何年かぶりに尿酸値が正常値にもどった。尿酸が血液1㎗に7mg以上になると痛風になるといわれる。風が吹いても痛いというのが痛風だ。なった人に聞くとそれはそれは痛いそうだ。
わたしもいつの間にか、その尿酸値がぐいぐい上がってきた。残っている健康診断表を並べてみると、2013年すでに7・4だ。2017年8月7・9、18年7月8・2、19年7月8・0、12月8・0、20年3月8・0。もう8・0が常態だ。
ところが20年6月、なんと8・7にもなった。びっくり、腰を抜かした。これは明日にも痛風になるなと身震いした。じじつ、足の親指の付け根が痛いような痛くないような日がでてきた。
指導を受けて、運動をする、酒を控えるを実践した、、、かといえば必ずしもそうでもない。でも、つぎの検査ではどうしても数値を改善しなければいけない。そこでネットで専門的な意見をあつめてみた。手帳にびっしり書き込んで、ポイントになりそうなところに赤線を引いた。何度も読むうちになんかわかってきた。
尿酸は一定量までは血液にとけるが、それ以上になると溶けきれず、結晶化する。尿酸はプリン体が分解してできる。で、プリン体をとりすぎないようにといわれ、世間の常識にもなっている。プリン体が多い食べ物は、鶏・牛・豚のレバー、魚介類、干物、肉類だ。美味しいものばかりだ。おまけにアルコールだ。これでは、欲望に負けて痛風地獄に落ちる人がふえるのもわかる気がする。20年も前は、ビールが悪いといわれて、焼酎に切りかえる人が続出した。しかしそう単純ではない、アルコール全体が問題だ。
でも、そもそも、食事由来のプリン体は10~20%で、80~90%は体内でつくられる。ではどうすればいいのだ。尿酸値を下げるためには、有酸素運動を心掛け肥満をおさえることが必要。肥満はプリン体を合成しやすい身体にしてしまう。運動と肥満を抑える、結局ここに行きつく。なかなかしんどい生活改善だ。
だがもっと読んでいくと、光り輝く指摘があった。
通常では、体内の尿酸の産出と排出はほぼ同量で、血液中の尿酸量は一定に保たれている。尿酸の産出がふえすぎたり、排出が少なかったりすると血液中の尿酸が多くなるのだ。これだ、これがポイントだ。
プリン体の産出を抑え、取り込みを少なくするよう気をつけながら、私にできる一番やりやすい対処法は尿酸の排出を促すことだ。水分を多くとる。1日に2リットル。
そういえば、わたしは水分の摂取が少なめになっていた。数年前、心不全で入院したとき、1日の水分摂取は朝200、昼400、夜400mlに制限された。退院とともに制限はなくなったが、水分摂取が少ない生活が定着したように思う。だから夜中にトイレに起きることもほとんどなくなった。
水分摂取療法を始めてからこの間、朝の寝起きから、夜中まで一度にコップ1、2杯ずつ飲むようにしている。尿の量も増えた。これで尿酸をどんどん排出できたのだ。
健康診断で数値が劇的に改善したことは記憶にないが、尿酸値の正常値への帰還はわれながらあっぱれのヒットだった。
尿酸は