山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

映画「教育と愛国」をぜひ! 6月3日まで第七芸術劇場へ

2022年05月28日 11時58分54秒 | Weblog
 出遅れたがやっと十三の第七芸術劇場で斉加尚代監督の「教育と愛国」を観た。安倍政権下で強められてきた教育と教科書への権力の介入は身の毛もよだつというレベルのものだ。とくに大阪では維新の地方権力の下で学校と教員への抑圧は全国的な教育反動化の突撃隊の役割を果たした。大阪の教育実践を率いてきた中学校教員平井美津子さんへの維新系の介入攻撃、維新教育行政による弾圧。教育の条理ではなく権力に従うかどうかが基準にされる不条理。
 教科書攻撃の中で、社会科で優れた教科書をつくってきた日本書籍が倒産に追い込まれた。維新の国会質問に政府が結託して、従軍慰安婦、強制連行の記述の変更を教科書改訂の時期でもないときに無理やりさせる。ロシア的な風景だ。
 映画の中での育鵬社の歴史教科書の監修者の伊藤隆氏へのインタヴューにはびっくりした。監督の「歴史に学ぶものは何ですか」という問いに、高齢になった伊藤氏は、「歴史に学ぶものはありません」といってのけた。みずから歴史教科書を執筆し(かつては山川の、その後育鵬社の)監修している人物の発言を聞いてここまで言うかと愕然とした。彼は、「教育は、左翼でない、反日でない、ちゃんとした日本人をつくることだ」と断言した。かつての実証主義の歴史学者としての矜持も捨てて、教育反動化の旗振り役として右翼イデオロギーをまき散らすことに専心しているようだ。
 映画は7、8割方の客で埋まっていた。6月3日で終わりになる。多くの人に見てほしい。








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カジノ住民投票署名の成功を願う

2022年05月27日 12時18分15秒 | Weblog
 5月25日(2022)夕方、谷町のターネンビルの「カジノの住民投票をもとめる会」に自分の分と港区の何人かの受任者の分をあわせて持ち込んだ。160人分ほどあった。うまくいくか心配していたが、しり上がりに盛り上がってきたのでギリギリ行けるだろうと思っていた。
 会の発表では15万7716筆だ。必要数14万6000を1万上回った。選管の審査では、番地に間違いがあるとか、部屋番号がないとか、その他記入漏れ箇所があるとかではねられるものがでてくるだろう。目があまり見えないという方に署名したもらったが、字が重なったり、偏が欠けていたり、誤字ととられかねないものもあったので、はねられたら残念だ。選挙の投票では、不完全な記入でも投票者の意をくんで有効票としているのだから、直接請願書名でもそう願いたい。完璧な記述ができない人も一定数はいる。記入日、住所、氏名、生年月日の4つすべてが完璧でないと有効署名とは認めないのは民主主義の道を狭めるものだ。
 愛知県で維新支部長や高須クリニック所長、河村名古屋市長らが、アルバイトを雇って佐賀県で偽造署名を大量にやったいかがわしい請願書名とはわけがちがう。ネットカジノなるものがもう広がっていることを初めて知らされた時に、その犯罪性と依存症の危険を目の当たりにして、不幸を広げてはいけないとの切なる思いで集まった署名だ。
 有効署名が必要数を超えてくれることを切に願う。
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ロシア入国禁止に志位委員長も

