山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

大ロシア主義者・プーチンの侵略戦争

2022年02月25日 09時08分38秒 | Weblog
 プーチンがNATOに要求していた5項目には一定の正当性があったので、フランス・ドイツの仲介で外交交渉による解決の道があると私は考えていた。ところがオリンピックが終わるとともに侵略を始めた。2月21日、ウクライナ東部地域の親ロシア勢力「ルガンスク人民共和国」「ドネツク人民共和国」の「独立」を承認することでこれらとの間で「条約」を結んで「集団的自衛権行使」でロシア軍を投入するという作戦に出た。
 ロシアによる親ロシア勢力の「独立」承認は、ウクライナの領土保全と主権を侵害する国連憲章違反だ。その「独立}を根拠に結んだ「条約」なるもので国連憲章51条の集団的自衛権行使でロシア軍が軍事行動をするというのも成り立たない。グテレス国連事務総長が、国連憲章の原則を好きなものだけをつまみ食いすることは許されず、加盟国はそのすべてを受け入れたのであり、すべてを適用しなければならないと、プーチンの詭弁を批判した。
 多くの識者は、プーチンは東部地域を根城にじわじわと侵略をすすめるのかと見ていたが、24日、ウクライナ全土にミサイル攻撃と地上部隊の侵攻を始めた。プーチンはどこを目指しているのか。
 プーチンは交渉のそぶりを見せながら、裏では大規模な侵略計画をすすめていた。世界の常識では理解できない19世紀的帝国主義者だ。ベラルーシも、ウクライナもロシアのものだとする大ロシア主義が21世紀に生きている。こんなものは世界にもそしてロシアにも受け入れられない。プーチンの未来は閉じられている。
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シネ・ヌーヴォで、標的を観る

2022年02月23日 21時38分31秒 | Weblog
九条のシネ・ヌーヴォで西嶋真司監督の標的を観た。1991年元慰安婦の金学順さんが行なった証言を世界で初めて報道したのが朝日新聞の植村隆記者だ。時間が経って安倍晋三が全盛を誇るようになって、植村に捏造記者という政治バッシングが始まった。彼が教職につくことになっていた大学にも、彼の娘にも殺すという脅迫が届くに至った。安倍を頂点にネット右翼などが襲いかかった。総理大臣が後ろ盾だから怖いものなし。やりたい放題の脅迫。記事は事実で捏造でもなんでもない。植村は名誉毀損の雑文を書き散らす女性評論家らを名誉毀損で訴えるが日本の裁判所は安倍が後ろにいる問題には腰が抜けたようになる。原告植村敗訴。これが今の日本の姿だ。誰が標的にされるかわからない。真実などクソくらえとばかりに、血祭りにあげる。沈黙させる、屈服させるのが連中の目的。歴史は真実の探究ではなく、自分たちの都合のいいような結論に作り変える、それを世間に押し付けることをねらう。これを彼らは歴史戦と称している。政治戦、選挙戦は現実にあるが、歴史は戦いや戦争ではない。力のあるものが歴史を作り変えるということがあってはならない。これこそ歴史の捏造だ。植村さんは動かぬ事実を報道した。これを捏造呼ばわりして押し通す、およそ民主主義の世とは思えない。日本は報道の自由ランキングがどんどん下がっている。脅しにひるまない、立派な映画が作られた。ぜひ見てほしい。
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ウクライナをめぐるマクロン・プーチン会談。ウラジミールと呼んでいた安倍外交、日本外交との落差

