山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

反社勢力と芸能人が関係を持ったら当たり前のことだがダメで、自民党は許される?

2022年07月31日 12時12分50秒 | Weblog
 暴力団、半グレ集団などの反社会集団と芸能人が関係を持ったら、表舞台からは完全に排除される。その一番わかりやすい例が、タレントの雨上がり決死隊・宮迫博之だ。宮迫は2019年、前科3犯の半グレで金塊強奪犯の男と飲み屋で同席し金をもらって写真を撮った。さらにその数年前、振り込め詐欺グループの忘年会にロンブー田村亮、レイザーラモンHGらと参加し報酬を得ていたことが発覚した。以後、テレビなどの表舞台からは完全に排除されている。
 一方、旧統一教会と長年にわたって深い関係をもってきた自民党はどうか。岸信介元首相から始まる自民中枢の黒い付き合いだけに、マスメディアもさらに警察も忖度の上にも忖度の扱いだった。
 統一教会は、正体を隠しての布教、洗脳(マインドコントロール)、不安をあおって高額商品を売りつける霊感商法を手口としてきた。統一教会は民事でも刑事でもたくさん有罪判決を受けている。2007年の政府の「犯罪対策閣僚会議」の「指針」では「反社会的勢力」を「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である」と定義していることを今日の新聞で知った(「赤旗」7月31日)。政府の基準からしても、統一教会はれっきとした反社会集団だ。だがこの定義は放棄されたも同然だ。
 自民党三役の一人、福田達夫総務会長は「正直に言います。何が問題か、僕はよく分からない」と責任感ゼロのとぼけた発言をした。この問題は大したことではないと問題矮小化の意図とともに、自民党が人権や民主主義についてまともな認識を持っていないことを明らかにした。
 芸能人でも、もちろん一般人でも反社会集団と関係を持ってはいけないというのは侵してはいけない規範だ。ところが政治の世界では自民党が長年培ってきた統一教会という反社集団とは、何の反省もせず、政治的癒着構造を維持し続けている。これでは宮迫がかわいそうだ。反社と関係を持った自民(維新にもいる)議員は表舞台から消えてもらわなければダブルスタンダードになってしまう。




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安倍元首相の「国葬」はごめんだ!

2022年07月26日 11時42分37秒 | Weblog
 岸田首相は安倍元首相の死後、時を置かず「国葬」にすると表明し、22日閣議決定した。
 明治憲法の下では、勅令による「国葬令」があった。しかし戦後、日本国憲法の下では当然これは廃止された。だから、1967年の吉田茂元首相の国葬も違憲・違法なものだった。その批判の前に、以後、国葬を強行する権力者はいなかった。
 岸田首相は、集団的自衛権容認で「法の番人」たることを放棄した内閣法制局から、内閣府設置法(1999年)の膨大ななんでもありの内閣の所掌事務のうちの「国の儀式」を根拠として国葬ができるとお墨付きをもらったという。だがそこには国葬という言葉はなく、研究者からも法的根拠とはなりえないという見解が示されている。
 歴代首相の葬儀が佐藤栄作元首相の国民葬以外は合同葬という形式だった。それを岸田氏はなぜ突破しようとするのか。
 岸田氏は安倍氏を国葬とする理由として、8年8か月という最長の在任期間、その赫赫(かくかく)たる実績をあげる。ならば、比較の対象になるのは佐藤栄作元首相だ。佐藤氏の在任期間は7年8か月だ。実績では、沖縄返還、非核3原則によるノーベル平和賞がある。沖縄と千島はサンフランシスコ講和条約の第3条と第2条によってアメリカとソ連(ロシア)に奪われた領土だ。日本政府がこれを受け入れ調印した。佐藤氏がサ条約3条にかかわる沖縄返還を実現したのだから、安倍氏も同2条にかかわる千島(政府は北方領土と問題を歪曲してきた)返還を成し遂げなければ釣り合わない。だが安倍氏は4島返還から2島返還、さらに経済協力に入れあげた末に捨てられたのが実績だ。27回も食事をし「ウラジミール、君と僕は・・・」と歯の浮くようなことを言った末に。
 赫赫たる実績には、集団的自衛権行使容認という明らかな憲法違反を閣議決定しこれを法制化した(安保法制)こと、「モリ・カケ・桜」では国の税金・財産を私物化し、100回以上も国会で虚偽答弁を繰り返したことが含まれる。他の総理大臣ではなしえなかったことだ。さらに売り物のアベノミクスで非正規をふやし、賃金は韓国にも追い抜かれるに至った。OECD(経済協力開発機構)の統計では2020年、日本の平均賃金はOECD35か国中22位、3万8364ドル、韓国4万1960ドルだ。止まらない円安で物価上昇に苦しんでいる。赫赫たる実績とよく言えたもんだ。
 国葬となれば国を挙げて弔意を表すことになり、国民の内心の自由を侵すことになる。誰をどう弔うかは個人の問題だ。
 これをごり押しする狙いは明らかだ。あえて「国葬」にすることで自民党内では最大派閥の安倍派を抑え込み、「国葬」を取り仕切ることで国民的にも政権基盤強化に利用しようということだ。さらに安倍氏の悲願・憲法改悪を実行するエネルギー源にしようということだ。
 非業の死を遂げた安倍氏への同情、参院選勝利から、国葬には国民の圧倒的支持があるかと思いきや、そう、はならなかた。いちばん支持があるはずの今でも、賛否が拮抗する状況だ。NHK(7・19)は国葬を評価する49%、評価しない37%、FNN(7・23、24)では国葬決定よかった50・1%、よくなかった46・9%だ。
 議論が深まっていけば、思惑が外れることになる。とくに安倍氏殺害に至る自民党と統一教会の闇の歴史に国民的理解が及ぶことになれば。とにかく国葬で弔意強要、安倍政治礼賛、憲法改悪はごめんだ。





















