山上俊夫・日本と世界あちこち

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松井・広島市長、教育勅語で職員研修。裏切られた!

2023年12月20日 09時25分37秒 | Weblog
 松井一実広島市長が、2012年以来、毎年職員研修で教育勅語を使っていることが、12月11日発覚した。どうしてこれまで報道されなかったのか、広島市職員の中でこれはおかしいと問題にする人はいなかったのか。
 批判を受けた松井氏は19日、「民主主義的な発想の言葉が並んでいる」として24年以後も教育勅語を使うことを表明した。松井氏が良いものだとして研修資料としたものは「朝日新聞」によれば、「爾臣民 兄弟に友に 博愛衆に及ぼし 学を修め 業を習い 知能を啓発し 進んで公益を広め 世務を開き」だ。これは教育勅語の当該部分うち封建的要素が強いものを取り除いて松井が編集したものだ。
 松井氏は、これを人の生き方を示したもので民主主義を取り込もうとしており評価できるというのだ。だが、待ってほしい。教育勅語全体が絶対君主である天皇が「お前ら、臣民よ」と教えを垂れているものだ。しかもこの部分の直後に、この部分で天皇の臣民として生き方を刷り込んだうえで、「一旦緩急あれば義勇公に奉じ、以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし」という肝の部分が登場する。教育勅語の構成として、松井氏おすすめの「民主主義の?」部分と、いったん戦争になれば勇気を奮って天皇のために一身を投げ出すことを求めた部分は内容的に一つのもの、論理的につながったものなのだ。
 森喜朗元首相をはじめ、日本の歴代の右翼歴史修正主義者は、教育勅語にもいいことが書かれているといいlつづけてきた。松井氏のいいかたは、実に古臭いものだ。民主主義の手本だとまで言ったのは松井氏が初めてだと思うが。
 ポツダム宣言を受諾した戦後、国会で教育勅語の排除・失効宣言がなされ、つづいて新憲法が採択された。両者とも15年戦争の総括であり、国際公約であるポツダム宣言の実践だ。ポツダム宣言を「つまびらかに読んでいない」安倍元首相は両者をないがしろにすることを政治目標にしてきた。
 松井氏は何を学んできたのだろう。一方で、広島市長として毎年平和宣言を出し、世界から一定の評価を受けてきた。わたしも今年の平和宣言の核抑止論批判を評価した。このブログでも氏の抑止論批判の文言を敷衍して一文をしたためた。ところがこの事態だ。がっかり。裏切られた。

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