2022年02月09日 10時23分29秒 | Weblog
 (2022・2・7)、軍事的緊張が続くウクライナ問題をめぐって、フランスのマクロン大統領とロシアのプーチン大統領がロシアで5時間も会談した。普通は首脳会談といえば、事務方が十分論点を詰め調整をしたうえで、最後にセレモニー的に短時間やるのが通例だ。ところがどうだ。首脳が5時間もサシでやりあう。心意気が感じられる。だが写真を見ると長いテーブルをはさんで4メートルの距離をおいて対面している。テーブルの使い方が逆だ。こんな変な使い方は見たことない。この会談には5時間からは会談への意欲を、4メートルからは両者の警戒心を感じる。
 ロシアのウクライナ侵攻が迫っているという情勢を平和的に打開するために、フランスとドイツが対立するロシア・アメリカの仲介の役を買って出て、ロシア、ウクライナ、アメリカ首脳との会談を1週間ほどの間につめこんでいる。
 ロシアの要求は、①ウクライナ、ジョージアをNATOに加盟させないを中心に、②核兵器を自国領土以外に配備しない、③1997年以降東欧に配備された部隊、兵器を撤去、④ロシア・NATOの境界近くの軍事演習停止、⑤ロシアの隣国への攻撃システム配備やロシア国境付近への兵器配備の停止だ。(「朝日新聞」まとめ)
 私から見ればこれらの要求は正しいと思う。アメリカがNATOという軍事同盟をどんどん拡大してロシアへの軍事包囲を強めているのは事実だ。旧東欧旧ソ連から独立した国がロシアへの反発から国家主権を主張するのは当然だが、NATO側が旧ソ連の流れを引くロシアを軍事的に包囲すべくNATOの勢力範囲を拡大するのは緊張を高めるもので、賛成できない。国連憲章の考えは軍事同盟を広げて他国を威圧・威嚇することを禁止し、全加盟国が参加する集団安全保障を確立することだ。ソ連が崩壊し、ソ連中心の軍事同盟ワルシャワ条約機構が1991年消滅して以降、アメリカ独り勝ちの軍事情勢の下、なおさらNATOの拡大という路線はとるべきではない。軍事同盟は日本の現実でもわかるように、盟主の軍隊を駐留させる。NATOではベルギー、オランダ、ドイツ、イタリア、トルコにアメリカの核が配備されているとみられる。軍事同盟とはいえ、他国に核を配備して別の国を威嚇するのは国連憲章の精神に反し容認できない。ロシアは、1997年時点でNATOに加盟していなかった国(ブルガリア、ルーマニア)からの外国軍の撤退を要求しているが、両国は反発している。主権の問題だから反発は理解できるが、配備をどんどん拡大するのは賛同できない。NATO軍のロシア近辺での軍事演習停止を求めるのももっともだ。軍事演習というのは実際の戦争を想定した練習だ。国連憲章的にも要求は正しい。北朝鮮近辺で米韓合同軍事演習が1年のうち何か月にもわたって繰り返され、金正恩殺害を含む演習をしていたことは明らかな国連憲章違反だ。国の存立を脅かす威嚇だ。拉致が許されないのと同様、これも許されない。ロシア近辺への威嚇も許されない。ロシア近辺でのNATOの軍事演習が明白な威嚇であって許されないのだから、ロシアが昨年来ウクライナ国境線に大部隊を動員して軍事演習を繰り返してウクライナを威嚇しているのは容認できるはずがない。ロシアは自分が正しいとして要求していることを、現に今同じことをより大規模に展開している。その矛盾にも気づかないのだろうか、面の皮の厚さは尋常ではない。ロシア近国への攻撃システム配備や国境付近への兵器配備の停止要求はもっともだ。この要求をするのだからウクライナへもロシアは同様の態度をとるべきだ。
 ロシア・プーチン政権がアメリカと並ぶ世界の2大帝国主義として21世紀の緊張の震源地となっている。ロシア系住民が多いなど屁理屈をつけてクリミア半島を侵略併合したのは2014年だ。言い分に部分的に正しいところがあっても、プーチンは平気で侵略併合をして恬として恥じない。
 だが、プーチンに新たなウクライナ侵攻をさせてはならない。和平への道を探らなければならない。フランス、ドイツの真摯な努力は称賛に値する。ロシアはNATOへの要求を5つにまとめているのだから、これを俎上に載せて協議をすることが一番だ。NATO加盟と加盟後の軍の配備の問題は、当事国の主権の問題でもあり、いまどうこうすることはできない。とすれば、とりあえず④⑤が検討の対象になるだろう。ロシア軍もNATO軍もロシア・ウクライナ国境線での軍事演習を停止すること、ついで国境線から撤退することを協議することだ。ロシアがNATOに対して要求しているのだから、同じ論理でロシアもこれを受け入れるべきだし、そうしないと最低限の道理もたたない。実際のフランスの調停ではこの線までは行ってないのだろうが、可能性はある。北朝鮮問題で数か月に及ぶ米韓軍事演習が停止されたことが、朝鮮戦争終結、北朝鮮の核ミサイル問題解決の1歩か2歩手前まで行ったことが想起される。プーチンの侵略性は相当だが、アメリカヨーロッパを相手に孤立感も相当なものだろう。仏独の努力に期待するところ大だ。
 ところで、プーチンといえば、ファーストネームはウラジミール。ウラジミール、シンゾウと呼び合っていた安倍前首相は友達なのだから、ウラジミール冷静になってと話しかけてもいいのではないだろうか。でも千島問題では29回も親しく会談したというのに、完全にもて遊ばれてしまった。
 ウクライナはヨーロッパの問題だから日本が出る場面ではないかもしれないが、問題はアメリカ追随でない独自の外交姿勢を持っているかどうかだ。イラク戦争の時、国連の査察委員会がイラクの大量破壊兵器所持がほぼないことが証明される段階で国連を抑え込んでアメリカは侵略戦争に及んだ。そのとき日本は国連の活動をろくに検証することなく、アメリカに追随し侵略を称賛した。当時、査察委員会の活動は世界に報道され、査察の3分の2は終わった、あと3分の1査察すれば、大量衣破壊兵器はないということが証明されるというところまで行った。ところがその道を閉ざした。仏独は即時の姿勢をとったが、日本は自主的判断力を放棄して侵略の共犯者となった。私たちが持っているレベルのイラク情報を小泉首相らは与えられていなかった。裸の王様状態で間違った判断をしてもアメリカ様様であれば怖くないとばかりに態度だけはおおきかった。アメリカに対しては内弁慶の日本政府は、こんどのオミクロン水際対策でも米軍には大甘、検査スルー。こんな日本政府が国際問題で世界で堂々とものをいう国と渡り合えるはずもない。基準ははっきりしている。国連憲章だ。






