たちの心を捉える。ある記者は言う。「司法は信頼できる、任しておけば大丈夫だと思ってきたけど、そうではないとこのことこそ社会に知らせるべきだし、我々の使命だと思っています」

「飯塚事件」とは何だったのか? 私たちは自ら思考することを促され、深く暗い迷宮のなかで、人が人を裁くことの重さと向き合うことになるだろう。

ーー ーー ーー
『正義の行方』
ーー ーー ーー
2024/4/27(土)より[東京]ユーロスペースほか全国順次公開

監督:木寺一孝 制作統括:東野真 撮影:澤中淳 音声:卜部忠 照明:柳守彦 音響効果:細見浩三 編集:渡辺政男 制作協力:北條誠人(ユーロスペース) プロデューサー:岩下宏之
特別協力:西日本新聞社 協力:NHKエンタープライズ テレビ版制作・著作:NHK 制作:ビジュアルオフィス・善 製作・配給:東風

2024年/158分/DCP/日本/ドキュメンタリー (C) NHK

WEB https://seiginoyukue.com

X   @seiginoyukue
――――――――――――――――――――――――――――――――――

 木寺一孝監督「事件の経過を知り、大変なことだと驚いた死刑が執行されて、もし無罪になれば、法治国家が揺らぐ大問題だと」。《司法の場では、検察官、弁護士、裁判官が証拠をそれぞれ取捨選択》…でも、これは検察官に証拠が偏在し、弁護士サイドに公開されない多数の検察官や警察官サイドに〝不利な〟証拠、被告の無実を示す証拠が開示されないことが問題なのでは。それらの証拠は国費を使って警察や検察が集めた証拠なのではないのか。裁判官が証拠の開示を強く求めない理由は何か? 
 西田直晃記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/311256?rct=tokuhou)。《1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」。元死刑囚の妻による第2次再審請求で、福岡地裁は非公開審理を終え、再審開始を巡る決定が4月以降に出る見通しとなった。同月には、事件関係者に密着したドキュメンタリー映画「正義の行方」の上映が始まる。監督の木寺一孝さん(58)が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」だった。(西田直晃)》


 何度でも、書く。飯塚事件…既に死刑執行してしまった。山口正紀さんの記事《「飯塚事件」をご存知だろうか。1992年、福岡県飯塚市で起きた2女児殺害事件で逮捕され、無実を訴えていた久間三千年(くま・みちとし)さんが死刑判決を受け、2008年に死刑が執行された(当時70歳)。…オンライン集会は、この第2次再審請求の意義・内容を報告し、支援の輪を広げていこうと企画され、飯塚事件再審の実現に向けて尽力してきた九州大学の大出良知・名誉教授、再審法改正をめざす市民の会木谷明代表(元裁判官)、布川事件の冤罪被害者・桜井昌司さんら幅広い支援者たちの呼びかけで開催された。…布川事件冤罪被害者桜井昌司さん…「こんなことを優秀な裁判官がなぜわからないのか日本の警察はこれまでも証拠を捏造してきました。そうして、どれだけの人が刑務所に入れられ、殺されてきたか。すべてが無責任です。冤罪事件で国家賠償しても、だれも懐が痛まない。そのお金も税金です。足利事件、布川事件、ゴビンダさんの事件東電事件)、東住吉事件だれもその責任を追及しない。再審法を改正しないといけない。税金で集めた証拠を法廷に出すのは当たり前じゃないですか。久間さんの無念は必ず果たせると確信しています。必ず勝ちます。一緒にがんばりましょう。無惨に殺された人の無念を晴らす殺したのは誰か検察庁です」》。

   『●冤罪で死刑執行、あってはならない!!
   『●贖罪:足利事件再鑑定から12日後の2008年10月28日朝、
                飯塚事件久間三千年元死刑囚の死刑が執行

    「2008年10月16日 足利事件 再鑑定へ
     2008年10月28日 飯塚事件 死刑執行
     2009年 4月20日 足利事件 再鑑定で一致せず
     ……そう、足利事件で誤鑑定であることが分かった時には、既に、
     久間さんの死刑が執行されていた。2008年10月16日
     DNA型鑑定に疑問が生じた時点で、死刑執行は停止されておくべき
     だったのに…。なぜ、急いで死刑執行したのか?、
     大変に大きな疑問である」

   『●NNNドキュメント’13: 
      『死刑執行は正しかったのか 飯塚事件 “切りとられた証拠”』
   『●飯塚事件冤罪者を国家が死刑執行、「この重すぎる現実」:
                    無惨…「死刑執行で冤罪を隠蔽」
   『●飯塚事件の闇…2008年10月16日足利事件の再鑑定で
           死刑停止されるべきが、10月28日に死刑執行
    「西日本新聞の二つの記事【死刑下した裁判官が関与 飯塚事件の
     再審請求審 識者「公正さ疑問」】…と、【飯塚事件再審認めず 
     福岡高裁 「目撃証言信用できる」】…」

   『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
     国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)
   『●飯塚事件は《足利事件に続いて「DNA冤罪=DNA型鑑定を悪用した
     冤罪」が発覚するのを恐れた検察による口封じ殺人ではなかったか……》
   『●(FBS)【シリーズ『飯塚事件』検証】…《死刑執行は正しかった
     のか》? 罪なき人・久間三千年さんに対しての《国家による殺人》!
   『●NNNドキュメント【死刑執行は正しかったのかⅢ ~飯塚事件・真犯人
      の影~】…《死刑冤罪の闇を12年間追跡し続けたドキュメンタリー》
   『●飯塚事件…《裁判所は…検察に証拠品のリストの開示を勧告…したが、
     検察は「裁判所に権限はない」「事案の解明に意味はない」などと拒否》
   『●冤罪で死刑執行、飯塚事件…《当時の目撃証言を改めた…女性は「自分の
     証言が影響して死刑になったのではと長年責任を感じていた」と話した》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/311256?rct=tokuhou

こちら特報部
警察官も新聞記者も「葛藤」を抱えて…死刑執行された飯塚事件 再審請求で示される「正義の行方」は
2024年2月25日 12時00分

 1992年に福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」。元死刑囚の妻による第2次再審請求で、福岡地裁は非公開審理を終え、再審開始を巡る決定が4月以降に出る見通しとなった。同月には、事件関係者に密着したドキュメンタリー映画「正義の行方」の上映が始まる。監督の木寺一孝さん(58)が描いたのは、死刑執行後だからこそ、より鮮明に浮かび上がる「人が人を裁く重み」だった。(西田直晃


◆制作期間10年超、それぞれの述懐の「熱量」

 「30年以上前の事件であっても、登場人物の誰もがはっきりした記憶を持ち、自分自身の感情の揺れをそのまま語ってくれた。それでいて熱量もあった」

     (映画「正義の行方」について話す木寺一孝監督)

 インタビューのさなか、木寺さんは10年超の制作過程を振り返りつつ、自らも熱っぽく語った。警察官、弁護士、地元紙の西日本新聞の記者らの述懐により、事件の全体像、今もあいまいな真実の断片を照らし出すよう試みた。


 木寺一孝(きでら・かずたか) 映画監督。1965年、佐賀県有田町生まれ。88年に京都大を卒業後、NHKに入局し、死刑や少年事件などを題材にしたドキュメンタリー番組を制作した。昨年退局。他の監督作品に「”樹木希林”を生きる」。


◆女児2人を殺した罪などで2008年に死刑執行

 事件が起きた飯塚市は、福岡県中部に位置する人口約12万の地方都市。当時、女児2人が登校の途中に行方不明になり、翌日に約20キロ離れた山中で2人の遺体が見つかった。その2年7カ月後、同じ校区に住む久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚=執行時(70)=が死体遺棄容疑で同県警に逮捕された。殺人罪などでも起訴され、一貫して全面否認だったが、2006に死刑判決が確定。08年に執行された。元死刑囚の妻が命日の1年後に再審請求した。

     (久間三千年 元死刑囚(関係者提供))

 木寺さんはこの第1次再審請求から3年後の12年に撮影を始めた。「事件の経過を知り、大変なことだと驚いた死刑が執行されて、もし無罪になれば、法治国家が揺らぐ大問題だと

 再審開始決定後に世に出す予定だったが、機会はなかなか訪れない。「事件の撮影から離れた時期もあった」と明かす木寺さん。転機は、西日本新聞が18〜19年に掲載した独自の調査報道だった。計83回に及ぶ検証紙面に「勇気を得た」といい、取材を重ね、再審請求の行方にかかわらず、世に問おうと決めた。

 第1次再審請求は21年4月、最高裁で退けられたが、22年にBS1スペシャルで3部作のドキュメンタリー番組を放送。今回、それを基に劇場版をまとめた。


◆警察官はつぶやき、弁護士はうなだれた

 「無力やった…」とつぶやく元駐在所員、「俺たちが久間さんを殺した…とうなだれる弁護士、「僕は被告の立場…と述懐する新聞記者。15人ほどの関係者がカメラの前で独白し、スクリーンに浮かび上がったのは三者三様の「葛藤」だった。警察は元死刑囚の自白や謝罪を得られなかったこと、弁護団は再審請求が遅れたこと、新聞社は逮捕前に「重要参考人」のスクープを打ったこと。それぞれが抱える出口のない自問自答をすくい上げた。

     (劇中の一場面。事件を振り返る逮捕当時の
      福岡県警捜査1課長=ⓒNHK)

 「関係者は事件を今まで引きずってきた」と語る木寺さん。「事件当日、被害女児の捜索に携わった小学校の教員でさえ、自分が見つけられていたら…という苦しみを抱えている。その先生は生け花を始め、子ども向けの小説を書くようになった。あの日を起点に人生が左右された人々がたくさんいる

 腰を据えて関係者の胸の内に迫った。元死刑囚が犯人だという心証について、地元での類似事件や元死刑囚の前歴が影響した点を、捜査員自身があけすけに語っている。「裁判は検事と弁護士の芝居」という司法への不信感が見て取れるフレーズも。先行した犯人視報道に「特ダネ競争のプレッシャー」があったと記者は吐露する。「差し向かいで話を聞く中で、予期しない本心がその場で言葉になった」(木寺さん)。仕事への矜持(きょうじ)表裏一体の本音があぶり出されている。


◆「人が人を裁くのがいかに難しいか」

 制作過程を通じ、木寺さんは「人が人を裁くのがいかに難しいか。あらためて痛感した」と強調する。

 「DNA鑑定などの科学鑑定にしても、一つの結論ではなく、二手に分かれて論争の対象になる。司法の場では、検察官、弁護士、裁判官が証拠をそれぞれ取捨選択し、人物の主観が入り込む余地がある。『正義の行方』と題したが、撮影を積み重ねるうちに、正義の行方はさらに混沌(こんとん)としてきた。飯塚事件の白黒も簡単には言えない」

     (劇中の一場面。現場で事件を振り返る
      元西日本新聞の記者=ⓒNHK)

 その上で、現行の司法制度への見解をこう語る。

 「難しいからこそ、本来はもっと慎重に、厳密に精査しないといけない。死刑制度のある日本では特に」と語り、さらに、こう付け加えた。「誤りが分かればすぐに改めればいいのに、なかなか日本では認めたがらない。報道も、司法も。袴田巌さんの事件だって、再審開始が決定後も長々と公判は続いている。間違いが分かっても、そこから逃げている面は否めない」

 女児たちの遺体が発見された雑木林には、2体の小さな地蔵が今も並ぶ。木寺さんは「最終的に立ち返るのはこの現場」と言葉に力を込めた。

 「浮かばれないのは被害者の2死刑が執行されたのに、もし犯人が別に存在するなら、遺族はどうすればいいのか。その点を絶対に忘れてはいけないし、知ってほしいという思いで撮影した」


◆再審開始なら、死刑執行事件では史上初

 飯塚事件で再審が始まれば、死刑執行事件で史上初となる。久間元死刑囚の妻は21年7月、新証拠とともに第2次再審請求をした。弁護団は今月中旬、新証拠の一端を公表した。

 確定判決の根拠の一つは、被害女児2人を最後に目撃した女性の証言だった。ところが、この女性が「事件当日には子どもを見ていない」と、弁護団に対して証言を覆した。女性に対する福岡地裁の尋問も既に行われ、再審可否の争点となるという。

     (久間三千年元死刑囚が妻に宛てた無罪を訴える手紙)

 第1次再審請求審では、被害女児の遺体に付着した血液と元死刑囚のDNA型が一致したとする鑑定結果の信用性が争われた。裁判所は鑑定の信用性の弱さを認めた一方、他の複数の証拠で犯人性は証明されているとして請求を退けた。

 死後再審の例は少ない。再審公判で無罪判決が出たのは、日弁連の支援事件では殺人罪で懲役13年が確定した1953年の「徳島ラジオ商殺し」だけだ。ほかには84年に滋賀県日野町で起きた強盗殺人の犯人とされ、無期懲役となった元受刑者が死亡した「日野町事件」で、2018年に大津地裁が再審開始を決定した。検察側が抗告し、現在は最高裁で争われている。


◆死刑確定後、早い段階で執行された

 飯塚事件について、元東京高裁判事の木谷明弁護士は「DNA鑑定の信用性に疑いが出て、再審請求されるのが確実だったのに、死刑確定の2年後という早い段階で執行された。この事件だけ特に執行を急いだ理由は見当たらず、DNA再鑑定をできなくさせるためと疑われてもやむを得ないせめて、死後でもうやむやにせず、しっかり結末を付けるべきだ」と話す。

 青山学院大の葛野尋之教授(刑事法)は「本人の死後、近親者の死亡や高齢化、事件後の関係悪化で再審請求人が不在になりがちだ。弁護士会などの公益的な立場にある機関が請求人になれる法整備が必要だ」と指摘し、こう続ける。

 「死刑確定後の再審無罪は4件あるが、どの事件も最初から明らかに無罪と分かっていたわけではない。受刑者の死亡後に有力な新証拠が出てくるケースもあり、死刑執行については慎重に吟味しなければならない。飯塚事件の例は、死刑制度と再審制度を並行する限り不可避的に起きる問題をはらんでいる」


◆デスクメモ

 女児らの最後の目撃者とされた女性は「(捜査側から自分の記憶と違う調書を作られた」と語ったという。事実としたらとんでもない話だ過去の出来事では済まされない恣意(しい)的な捜査がえん罪を引き起こした最近の大川原化工機事件を頭に浮かべつつ、そう強く思う。(北)


  ◇

 映画「正義の行方」の公開は、4月27日から東京都渋谷区の「ユーロスペース」で。全国で順次上映される。158分。


【関連記事】被害者が「冤罪の共通点」を語った…袴田事件と大川原化工機事件 半世紀以上変わらぬ長期拘束、自白強要、イジメ
【関連記事】再審法改正へ高まる機運 現状は裁判所のさじ加減、冤罪被害の救済で世界に遅れ

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●《ドキュメンタリー映画「バケモン」(山根真吾監督)が…入場料を全て映画館の収益とする異例の形で、全国各地のミニシアターで上映》

2021年12月31日 00時00分16秒 | Weblog

(20211231[])
飯田樹与記者による、東京新聞の記事【鶴瓶さんの恩返し 生き様描いたドキュメンタリーの収益を映画館側に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/148974)。

 《落語家で俳優の笑福亭鶴瓶さんを追ったドキュメンタリー映画「バケモン」(山根真吾監督)が7月から、入場料を全て映画館の収益とする異例の形で、全国各地のミニシアターで上映されているコロナ禍で苦しむミニシアターの応援が目的で、鶴瓶さんからの恩返しの意味が込められているという。首都圏の劇場関係者らも喜び、苦境をはね返す励みにしたいと話す。(飯田樹与)》
 《映画は鶴瓶さんの所属事務所が製作・配給。鶴瓶さんが昨年、上方落語の最高傑作と名高い「らくだ」を演じた姿を軸に、落語家としての生き様を描く。入場料は通常、映画館が半分、残り半分は製作会社と配給会社に配分されるが、今回は全て劇場に提供する。鶴瓶さんのマネジャー千佐隆智さんは、ミニシアターへの感謝の思いを込めたと明かす》。

 《コロナ禍で苦しむミニシアターの応援が目的で、鶴瓶さんからの恩返しの意味が込められている》そうだし、自公政権の無為無策無能さに苦しむ《ミニシアターへの感謝の思いを込めた》そうだ。