2022年05月09日 09時51分31秒 | Weblog
 ロシアが5月4日、岸田首相ら63人の日本人をロシアへの入国を無期限に禁止すると発表した。中心は政権幹部や自民党外交防衛関係者、衆参の「沖縄・北方特別委員会」メンバーだ。官僚も同様だ。メディア関係も政府寄りの人々が並んでいる。その中で異質なのが共産党志位委員長だ。ちょっとした話題になっている。志位委員長はこの間何度も厳しいロシア批判をおこなっている。
 世間では日本共産党はロシアの仲間だと勘違いしている人がけっこういるから、驚きもしただろう。テレビで世界のありとあらゆる事象を知ったかぶりで解説している池上彰さんでさえ「そもそも日本共産党は北極星ではなく、ソ連という恒星のまわりを回る惑星でしかなかった。今の日本共産党は、惑星にもなれずに宇宙を漂っているようにも見えます」という「見解」を「朝日新聞」4月9日付けの特集記事で開陳している。池上さんの謬論にはあとで触れるとして、日本共産党はソ連・ロシアの親戚か仲間だと思っている人がいるのは事実だ。
 志位委員長と日本政府とのロシアのウクライナ侵略批判の立脚点に違いがある。志位委員長は徹頭徹尾、国連憲章違反、国際法違反の立場から批判を展開している。ロシアも常任理事国として曲がりなりにも承認している国連憲章・国際人道法を正面に掲げて追及されると正面からは反論できない。共産党の井上参院議員のNHKテレビ討論でのロシア批判にいきり立ったガルージン駐日ロシア大使は井上議員に会談を申し込んだ。駐日大使が日本の国会議員に会談を申し込んだ例を知らないが、そこでもロシアとの共通の土台の国連憲章・国際人道法からの批判に抗弁できずに本国に伝えると引き下がらずを得なかった。
 これにたいし、政府や日本政府の主であるアメリカ政府は、西側陣営の価値観からの批判が一番効き目があると信じている。政府はもう30年以上前に国連第一主義を投げすて、日米軍事同盟(安保条約さえも乗り越えた)第一主義をかかげ、価値観外交をすすめてきた。ロシアに対して国連憲章・国際人道法を押し出して批判する態度をとっていない。北方領土問題でも国際法に基づく議論をしまいままきたのでロシアに手玉に取られてきた。安倍氏に至っては27回もお食事をして「ウラジミール。君と僕は同じ未来を見ている。行きましょう、ゴールまで、ウラジミール」などと気味の悪いことばまで吐いて、結局打ち捨てられた。
 主人のアメリカも岸田氏もなぜ国連憲章をかかげてロシア批判をしないのか。アメリカが国連憲章を踏みにじってアフガニスタン・イラク侵略をしてきたからだ。いまさらロシアに国連憲章を守れとは言えない。だから西側の価値観で批判となるのだ。
 ロシアは、西側の価値観で批判されてもなんとも思わない。これに対しては大ロシア主義の価値観をふりかざす。ウクライナもベラルーシもロシアも同じ民族だ、ウクライナ政府はネオナチだと根拠もなしに反ナチを持ち出せばなんでも正当化できると思い込んでいる。
 ロシアは日本政府及びこれに近い反ロシアと見た人々を入国禁止にした。人選をした駐日ロシア大使館は、やり込められても反論できない日本共産党も入れなければ憤懣が収まらないのだろう。
 日本共産党は30年以上前の旧ソ連時代から、ソ連は社会主義ではなく覇権主義、大国主義でしかないと批判してきた。私などは若い時代からソ連とは精神的に縁を切ってきた。北朝鮮には1972年からもうこれはダメだと断を下した。
 「朝日」の特集記事の池上さんの長いインタヴュー記事には、いささか信用してきた人物だけに、乱暴な意見にがっかりした。 
 日本共産党は、日本の代表的思想家・鶴見俊輔氏によって1945年までの時代、日本の知識人にとって自分がどれだけ時流に流されたか、どれだけダメな人間になったかを知る北極星の役割を果していたと評された。(久野収、鶴見俊輔『現代日本の思想』、1956年、岩波新書)
 ところが池上氏は、そもそも北極星ではなく、ソ連のまわりを回る惑星にすぎず、今は惑星どころか宇宙を漂っているだけだと評する。だが、ソ連は日本共産党を自己の支配下に置こうと覇権主義的干渉をつづけたが、日本共産党は自主独立を貫きつづけた。ソ連のチェコスロバキア侵略(1968年)、アフガニスタン侵略(1979年)に対しては徹底批判し、即時撤退を要求した。1991年ソ連共産党は解散し、ソ連も解体した。日本共産党はこれに対し「大国主義・覇権主義の党と30余年にわたってたたかってきた日本共産党としては、巨悪の党の終焉をもろ手をあげて歓迎する」と長大な声明を発した。これをどうしてソ連の惑星といえるのか。
 ソ連共産党もソ連も姿を消したが、覇権主義と大国主義はおさまらず、いまやプーチンは19世紀的ロシア帝国の復興に必死になっている。ソ連という恒星が亡くなったから惑星は行き場を失って漂っているという例え話は、歴史事実との整合性が全くない。池上氏の妄想でしかない。
 ロシアが志位委員長を入国禁止にしたことで、日本共産党がロシアの親戚でも仲間でもないことが証明された。









