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●NNNドキュメント’16『汚名 ~放射線を浴びたX年後~』: 「汚名」は返上されたか?

2016年07月30日 00時00分41秒 | Weblog


NNNドキュメント’16『汚名 ~放射線を浴びたX年後~』(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-16.html、2016年6月26日(日) 24:55)。

   『●東電原発人災から『X年後』:「自分が壮大なできごとの 
          参加者だということがわかっているのだろうか」?
   『●東電原発人災から『X年後』でも同じことが…
      「死は個人の不摂生のせい」に、そして、「上から口封じ」
    《木下昌明…近年見た映画で衝撃的だった1本に『放射線を浴びたX年後
     がある。これは南海放送(愛媛)の伊東英朗監督によるドキュメンタリーだ》
    《あれから3年、その続編『放射線を浴びたX年後2』が公開される。
     ここでは日本全土に降り注いだ死の灰はどうなったかの調査とともに、
     東京に住む川口美砂さん(59)の半生を介して「X年後」の今を
     浮かび上がらせている。
      川口さんの故郷は高知県室戸市の漁師町。そこで偶然、
     『X年後』をみて「私の父はなぜ死んだのか」と疑問を抱く。
     彼女の父は漁師で36歳で亡くなった。町では
     「酒を飲みすぎて早死にした」とうわさが立った。
     彼女は生き残りの元漁師たちを訪ね歩く。
      前作では、伊東監督が漁師町を1軒ずつ聞き取り調査していくと、
     「がんでずっと前に亡くなった」という返事ばかりで、これには驚かされた。
     だが、今作でも彼女の父と同じように早世したという話が多い。
     発見した父の航海日誌には「体が火のように燃える」とある。
     放射能の怖さは、長い時間をかけてじわじわ体を浸食するところにある
     それによって、死は個人の不摂生のせいにさせられてしまう》

 この南海放送による「放射線を浴びたX年後」シリーズを見て、いつも思う。いま、全く同じことを繰り返していないだろうか…。2011年から『X年後』を、激しく怖れる。この国はあまりに暢気すぎないか、それとも、あまりの冷酷さか。
 遠洋マグロ船第五豊丸乗組員(1951年当時)であった、川口美砂さんの父上・川上一明さんの《汚名》は返上されたか? 番組冒頭、オバマ大統領の広島での演説から始まる。しかし、「放射線を浴びたX年後」の今、「オバマ大統領の米国、「核なき世界」にはほど遠く、「核兵器のない世界」を唱えつつその現実は?」、どうなっているだろうか。

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』:
     「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」
   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
       『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』

   『●東電原発人災の『X年後』:
       厚生省「1.68ミリシーベルト」 vs 研究者「1400ミリシーベルト」
    「厚生労働省は・・・・・・「被曝線量1.68ミリシーベルト」と算定し、
     「1事故あたり100ミリシーベルト」という国際基準を大幅に
     下回っているという結論、を示していた。・・日大(放射線防護学)
     野口邦和准教授は、「1400ミリシーベルト(1.4シーベルト)」という、
     桁違いの被曝量の可能性を指摘している!! 厚生省の言う
     「1.68ミリシーベルト」に対して、船員が何も除染しなければ
     「1400ミリシーベルト」・・・・・・事実、多くの船員が亡くなっていった」

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http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-16.html

NNNドキュメント’16

2016年6月26日(日) 24:55
汚名 ~放射線を浴びたX年後

 これは、遠い時代・遠い場所の話ではない。知られることのない、X年後の物語である。 

 「放射線を浴びたX年後」シリーズ第4弾は「父の死の真相」を追い求める1人の女性をクローズアップした。漁師だった父が早死にしたのは? 酒の飲みすぎだとばかり思っていた。しかし、映画「X年後」を観て、考え方は一変した。「父の死と核実験は因果関係があるかもしれない」女性は、真実を確かめるため、遺族や乗組員を訪ね歩いた。そこで見た現実とは?