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大阪万博パビリオンをとり囲む木造大屋根の木材調達に疑問

2022年07月18日 11時38分33秒 | Weblog
 今日(2022年7月18日)は大阪関西万博の開催1000日前だそうだ。ということで朝のテレビで、万博のパビリオンをとり囲む構造物を木造の環状大屋根にすることになったと説明していた。世界最大級の木造建築物だという。甲子園1・5個分の広さを丸く囲む。その大屋根は幅30メートルもあり、1周2㎞、高さは内側12m、外側20m、3~5階建ての建物だ。屋上には歩道がつくられ広く全体を見通すことができる。木材は国内外のスギ、ヒノキを用いるそうだ。
 工法は日本古来の貫(ぬき)工法で釘は使わず、水平材は柱を貫通し、楔を打ち込んで固定する。
 このプランを見て浮かぶのは清水寺の舞台だ。清水の舞台は高さが13m。よく似ている。万博の大屋根は幅30mというから清水の舞台より広いのではないか。清水寺は舞台と本堂で柱が172本、舞台だけで78本という。舞台の柱は16角形で根元部分は直径80㎝、周囲2・4mだ。
 万博大屋根の問題だと思うところに入ろう。柱の太さは45㎝×45㎝だ。お寺の柱並みの太さだ。お寺は多くの場合丸いまま使っている。あれを4角にすると45㎝になるだろう。清水の舞台だけで78本の柱だ。甲子園1・5個をぐるりと囲むためには、幅30m・長さ2㎞から考えて柱の間が8mでも750本必要となる。それに梁の本数も相当になる。
 製材した後、木の中心部分で45㎝とれるのはまれなことだ。45㎝の部材をとるには直径70㎝くらいの木が必要だ。しかも12mと20mの長さのものをそろえなければならない。しかも杉檜だ。もうすでにお寺の改築の際には日本の国内材ではまかなえず、以前なら台湾から、しかし台湾でも難しくなっている。03年再建の薬師寺大講堂、2018年再建の興福寺中金堂再建でも木材の調達が問題だった。記憶にあるのが、興福寺中金堂再建では国内材調達が困難でアフリカのカメルーン産のケヤキ、直径80㎝の丸い柱36本、60㎝30本を使ったそうだ。もう日本ではお寺の再建には外国の、アフリカの木材を買いあさる時代になった。お金を払えば問題ないとは言えない。遠からずカメルーンでも太い木は枯渇するだろう。
 お寺は数百年を見通して建設している。万博は半年だ。日本の木造文化を示すことはいい。だがわずか半年のことで貴重な木材を大量消費していいのだろうか、疑問だ。










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統一教会の霊感商法

2022年07月13日 09時34分47秒 | Weblog
 昨日のブログでは統一教会の霊感商法のことを書き忘れていた。もともと世界キリスト教統一神霊教会といっていたから、韓国のキリスト教の土壌から生まれたが、日本での犯罪行動では数珠や印鑑、壺などおよそキリスト教とは無関係の物品を超高額で押し売りしていた。マインドコントロールで借金までして献金させるという反社会団体だ。暴力団は暴力、脅しで金を巻き上げるが、これはマインドコントロールという暴力で金を巻き上げている。
 その犯罪団体が反共という点で日本の自民党と結合してきた。韓国の右翼政治団体の助けを借りて自民党は長年活動をしてきた。自民党政治の明らかにしたくない暗黒の部分だ。