【笑福亭鶴瓶ドキュメンタリー映画『バケモン』公式サイト】
 (http://bakemon-movie.com/
《私たちはいま 毎日の暮らしが過酷で、どう楽しんでいけばいいのか不安になることがある。ドキュメンタリー映画「バケモン」には それを解決するヒントが隠されていると思う。…》



【特別映像】(https://youtu.be/_OUvdjf50Qc



【特別映像】(https://youtu.be/bCY1OgWZ9s8


 『アカン人』達に抗うお一人。アベ様、スカスカオジサン、キシダメ氏…自公お維はアカン人だらけではないか。2021年最後の日、衆院選の結果に打ちのめされ、記憶に新しい赤木雅子さん「ふざけんな!」な認諾事件…思い出すだにまだまだ腹立たしい大晦日。

   『●いま、「陰謀論丸出し」でアベ様の取り巻きが攻撃を開始:
                     吉永小百合さんを断固支持する
    《たしかに吉永は、渡辺謙や笑福亭鶴瓶樹木希林など安保法制に
     反対する芸能人のひとりだったし、今年、山田洋次監督作品
     『母と暮らせば』公開時の雑誌のインタビューや鼎談でも
     「戦後ではなく戦前のようなニュースを見て、言葉を失います
     「戦後七十年ということなんですけど、今、もう「戦後」という
     言葉がなくなってしまいそうな時代になっています」と話し、
     現政権への危機感をあらわにしている。そうした吉永の言動
     小川氏は「広告塔」「恥づかしい事」と批判しているわけだ
     どう考えても「女優としてのあり方、人としての信条」をもっている
     からこそ、吉永は毅然とした態度で安保法制に反対していたのだ
     と思うが、小川氏が吉永を批判する、その論拠を要約すると、
     こういうことだ…》

   『●「自主規制、政権を忖度、報道の萎縮」なテレビ業界で、
        「『よく撮って、知らせてくれた』…お褒めの声」
    《リテラ…【東海テレビ阿武野プロデューサーを直撃! ヤクザの人権、
     犯罪弁護団、安保批判…萎縮状況の中でなぜ東海テレビだけが
     踏み込んだドキュメンタリーをつくれるのか】…
     今、開催されている特集上映「東海テレビドキュメンタリーの世界」
     にも、このシリーズから同局制作の『村と戦争』(第4回)と
     『いくさのかけら』(第5回/2005)が組み込まれているが、
     第1回であった『父の国 母の国』(関西テレビ制作/2009)では、
     ゲストに笑福亭鶴瓶が登場し、政治についてきちっとした主張をした。
     当時、国会での強行成立が間近に迫っていた新安全保障関連法、
     そして安倍政権による憲法9条の空文化に対して、
     こう強い言葉で批判した。
      「いま、法律を変えようとしているあの法律も
       そうでしょうけど、それも含めて、いまの政府がああいう
       方向に行ってしまうっていうね、
       これ、止めないと絶対いけないでしょうね」
      「こんだけね、憲法をね、変えようとしていることに、
       違憲や言うてる人がこんなに多いのにもかかわらず、
       お前なにをしとんねん!っていう」
     この鶴瓶の痛烈な安保・安倍批判は、スポーツ紙などにも取り上げられ、
     大きな反響を呼んだ。テレビ地上波で、それも人気商売の芸能人が
     ここまで踏み込んだ政治的発言をするのは、昨今、異例中の異例
     と言っていい。プロデューサーとして同シリーズを統括した
     阿武野は、反響は織り込み済みだったのかという質問に対し、
     静かに頷く。だが実は、その編集には細心の注意が払われていた。…》

   『●《「法案の審議のスケジュールにつきましてはですね、これはまさに、
      国会でお決めになることでございますから」…この台詞によって…》
    《笑福亭鶴瓶も検察庁法改正案を強く批判した。まず、鶴瓶は
     新型コロナ対応の話題になった際、こう切り出した。「たぶんね、
     歴史の教科書にアカン人て載りますよ。この政権はアカン人が多い
     なって出ますわ」「良い政治家と悪い政治家がわかるなあって。
     俯瞰で見れない政権がいまやっとんなという感じでね。しばらく
     してからは、歴史の教科書のなかにアカン人の名前は出てくるで
     しょうねえ。この時代のアカン政治家」「こんなことでね、いま、
     法案通したりすんのんって、おかしいんですよ、だいたいが。
     井浦新も怒ってますけどね。そら、当然こんなん、
     なぜわからないの?と。いませんと、コロナ対策に必死にならないと。
     それをしないと、みんなおかしいよと思ってるよね」》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/148974

鶴瓶さんの恩返し 生き様描いたドキュメンタリーの収益を映画館側に
2021年12月15日 11時08分

 落語家で俳優の笑福亭鶴瓶さんを追ったドキュメンタリー映画「バケモン」(山根真吾監督)が7月から、入場料を全て映画館の収益とする異例の形で、全国各地のミニシアターで上映されているコロナ禍で苦しむミニシアターの応援が目的で、鶴瓶さんからの恩返しの意味が込められているという。首都圏の劇場関係者らも喜び、苦境をはね返す励みにしたいと話す。(飯田樹与)

     (映画「バケモン」の一場面=デンナーシステムズ提供)

 映画は鶴瓶さんの所属事務所が製作・配給。鶴瓶さんが昨年、上方落語の最高傑作と名高い「らくだ」を演じた姿を軸に、落語家としての生き様を描く。

 入場料は通常、映画館が半分、残り半分は製作会社と配給会社に配分されるが、今回は全て劇場に提供する。鶴瓶さんのマネジャー千佐隆智さんは、ミニシアターへの感謝の思いを込めたと明かす。

 鶴瓶さんの初主演映画「ディア・ドクター」(西川美和監督、09年)はミニシアターを中心に広まってロングラン上映され、鶴瓶さんは日本アカデミー賞優秀主演男優賞などを受賞。芸能人として幅が広がるターニングポイントになったという。

 そうした契機を与えてくれた全国の劇場の窮地を知り、千佐さんは「鶴瓶の新たな評価を作ってくれたミニシアターのために何かできないか」と映画の無償提供を企画。上映済みも含めて74館で公開が決まっている。

     (映画「バケモン」の一場面=デンナーシステムズ提供)

 埼玉県深谷市のミニシアター「深谷シネマ」の竹石研二館長は3月、テレビ番組のロケで同市を訪れていた鶴瓶さんと遭遇。「映画ができるからプレゼントするよ」と声を掛けられた。「冗談だろう」と思っていたら約束通りに無償で配給されて驚いたという。

 深谷シネマも席数制限などでこの2年間は収入が例年から半減。賛助会員の寄付でなんとか運営していた。同館で10月にバケモンを上映した竹石さんは、鶴瓶さんらの厚意にありがたいし励みになると感謝する

     (「つまずいているところに救いの手を差し伸べてくれて
      現代の渋沢栄一みたい」と深谷出身の偉人に例えて感謝する
      深谷シネマの竹石研二館長)

 竹石さんが理事長を務めるNPO法人「埼玉映画ネットワーク」は来年1月8日、埼玉会館(さいたま市浦和区)で、バケモンの上映会を開く。併せて、コロナ禍で披露の機会が減っている埼玉大学の落語研究会の寄席を開催する。

 ネットワークの由布隆専務理事は「映画と落語を楽しみ、新春から明るい気分になる会になれば」と願っている。


◇その他の上映予定は次の通り

 CINEMANEKO(東京)来年1月7〜20日▽下高井戸シネマ(東京)同8日〜未定▽伊勢進富座本館(三重)同15〜20日


【関連記事】国立駅近くで月に1回「映画館」再び 初回15、16日 「映画好きのためのミニシアターに」
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●戦争の記憶の継承…《大谷昭宏さんから伺った話。「戦争の記憶が風化する中、語り継ぐ一つの手段が見えるのでは」と水を向けられ…》

2020年11月24日 00時00分47秒 | Weblog


西日本新聞のコラム【春秋/この夏、東海テレビ(名古屋市)の若い記者が75回目の終戦の日…】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/661718/)。

 《…の企画で、護国神社の参拝者に片っ端からインタビューした。そこから偶然が重なり、ある軍人の九州での死の全貌にたどり着いた ▼ジャーナリスト大谷昭宏さんから伺った話。「戦争の記憶が風化する中、語り継ぐ一つの手段が見えるのでは」と水を向けられ調べてみた》。

   『●『創 (12月号)』読了 (2/2)
   『●ドキュメンタリー『死刑弁護人』: 
      バッシングされ続ける「死刑弁護人」安田好弘さん
   『●司法権力の〝執念〟: 映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』
   『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督・
        映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』
   『●木下昌明さん、『死刑弁護人』映画評
   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                   ……死刑囚の心の叫び」は届かず
   『●無残!……『朝日』は、素人に《人を裁くという経験を通じ、
               死刑と向き合い、是非を考え》させたいらしい
   『●「テレビ業界で煩悩し格闘している人は決して少なくない」
              …「隠された歴史を掘りおこす」地方テレビ局
   『●「自主規制、政権を忖度、報道の萎縮」なテレビ業界で、
              「『よく撮って、知らせてくれた』…お褒めの声」
    《戦後70年にあたる昨年、8月、東海テレビは『戦後70年 樹木希林 
     ドキュメンタリーの旅』という全6回のシリーズを行った。これは、
     女優・樹木希林が番組に関連する場所や人を旅し、更に、毎回ゲストを
     訪ね、過去に全国の地方局が制作してきた戦争の記憶を紡ぐ
     ドキュメンタリーについて語り合うという内容だ》

   『●「自主規制、政権を忖度、報道の萎縮」なテレビ業界で…
             東海テレビ『ヤクザと憲法』の意味が、今、分かる
   『●《新聞を含むマスコミは…「客観中立で、常に事実と
     正論を語る」という自画像を描き、自ら縛られてきた》
   『●東海テレビ…《テレビの危機的な現状を自ら裸になって提示
         …とはいえ…「テレビ局が抱える闇はもっと深い」》
    《東海テレビ制作の映画「さよならテレビ」の試写を見た。
     数々のドキュメンタリー作品を世に問うたことで知られる同社の
     取材班が、なんと、自社の夕方のニュース番組を制作する報道局の
     現場を2年間にわたって追跡し、2018年の同社開局60周年
     記念番組として放送。言論機関としてのテレビの危機的な現状を
     自ら裸になって提示しようという、その蛮勇ともいえる試みが
     話題になった》

   『●《他局の方がおっしゃったという「東海テレビは
     まだ持ちこたえていると思った」の根拠となるような底力を感じます》
   『●《誰を憎めばいいのか、憎むべきでないのか、死刑をどう考えるべき
     なのか、見終わっても答えは出ず、もやもやが心を覆ったままだ…》

 戦争の記憶の継承、《語り継ぐ》。《大谷昭宏さん…「戦争の記憶が風化する中、語り継ぐ一つの手段が見えるのでは」》。

   『●「現実の戦争を知るベテランジャーナリスト」石川文洋さんの言葉に耳を
    《沖縄で写真展を開いた時のことだ。沖縄戦を体験したお年寄りが、
     異国の戦場の様子にじっと見入っていた。平和教育が盛んな土地柄。
     保育士に連れられ、保育園児も足を運んでくれた。「戦争の記憶
     日常の中にあり、子どもたちに引き継がれている。常に戦争を
     意識せざるを得なかった歴史の裏返しです」
      兵士や兵器を積んだ米軍機が今も戦地に向けて飛び立つ
     ベトナム戦争当時と変わらぬ沖縄の風景だ。差別的な基地負担を
     強いられ、常に事件や事故と隣り合わせの被害者であると同時に、
     「後方支援基地として、命を奪う加害者側でもある。そんな罪悪感にも
     似た感情を持つ人は少なくない」。被害者の痛みが理解できる。
     それもまた、沖縄が歩んできた歴史ゆえだ》

   『●「絶望は愚か者の結論」を心に、壊憲を続けるアベ様に根気強く対抗を
   『●現在進行形の「身代わり」: 「反省と不戦の誓いを…
             沖縄を二度と、身代わりにしてはならない」
   『●アベ様に犯罪をもみ消してもらえる「報道」者、
     かたや、「卑劣な報復=身辺調査」を噂される新聞記者…
   『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません
            …私たちが何を学ぶのかが今、問われている」①
   『●『憲法くん』の誇りとは? 《私は六六年間、戦争という名前で
             他国の人々を殺したことがない。それが誇り》
    《演じるのは、ベテラン女優の渡辺美佐子(86)。この短編を挟んで、
     初恋の人を疎開先の広島の原爆で亡くした渡辺が続けている慰霊の
     旅と原爆朗読劇のドキュメントが描かれる。朗読劇は渡辺が中心と
     なって同世代の女優たちと33年間続けてきたもので、今年が最終公演。
     未来に託す戦争の記憶と女優たちの平和への思いが語られる》

   『●水木しげるさんの言葉を…《戦争に向かうハードルが低く…
       戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世に
    《沖縄タイムスの【社説[慰霊の日に]知ることから始めよう】…
     《こういう時期だからこそ、沖縄戦の実相をより深く学び、
     戦争の記憶を引き継ぐ意味を心に刻みたい。きょう沖縄は
     「慰霊の日」を迎える。県民の4人に1人が犠牲になった
     沖縄戦から75年の節目となるが、今年の「6・23」は新型コロナ
     ウイルスの影響で慰霊祭の中止や規模縮小を余儀なくされている》》

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https://www.nishinippon.co.jp/item/n/661718/

春秋
この夏、東海テレビ(名古屋市)の若い記者が75回目の終戦の日…
2020/11/6 10:30

 この夏、東海テレビ(名古屋市)の若い記者が75回目の終戦の日の企画で、護国神社の参拝者に片っ端からインタビューした。そこから偶然が重なり、ある軍人の九州での死の全貌にたどり着いた

▼ジャーナリスト大谷昭宏さんから伺った話。「戦争の記憶が風化する中、語り継ぐ一つの手段が見えるのでは」と水を向けられ調べてみた

▼番組には「父は福岡で終戦1週間前、米軍の空襲で戦死した」と語る男性が登場。ネットのニュース映像を偶然見た人が福岡県筑紫野市役所の草場啓一さんに連絡した。「あなたが追うあの事件の関係者では」

▼1945年8月8日の「西鉄筑紫駅列車銃撃事件」。旧筑紫駅で満員の上下2列車が米軍機の機銃掃射を受けた。犠牲者名簿は現存せず、草場さんは死者100人以上とみて調査を続けている

▼すぐ東海テレビに連絡し男性を訪問、犠牲者が当時27歳の林三夫兵長と分かる。林兵長は果敢に銃撃を縫って車両に戻り負傷者を救出。その4回目に被弾した。虫の息で手帳に「俺は残念。後は頼む」と妻へ記したという

▼「今回はネットの力がうまく働いた」と草場さん。だが身元を特定できた犠牲者はまだ12人。「原爆も投下され敗色濃厚な時期、なぜ罪もない多くの民間人まで殺されたのか。その意味を問い続けるため名前を記録に残したい」と訴える。情報提供は筑紫野市歴史博物館=092(922)1911。
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コメント (2)
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●《他局の方がおっしゃったという「東海テレビはまだ持ちこたえていると思った」の根拠となるような底力を感じます》

2020年05月25日 00時00分53秒 | Weblog


2020年1月のサイゾーのインタビュー記事【東海テレビ『さよならテレビ』映画化記念インタビュー前編 テレビは本当に「終わって」いるのか? 東海テレビ自ら現場に切り込むテレビ報道の“自画像”】(https://www.cyzo.com/2020/01/post_227335_entry.html)。
その後編【東海テレビ『さよならテレビ』映画化記念インタビュー後編 ヤクザに人の生死、そして報道の裏側……東海テレビがドキュメンタリーを作り続けるワケ】(https://www.cyzo.com/2020/01/post_227374_entry.html)。
 アップするのが遅くなりました。1月の記事。