ナレーター / 樹木希林 制作 / 南海放送 放送枠 / 55分
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●東電原発人災から『X年後』でも同じことが…「死は個人の不摂生のせい」に、そして、「上から口封じ」

2015年11月27日 00時00分06秒 | Weblog


レイバーネットTVhttp://www.labornetjp.org/tv)の『●木下昌明の映画の部屋』(http://www.labornetjp.org/Column)に出ていた映画批評【●伊東英朗監督『放射線を浴びたX年後2』 第五福竜丸事件の隠された事実~被ばくから「X年後」を再び問う 木下昌明】(http://www.labornetjp.org/news/2015/1117eiga)。

 《放射能の怖さは、長い時間をかけてじわじわ体を浸食するところにある。それによって、死は個人の不摂生のせいにさせられてしまう…歴史はくり返されるのか――》。

 「個人の不摂生」と「口封じ」……東京電力原発人災から『X年後』を怖れるし、同じ構図ではないか?

   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』: 
      「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」
   『●東京電力原発人災から『X年後』・・・・・・
      取り返しのつかないことが現実化してはいまいか?
   『●「私たちは被ばく船員を見捨ててきたと痛感」
                ・・・2011年から「X年後」を怖れる
   『●米軍の「差別性の極み」:NNNドキュメント’14
        『続・放射線を浴びたX年後 日本に降り注いだ雨は今』

   『●東電原発人災の『X年後』: 厚生省「1.68ミリシーベルト」
                        vs 研究者「1400ミリシーベルト」

   『●黙殺される東電原発人災『X年後』:
        「100万人に2~3人という日本の全国平均を大きく上回ったもの」

   『●『放射線を浴びたX年後』伊東英朗監督、
     「ビキニ事件…全貌を知ることが、福島の今後につながります」

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http://www.labornetjp.org/news/2015/1117eiga

伊東英朗監督『放射線を浴びたX年後2
第五福竜丸事件の隠された事実~被ばくから「X年後」を再び問う

木下昌明

 近年見た映画で衝撃的だった1本に『放射線を浴びたX年後』がある。これは南海放送(愛媛)の伊東英朗監督によるドキュメンタリーだ。

 1954年、米国の核実験で第五福竜丸が被ばくした事件では、1隻だけでなく延べ992隻が被害に遭い、多くの漁船員が亡くなっていたという事実。翌年、日本政府が米政府から200万ドルの慰謝料で“完全解決”を図り、魚の放射能検査を中止し、すべての魚が食卓に上がったという事実――映画は隠された実態を暴き、これまでの歴史認識を変えたのである。

 あれから3年、その続編『放射線を浴びたX年後2』が公開される。ここでは日本全土に降り注いだ死の灰はどうなったかの調査とともに、東京に住む川口美砂さん(59)の半生を介して「X年後」の今を浮かび上がらせている。

 川口さんの故郷は高知県室戸市の漁師町。そこで偶然、『X年後』をみて「私の父はなぜ死んだのか」と疑問を抱く。彼女の父は漁師で36歳で亡くなった。町では「酒を飲みすぎて早死にした」とうわさが立った。彼女は生き残りの元漁師たちを訪ね歩く。

 前作では、伊東監督が漁師町を1軒ずつ聞き取り調査していくと、「がんでずっと前に亡くなった」という返事ばかりで、これには驚かされた。だが、今作でも彼女の父と同じように早世したという話が多い。発見した父の航海日誌には「体が火のように燃える」とある。放射能の怖さは、長い時間をかけてじわじわ体を浸食するところにある。それによって、死は個人の不摂生のせいにさせられてしまう。

 カメラは、昔の父の仲間を訪ね歩く川口さんに寄り添い、漁師たちの当時の状況を明らかにしていく。そこで彼らの船員手帳は、事件当時のぺージが破られていることがわかる。それは「魚が売れんようになるけ、言うな」と上から口封じされたからだと。

 歴史はくり返されるのか――。

(『サンデー毎日』2015年11月22日号)

*愛媛・シネマサンシャイン大街道で公開中。11月21日から東京・ポレポレ東中野ほか全国順次公開。写真=映画ポスター。
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