山上俊夫・日本と世界あちこち

大阪・日本・世界をきままに横断、食べもの・教育・文化・政治・歴史をふらふら渡りあるく・・・

大阪・中学統一テストで半数欠席 生徒の抵抗、不満が爆発

2017年01月19日 11時25分43秒 | Weblog
2017年1月12日、大阪府内の公立中学校1、2年生を対象に府統一テスト「チャレンジテスト」が行われた。そのなかで府南部の中学校で2年生157人中88人(56%)が欠席した。同校では昨年12月に、テストの結果次第では内申点が下がることを説明していた。その際、体調不良の場合の対応についての質問に、休んでもいいと答えていた。これほどの欠席が生じたのは、テスト結果が内申を拘束するという事実をありのままに伝えたことで不安が広がったからだ。ありのままを伝えたら大混乱が生じることをやること自体が間違っている。生徒はいわば正しい自己防衛をしたのだ。保護者の不安も背景にある。
問題はこの「チャレンジテスト」なるものにある。公立高校入試は、入試での得点と内申点で決まる。入試点と内申点の比率は高校によって違う。これまでは内申は中学3年の内申がそのまま使われていたが、これからは中1、中2、中3すべてのチャレンジテストの結果で内申が変更されることになった。1、2年生から入試に向けてがんじがらめにされる。
一番の問題は、学校が責任をもってつけた内申点が府教委の指図で一方的に変更されることだ。中3のチャレンジテストは団体戦ともいわれ、学校の平均点がすべての中学校のなかでランクづけられ、平均が高い学校はよい内申に変えられ、低い学校は低い内申に変えられる。英語の評定が1学期4、2学期4だったのが、内申評定は2に落とされるなどの事例がでている。地域のさまざまな事情で他よりも平均が低い学校があるのは事実だ。しかし困難を押して頑張っている生徒を身近で見て評価している学校の、そして生徒の努力をふみにじる制度は教育的とは言えない。しかも3年のチャレンジテストは6月に行われ、これが内申を拘束する。6月以降の頑張りはいっさい反映されない。これほど非教育的なことがあろうか。学校の平均点を上げるために、自主的にテストを休む生徒がでている。制度を正しく生徒に説明すれば、低位の生徒への同級生の無言の、あるいはあからさまな圧力がさらに強まる。団体戦という闘いならば、いっそ組を組んでテストを休む作戦を実行し、平均を上げることで自分もみんなも利益を得るという行動に出てくる可能性もある。
おまけに3年のチャレンジテストは、5教科のテスト結果で、テストに含まれていない音楽・美術・体育・技術家庭の内申平均も決定されるシステムだ。これはどう考えても道理が通らない。ある教科の成績が他の教科の成績に置き換えられる。公序良俗に反する不法行為だ。こんなものを考え、決定した連中の神経を疑う。
府の公立中学校長会は、昨年府教委に、内申評定は各中学校にゆだねるよう要望書を出した。だが府教委はつっぱねている。生徒・保護者をまきこんだ不満と混乱は、中2生の抵抗によって相当のレベルに達していることが分かった。府教委はもう教育の名を冠する資格がない。維新の名を冠にしたほうがぴったりだ。維新政治に教育を差し出す不見識は直ちにやめるべきだ。
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1 コメント

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Unknown (摩訶不思議)
2017-01-19 20:58:15
こんな無茶苦茶なことをする維新をなぜ大阪人は熱烈に支持するのでしょうかね。
研究の余地がありますね。

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