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安倍氏銃撃を糾弾しつつ、真相はしっかり究明しよう

2022年07月11日 16時15分01秒 | Weblog
 7月8日、安倍元首相が奈良市西大寺駅前で銃撃され亡くなった。暴力で言論を封殺するもので断じて許されない。
 犯人は、母親が統一教会に入れ込んで献金をし家庭と生活を破壊したことから統一教会に長年恨みを抱いていたそうだ。
 統一教会につながりあのある政治家が安倍元首相だと思って、教会の会長の代わりに狙った。
 この事件の報道でまったく腑に落ちない、というより奇怪なのが、恨みを抱いた「特定の宗教団体」名を警察も報道機関も明らかにしようとしないことだ。古い自民党関係者は初めから「特定の宗教団体」とは統一教会だと見抜いたようだ。報道機関も当然わかっていたし、奈良市内の元統一教会(現在は別名)に取材もしているのに、名前を報道しない。何を忖度しているのか。
 統一教会とその政治団体である国際勝共連合が安倍氏の祖父の岸信介元首相と深い関係にあった。統一教会は1954年韓国ソウルで文鮮明が設立したもの。勝共連合は統一教会を母体に1968年韓国と日本で設立した強烈な反共主義の政治団体だ。岸信介氏が介在している。統一教会は数千人、あるいは1万人の集団結婚式を韓国で行って、適当に組み合わせた初対面の相手と結婚させるという人権侵害をくりかえしていた。多くの日本人の若者がすすんでかどうかわからないが犠牲になっていった。そして反共活動の戦士にされた若者が、自民党の議員(もちろんすべてではない)の選挙の手足として行動した。中には謀略的な行動もあちこちでやってきた。
 安倍元首相はマスコミでは保守派のといわれるが、わかりやすく言えば極右の総大将として自民党中枢を駆けのぼった。岸元首相の流れを引いて統一教会・勝共連合とは深い関係をもっていたはずだ。2,3年前の「世界平和統一家庭連合」の大会にも安倍氏はメッセージを送っていた。
 安倍氏はじめ自民党などは韓国政府と首脳会談もしないほどの対立関係にある。だが韓国生まれの統一教会・勝共連合とその実態は表に出せないほどの黒い関係があったことから、いまさらそれが表に出ては困るだろう。まして選挙の真っ最中だ。
 韓国の反共謀略団体の助けを借りて日本の政治運動をしていたということは国家の主権にかかわる重大問題ことだ。その自民党中枢が一方で慰安婦や徴用工で外交関係が寸断状態なのだから、いったいどうなっているのかといわざるをえない。
 だから、忖度するのだろう。忖度は恥ずかしいと思わないのか。


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「気候危機が争点にならないことへの若者の異議申し立て」記事。出色の選挙報道記事だ。

2022年07月02日 22時42分12秒 | Weblog
 「朝日新聞」6月30日夕刊の「気候変動 なぜ問わないの」という記事は参院選関連記事の中で唯一優れたものだった。
 グレタ・トゥーンべりさんの運動に連帯したFFF Tokyoの若者が、今回の参院選で気候危機が争点になっていないこと、候補者たちの意識、理解度が貧しいことへの警鐘を鳴らしたことを報道した記事だ。
 わたしは、去年の衆院選で気候危機が争点として大きく浮かび上がるならば日本政治に光明がさすだろうと期待したが、そうはならなかった。今回の参院選ではましてウクライナ危機を奇貨として、専守防衛放棄、敵基地攻撃能力、軍事費2倍加、核共有が声高に叫ばれ、共産党、社民党以外、立憲野党の中にさえ軍事費増になだれを打つ状況だ。時流に乗り遅れるなといわんばかりの軍事大国化への動きだ。これに立ちはだかり、正気を取り戻せと闘うことさえ勇気がいる仕事だ。
 だから気候危機を争点として押し上げようという流れは弱くならざるを得ない。それゆえ、今回の朝日の若者の活動に焦点を当てて気候危機をもういちど選挙の争点として問い直そうという記事は意義が大きい。若者のこういう活動がもっと発展し、報道がこれを励ますという空気が強くなることを期待したい。




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