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春野菜を楽しむ

2022年05月05日 09時39分56秒 | Weblog
 新春以来、季節の野菜を楽しんできた。5月連休となって春野菜の季節が過ぎようとしている。
 これまでいくつかのスーパーを巡って、春ならではの季節の野菜を手に入れ調理してきた。
 まずは菜の花だ。年明け早々から各地のものが出回った。さっと湯がいておひたしに。てんぷらもよかった。
 八尾の若ごぼうはお気に入りだ。一束は量が多い。ほとんど成長していない根っ子つまり牛蒡部分から長い茎、そして緑の葉まですべてを使いつくす。根っ子はひげをこそげて細切り、茎は斜め切り、葉は縦横に適当に切る。全部を大きなボウルで混ぜる。3分の1はてんぷらに、あとは佃煮風に煮る。てんぷらは風味が抜群だ。佃煮風は味を濃くしないように注意すると、若ごぼうとして楽しめる。
 山蕗はすじを取らなくてもいいといわれるが、煮物にするには丁寧にすじ取りをした方がいい。あくをとって、4センチくらいに切る。出汁で煮て塩と少しの醤油で少し味をつける。山の風味抜群だ。
 ふきのとう。最近は栽培した形の良いつぼみ状態のものがスーパーに出た。いまはもう時期が過ぎた。つぼみを少しむいててんぷらが最高だ。ふきのとうといえば、90年代から5月連休に志賀高原に行ったとき、道端、リフトの脇などで採取してみやげにしたものだ。今は長時間運転を体力が許さずコロナの規制もあって遠い世界になった。
 うるい。3月から4月のいっとき、きれいなうるいが少量スーパーに並んだ。すぐに手が出た。出汁に少量の塩でさっと煮ると、シャキシャキして産地山形の風が吹くようだった。もう見かけない。
 タラの芽。今は栽培しているものが店に出るようになった。形までそろっている。てんぷらにする。うるいほどの喜びはない。
 こごみ。今は長い期間出まわる。てんぷらと、おひたしにして胡麻ドレッシングかな。でもワンパックの量が少ないから。
 独活。うどは春に限らず出まわるので、見かけるたびに買う。5センチに切って皮をむいて、太いところは拍子切りにしてきんぴらに。先の方と途中から伸びている芽の部分はてんぷらに。太いところを吸い物の具にするのもいい。志賀高原の帰りに高速に入る手前の農協のオランチェという店で、天然のうどをたくさん買ったことがあった。太陽をさえぎった穴で栽培するうどは色白だが、信州の天然物は全身緑だ。葉っぱも平気で伸びている。元気いっぱいだ。てんぷらにしても食べきれない。
 蕨。わらびは今が盛りだ。山に行けば取り切れないほど顔を出している。折るとポキッと音がする。店の輪ゴムの一束でも結構ある。重曹であく抜きする。重曹は何年経っても減らないが一箱置いてあると便利だ。わらびを4、5センチに切って出汁、塩、少しの醤油で少しの歯ごたえと風味をたのしむ。花かつおをかけてもいい。
 わさびの花。5月3日の扇町公園の憲法集会に行った帰りに梅田の阪急に立ち寄った。わらび一束とわさびの花二束買った。よくスーパーにあるわさび菜はセイヨウカラシナというもの。わさびの花は白い小さい花が咲いていて、茎は空洞だ。熱湯をかけて、水で冷やす。3センチに切り薄い出汁醤油をちょっとかけて食す。ほのかにわさびの味がする。
 ほのかな苦みを楽しむ春野菜の季節ももう終わりだ。夏に入っていく。







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