 《自らを取材対象とし、テレビ局、特に報道の現場の今をつまびらかにした(ように見えた)このドキュメンタリーは、企画からして挑戦的だった。結果、テレビ局のリアルな姿に真摯に向き合った様子を示したが、見る人によっては「不都合な真実」のようにも受け取られる内容となった。放送関係者の間では賛否両論が吹き荒れ、あなたの、あの人の、あの部署の反応や見解を知りたくて、東海地域の番組だったにもかかわらず、録画DVDが広がっていったのだった。そんな放送業界に激震を与えた東海テレビだが、ドキュメンタリー番組の劇場公開を複数実施しているという顔も持っている》。
 《東海テレビが制作し、東海テレビの放送エリアだけで流れたドキュメンタリー番組『さよならテレビ』では、自らを取材対象とし、テレビ報道の現場をつまびらかにした挑戦的な企画で話題を呼んでいる。放送業界に激震を与えた同作を視聴した森永真弓氏が、ディレクターを努めた圡方宏史と、プロデューサーの阿武野勝彦に、その制作現場について聞いたこのインタビュー。後編では、制作側の意図を超えた“意外な反応”やテレビ番組のあり方のこれからについて聞いた》。

   『●『創 (12月号)』読了 (2/2)
   『●ドキュメンタリー『死刑弁護人』: 
      バッシングされ続ける「死刑弁護人」安田好弘さん
   『●司法権力の〝執念〟: 映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』
   『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督・
        映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』
   『●木下昌明さん、『死刑弁護人』映画評
   『●血の通わぬ冷たい国の冷たい司法: 「奥西勝死刑囚(87)
                     ・・・・・・死刑囚の心の叫び」は届かず
   『●無残!……『朝日』は、素人に《人を裁くという経験を通じ、
               死刑と向き合い、是非を考え》させたいらしい

   『●「テレビ業界で煩悩し格闘している人は決して少なくない」
              …「隠された歴史を掘りおこす」地方テレビ局
   『●「自主規制、政権を忖度、報道の萎縮」なテレビ業界で、
              「『よく撮って、知らせてくれた』…お褒めの声」
   『●「自主規制、政権を忖度、報道の萎縮」なテレビ業界で…
             東海テレビ『ヤクザと憲法』の意味が、今、分かる
   『●《新聞を含むマスコミは…「客観中立で、常に事実と
     正論を語る」という自画像を描き、自ら縛られてきた》

   『●東海テレビ…《テレビの危機的な現状を自ら裸になって提示
         …とはいえ…「テレビ局が抱える闇はもっと深い」》
    《東海テレビ制作の映画「さよならテレビ」の試写を見た。
     数々のドキュメンタリー作品を世に問うたことで知られる同社の
     取材班が、なんと、自社の夕方のニュース番組を制作する報道局の
     現場を2年間にわたって追跡し、2018年の同社開局60周年
     記念番組として放送。言論機関としてのテレビの危機的な現状を
     自ら裸になって提示しようという、その蛮勇ともいえる試みが
     話題になった》

 印象に残った一言。《阿武野 当時の社長が、放送を見て私に聞いてきたのは「この番組はテレビに対する愛があるのか?」です。そこで、僕は「愛がなければこんな番組はできません」とはっきり言いました。それで納得してくれました》。

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https://www.cyzo.com/2020/01/post_227335_entry.html


     (映画 ドキュメンタリー 東海テレビ さよならテレビ)

 昨年から、放送関係者の間で「絶対見たほうがいい」と「裏ビデオ」のように出回り、さまざまな場で話題に上がっていたテレビ番組がある。

 東海テレビが制作し、東海テレビ放送地域で流れたドキュメンタリー番組『さよならテレビ』。自らを取材対象とし、テレビ局、特に報道の現場の今をつまびらかにした(ように見えた)このドキュメンタリーは、企画からして挑戦的だった。

 結果、テレビ局のリアルな姿に真摯に向き合った様子を示したが、見る人によっては「不都合な真実」のようにも受け取られる内容となった。放送関係者の間では賛否両論が吹き荒れ、あなたの、あの人の、あの部署の反応や見解を知りたくて、東海地域の番組だったにもかかわらず、録画DVDが広がっていったのだった。

 そんな放送業界に激震を与えた東海テレビだが、ドキュメンタリー番組の劇場公開を複数実施しているという顔も持っている。

 暴力団事務所に100日間密着し、ヤクザたちの日常を描いた『ヤクザと憲法』。「本当の豊かさとは何か」を樹木希林さんのナレーションで問いかける『人生フルーツ』は、劇場公開で26万人を動員している。「放送エリアではなく見る手段がないだけに、お金を払ってでもどうしても見たい」と思わせる、異色かつ力強いドキュメンタリー作品を世の中に生み出し続けている。そんな東海テレビが、自社の報道局の内幕を部分的に映し出したこの作品。そこには、報道と視聴率、テレビ制作者の置かれた労働環境といったさまざまな問題の、リアルな様子が描き出されている。

 テレビ局の赤裸々な姿が、何故ドキュメンタリー番組の対象となるとテレビ局が考えたのか? どんな意図が、どんな思いがあったのか? 今回、映画化を記念して、マスメディアのマーケティング関係の仕事を手掛け、実際に「裏ビデオ」段階で同作を視聴した森永真弓氏が、ディレクターを務めた圡方宏史と、プロデューサーの阿武野勝彦に聞いた。

◇ ◇ ◇

──2018年9月に東海テレビ開局60周年記念番組として放送された『さよならテレビ』が、2020 年1月2日から映画作品として公開されます。そもそもこの企画は、どのようにして始まったのでしょうか?

圡方 プロデューサーの阿武野に、自分たちのテレビ局を舞台にしたドキュメンタリーを作りたいと話したところ、「自画像」というキーワードを出されました。「自画像」という意味では、まず東海テレビ自身を取材しなければならない。なかでも、他の部署ではなく、撮影する自分たちの自画像を描くべきではないかと考え、自分の所属する報道局に、1年7カ月カメラを置いたんです。

 当初は、そこからバラエティ番組の部署などに取材を広げていくとか、ほかのテレビ局にまでいくとか……いろいろな構想もあったのは確かです。しかし取材を重ねるうちに、様々な組織を追うよりも、登場人物たちに迫ったほうがドキュメンタリーとして魅力的になるなと。さらに同じ場所で撮影を続けることで、組織の変化や揺れ動きも浮き上がって見えてくる。結果的に報道局のみに焦点を絞った内容になりました。

阿武野 テレビの歴史は、報道から始まりました。報道は一番根っこの部署です。だからテレビらしさは、報道に凝縮していると思うんです。報道を追いかけることで見えてくる問題は、バラエティなどにも共通すると思うんです。いろいろな部門でカメラを回せば良かったと思うのですが、後日「『さよならテレビ』営業版も作ってほしい」と営業局長から言われました。


「撮るな!」のシーンが業界内で波紋

──ほかの局にも話を広げる可能性があったんですね。映像の中では、報道局にカメラを置こうとすると、部署内に不穏な空気が漂い、撮影スタッフに対してデスクが「撮るな!」と怒りを顕にする部分もありました。あれはネットで書かれがちな「テレビ局の闇!」のようなステレオタイプな悪いイメージを象徴するシーンが、そのまま現れたようにも見えました。

阿武野 闇だなんて。そんな意図はありません。そんなにこの取材は歓迎されていないというジングル程度だったのですが、東京キー局のキャスターが「テレビは今みんなこんなだよ、でもうちはもっとひどい」と言ったので、ちょっとびっくりしました。テレビの業界全体的に、現状を憂う人は沢山いて、「今変われないとまずい」という共通認識がある。そう考えている人たちを刺激したシーンの1つですね。

圡方 そうですね。ただ、あの「撮るな」というシーンを見て、あるテレビ局関係者からは「東海テレビはまだ持ちこたえていると思った」と反応もあったんです。

──「持ちこたえている」というのは……「自分のいる現場よりはマシ」に見えた人もいたということでしょうか?

圡方 いま、テレビ界には、撮られることを嫌だとすら感じなくなっているほど、機械的に仕事をしている人も多いということなんです。特にキー局は組織が大きいですし、仕事がシステマティックになっている分、問題も深いのかもしれません。「撮られることを嫌がるというのは、まだ自意識もあり、撮られる人の気持ちもわかるという人達が集まっている現場の証拠なんじゃないか」ということだと思います。

── 放送後、業界にDVDが出回って、各方面からの感想を聞かれたと思います。「えっ? そんなこと考えるんだ?」と、制作者からするととても驚いたもの、想定外だったものなどはありましたか? 逆に「想定内、想定内」と思ったこととか。

阿武野 全体的に、見る人によって感想が全く異なっていますね。経営者、管理職、社員、組合員、派遣、請負い、アルバイトなどいろいろですね。驚きなのが、「これはみんな演じているのか?」と聞いてくる人も結構多かったですね。

圡方 だいたい全部驚きましたよね。「そんなとこ気になるんだ!」、「そんな解釈するんだ!」って。「最後救われました」って言った人もいて、正直「へえ、そうなんだ」って。

阿武野 そもそもこのDVDがこんなに出回ったことが驚きでしたね。凄まじい数だったと思うんです。東海、北陸、東京だけでなく東北、九州、北海道でも「アレ見ました」と声をかけられましたし、名古屋ローカルの番組の影響がこんなに広がったことが驚きでした。「どうやったら見られますか」と聞かれたこともたくさんありました。ローカルで放送したドキュメンタリーが何の賞を取ったでもなく、こんなに反響があることは、今までないですね。
 その中で、ジャーナリズム関連の本を本棚にずらりと並べていた澤村慎太郎記者のシーンについて、さまざまな人から「あれは本当なのか?」という声をもらいました。「この場面がそんな気になる?」って、ねえ?(圡方氏を見る)

圡方 でしたねえ。


澤村記者の本当の姿はそう簡単に解釈できない

──その澤村記者のシーン、私もかなり気になったんですよ。「今のテレビは大切なものを伝えていないのではないか」と問題意識を投げかける、ジャーナリスト意識が高い澤村記者が、ものすごく熱く語っているのに、映像では本人ではなく執拗なまでに部屋の本棚にずらっと並ぶ、ドキュメンタリ関連の新書が並ぶ様子を映し続けていたのが印象的でした。

阿武野 あれ実は、ロケ用のセットなんです。

──ええええええ!?!?

阿武野 ……と、言うと、みんな「ほーっ」て、信じてしまう(笑)。

──え、あ、ちがうんですね、ほんとに? ちがうんだ、良かった……いや本当に、本当に信じかけましたからね?(笑)。「やだこれ人に言えないじゃん」と思ってしまいましたよ。ああびっくりしました。……一応念の為確認しますけど本当にセットじゃないんですよね?

阿武野 (笑)。それくらい、どこが現実で、どこがフィクションなのかわからなくなってしまうんでしょうね。それこそ、製作者の術中ですよ。

──正直なところ、あの本棚に並ぶ本をずっと見ているうちに、澤村さんは魂を持って行動する真のジャーナリストなのか、それとも、ジャーナリズムの本をひたすら読んでいるだけのジャーナリストに憧れているだけのサラリーマンなのか、どちらなんだろうかと不安を覚えたんですよね……。

阿武野 そうなんです。あの本棚の並びを見て「あんなに様々な本を読んでいる、澤村記者は素晴らしいジャーナリストだ」と感じる人もいました。一方、映像の中には「このネタは今行かないとだめですよ」と圡方にけしかけられ、煮え切らない部分も描かれています。反発しながらも、しっかりドキュメンタリー制作に協力しているシーンも出てくる。澤村記者の本当の姿は、そう簡単に解釈できません。私たち製作者が思う以上に、いろんな見方をされるんだなとも感じました。
 ただ、澤村記者が勉強家であることは確かです。今のテレビ局の記者はあんなに勉強してません。そもそもあの映像に写っている本は、彼の蔵書の本のごく一部だそうです。実に勉強家です。

圡方 僕は澤村記者と話していて「こんなに勉強しているのか」と驚いた方なんです。確かに、映像に写っている本の傾向はイデオロギー的に偏っているように思えますが、彼は、内容はもちろんその背景までをもしっかりと読み込んでいます。右であれ左であれ、あれだけ本を読んでいるテレビマンはあまり見かけません。「事件をどのように報じるべきか?」「メディアはどうあるべきか?」「自分は事件から何を感じているのか?」といった、メディアの倫理を考えて仕事に取り組んでいる人は、今のテレビの世界には少なくなっているんじゃないでしょうか。自分の意見があるというか。もっと上の世代にはいたのかもしれないのですが。
 自分を含め、最近のテレビの人間は「どうやったら見てもらえるか」あるいは、もっと消極的に「どうやったら叩かれないか」と、受け手の反応だけを過剰に意識して制作している人が少なくありません。映像の中にあるように、澤村記者から「テレビの闇はもっと深いのではないか?」と問われて、自分自身も答えられませんでしたからね。

──あれは、本当に言い淀んでいたんですね。「相手の反応をもっと引き出すために敢えて答えない」という手法なのかととらえてしまっていました。実は「ここで黙って更に言わせようとするのはちょっと意地悪だなー」とまで思っていたんですが、考えすぎだったんですね(笑)。そんな、言い淀んでしまった部分を、あえてカットせずに使ったのはなぜでしょうか?

圡方 え、そんな見方をされてたんですね。面白い。あれはもう、本当に答えられなかっただけですよね。意見を持っているという段階で、澤村記者を単純に凄いと思っていました。情けない姿ではありますが、僕自身もまた東海テレビの社員であり、報道局に所属しているメンバーであり、ドキュメンタリーの取材対象の1つなんですよね。そういう意味で、典型的なテレビ局社員の姿として「答えられない」姿を残したほうがいいなと。


いつの日か、東海テレビも生まれ変わるかもしれない

──え? 圡方さんも、取材対象の中の人ということですか?

阿武野 そうです。圡方自身ニュースデスクであり、よく見ると、映像の中で圡方が通常業務中に上司から怒られている姿も映し出されています。自分たちを描く以上、自分の足場までを含めてしっかりと見せていかなければならない。だって、自社の報道局を映している以上、カメラは自分にも向いているんですからね。

──まさに「自画像」として作っているんですね。

阿武野 はい。カメラを自分に向けるには、尋常じゃない覚悟が必要です。よく、他のテレビ局の人が「うちではこんな企画はできない」と言うのですが、とても残念に思います。「できない」のではなくやらないだけ。それは、覚悟もないまま発せられる言葉なんです。
 今回の企画を通じて、さまざまなテレビ局の方々と勉強会をしました。今のテレビは破局に向かって切迫しているんじゃないか、自分たちの時代感覚はどうなのか?これをきっかけに、若い人たちがいろいろな表現にチャレンジしてくれたら嬉しいと、いろいろなところに出向きました。名古屋発で描いた自画像が、いろいろなところで、いろんな受け止められ方をして、いつの日か、東海テレビも生まれ変わるかもしれない。
 『さよならテレビ』は、テレビの世界に波風を立てました。この波風を追い風にして、若い人たちには冒険して欲しいんです。


インタビュー|森永真弓

構成|萩原雄太(かもめマシーン)

阿武野勝彦
1959 年生まれ。同志社大学新聞学科卒業、81 年東海テレビ入社。アナウンサーを経てドキュメンタリー制作。 主なディレクター作品に「村と戦争」(95・放送文化基金賞優秀賞)、「約束~日本一のダムが奪うもの~」(07・ 地方の時代映像祭グランプリ)など。プロデュース作品に「とうちゃんはエジソン」(03・ギャラクシー大賞)、「裁判長のお弁当」(07・同大賞)、「光と影光市母子殺害事件 弁護団の 300 日~」(08・日本民間放送連盟賞最優秀賞)など。 劇場公開作は『平成ジレンマ』(10)、『死刑弁護人』(12)、『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』(12)、『ホームレス理事長 退学球児再生計画』(13)、『神宮希林』(14)、『ヤクザと憲法』(15)、『人生フルーツ』(16)、『眠る村』(18)でプロデューサー、『青空どろぼう』(10)、『長良川ド根性』(12)で共同監督を務める。個人賞として、日本記者クラブ賞(09)、芸術選奨文部科学大臣賞(12)、放送文化基金賞(16)など。東海テレビドキュメンタリー劇場として、菊池寛賞(18)。

圡方宏史
1976年生まれ。上智大学英文学科卒業、98年東海テレビ入社。制作部で情報番組やバラエティ番組のAD、ディレクターを経験したのち09年に報道部に異動。遊軍としてメイン企画コーナーのVTRを担当する。11年、12年に日本の農業や交通死亡事故をテーマにした啓発キャンペーンCMなどを製作。『ホームレス理事長 退学球児再生計画』(13)でドキュメンタリー映画を初監督。公共キャンペーン・スポット「震災から3年~伝えつづける~」で、第52回ギャラクシー賞CM部門大賞、2014年ACC賞ゴールド賞を受賞。公共キャンペーン・スポット「戦争を、考えつづける。」で2015年ACC賞グランプリ(総務大臣賞)を受賞。2016年、監督第2作となる『ヤクザと憲法』(15)を劇場公開し大反響を呼ぶ。
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https://www.cyzo.com/2020/01/post_227374_entry.html

東海テレビ『さよならテレビ』映画化記念インタビュー後編
ヤクザに人の生死、そして報道の裏側……東海テレビがドキュメンタリーを作り続けるワケ
文=日刊サイゾー編集部(@cyzo)

     (映画 東海テレビ さよならテレビ ドミュメンタリー)

 東海テレビが制作し、東海テレビの放送エリアだけで流れたドキュメンタリー番組『さよならテレビ』では、自らを取材対象とし、テレビ報道の現場をつまびらかにした挑戦的な企画で話題を呼んでいる。

 放送業界に激震を与えた同作を視聴した森永真弓氏が、ディレクターを努めた圡方宏史と、プロデューサーの阿武野勝彦に、その制作現場について聞いたこのインタビュー。後編では、制作側の意図を超えた“意外な反応”やテレビ番組のあり方のこれからについて聞いた。

◇ ◇ ◇

──『さよならテレビ』の制作後、社内ではどのような反響があったのでしょうか? 作中に「試写会は必ずする」という約束が出てきましたが、結局試写会の様子は描かれていませんよね。

圡方 作品として全体を見たときに最後に、更に社内でのハレーションを加える必要はないなと思ったので入れませんでした。ちなみに試写で揉めたということはなかったです。どちらかといえば阿武野プロデューサーの作戦が凄くて……。直す時間がないというオンエアの2~3日前に試写をやって、感想を聞く場もなく即解散という。まああのあと各々は飲み会なんかして話し合ったりしたのかなあと思いますけど。

阿武野 ドキュメンタリーは、取材対象に放送前に見せないものです。身内を描こうが、外部を描こうが、それは同じで良いと。でも、行きがかり上、試写会を開くと約束してしまった。だけど、試写をしたら、それで終わり。ありがとうございましたと。放送直前に、ああだこうだ言われても困りますし、意見聞いてもそれを反映して編集し直すことはしないですからね。いつもと同じですが、取材者と取材対象は、放送について議論する必要はないと思いました。意見は、放送後にいつでもたっぷり寄せなさいよと。

──放送後、意見を聞く場をもうけたのですか?