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第七で「テレビで会えない芸人」を見た

2022年02月03日 10時39分57秒 | Weblog
 昨日13時、十三の第七芸術劇場で「テレビで会えない芸人」を見た。平日だったがほぼ満席に近かった。びっくり。いわずと知れたピン芸人・松元ヒロを、出身地の鹿児島テレビが密着取材して舞台公演も取り入れた80分にまとめた映画だ。
 わたしは以前、天満天神亭で松元ヒロさんの舞台を見た。歴代首相と四つに組む政治批評満載、痛快丸かじり、テレビの吉本芸とは全く違う本当に面白い舞台だった。50分笑いっぱなし、グイグイ引き付けられて終わったときには疲れを感じるほどだった。
 この映画でヒロさんの芸人根性がわかった。13冊のネタ帳。自作の分厚い台本。そこには無数の書き込みがあった。稽古をくりかえして修正していく。うまくいかず、頭を抱え込む姿。50分完成した形で発射し続ける鋭い権力風刺の笑いは、こうした努力の上につくられているのだ。
 七芸に入る前に、現役時代の最後の半年ほどよく通った「よかにせ」で中太のつけ麺を食べた。久しぶりでうまかった。映画が終わってまだ時間があったので十三東の方をぶらついた。小さなビルの2階に淀川東淀川労連の事務所は健在だった。でも10年以上たつと、商店街、飲食店街のたたずまいはずいぶん変わった。飲食店の入れ替わりは早い。
 十三といえば第7芸術劇場、2月いっぱい閉店という店もたくさんあったがお店訪問もかねて訪れていただきたい。
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佐渡金山世界遺産推薦で岸田政権安倍に屈服

2022年02月01日 22時29分51秒 | Weblog
 2月1日(2022)岸田政権は佐渡金山を世界遺産の候補に推薦することを決めた。韓国が、佐渡金山で戦時中朝鮮人の強制労働がおこなわれていたことを批判しており、登録は困難視されていた。だから岸田氏はこれまで推薦を見送る方針だった。ところが安倍前首相ら極右歴史修正主義派が猛烈に圧力をかけ、岸田氏がこれに屈服した。岸田氏は総裁選の時は、新自由主義を批判するかのようなそぶりを見せて新しい自民党の雰囲気を漂わせようとしたが、すぐにそれも封じ込め、安倍氏になりかわって憲法改悪の旗を振り、そして世界遺産問題でも安倍に屈服した。これでは安倍のしもべではないか。
 今の情勢ではユネスコで登録される見込みはほとんどない。安倍氏は登録されなくても右翼ナショナリズムを煽れば自分の政治的欲望が満足される。安倍は登録されなくてもいいのだ。それは北朝鮮拉致者の救出でもあらわだった。対話と圧力のうち最後まで対話の道をとらず圧力一辺倒で国民の感情をあおって選挙を有利に進めることに専心した。
 登録されるための道すじははっきりしている。強制労働の事実を認め、佐渡金山の歴史に負の歴史があったことを世界に明らかにし、訪れる人にもそれを認識してもらう措置をとることをはっきりさせれば世界から認められる。
 7年前の産業革命遺産の登録の時に朝鮮半島出身者の強制労働の犠牲を記憶にとどめるとユネスコに対して約束したのに日本政府はこれを反故にしてきた。その責任は安倍・菅にある。昨年、催促されたのに無視している。これでは佐渡金山が登録される可能性はゼロだ。
 安倍前首相を頂点とする右翼歴史修正主義派は、朝鮮の植民地支配を正しいこととしており、強制労働も認めない。こんな姿勢は世界では通用しない。佐渡金山はすばらしい歴史遺産だ。登録に当たっては負の歴史も世界に明らかにして日本国民もしっかり認識する必要がある。そこにこそ未来がある。岸田政権は安倍氏に屈服して、登録されなくてもいいと、韓国への反感をあおって極右ナショナリズムが盛り上がればいいと考えて方針転換したのか。安倍に逆らっては政権基盤が弱くなるからとへつらったのか。いずれにしろ歴史偽造の道には未来はない。








措置をとるとと
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