昨日(4月29日)報道ステーションで大阪の医療の現状を富川さんは「医療逼迫」といった。わたしは、「えっ、ひっぱく?!」とおもわずうなった。逼迫とはゆとりがない状態をいう。どこを見ていっているのか。調べてみると、他の報道機関でも逼迫と表現している。「赤旗」は医療崩壊と事実のまま書いている。
10000人が自宅待機を強いられ、救急車に何十時間も閉じ込められ、ついに1日に44人も死亡し、第4ステージのがん患者が手術を1カ月も先延ばしにされる、これが医療崩壊ではなく単なるゆとりのない状態だというのか。
医療崩壊と規定したくない、断定したくないというはっきりとした意思がそこにはある。吉村知事が頑として医療崩壊を認めないのに通じる。政治責任が生じることを認識したうえで、あえて現状を緩くとらえようということだ。現状認識がゆがんでは対策にもゆがみが生じる。
ジャーナリズムの精神にもとるといわざるをえない。