阿武野 放送終了後に、全社に呼びかけて質疑応答のティーチ・インを開催しました。かなり厳しい反応も飛び交いましたね。特に、50代以上のベテラン層からは「とんでもないものを放送した」「東海テレビのイメージを毀損しているんじゃないか」「敢えてよくないイメージだけを切り取って作っているのではないか」という意見を浴びせかけられました。

圡方 年齢やキャリアの長さで反応は違いましたね。年齢を重ねた社員は、仕事と自分のアイデンティティが一体化している人も多い。そうなると、テレビのマイナス面を描かれたことが、あたかも自分自身が傷つけられたように感じられたようです。

──そんな反応を浴びて、どのように返答したのでしょうか?

阿武野 「自分のつま先だけを見て言わないでほしい。もっと遠くに視線を投げてほしい」と反論しました。50代のテレビマンは、まだテレビの影響力が大きいうちに退職を迎えられる、いわば逃げ切り世代です。しかし、もっと先を見て手を打っていかなければ、若い世代にこの組織をつないでいけません。ティーチ・インでは、若い世代は、この番組を「面白いと素直に言えない組織はヤバイ」と言ったし、「もっと自由に表現をしていいんだ」ということに気づいてくれたようでしたね。


■この作品を見た上層部の反応は?

──テレビ業界の中でも、世代によって反応が異なるんですね。もう1つ気になるのが、これを見た上層部の反応です。どのように見たのでしょうか?

阿武野 当時の社長が、放送を見て私に聞いてきたのは「この番組はテレビに対する愛があるのか?」です。そこで、僕は「愛がなければこんな番組はできません」とはっきり言いました。それで納得してくれました。

──なるほど。上層部の理解があったからこそ、業界全体の話題をさらうような企画が成立したんですね。他局の方がおっしゃったという「東海テレビはまだ持ちこたえていると思った」の根拠となるような底力を感じます。
 さてこれまで、東海テレビのドキュメンタリーは『人生フルーツ』や、『ヤクザと憲法』など11本が映画化されていますが、今回『さよならテレビ』も映画として公開されました。

圡方 『さよならテレビ』の場合、放送の時点から映画化が決まっていたわけではなかったです。テレビバージョンをつくったあとに、これは全国の人々に見てもらったほうがいいということになり、映画化の話が進んでいったんです。

阿武野 これまで、東海テレビのドキュメンタリーは11本を映画として公開してきましたが、いつでも公開する時には恐怖を覚えます。テレビで放送することも怖いけれども、映画の観客は、映画館でお金を支払って見に来ますよね。そんな人々の反響はいつもすごく怖いし、その分、とても楽しみです。

──テレビ放送版と映画版両方を見させていただいて感じたことがあります。テレビ放送版は「テレビの報道現場の今はどうなっているのか」がテーマですが、映画版になってそこに「ドキュメンタリーとはなにか」というテーマが加わったんじゃないか、と。

圡方 へえ! それはまた新しい感想です。どのへんでそのように感じられました?

──テレビ放送版よりも作品の長さがあることによって、シーンが増えてますよね。その増えた分の中に、敢えてきつい表現を選ぶならば「露悪的」というか、「実はここ、こういう仕込みをしてました」と制作のネタバラシが多く含まれている印象を受けまして。ありのままを切り取るはずのドキュメンタリーでそこを見せるというのは、問題提起したいことのひとつなのかな、と感じたんです。

圡方 それは考えすぎかもしれません(笑)。そもそもの制作の工程をお話すると、まず今回の映画版とほぼ同じ長さのものを作ったんです。で、そこから削ったのがテレビ版です。もともと映画になったらいいね、と意識して作ったというのもありますし。その後、映画も作ろうということで、もともとの長さのものを生かしたという形ですね。なので、映画に作り変えるときになにかテーマを足したということはないんです。たまたまそう見えたってことなんじゃないでしょうか。

──なるほど……。映画版でも、テレビ版でも、作り手側が恣意的に加えた変化はないということなんですね。いやたしかに、深読みしすぎでした(笑)。
 ところで、ドキュメンタリーを映画で上映することに対して、東海テレビは積極的ですが、ネット配信やDVD販売などはしていませんよね。これはなぜなのでしょうか?

阿武野 みんなが流れていく方向に行くのはあまり好きではないというのもありますね。一人の世界で、ネットで楽しんでもらうよりも、映画館に足を運んでもらい、不特定多数の人とともに、周囲の息遣いを感じながら作品を見てもらいたいというのが希望です。テレビがパーソナルメディアになっていっているからこそ、ネット配信やDVDといったよりパーソナルな方向ではなく、映画というソーシャルな方に向かうことが大事なのではないかと考えています。

──パーソナルな形で受容されてしまう一方、より多くの人々に見てもらうことがでるのがネット配信の魅力です。それを捨てでもやらないのは、どんな考えからなのでしょうか?

阿武野 ネット配信の場合、どうしてもお手軽で「消費」というイメージがあります。そうではなく、自分たちの作品の、もっと大事な手渡し方があるのではないか。それに、もしも、これまでの作品もネット配信をしていたら、ここまで東海テレビのドキュメンタリーに注目してもらえることはなかったでしょう。映画館でしか見られないからこそ、特別感がある。ただ消費されるものにならないような手渡し方の工夫があってもいいんじゃないかなと

圡方 僕自身、通勤途中などでNetflixを見ていますが、どうしても細切れになってしまいますよね。映画館で見た時には涙するほど感動的だったはずの作品が、配信で通勤時間で細かく割って少しづつ見ると、あの時の感動がすっかりと抜け落ちてしまうんです。ディレクターとしては、自分の作ったドキュメンタリーがそのように消費されるのはやはり寂しいなと思ってしまうんですよね。最後まで集中して見た結果、生まれるリアクションを見たいんです。
 映画館ならば、最初から最後まで集中して見てもらうことができる。そして、上映後には見た人のリアクションにも直接触れることができます。テレビやネットなどでは、視聴者のリアクションを見ることはできないですからね。


■観客の反応が帰ってくる場所に身を置くと気持ちが生き返る

阿武野 私たちの製作スタッフは、映画館に足を運び「お客さんがこんなふうに笑っていた」「こんなポイントで泣いていた」と報告しあいます。テレビとは違って、観客の反応が帰ってくる場所に身を置くと、作り手としての気持ちが生き返るような気がします。ネット配信に比べれば少ない人数なのでしょうが、そんな反応を得ることは代え難いものです。

──では最後に。『さよならテレビ』は、映画館でどんな反応が返ってくると思いますか?

阿武野 怖いですよね。テレビも不特定多数に出す怖さがありますが、映画はお金を出して映画館に観に来てくれる生身の人たちですから、凄く怖いです。でも、それは、すごく楽しみでもあります。

圡方 自分たちのことを描いているので、極論すれば「これはドキュメンタリーなのか」さえも自分ではよくわからないんです。自分自身20年以上テレビの現場で働いているベテラン選手なので、用語とか業務の流れとか当たり前に感じていることが多すぎて、一般の人たちが見て何がわからないのかもわからないんですよね。どこに常識のラインを置くかということもとても気をつけました。

──業界で話題になったときとはまた違った種類の感想も出てくるかもしれないですね。

圡方 おそらく、みんなが「満足せず」に帰るのではないかと思っています。『さよならテレビ』は、テレビのいい部分を描くわけでもなく、かといって、ありがちな『テレビの闇』を描いているわけでもない。テレビを取り巻く構造には問題が多いものの、そこで働く個人を見れば、決して憎めないことがわかります。スッキリとわかりやすい結論を得られる内容ではないんです。よくまとまっていた、って言われるのが作り手としては一番悲しいんですよね。


インタビュー|森永真弓
構成|萩原雄太(かもめマシーン)
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コメント
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●《「法案の審議のスケジュールにつきましてはですね、これはまさに、国会でお決めになることでございますから」…この台詞によって…》

2020年05月19日 00時00分18秒 | Weblog


リテラの記事【安倍首相が「#検察庁法改正案に抗議します」を無視して大ウソ答弁! 井浦新、宮本亜門の批判を突きつけられて唖然の一言…】(https://lite-ra.com/2020/05/post-5417.html)。

 《笑福亭鶴瓶も検察庁法改正案を強く批判した。まず、鶴瓶は新型コロナ対応の話題になった際、こう切り出した。「たぶんね、歴史の教科書に『アカン人』て載りますよ。この政権はアカン人が多いなって出ますわ」「良い政治家と悪い政治家がわかるなあって。俯瞰で見れない政権がいまやっとんなという感じでね。しばらくしてからは、歴史の教科書のなかにアカン人の名前は出てくるでしょうねえ。この時代のアカン政治家」「こんなことでね、いま、法案通したりすんのんって、おかしいんですよ、だいたいが。井浦新も怒ってますけどね。そら、当然こんなん、なぜわからないの?と。いませんと、コロナ対策に必死にならないと。それをしないと、みんなおかしいよと思ってるよね」》

   『●「沖縄から核兵器を撤去させ、ベトナム戦争の出撃拠点と
         しないようアメリカと激しい外交交渉を重ねた」人
    《井浦は「撮り終わって作品ができても、沖縄の状況は今もずっと
     続いている。なんなら状況はもっと悪くなって何も終わっていない
     沖縄、日本の若い世代にも見てもらって、知ってもらいたい」》

 《火事に真摯に向かい合っていない》? アベ様が火をつけた人災の犯人なんですもの。他人による火事場ではない。今回も、《「国会がお決めになること」。この台詞によって、これまで安倍首相は森友問題での昭恵夫人や加計問題での加計孝太郎理事長などの証人喚問、「桜を見る会」問題での集中審議もすべて突っぱねてきたが、またもこれで逃亡を図ったのだ》。相変らずの卑怯者。

りんく   『●《緊急事態宣言を利用した監視社会強化に反対》! 《国民を互いに
     監視させ、体制批判をする人を密告…》…が横行する社会でいいの?

 《市民が市民を監視し非難するコロナ禍は人の心までむしばんだのか》、《相互監視の中で密告が横行する社会といえば、戦前を思い起こす》。
 《行動は自粛しても(政権への)批判は自粛しちゃだめだ…ひるまず「マジか!」を続けよう》(斎藤美奈子さん)。《殺し合いを強いられる側が狂った火事場泥棒のシナリオに乗ってしまったら、取り返しのつかないことに》(斎藤貴男さん)。〝放火〟泥棒に縄を綯わせる様な愚かなことが…。壊憲や緊急事態条項の導入、また、お得意の閣議決定で有耶無耶に定年延長した黒川弘務氏に関して、更なる定年延長をもくろむ検察庁法改正案(壊壊)を内閣委員会で強行採決を狙っている…検察人事の私物化。違法に準司法な行政官の人事に手を突っ込む…。国がどんどんと壊れていく…。

 アベ様曰く「内閣の恣意的な人事が今後おこなわれるといった懸念は、もちろんまったく当たりません」だって? 問題は、「可能な道」を作ることでしょ? 武器や兵器と同じ。持てば「使いたくなる」、「使う」のがアベ様ら。
 《どこまでも保身しか考えず、日本ではいままでなかった規模で抗議の声があがっているというのに、それと向き合おうとせず逃げようとする安倍首相──》。

   『●《安倍政権にはどうしても、官邸に近い黒川氏を検察トップに据えたい
          訳がある…検察が政権に私物化されれば、「首相の犯罪」は…》
    「【本音のコラム 「検察人事の私物化」 前川喜平】…《検察も教育行政も
     政治的中立性が不可欠な分野だ。検察が政権に私物化されれば、
     首相の犯罪は決して暴かれることがないだろう》」

   『●アベ様は《時間や任期が有限である事実から目を背け、ひたすら
     無限を渇望…。歯止めを失って暴走する権力という車輪は、どこに…》
    「《任期は、権力の歯止め》…内閣による恣意的な検察官人事にも言える
     こと。海渡雄一さんらが呼びかけた「 #検察庁法改正案に抗議します 」
     「 #検察庁法改正法案に抗議します 」は〝ネットデモ〟となり、
     400万を超えるツイートが。」

 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/罰すべきものを罰せない社会に】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202005110000037.html)によると、《★ところがネットの世界では「 #検察庁法改正案に抗議します 」の投稿が、約380万を超えトレンド入りしている。平時ならばこれほど国民が関心を寄せるテーマではないかもしれないが、三権分立が破壊される民主主義が危ないといった声がネットにあふれるのは、まさにこのコロナ禍での政府の対応や、さかのぼる森友・加計学園事件での疑惑の官僚たちの逃げ切り方、コロナ禍の中でも社会を覆う、例えばPCR検査を受けられる人とそうでない人、財政支援を受けられる人とそうでない人など上流市民の存在が見え隠れするからだろう。先月25日の産経新聞には元最高検検事・清水勇男の寄稿「検事長定年延長問題 権力に『やりやすい』と思われたら検事は終わり」が掲載された。「罰すべきものは罰する。そんな当たり前のようなことができないような社会になったらおしまいなのである」。ネットの声と元検察幹部の声がシンクロした》。
 東京新聞の記事【 #検察庁法改正案に抗議します 投稿470万件】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202005/CK2020051102000117.html)によると、《10日午後10時時点で470万件を超えた。俳優や歌手ら著名人も投稿し、新型コロナウイルス感染拡大の影響で街頭での抗議が難しい中、ネット上でのデモとなっている。…日本では芸能人が政治的な発言を避ける傾向にあるが、フォロワー(読者)の多い著名人の声がうねりにつながった。法改正案は8日、与党側の強行で衆院内閣委員会で実質審議入り。野党側は、法改正を待たずに黒川弘務東京高検検事長(63)の定年延長を閣議決定したことを問題視し、森雅子法相への質疑が必要と求めたが、与党側が拒否した。法改正されれば政権が人事に介入できるようになり、検察の独立性が危ぶまれている》
 日刊スポーツの記事【「国民の怒りどう受け取るのか」野党が首相に訴え】(https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202005110000243.html)によると、《宮本徹議員…「…ら著名な方々、芸能人の皆さんも多数が参加されていた」とツイートを紹介後「三権分立を揺るがす独裁者の発想だ」と指摘。「総理は自らの権力守るために悪法を押し通す火事場泥棒だと国民には映っている。国民の怒りをどう受け取るのか」と質問した。安倍晋三首相は「解釈変更は法務省において適切に行ったもの」とし「内閣の恣意(しい)的な人事が今後行われるご懸念にはまったく当たらない」と正当性を強調した。宮本氏はさらに「これだけたくさんの方が、著名人含めて、市民国民ツイッターで意思表示したのはかつてない事態ですよ。これをどう受け止めているのか」と質問したが、首相は「先ほど答弁した通りです」とだけ答えると、与野党からヤジが飛んだ。宮本氏は「まったく国民の怒りに答えていない。国民の声に耳を傾けるつもりもない。そういう姿勢にますます危惧を持つと思う。撤回すべきだ」と強く訴えた》。

 #検察庁法改正に抗議します! … 熱狂的信者の皆さんも酷いねぇ。
 リテラの記事【加藤清隆、竹内久美子、百田尚樹…安倍応援団が「#検察庁法改正案に抗議します」に「中国の陰謀」「テレビ局が黒幕」とトンデモバッシング!】(https://lite-ra.com/2020/05/post-5418.html)によると、《安倍政権が手下である黒川弘務・東京高検検事長を検事総長に据えるため、後付けで定年延長を合法化しようと企む「検察庁法改正案」。本サイトでも既報のように、この無茶苦茶な“権力私物化法案”には多くの芸能人や文化人が反対を表明し、普段は公に政治的発言をしない人々までもが抗議の声をあげたわけだが、そんななか、案の定と言うべきか安倍応援団がトンデモな法案反対芸能人バッシングを展開している。とりわけ失笑を禁じ得ないのが、時事通信出身の右派政治評論家・加藤清隆氏だ。加藤氏といえば、安倍政権を徹底擁護しまくる極右論壇誌の常連で、今年2月には立憲民主党の有田芳生参院議員へのツイートが東京地裁からも名誉毀損の“フェイク”認定されている御仁だが、この間、Twitterで法案に反対する芸能人たちへ片っ端から難癖のリプライ(返信)を送りつけていた》。

 COVID19人災に対するアベ様と云う放火犯、それ以外の様々な犯罪を握りつぶしてもらう検事総長を選びたい…放火泥棒に縄を綯わせる大愚。
 【社説 [検察庁法改正案] 一体誰のため 何のため】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/570103)によると、《検察官の定年を現行の63歳から65歳に引き上げる検察庁法改正案の実質審議が8日から始まった。ツイッター上に抗議の声があふれたのは、翌9日から10日にかけてのことだ。「#検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグ(検索目印)を付けた投稿が、市民だけでなく著名人からも相次いだ。 「摩訶不思議で理解不能。なんのために?誰のために?この大変な時期に姑息(こそく)な事をやってんだい?」(元格闘家、高田延彦さん)。高田さんをはじめ俳優の井浦新さん、浅野忠信さんら著名人の投稿が相次いでリツイートされ、その数は一時480万件を超えた。投稿は週末の夜から急増した。読み取れるのは、法案の中身に対する強い危機感と、この時期にあえて不要不急の問題法案を提出したことに対する怒りである。政府の新型コロナウイルス対策そのものが、国民から厳しい批判を浴びている。それなのに、火事場泥棒のように法案を押し通そうとする。その姿勢に、強烈な不信感が示されたのである》。
 東京新聞の社説【検事の定年延長 ツイートの抗議に耳を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2020051202000164.html)によると、《「#検察庁法改正案に抗議します」のSNS投稿が四百七十万件に達した。政権が検察人事に介入しうる法改正への異議申し立てだ。コロナ禍のどさくさ紛れの早期成立を与党は断念すべきだ》。

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https://lite-ra.com/2020/05/post-5417.html

安倍首相が「#検察庁法改正案に抗議します」を無視して大ウソ答弁! 井浦新、宮本亜門の批判を突きつけられて唖然の一言…
2020.05.11 10:02

     (本日11日、予算委員で答弁する安倍首相
      (衆議院TVインターネット審議中継より))

 Twitter上で広がりつづける「#検察庁法改正案に抗議します」の投稿。小泉今日子やきゃりーぱみゅぱみゅ、井浦新、浅野忠信、いきものがかり・水野良樹など、俳優やミュージシャン、作家など多岐にわたるジャンルの著名人たちが相次いで反対の声をあげたが、さらに10日に放送された『ヤングタウン日曜日』(MBSラジオ)では、笑福亭鶴瓶も検察庁法改正案を強く批判した。。

 まず、鶴瓶は新型コロナ対応の話題になった際、こう切り出した。

「たぶんね、歴史の教科書に『アカン人』て載りますよ。この政権はアカン人が多いなって出ますわ」
「良い政治家と悪い政治家がわかるなあって。俯瞰で見れない政権がいまやっとんなという感じでね。しばらくしてからは、歴史の教科書のなかにアカン人の名前は出てくるでしょうねえ。この時代のアカン政治家」
「こんなことでね、いま、法案通したりすんのんって、おかしいんですよ、だいたいが。井浦新も怒ってますけどね。そら、当然こんなん、なぜわからないの?と。いませんと、コロナ対策に必死にならないと。それをしないと、みんなおかしいよと思ってるよね」

 鶴瓶といえば、2015年の安保法案の国会審議中も、樹木希林と共演した際、「こんだけね、憲法をね、変えようとしていることに、違憲や言うてる人がこんなに多いのにもかかわらず、お前なにをしとんねん!っていう」「変な解釈して向こうへ行こうとしてるけど、絶対したらあかん」と安倍政権の解釈改憲を批判。「僕なんか微力ですけど、やっぱり違う!っていうのは言いつづけなあかんですよね」と述べていたが、今回も安倍政権による「変な解釈」による法の捻じ曲げとその正当化である検察庁法改正案に猛然と「NO」を叩きつけたのだ。

 安保法制以来、いや、それ以上かもしれないほどに勢いを増す、今回の検察庁法改正案に反対する人びとの声──。しかし、問題の張本人である安倍首相は、本日おこなわれた国会の予算委員会でこの市民から巻き起こった怒りの声をぶつけられても、受け止めようともせず、信じられないことに「無視」を決め込んだのだ。

 たとえば、午前の衆院予算委員会では、立憲民主党の枝野幸男代表が「検察庁法改正は、安倍政権が黒川(弘務・東京高検)検事長定年を違法に延長した、脱法的に延長したことを事後的に正当化しようとするもの」「違法があれば総理大臣すら逮捕することができる、その検察庁の幹部人事を内閣が恣意的にコントロールできるという、権力分立原則に抵触する大問題」「どさくさ紛れに火事場泥棒のように決められることではない」と指摘。その上で、Twitter上で起きた大きなうねりに言及し、安倍首相にこう問うた。

「総理は感染症危機を乗り越えることよりも、こうした世論に背を向けて、自分に都合のいい法律をつくることを優先して危機の状況を政治的に悪用しようとしているのではないですか。火事場泥棒という言葉があります。火事場泥棒は、火事に真摯に向かい合っていない、軽く向き合っているからできることです。まさにその状態じゃないですか」

 500万を超える「#検察庁法改正案に抗議します」という市民からの声。果たして、この多くの意見に対し、安倍首相は何と答えるのか──。だが、答弁席に立った安倍首相の口から出た言葉は、あまりに無責任なものだった

「あの、法案の審議のスケジュールにつきましてはですね、これはまさに、国会でお決めになることでございますから」

 出た、安倍首相が都合の悪いときに決まって言い出す「国会がお決めになること」。この台詞によって、これまで安倍首相は森友問題での昭恵夫人や加計問題での加計孝太郎理事長などの証人喚問、「桜を見る会」問題での集中審議もすべて突っぱねてきたが、またもこれで逃亡を図ったのだ


■黒川を検事総長にするため“役職定年制の例外”を設けながらそのことはネグって「適切」と強弁した安倍首相

 そして、安倍首相はつづけて、手元の紙をこのように長々と読み上げたのだった。

「国家公務員については、今後、これまで行政を支えてきた多くの職員が60歳を迎えるなかで、その知識・技術、経験等を持つ職員に最大限活用してもらいつつ、複雑・高度化する行政課題に的確に対応していくため、できるかぎり速やかに定年を引き上げることが必要であると認識しております」
「今般の検察庁法の改正部分の趣旨・目的もこれと同じであり、ひとつの法案として束ねた上でご審議いただくことが適切であると承知をしているところでございますが、重ねて申し上げますが、まさに法案審議のスケジュールにつきましては国会でお決めいただくことでございます」

 まったく、どうしてこのような見え透いた嘘を平気でつけるのか。昨年、内閣法制局が審査を完了させた検察庁法の改正案は、検察官の定年を65歳に引き上げ、63歳からは検事長や次長検事などの幹部の役職に就けないという“役職定年制”を設けたものだった。それが今回国会に提出された法案では、役職定年に例外を設け、内閣や法務大臣が「公務の運営に著しい支障が生じる」と認めれば、最長3年そのポストにい続けられる、という特例が設けられたのである。つまり、当初の役職定年の規定を骨抜きにしてしまっているのだ。

 ようするに、これまでも数々の政権不祥事・事件を不起訴にしてきた“安倍首相の番犬”である黒川弘務・東京高検検事長を閣議決定で違法に定年延長させたことを正当化し、さらには今後も検察人事に介入できる道をつくろうとしているだけではないか。

 しかし、安倍首相は、この法案の問題点を野党から指摘されても通り一遍の答弁を繰り返すだけ。国民民主党の後藤祐一衆院議員が「この検察庁法改正案の質疑を先週金曜日から強行したのは、森友・加計、桜、これから4つ目が出てくるかもしれない、そのときに黒川検事長のような方が自分を守ってくれる“守護神”として必要だからではないか」と追及しても、安倍首相は「まったく当たりません」と連呼したのだ。

「それはまったく当たりません。あの、検察官もですね、一般職の国家公務員であり、国家公務員法の勤務延長にかんする規定が適用されるとの今回の解釈変更は、検察庁法を所管する法務省において、適切におこなったものと承知をしております」
「法改正においては、検察官の定年延長にあたって、その要件となる事由を事前に明確化することとしておりまして、内閣の恣意的な人事が今後おこなわれるといった懸念は、もちろんまったく当たりません」

 「今回の解釈変更は法務省が適切におこなった」って、解釈変更が「口頭決裁」だったというのに、よく言えたものだ。しかも「定年延長の事由を明確化する」と安倍首相は言うが、そんなものは「経験豊富」だの適当に理由をつくるだけで済まされてしまう。それで独立性が求められる検察の人事に政権が介入できてしまうようになるということなのに、「懸念はまったく当たらない」わけがない。だからこそ、Twitter上では多くの懸念が寄せられているのではないか。


■井浦新の〈保身のために都合良く法律も政治もねじ曲げないで〉ツイートが国会で取り上げられた

 そんななか、Twitter上で寄せられた懸念を安倍首相に投げかけたのは、日本共産党の宮本徹衆院議員だった。宮本議員は井浦新の〈もうこれ以上、保身のために都合良く法律も政治もねじ曲げないで下さいこの国を壊さないで下さい〉という投稿や、演出家の宮本亜門の〈このコロナ禍の混乱の中、集中すべきは人の命。どうみても民主主義とはかけ離れた法案を強引に決めることは、日本にとって悲劇です〉というツイートを紹介。今回の検察庁法改正を「私、はっきり言って、三権分立を揺るがす独裁者の発想だと言わなければならないと思っております」と突きつけ、安倍首相にこう迫った。

「国民みんなが自粛をして新型コロナと戦っている最中に自らの権力を守るために悪法を押し通す、火事場泥棒だと国民に映っているわけであります。総理、この国民の怒り、どう受け止めていますか」

 しかし、「国民の怒りをどう受け止めるか」と訊かれたにもかかわらず、安倍首相はまたも壊れたテープレコーダーのように、これまでと同じ答弁を繰り返すだけ。これに、宮本議員は「先程お伺いしたのは、これだけたくさんの方がTwitterで、著名人も含め市民・国民が意思表示したのはかつてない事態ですよ? これをどう受け止めているのかということを伺っているんですよ!」と重ねて質問したが、安倍首相の答弁は、こんなそっけないものだった。

「先程答弁したとおりでございます」

 さらに、午後の参院予算委員会では、立憲民主党の福山哲郎参院議員が「国民が声をあげている。この国民の声に対して、総理はどのようにお答えになりますか」とぶつけたが、安倍首相の態度はまったく変わらず、同じ主張をリピートするだけ。「この500万のTwitterについての認識を問うているのに、まったく関係ないこと答えないでください」と福山議員は食い下がったが、それに対する答弁はこうだ。

「あの、さまざまな政府の対応について、ま、さまざまな反応があるんだろうと、こう思いますが、いま申し上げたようにですね、私どもはこの法案を提出させていただいた趣旨についてご説明させていただいた。ま、こういう説明をしていくことが重要だろうと、このように考えております」

 Twitterに寄せられたこれだけの批判も「さまざまな反応があるんだろう」の一言だけ。いや、野党議員たちが具体的に法案の問題点をぶつけても、それに対する一方的な主張を押し通し、「国家公務員法から検察庁法を切り離して審議しませんか」「ちゃんとした議論はコロナのあとでやりましょう」と提案されても、「国会がお決めになること」の一点張り……。安倍首相は何かあると「国民の声に真摯に耳を傾ける」というが、その実態がこれなのである。


■内閣委員会では森まさこ法相隠し、一方、本日の予算委では安倍首相のかわりに立たせようと

 このように、国民の声を一切無視しつづけた安倍首相。しかも、この無責任ぶりの裏で、さらに姑息なことをやろうとしていた。

 検察庁法改正案を含む国家公務員法等改正案が衆院内閣委員会で審議入りしたのは先週8日のことだが、検察庁法の改正には定年延長を法の解釈変更で決めた森まさこ法相の出席は必須であり、立憲民主党や国民民主党、共産党などは法務委員会との連合審査を求めた。経緯を考えてもあまりにも当然の要求だが、これを与党は蹴り、自民党の松本文明・衆院内閣委員長の職権で委員会開催を決定・強行。野党側は反発し、審議に出席したのは自民・公明の与党と、日本維新の会の議員だけだった。

 こうして強権を使って委員会審議での“森法相隠し”に成功した安倍自民党。ところが、本日おこなわれた予算委員会では、隠したはずの森法相を、安倍自民党は出席させようとしていた、というのだ。

 今朝、立憲民主党の大串博志衆院議員は、このようなツイートをおこなった。

〈今日衆議院予算委員会(NHK中継)にて、枝野代表が本件を安倍総理に質します(9:50〜)。ところが政府与党は、ここでは呼んでもいない森法相を答弁に立たせてくれ、と。法案審議では森法相を隠すくせに、「安倍隠し」のためには森法相を盾に使うのか? とんでもない!〉

 本日の衆参予算委員会でおこなわれた集中審議は「緊急事態宣言の延長について」がテーマであり、出席大臣のなかには森法相は含まれていなかった。だが、Twitterでの国民の声の高まりを受けて野党側が検察庁法改正案について取り上げるとわかると、今度は森法相を出席させようとした、というわけだ。

 結局、森法相が出席することはなかったが、ようするにこれは、Twitterで検察庁法改正案に抗議する声が大きくなっていることについて安倍首相が答弁するのを嫌がり、自分の代わりに森法相に答弁させようとしたのだろう。新型コロナ対応でも安倍首相は、PCR検査の少なさや生活支援策の問題点を追及されると、「総理にお答えいただきたい」と指名されても加藤勝信厚労相や西村康稔コロナ担当相に答弁させ、会見でも何かあると専門家会議の副座長で諮問委員会会長である尾身茂氏に答えさせている始末だが、きょうも同じように森法相を身代わりにさせようとしていたというわけだ

 どこまでも保身しか考えず、日本ではいままでなかった規模で抗議の声があがっているというのに、それと向き合おうとせず逃げようとする安倍首相──。しかも、ここまで国民が怒っているのに、法案撤回をする気は微塵もないらしい。実際、安倍自民党の森山裕・国会対策委員長は本日、「今の国会でやることが大事で、今週中に参議院に送付したい」などと言い、今週中の採決・衆院通過を目指すことを明言したのだ。

 新型コロナ対応も後手後手なのに、まさかここで押し通そうとは……。ようするに、安倍首相は国民を軽視し、これだけの声があがっても一向に気にもとめていないのだ。

 ならば、もっと怒ろうもっと声をあげよう。そうでなければ、国民はこの男からずっと、こうした扱いを受けつづけることになるのである。

(編集部)
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●加害者性と被害者性…「私たち一人一人が被害者となり、加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も…」

2017年12月11日 00時00分23秒 | Weblog

[※ 『NNNドキュメント’17記憶の澱』(2017年12月3日(日))↑]



【記憶の澱/NNNドキュメント’17】(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-73.html)。

 《先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。…心の奥底にまるで「」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、その両方が存在しました》。

   『●「竹やりで…」「特攻艇・震洋」「人間機雷・伏龍」…
      「最も戦争に接近した八月」に「愚かな戦争に学ぶ」
   『●加害者性と被害者性の両面…
     米兵に《「ゴーホーム」と言ったが、「ご両親が待ってるよ」と付け加えた》
    《息子は元米兵。4回のイラク戦争派遣の合間に、名護市辺野古の
     キャンプ・シュワブに駐留した。そのゲート前で、米国在住の
     長島志津子さん(67)は1カ月間、戦争の愚かさを訴え続けた。
     「政治家にだまされないで」。息子の後遺症という被害者性と、
     歓迎されないまま沖縄に駐留した加害者性と》

 「強姦…、強姦…、強姦…、姦淫…」「殺さなくてもいい中国人を殺した…」「自分の子どもが、もしあんな殺され方をしたら、と思うと…」「22~23歳、25歳までの若い者が、戦車に対して急造の爆弾で飛び込む…これが沖縄戦の戦い」。
 そんな人殺しに、子や孫を行かせたいという親の気持ちを理解できない。戦争などという最悪な愚かな行為を肯定する政治屋の気が知れない。《戦争がもたらすもの》に何の想像も働かせない人達。

   『●自公お維キト支持者、「どうして、危険を回避してくれるような
                    リーダーがほしいとならないのだろうか?」

 リテラの記事【明石家さんまが「戦争のために税金を納めてるんじゃない!」「武器に金使うなら税金収めない」と国税局に抗議】(http://lite-ra.com/2017/12/post-3636.html)によると、《戦争に予算を使う政府に憤り、税務署に文句を言いに行ったことがあるというエピソードを語った。「一度、俺は税務署に文句言いに行ったことあるから。湾岸戦争のときにね、日本が何億って、アメリカに武器をつくる代金として渡したことがあるんですけど、そのときは税務署行って、『俺はね、人殺しのアシストしたくて働いてるんじゃない』と。『こんなもんに金使うんだったら、俺は納めません』って言うて。ほんなら、コーヒー出してくれはって、『それはうちじゃなくて、違うところに言ってください』って。で、コーヒーいただいて、『お疲れさーん』言うて帰ってきた。それは、もっと上のほうに、法律をつくる人に言わなあかんから」》。
 証拠隠蔽・虚偽答弁で昇格された佐川宣寿国税庁長官殿に聞かせてやりたいよ、全く。

 偽ウヨクや偽極右がいくら否定しても拭えぬ「加害者性」と、ロシア兵にによる《性の接待》による「被害者性」…。樹木希林さんの重いナレーションは…「私たち一人一人が被害者となり、加害者となり得る戦争。戦争はどこかで今も続いています…」。
 《戦争がもたらすものとは―。人々の記憶から、反戦を訴えます》。《記憶の澱》な歴史を正視せず、何の教訓も得ず、「加害者性」に対する反省も無く、《反戦を訴え》ることもしない…。

   『●『本田靖春/「戦後」を追い続けたジャーナリスト』読了
    「斎藤貴男さんの、少し悲壮感漂うエッセイ「囚われだらけの時代に」。
     『カルト資本主義』。『誘拐』や『不当逮捕』、『』。立松和博
     斎藤さんや本田さんがなぜ文春にという疑問?が・・・、《文春論調も
     体質も、しかし明確な保守であり、どうしても相容れない一線があるのを、
     本田さんは知っていた。鈴木明氏の「『南京大虐殺』のまぼろし」が
     一九七三年の大宅壮一ノンフィクション賞さえ受賞するに及んで
     彼は文春を離れていく》」

   『●「こりゃ違憲!」『週刊金曜日』
      (2012年11月23日、921号)についてのつぶやき
   『●原発推進: 国民が見えているとは思えない政権
    《また、行政改革相に就いた稲田朋美氏は「南京大虐殺」を否定し、
     東京裁判を「不法無効な裁判」と批判してきた。河野談話や
     村山談話の見直しは「戦後レジームからの脱却」を
     唱える安倍氏の持論だ》

   『●「日本の恥と呼ぶべき存在」
   『●「平和なアジアという井戸を掘る意思があるのかどうか、疑わしい」
    《河村たかし市長は、友好都市である南京市の共産党幹部が
     訪問した際に南京大虐殺は無かったのではないかと発言した
     その問題意識について、市長は記者会見で「子孫のため(歴史認識を)
     真実へと正すのは六十三歳のじいさま(市長)の社会的、政治的使命だ
     と思っとります」と述べた。…
      二〇〇六年の安倍晋三・胡錦濤首脳会談の合意を受けて
     スタートした日中歴史共同研究委員会は二年前、南京事件について
     「虐殺行為に及んだ日本側に責任があるとの認識では一致した」
     との報告を公表した。一方、犠牲者数は、中国側の「三十余万人」、
     日本側の「二十万人を上限に四万人、二万人などさまざまな推計がある」
     と両論を併記し》

   『●『自然と人間』(2013年12月号、Vol.210)についてのつぶやき
   『●ジャーナリズムの矜持無きこんな「公共」放送なんて要らない!
    《…と語ったのは、作家の百田尚樹氏だ。南京大虐殺については
     「そんなことはなかった」と否定もした。しかも、東京都知事選の
     立候補者の応援演説の場だった》

   『●一国の首相が歴史修正主義者なんて恥ずかしいし、
            羞恥心の無さと自覚の無さという救いの無さ
    「《1937年の日本軍による南京大虐殺がなかったといまだに主張
     という記事に対して反論したそうです。ここの部分については
     歴史修正主義者ではないのかもしれません。世界に向けて
     発せられたその点のみは良かった」

   『●首相からして歴史修正主義者な国の文科大臣の「食言」
   『●日本社会は歪んでる: ネオナチやヘイトスピーチ集団に
                    「信奉」される議員が取り巻くアベ様
    《第2次安倍内閣の命取りになりかねないのが女性大臣や党幹部と
     極右活動家とのつながりだ。高市早苗総務相と稲田朋美政調会長が
     「国家社会主義日本労働者党」の代表者・山田一成氏と撮った
     ツーショット写真が海外メディアに報じられてしまった
      山田氏はヒトラーを崇拝する活動家。「民族浄化を推進しなければ
     ならない」「在日朝鮮人殲滅」など、ナチそっくりのスローガンを掲げ
     HPにカギ十字によく似たマークを掲げている。ユダヤ人への
     ホロコーストを「日本の南京大虐殺とまったく同じで、戦勝国がつくったデマ」
     と否定している。まさに日本版「ネオナチ」だ。一体、どんな人物なのか》

   『●『朝日』の「誤報」よりも、 
      誰が国際社会の印象を落としているでしょうか?

   『●「吉田調書と原発」 『週刊金曜日』
       (2014年10月10日、1011号)についてのつぶやき
   『●「「慰安婦」問題と言論弾圧」 『週刊金曜日』
          (2014年11月14日、1016号)について
   『●「業界の失いつつある信頼」の回復への第一歩:
         NNNドキュメント’15『南京事件 兵士たちの遺言』
   『●『超・反知性主義入門』の小田嶋隆さんインタビュー、
             「そういう政権を選んだ国民にも危険な兆候」
    《ユネスコの記憶遺産に南京大虐殺が登録された時、菅官房長官は
     分担金を減らすことを示唆しました。驚天動地の発言で、昔だったら
     クビが飛んでいると思う。虐殺した数についての議論はあってしかるべき
     だが、虐殺の事実そのものを否定したり、分担金を減らしてユネスコに
     圧力をかけるのは別次元の話でしょう。しかし、菅官房長官がああ言うのは、
     国民の方に『ユネスコはケシカラン』という応援の声があるのを感じたから
     だと思う。ああいう発言ができちゃう空気が、すでに存在しているんですよ》

   『●アレらの「ウヨク雑誌」「ウヨク広報機関」と比較にならぬほど、
      この真っ当な「左翼雑誌」=『通販生活』

   『●ウヨクが「揶揄」した《赤い宮様》の死…、
      血で「赤」く汚れた歴史修正主義者は、いま、何を思う?
    「『LITERA 本と雑誌の知を再発見』…の宮島みつや氏の記事
     【逝去した三笠宮が語っていた歴史修正主義批判! 日本軍南京での行為を
     「虐殺以外の何物でもない」と】」

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http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-73.html

NNNドキュメント’17
2017年12月3日(日) 25:05【拡大枠】
記憶の澱



先の大戦の記憶を、今だからこそ「語り、残したい」という人々がいます。性暴力、捕虜の殺害、民間人の殺害、性の接待―。心の奥底にまるで「」のようにこびりついた記憶には「被害」と「加害」、その両方が存在しました。日本人女性が性暴力を受ける現場を目の当たりにした人にも、大陸を侵攻した元日本兵にも、性の接待をせざるを得なかった満洲開拓団の人々にも。戦争がもたらすものとは―。人々の記憶から、反戦を訴えます

語り/樹木希林 制作/山口放送 放送枠/55分

再放送
 BS・CSの再放送なし
 ※10/8放送の「放射能とトモダチ作戦」を再放送します。
   12月10日(日)11:00~ BS日テレ
   12月10日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」
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●「自主規制、政権を忖度、報道の萎縮」なテレビ業界で、「『よく撮って、知らせてくれた』…お褒めの声」

2016年11月04日 00時00分08秒 | Weblog


LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の編集部によるインタビュー記事【東海テレビ・阿武野プロデューサーを直撃! ヤクザの人権、犯罪弁護団、安保批判…萎縮状況の中でなぜ東海テレビだけが踏み込んだドキュメンタリーをつくれるのか】(http://lite-ra.com/2016/11/post-2663.html)。

 《圧力、自主規制、政権を忖度、報道の萎縮……そんな言葉がしきりに聞かれているテレビ業界において、異彩を放つ刺激的なドキュメンタリーが放映されているのを知っているだろうか。名古屋を拠点とする、東海テレビの作品だ》。

   『●「テレビ業界で煩悩し格闘している人は決して少なくない」
              …「隠された歴史を掘りおこす」地方テレビ局
    「優れたドキュメンタリーが、東海テレビ琉球朝日放送南海放送
     といった地方のテレビ局で生み出され、そして映画化される。
     『死刑弁護人』や『標的の村』、『放射線を浴びたX年後』といった作品
     である。
      東海テレビ阿武野勝彦プロデューサーは《映画にすることで、
     作品は命を永らえることができる》、森達也さんは《テレビ業界で煩悩し
     格闘している人は決して少なくない》、そして、木下昌明さん
     《隠された歴史を掘りおこす》と言う」。

 「圧力、自主規制、政権を忖度、報道の萎縮…テレビ業界」で「異彩を放つ刺激的なドキュメンタリー」を放ち続ける東海テレビ。阿武野勝彦氏は「ど真ん中の仕事…ドキュメンタリーの真ん中」であり、そんな仕事には「『よく撮って、知らせてくれた』…お褒めの声のほうが多い」そうだ。

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http://lite-ra.com/2016/11/post-2663.html

東海テレビ・阿武野プロデューサーを直撃!
ヤクザの人権、犯罪弁護団、安保批判…萎縮状況の中でなぜ東海テレビだけが踏み込んだドキュメンタリーをつくれるのか
インタビュー編集部 2016.11.02

     (東海テレビ・阿武野勝彦

 圧力、自主規制、政権を忖度、報道の萎縮……そんな言葉がしきりに聞かれているテレビ業界において、異彩を放つ刺激的なドキュメンタリーが放映されているのを知っているだろうか。名古屋を拠点とする、東海テレビの作品だ。
 光市母子殺害事件の弁護団に密着した『光と影』(2008)、戸塚ヨットスクールの今を描いた『平成ジレンマ』(2010)、ヤクザの人権問題に切り込んだ『ヤクザと憲法』(2015)など、ここ数年、東海テレビが放送したキュメンタリーの数々は物議をかもしてきた。
 しかし、東海テレビのドキュメンタリーは放送中止になることもなく、現在も定期的に地上波でチャレンジングな新作が公開されているばかりか、近年では映画版として再編集され、全国のミニシアターを中心に上映も行われている。
 大口のスポンサーもつかず、縮小していくテレビドキュメンタリーの世界で、フジテレビ系列の東海テレビがなぜ、多様な作品を制作し、放送し続けることができるのか。それ以前に、トラブルを避けたがるテレビマンがほとんどのなかで、なぜこういう作品をつくろうとするのか。

   「たとえば、障害のある人を取材対象にして何だか観たことの
    あるような“いい話”の番組って、ありますよね。障害のある人を
    主人公にするのが悪いと言っているんじゃなくて、ステレオタイプに
    描くのは、安易なやり方で、むしろ失礼だと思うんですよ。あるいは
    タレントを海外に連れて行って、ありきたりな感想を述べるのを
    ありがたがったりするような“ありがち”な番組。私はそれ、
    ドキュメンタリーじゃないんじゃないの?って思う。制作者の志
    どこにあるのだろうと思っちゃいますね」

 そうサラリと業界批判をしてのけるのは、監督やプロデューサーとして一連のドキュメンタリーを支えてきた東海テレビの阿武野勝彦。1981年、アナウンサーとして同局に入社後、報道局記者、営業局業務部長などを経験しながら、『ガウディへの旅』(1990)、『村と戦争』(1995)、『黒いダイヤ』(2005)など多数のドキュメンタリーのディレクターを務めてきた。東海テレビのお家芸である「司法シリーズ」と呼ばれる一連の作品群でも、同局の齊藤潤一とのタッグで『裁判長のお弁当』(2007)や前述『光と影』、『死刑弁護人』(2012)などを手がけ、数々の賞を受賞。「異端」「型破り」ともいわれる放送人だ。
 まず、阿武野に聞きたいのは、普通の地上波が扱わないような“危険な”テーマに踏み込んで、これまで圧力や規制、クレームなどを受けたことがなかったのか、ということだった。しかし、阿武野はこんな拍子抜けするような返事をする。

   「いや、私たちがやっていることは、ど真ん中の仕事。キワモノでも
    なければ、トンガっているわけでもなくて、ドキュメンタリーの真ん中
    当たり前のことを当たり前にやっているという認識しかないので。
    クレームなんかもそんなにこないですよ。むしろテレビを観てくれた
    みなさんからは『よく撮って、知らせてくれた』というお褒めの声のほうが
    多いくらい」

 が、個別に聞いてみると、やはり局内外でのトラブルはないわけではない。たとえば、光市母子殺害事件を扱った『光と影』。この事件では、被害者遺族の訴えがメディアで盛んに取り上げられ、被告の元少年を「極刑にせよ」という世論が過熱彼を弁護する弁護団もまた「鬼畜」とバッシングを受けた。その「鬼畜弁護団」側にカメラを入れた『光と影』の制作中、阿武野は東海テレビの当時の社長と番組を挟んで、直接相対したという。

   「『光と影』は少々揉めましたね。制作が7、8割方進んでいるところで
    突然、先代の社長ですが、私を呼び出し『鬼畜を弁護する鬼畜弁護団
    それを番組にするお前は鬼畜だ!』『お前は狂ってる!』というような
    ことを言われましたね。社長に狂人扱いされるなんて中々ないですよね。
    でも、これは私が辞表出して済む話ではないんですよって。
    東海テレビの名前を出して、私たちは弁護団と取材をする、
    されるという関係になっている。その途中で社長の鶴の一声というか、
    圧力というか、で番組をやめるわけにはいかない
    『社長が制作を止めるんですよ、よろしいんですね? 相手は腕っこきの
    弁護団ですよ? 訴えられるのは、社長ですよ』とお話しましたね。
    当時の報道局長と編成局長も、どういう形であってもいいから番組に
    しようと言ってくれて、放送することが出来ましたね」

 キー局のフジテレビともいろいろあったようだ。もともとフジテレビ系列では、地方局制作のドキュメンタリーが全国ネットで放送される機会はほとんどない。例外は「FNSドキュメンタリー大賞」に応募し、ノミネート作として深夜に放送されるぐらいだ。いわば地方局にとって唯一、全国の視聴者を獲得できる“出口”。しかし、阿武野たちは、数年前から「FNSドキュメンタリー大賞」についてはノミネート枠を、他の部署に譲った。なぜか。
 きっかけは、『ホームレス理事長 退学球児再生計画』(2013)を巡っての、東海テレビ社内の対応とフジテレビからの放送謝絶だった。ドロップアウトした高校球児たちに「再び野球と勉強の場を」と謳うNPOを取材した本作には、金策に奔走する理事長が取材スタッフに土下座して借金を懇願したり、闇金にまで手をだすなど、かなり“危うい”場面がある。なかでも作中で監督が球児にビンタを連発するシーンは、名古屋での放送時に物議を醸した。フジテレビはこの番組について放送しない決定をした。

   「終わったことですし、話すと長くなるんですけど(笑)。まあ、
    あのビンタのシーンでもめたんですよ。フジテレビは番組考査にかける、
    という話しになった。ようは、番組を事前にチェックしてウチで
    放送できるかどうか検討します、というわけですね。でも、これまで
    そういうことはしてこなかったはずですし、各局で放送した内容を
    そのまま放送するのが前提だったはず。何でそうなったのか説明もなく、
    これからどうするかも伝えられず、その対応が理解できなかった。
    信頼関係が崩れたと思いましたね。だから、私たちはこの仕組みには
    乗れないと。喧嘩した訳ではなく、番組、ドキュメンタリー、
    放送についての考え方が違う以上、仕方がない、
    ご遠慮申し上げることにしたんですね」

 こうした姿勢は時として、暴走に映ることもある。たとえば『平成ジレンマ』は“体罰の代名詞”と化している戸塚ヨットスクールの今に密着した作品だが、激しい批判が起きた。本サイトから見ても、体罰肯定論の宣伝につながるような危うさを感じざるをえなかった。
 しかし、阿武野はこうした批判も、ドキュメンタリーには付きものだと思っている。それは彼が求めているものが、右か左か、正義か悪かという二元論的な価値観を超えたもっと深いところにあるからだろう。その深い場所に光をあてるためならば、ときに世間の流れの逆側に立って物事を切り取ることもいとわないそういう覚悟に裏打ちされているような気がする。

   「ありがちなドキュメンタリーは、誰も求めていないと思うんです。
    決まり切った美談のようなものを求めているという風に制作者が
    思っているとしたら、大きな勘違い。そんな時代じゃないよって
    思うんです」

   「今、みんなどうやってリスクを回避するかにとても繊細ですよね。
    そういう教育を受けているから仕方がないと思います。でも、
    私たちのところには、リスクだらけのところに突っ込んでいって
    何かとんでもないドブの中から宝物を引っ張りだすぐらいの力を
    持っている人間が、いるんです」

 たしかに、この姿勢がなければ、この息苦しいテレビの世界で、あんな作品をつくり続けるのは不可能だろう
 しかし、同時に彼は、ただ猛進するだけでもない。たとえば、物議をかもすような題材を扱うにあたり、阿武野は必ずクレームを担当する部署に、事前に想定される問答集をつくって手渡しているという。また、作品についても、たんに撮ったものをすべて出すということではなく、ギリギリのところでバランスをとっているようだ。
 戦後70年にあたる昨年、8月、東海テレビは『戦後70年 樹木希林 ドキュメンタリーの旅』という全6回のシリーズを行った。これは、女優・樹木希林が番組に関連する場所や人を旅し、更に、毎回ゲストを訪ね、過去に全国の地方局が制作してきた戦争の記憶を紡ぐドキュメンタリーについて語り合うという内容だ。
 今、開催されている特集上映「東海テレビドキュメンタリーの世界」にも、このシリーズから同局制作の『村と戦争』(第4回)と『いくさのかけら』(第5回/2005)が組み込まれているが、第1回であった『父の国 母の国』(関西テレビ制作/2009)では、ゲストに笑福亭鶴瓶が登場し、政治についてきちっとした主張をした。当時、国会での強行成立が間近に迫っていた新安全保障関連法そして安倍政権による憲法9条の空文化に対して、こう強い言葉で批判した。

   「いま、法律を変えようとしているあの法律もそうでしょうけど、
    それも含めて、いまの政府がああいう方向に行ってしまうっていうね、
    これ、止めないと絶対いけないでしょうね」

   「こんだけね、憲法をね、変えようとしていることに、違憲や言うてる人が
    こんなに多いのにもかかわらず、お前なにをしとんねんっていう」

 この鶴瓶の痛烈な安保・安倍批判は、スポーツ紙などにも取り上げられ、大きな反響を呼んだ。テレビ地上波で、それも人気商売の芸能人がここまで踏み込んだ政治的発言をするのは、昨今、異例中の異例と言っていい。プロデューサーとして同シリーズを統括した阿武野は、反響は織り込み済みだったのかという質問に対し、静かに頷く。だが実は、その編集には細心の注意が払われていた。

   「放送前に、鶴瓶さんのプロダクションの社長と話をしました。
    そのままでいいですというのが姿勢でした。ここまで大きく育てて
    くれたのは落語であり、テレビの世界でしっかり根を張ることもできた。
    社会にお返ししなくちゃという根底を鶴瓶さんは持っていらっしゃる。
    その上での発言だったんです。しかし、個人を激しく批判している
    ようなところは割愛したんです。ダマってやってしまえばそれは
    芸能人の、命をとる可能性がある。だから取材対象は
    しっかり守るという原則は堅持したんです。収録の場で鶴瓶さんは
    “全部使ってくれええで”って言って帰りましたけど、全部託してくれた
    という信頼感に、私たちがどうお返えしするか、丸めるだけでもなく、
    そのままが最高という単純なものでもなく、つまり、大胆であり、
    なおかつ繊細でないといけないんです、この仕事は」

 影の部分に光をあてる。ただ、それを誠実に為すことが、どれだけ困難か。しかし、それでも阿武野たちはあきらめずにそのための方法を模索し続けている。

   「いま、ドキュメンタリーを観るひとは決して多くない。視聴率はとれない。
    スポンサーが付きにくい。しかも問題は起こりやすい(笑)。
    他局の人間と話すと『東海テレビのようにはウチはできません』
    なんてよく聞きますよ。でも、組織や上司や他人のせいにして
    『できませんと言った瞬間に、もうやれなくなるんです
    自分で自分にダメ出ししているんじゃないですか?」

 注目を集めている映画公開も、テレビドキュメンタリーが直面する困難を克服するために始めたものだった。

   「映画化を始めたのは2011年です。単館を繋ぐ形だから収容できる
    お客さんの数は、大層なものじゃないけど、実際に観ている人の
    息遣いを感じられて、何よりスタッフが生き返った。それに、
    映画なら制作年を打つことで繰り返し放送することもできます。
    希望しても叶えることのできない全国ネットへのこだわりがなくなった
    のも、映画で公開しているから、ということが大きかった」

 映画を観た人がテレビに帰ってきてくれる、そんな構図もあるのではないかと阿武野は言う。だからDVD化も今のところするつもりはないという。
 2017年1月2日には、その映画化第10作にあたる『人生フルーツ』(監督・伏原健之)が公開する。これに先立ち、10月29日(土)から11月18日(金)までの期間、東京・ポレポレ東中野で「東海テレビドキュメンタリーの世界」と題して、劇場初公開を含む全22作品の特集上映が開催される(公式サイト)。
 こうした作品は、自主規制や制約、あるいは上司の一言にとらわれ、がんじがらめになっているマスコミ関係者にこそぜひ観てもらいたい。

(インタビュー・構成 編集部)


■特集上映「東海テレビドキュメンタリーの世界」
10月29日(土)〜11月18日(金)まで、東京・ポレポレ東中野にて公開、ほか全国順次。各作品の上映スケジュールなど、詳しくは公式ホームページ(http://tokaidoc.com/)にて。また、書籍『ヤクザと憲法――「暴排条例」は何を守るのか』(東海テレビ取材班/岩波書店)も10月29日に発売。
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●NNNドキュメント’16『汚名 ~放射線を浴びたX年後~』: 「汚名」は返上されたか?

2016年07月30日 00時00分41秒 | Weblog


NNNドキュメント’16『汚名 ~放射線を浴びたX年後~』(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-16.html、2016年6月26日(日) 24:55)。

   『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの 
          参加者だということがわかっているのだろうか」?
   『●東電原発人災から『X年後』でも同じことが…
      「死は個人の不摂生のせい」に、そして、「上から口封じ」
    《木下昌明…近年見た映画で衝撃的だった1本に『放射線を浴びたX年後
     がある。これは南海放送(愛媛)の伊東英朗監督によるドキュメンタリーだ》
    《あれから3年、その続編『放射線を浴びたX年後2』が公開される。
     ここでは日本全土に降り注いだ死の灰はどうなったかの調査とともに、
     東京に住む川口美砂さん(59)の半生を介して「X年後」の今を
     浮かび上がらせている。
      川口さんの故郷は高知県室戸市の漁師町。そこで偶然、
     『X年後』をみて「私の父はなぜ死んだのか」と疑問を抱く。
     彼女の父は漁師で36歳で亡くなった。町では
     「酒を飲みすぎて早死にした」とうわさが立った。
     彼女は生き残りの元漁師たちを訪ね歩く。
      前作では、伊東監督が漁師町を1軒ずつ聞き取り調査していくと、
     「がんでずっと前に亡くなった」という返事ばかりで、これには驚かされた。
     だが、今作でも彼女の父と同じように早世したという話が多い。
     発見した父の航海日誌には「体が火のように燃える」とある。
     放射能の怖さは、長い時間をかけてじわじわ体を浸食するところにある
     それによって、死は個人の不摂生のせいにさせられてしまう》

 この南海放送による「放射線を浴びたX年後」シリーズを見て、いつも思う。いま、全く同じことを繰り返していないだろうか…。2011年から『X年後』を、激しく怖れる。この国はあまりに暢気すぎないか、それとも、あまりの冷酷さか。
 遠洋マグロ船第五豊丸乗組員(1951年当時)であった、川口美砂さんの父上・川上一明さんの《汚名》は返上されたか? 番組冒頭、オバマ大統領の広島での演説から始まる。しかし、「放射線を浴びたX年後」の今、「オバマ大統領の米国、「核なき世界」にはほど遠く、「核兵器のない世界」を唱えつつその現実は?」、どうなっているだろうか。

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』:
     「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」
   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
       『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』

   『●東電原発人災の『X年後』:
       厚生省「1.68ミリシーベルト」 vs 研究者「1400ミリシーベルト」
    「厚生労働省は・・・・・・「被曝線量1.68ミリシーベルト」と算定し、
     「1事故あたり100ミリシーベルト」という国際基準を大幅に
     下回っているという結論、を示していた。・・日大(放射線防護学)
     野口邦和准教授は、「1400ミリシーベルト(1.4シーベルト)」という、
     桁違いの被曝量の可能性を指摘している!! 厚生省の言う
     「1.68ミリシーベルト」に対して、船員が何も除染しなければ
     「1400ミリシーベルト」・・・・・・事実、多くの船員が亡くなっていった」

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http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-16.html

NNNドキュメント’16

2016年6月26日(日) 24:55
汚名 ~放射線を浴びたX年後

 これは、遠い時代・遠い場所の話ではない。知られることのない、X年後の物語である。 

 「放射線を浴びたX年後」シリーズ第4弾は「父の死の真相」を追い求める1人の女性をクローズアップした。漁師だった父が早死にしたのは? 酒の飲みすぎだとばかり思っていた。しかし、映画「X年後」を観て、考え方は一変した。「父の死と核実験は因果関係があるかもしれない」女性は、真実を確かめるため、遺族や乗組員を訪ね歩いた。そこで見た現実とは?

ナレーター / 樹木希林 制作 / 南海放送 放送枠 / 55分
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●いま、「陰謀論丸出し」でアベ様の取り巻きが攻撃を開始: 吉永小百合さんを断固支持する

2016年02月16日 00時00分38秒 | Weblog


LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の記事【安倍首相お抱え、NEWS 23岸井攻撃の仕掛け人が今度は吉永小百合を標的に!「共産党の広告塔」と陰謀論丸出し】(http://lite-ra.com/2016/02/post-1973.html)。とにかく内容が凄いです。是非、ご一読下さい。

 《現在発売中の「正論」産経新聞出版)3月号に驚きの論考を発表…そんな人物が今回、発表していた文章のタイトルは「吉永小百合さんへの手紙」。…〈あへて吉永さんに問ひたい、法案の意味や中身を知らずに、後から責任を取れないやうな出鱈目な批判をする事、またさういふ人達の先頭に立つて広告塔になる事は、貴女の女優としてのあり方や人としての信条に照らして、恥づかしい事ではないのですか〉》……。

 アベ様の家来として陰謀論を撒き散らすことの方がよほど「恥づかしい事」。吉永さんに向かって、「…あり方や人としての信条」なんて、よく口にできるものである。
 「戦争はだめ、核もだめ吉永小百合さんが、戦争の愚かさ、平和の尊さ」をしばしば語っている。安倍政権への怒りと原発再稼働反対への思い」「憲法改正、特定秘密保護法などに動く安倍政権の危険性」「原子力の平和利用なんてない」「核と人は共存できない。でも、いま、アベ様の取り巻きが攻撃を開始。ア●、ロクデナシに、吉永さん、負けるな! 吉永小百合さんを断固支持する。

   『●吉永小百合氏の原発廃止発言
   『●「「愛国」と戦争 安倍政権の軍事改革徹底批判」
           『週刊金曜日』(9月20日、960号)について
   『●「『平成の治安維持法』をつくった総理」の
       非常に危険な思い入れ、それに手を貸す責任

   『●吉永小百合さん、「核と人は共存できない」
            「ゲームやコミックスで知っている戦争ではないか?」』 

   『●「安倍政権への怒りと原発再稼働反対への思い」を
                 語る吉永小百合さんを支持します
   『●「原理原則の無い国」、「死の商人」に堕した国、
               原発輸出したい哀しい国・ニッポン

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http://lite-ra.com/2016/02/post-1973.html

安倍首相お抱え、NEWS 23岸井攻撃の仕掛け人が今度は吉永小百合を標的に!「共産党の広告塔」と陰謀論丸出し
【この記事のキーワード】圧力, 編集部, 陰謀論 2016.02.13

      (またでた例の広告(読売新聞2月13日付朝刊より))

 本日の読売新聞全国版朝刊に、またしても「放送法遵守を求める視聴者の会」(以下、視聴者の会)が一面広告を出稿した。既報の通り、安倍応援団を母体とするこの団体は、昨年11月14・15日にも産経と読売に一面広告を出稿、TBS『NEWS23』アンカーの岸井成格氏の発言をやり玉に上げ、番組降板の大きなきっかけになった。

 それが、今朝の朝刊でも性懲りもなく「ストップ!“テレビの全体主義”」「誰が国民の「知る権利」を守るの?」などと見出しを立てつつ、安保法制反対などの安倍政権批判の放送内容を“「知る権利」が守られていない!”と標的にしている。

 彼らの主張のトンデモぶりについては、改めて指摘するのでそれを待っていただくとして、じつはこの「視聴者の会」の事実上の首謀者が、現在発売中の「正論」(産経新聞出版)3月号に驚きの論考を発表していた。

 この人物とは、同会の事務局長をつとめる自称文芸評論家・小川榮太郎氏だ。『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)という“安倍礼賛本”を書き、安倍事務所に爆買いしてもらったことで有名な安倍首相お抱え評論家だ。

 そんな人物が今回、発表していた文章のタイトルは「吉永小百合さんへの手紙」。何事かと読んでみると、こんな文章が飛び込んできた。

   〈安保法制反対の大合唱の中に、いや、その先頭に貴女の名前が
    絶えず持ちだされたのは記憶に新しい〉
   〈あへて吉永さんに問ひたい、法案の意味や中身を知らずに、
    後から責任を取れないやうな出鱈目な批判をする事、
    またさういふ人達の先頭に立つて広告塔になる事は、
    貴女の女優としてのあり方や人としての信条に照らして、
    恥づかしい事ではないのですか〉

 そう、小川氏は、手紙形式で、昨年夏、吉永が安保反対を訴えたことを非難しているのだ。

 たしかに吉永は、渡辺謙や笑福亭鶴瓶樹木希林など安保法制に反対する芸能人のひとりだったし、今年、山田洋次監督作品『母と暮らせば』公開時の雑誌のインタビューや鼎談でも「戦後ではなく戦前のようなニュースを見て、言葉を失います」「戦後七十年ということなんですけど、今、もう「戦後」という言葉がなくなってしまいそうな時代になっています」と話し、現政権への危機感をあらわにしている。そうした吉永の言動を小川氏は「広告塔」「恥づかしい事」と批判しているわけだ

 どう考えても「女優としてのあり方、人としての信条」をもっているからこそ、吉永は毅然とした態度で安保法制に反対していたのだと思うが、小川氏が吉永を批判する、その論拠を要約すると、こういうことだ。

 〈冷戦時代の我が国を守つてくれてゐたのはアメリカ〉だったが、いま、アメリカが〈中国と手を組んだ方がよければアメリカはさうするでせう〉という状況で、誰がこの国の平和を守るのか。そうしたことも考えず、ただ「平和」を叫ぶのはいかがなものか。そして〈法案に反対するのであれば、その法案が本当に平和を脅かす根拠と、新たな立法措置を取らずとも我が国の平和が守られ続けるといふ根拠を持たねばならない。これは、俳優とか知名人とかいふ事以前に、人としてのイロハではないでせうか〉というのである。

 ……上から目線でもっともらしく語っているが、小川サン、中国が脅威というのなら、それは個別的自衛権で対処できるんですけど。しかも、アメリカが中国に寝返りそうだと心配するなら、どうして集団的自衛権が必要なのか。日本がアメリカとともに世界の紛争に参加するようになれば、自衛隊員の命の問題だけでなく、国内がテロのターゲットにされることも考えられる。あきらかに日本のリスクは高まるのだ。このように、あまりに筋の通らない話だから多くの人は安保法制に反対していたはずで、逆に小川氏こそ安保法制によって日本の平和が守られ続けるという根拠を示すべきだろう。

 と、吉永に代わって反論してみたが、“安倍命”のこの人に何を言っても無駄だろう。前述したように、小川氏というのは、安倍応援団の自民党総裁選直前の2012年9月に『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)という“安倍礼賛本”を出版してデビュー。同作はベストセラーとなり、安倍首相の復活のきっかけとなったが、じつは安倍首相の資金管理団体である晋和会がこの本を国民の税金を使って爆買い。都内各所の書店で少なくとも370万円以上も買い上げていたことが判明している。文芸評論家なんてもっともらしい看板を掲げているが、なんてことはない、ただの“安倍プロパガンダ”作家なのだ。

 しかも、そうした安倍首相への“恩”や心酔ぶりもあって、小川氏は前述の「視聴者の会」を立ち上げ安保法制へ批判的なメディアを集中攻撃、放送法4条を曲解して圧力をかけるという手に出た。すなわち「視聴者の会」はほとんど“安倍政権の別働隊”であり、その急先鋒こそが小川氏だ。

 つまり、メディアへの圧力だけでは飽き足らず、小川氏はついには安倍政権に否定的な芸能人の批判まではじめた……という格好なのである。

 しかも、自分を棚上げして、この男はとんでもいないことを口走っている。

   〈残念ながら、貴女がどう思はうと、貴女の名前は、広告塔の筆頭格の
    一人になつてしまつてしまつてゐます。
     誰の広告塔か?
     驚くべき事に、日本共産党の広告塔です〉

 すなわち、小川氏は、吉永氏の平和活動はすべて“共産党の策略によるもの”といっているのだ。こんなところまで安倍首相と同じではないか……。自分の意に沿わない人物はすべて共産党の回し者だ!というのは、陰謀史観ここに極まれり、である。

 小川氏は〈最も芸藝家や文化人の政治利用に一番熱心だつたのは、共産党に代表される全体主義国家であり、中でも最も藝術家を政治利用したのは、ナチスとソ連共産党〉ともっともらしく説教しているが、現在の日本において全体主義を敷き、ナチス的な独裁を進めているのは、小川氏が信奉する安倍首相のほうだろう。

 さらに、安保法制に対する態度だけではなく、小川氏は吉永の他の活動にまでケチをつけている。それは吉永のライフワークである「原爆詩の朗読」だ。

   〈原爆の「記録」ではなく、貴女が原爆の「表現」の伝道者になつた時、
    政治の魔手がそこに付け入ります。貴女は、無力な者の声、一方的に
    傷つけられた者の声の伝道者である事を通じて、寧ろ、さうした無力さを
    政治的に利用する者によつて、政治的な「強者」の立場を演じさせられ
    始めます。

     何よりも問題になるのは、原爆詩が、弱き者の声といふ形を借りた
    特権的な場になつてしまつてゐる事です〉

 原爆詩は政治に利用されている、特権的になっている──。被曝者の経験やメッセージを陰謀論のように受け止める感性に恐ろしくなるが、それもそのはず。小川氏は同稿で、核兵器や原発の問題をもう発明されてしまつたものはどうしようもないと肚を括ゑるのが第一です〉と書いている。いってみれば原爆詩の存在や、吉永氏による朗読を通じて原爆の悲惨さを訴える活動を“政治的”に捉えているのはむしろ小川氏のほうで、こうした“平和を祈る活動”は自身にとって都合が悪いから非難しているのだ。

 もういっそのこと、“ネトウヨ文芸評論家”に肩書き変更したほうがいいのではないだろうか……と思わずにいられないが、小川氏はこれだけではなく、吉永氏がプロデュース・主演した映画『ふしぎな岬の物語』を批評、またしてもネトウヨ史観を全開にして〈美しい「日本」固有の映画世界を、現実に守つてゐるのは何でせう。無論、それは日本の国家であり、国力であり、社会です〉などと述べるのだ。しかも、こんな墓穴さえ掘っている。

   〈この映画には、実は、成熟した男性は一人も登場しない。本来、
    それを表現すべきなのは阿部寛扮する浩司ですが、彼は、
    四十五歳になつても定職に就けない風来坊であり、口よりも先に
    手が出てしまふガキ大将のまま中年になつた男として描かれます〉

 おいおい、である。小川氏が前出の『約束の日 安倍晋三試論』で作家デビューを果たしたのは、45歳のとき。つまりこの定義では、自分こそ“成熟した男性”とは言えないのでは……。

 とまあ、こんな具合でツッコミどころばかりの論考なのだが、小川氏がこんな“手紙”を吉永小百合に公開で書いてしまったのには、安倍政権否定派芸能人への批判という目的のほかに、もうひとつ理由があるはずだ。それは“悔しさ”だろう。

 じつはこの論考、吉永を批判しつつも、それ以上に彼女を絶賛しているのである。本人も〈大変評価〉していると述べているのだが、冒頭から〈貴女の女優としての本質を最も深いところで支えてゐるのは、やはりその声なのではないか〉〈とりわけ若き日の貴女の、生命力がそのまま演戯を凌駕してしまふ生きたままの姿の魅力!〉と興奮した調子で、吉永の主演映画『伊豆の踊子』については〈大人と永遠の処女性の同居といふ奇跡が輝いてゐた〉〈川端(康成)は吉永さんの演戯から、『伊豆の踊子』の新たな可能性を教へられたのではなかつたかと思はれます〉と綴っているほど。“サユリスト”といっても差し支えない熱狂ぶりだ。

 おそらく、小川氏は歯がゆいのだ。大好きな吉永氏が自分と一緒に、「安倍首相万歳」と言わず、安保法制や戦争反対を訴えていることが。だからこそ、妄想としか思えないような「日本共産党の広告塔」よばわりしているのだろう。ある意味、今回したためた“手紙”は、小川氏の心の鬱憤、そして保守界隈の口惜しさの産物といってもいいかもしれない。

 しかし、小川氏に忠告しておくが、いくら嫉妬に狂っても吉永のような知性と教養のある大女優が中身スカスカのネトウヨ思想を支持するわけはない。小川氏はやはり、津川雅彦のような暑苦しいジジイといっしよに、「あの戦争は正しかった」と叫んでいるほうがお似合いだろう。

(編集部)
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●司法権力の〝執念〟: 映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』

2013年02月14日 00時00分26秒 | Weblog


綿井健陽さんの『逆視逆考PRESS』(http://watai.blog.so-net.ne.jp/2013-02-10)で、映画『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』(http://yakusoku-nabari.jp/introduction/http://yakusoku-nabari.jp/story/)のことを知りました。

   『●『創(2009年5月号)』
   『●高い冤罪の可能性: 名張毒ブドウ酒事件
   『●名張毒ぶどう酒事件という冤罪
   『●『冤罪File(No.10)』読了
   『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚
   『●「疑わしきは罰する」名張毒ぶどう酒事件、あ~っため息が・・・

 名張毒ぶどう酒事件について、昨年5月末、第7次再審請求差戻審で名古屋高裁が再審の求めを却下している。綿井さんの言うように、正に「別の意味で恐るべし、司法権力の“執念”」である。

   「名古屋高裁刑事二部(下山保男裁判長)は二十五日午前、
    弁護側が提出した新証拠は「毒物がニッカリンTではないことを
    示すほどの証明力はなく、確定判決に合理的な疑いは生じない」として、
    検察側の異議を認め奥西勝死刑囚(86)の再審を開始しない
    と決定した。いったんは再審を開始すると判断した名古屋高裁刑事
    一部の決定(二〇〇五年)を取り消した。」
    (http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012052502000260.html
      (『●「疑わしきは罰する」名張毒ぶどう酒事件、あ~っため息が・・・』) 

 警察、検察、裁判所・・・・・・なぜここまで頑なに再審を拒むのか?

   「名張毒ぶどう酒冤罪事件の第7次再審請求差戻審で、またしても、
    名古屋高裁は開きかけた扉をあっさりと閉じてしまった。
    本当にまじめに新証拠の審査を行っているのか? 奥西勝死刑囚は
    無実の罪で囚われ、すでに86歳だそうだ。警察や裁判所の罪を
    糊塗したままで、冤罪は続いていく」

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http://watai.blog.so-net.ne.jp/2013-02-10

Twitterまとめ投稿 2013/02/10

wataitakeharu 
NHK放送文化研究所のシリーズ、『制作者研究』はどれも興味深い。ネット上でも全文がPDF閲覧できる。http://t.co/jbF8tvpO 個人的には、現代センター代表・吉永春子さんの登場を期待している。吉永さん、お元気だろうか?02/10 05:52

wataitakeharu 東海テレビの司法ドキュメンタリーの中でも、名張毒ぶどう酒シリーズは、どれも秀作だが、今回の『約束』(2月16日から劇場公開)はその中でも最高傑作だった。 http://t.co/75pUkmi9 恐るべし東海テレビの執念、そして、別の意味で恐るべし、司法権力の“執念”!02/10 05:22

wataitakeharu 昨日(9日・土)のTBS「報道特集」で放送された死刑執行の実態。http://t.co/2yA4BR8t 巡田忠彦記者による3回目の死刑リポートは、この番組の名物シリーズ企画となりつつある。東海テレビの司法ドキュメンタリー番組・映画と同じく、僕はこれからも必ず観ると思う。02/10 05:10

wataitakeharu 先日の高円寺ドキュメンタリー祭で、森口豁さん取材の沖縄ドキュメンタリー番組を観た人は、ぜひ以下のテキスト(PDFで全文閲覧可能)も読んでほしい。http://t.co/gIuIIc3Z あのETV特集放射能汚染地図」の七沢潔ディレクターが丹念に調べた森口豁さんの足跡。02/10 04:53
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http://yakusoku-nabari.jp/introduction/

何度裏切られても、彼が信じ続ける。
裁判所が事実と良心に従って、
無実を認めてくれると。

獄中から無実を訴え続けている死刑囚がいます。奥西勝、86歳。昭和36年、三重県名張市の小さな村の懇親会で、ぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡しました。「名張毒ぶどう酒事件」です。奥西は一度は犯行を自白しますが、逮捕後、一貫して「警察に自白を強要された」と主張、1審は無罪。しかし、2審で死刑判決。昭和47年、最高裁で死刑が確定しました。戦後唯一、無罪からの逆転死刑判決です。
事件から51年――際限なく繰り返される再審請求と棄却。その間、奥西は2桁を越える囚人が処刑台に行くのを見送りました。いつ自分に訪れるか分からない処刑に怯えながら
あなたは、その恐怖を、その孤独を、その人生を、想像することができますか?


これは、冤罪ではないか。
司法は、獄中死を望んでいるのか?

事件発生当初から蓄積した圧倒的な記録と証言を再検証し、本作を作り上げたのは、『平成ジレンマ』『死刑弁護人』の齊藤潤一斎藤潤一(脚本・監督)と阿武野勝彦(プロデューサー)。これは、東海テレビ放送の名物ドキュメンタリー「司法シリーズ」を手掛ける二人が、カメラが入ることが許されない独房の死刑囚を描き出す野心作である。
そして、奥西勝を演じるのは日本映画界の至宝、仲代達矢。息子の無実を信じ続ける母・タツノ役に、樹木希林。ナレーションをつとめるのは、寺島しのぶ
そう、本作は映画とジャーナリズムが日本の司法に根底から突きつける異議申立なのだ。


半世紀近く拘置所に閉じ込められている
奥西さんの心境は測りしれません。
私がこの状況に追い込まれたらどうなるか、
そういう気持ちで演じました。
60年俳優をやってきた中で、
私にとって記念碑的な作品です。
  ――――――――――― 仲代達矢


http://yakusoku-nabari.jp/story/

独房から無実を訴え続けている死刑囚がいる。奥西勝、86歳。昭和36年、三重県名張市の小さな村の懇親会で、ぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡した。逮捕された奥西は「警察に自白を強制された」と訴え、無実を主張。1審は無罪だったものの、2審は逆転死刑判決。そして昭和47年、最高裁で死刑が確定した。奥西は、死刑執行の恐怖と闘いながら、いまも再審を求め続けている

奥西の無実を信じているのが、母、タツノ。事件で村を追われ、見知らぬ町で独り暮らしを始めた。内職をして電車賃を稼ぎ、月に1度、名古屋拘置所にいる息子に会いに行く。タツノは奥西に969通の手紙を送った。「お金のあるあいだ、湯たんぽを貸してもらい、牛乳も飲みなさい」「やっていないのは、おっかあが一番知っている」「長い間の苦労は毎日、涙いっぱいですよ」再審を待ち続ける母。奥西はタツノと約束をする。“無実を晴らして、必ず帰る” しかし、その約束は果たされることなく、母は昭和63年、84歳で亡くなった。

そしてもう一人、奥西を支え続けたのが支援者の川村富左吉※(73歳)。確定死刑囚への面会は、肉親と弁護士以外許されていないが、川村は法務省に掛け合い奥西との面会を許される。川村は奥西との面会を10冊のノートに記録した。「起床7時。運動毎日50分。運動は3坪ほどの部屋で歩くばかり」「作業、朝7時40分頃から袋貼り。午後4時に終わる。報酬は月2千円」「正月の食事、鯛の塩焼き・数の子・餅・赤飯・みかん・菓子。普段は米麦6対4」「息子が突然、面会に来た。20数年ぶり。嬉しかった」「誰かの死刑が執行された。一斉放送のニュースが突然切れたのでおかしいと思った」「胃がんの手術。3分の2を切除」

事件から44年後の平成17年4月、名古屋高裁は奥西の再審開始を決定した。川村と奥西は名古屋拘置所の面会室のガラス越しに握手。「今度は晴れて、塀の外で握手をしましょう」と二人は約束した。しかし、喜びもつかの間、検察が異議申し立てをし、再審は棚上げとなった。そして、その半年後、川村は病に倒れ、この世を去る。奥西との約束を果たすことができずに…。

平成18年、奥西の再審開始決定は名古屋高裁の別の裁判官によって取り消されたが、2009年、最高裁は名古屋高裁に審理を差し戻し。平成24年、名古屋高裁は再び、再審開始決定を取り消した――。

司法は、何を望んでいるのだろうか?

                               ※川村富左吉の「吉」の字の“土”は下が長い
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