1031ビジネス・コンサルティング

経営コンサルタントの目で、日々の出来事から、参考になるキーワードを取り上げて、解説したり、情報発信をします。

保証料率の上乗せにより経営者保証の提供を不要とする信用保証制度

2024-03-16 23:15:36 | 独り言
3月15日より新制度がスタートしました。
専門家によく相談され、コロナの影響を受けている方、事業承継等で悩んでおられる方など概要等からよく勉強されてはいかがでしょうか。
HPの表紙コラムにも書きましたが、「経営者保証に関するガイドライン」(以下「経営者保証ガイドライン」という。)が定める経営者保証を提供することなく資金調達を受ける場合の要件(①法人・個人の資産分離、②財務基盤の強化、③経営の透明性確保)を充たしていれば経営者保証を解除する現在の取組を徹底するとともに、経営者保証ガイドラインの要件のすべてを充足していない場合でも、経営者保証の機能を代替する手法を用いることで、経営者保証の解除を中小企業者が選択できる制度を創設することなどが明記されました。
それには以下のような要件などが記述されています。
【要件】
次の要件のいずれにも該当することとされています。
① 過去2年間(法人の設立日から2年経過していない場合は、その期間)において決算書等(必要に応じて試算表や資金繰り表等も含む )を申込金融機関の求めに応じて提出していること。
② 直近の決算において代表者(代表者に準ずる者も含む )への貸付金等がなく、かつ、代表者への役員報酬、賞与、配当等が社会通念上相当と認められる額を超えていないこと。(「貸付金」以外の金銭債権(仮払金・未収入金等)も含み、少額のものや事業の実施に必要なものは除く 。)
③ 直近の決算において債務超過でない(純資産の額がゼロ以上である)こと又は直近2期の決算において減価償却前経常利益が連続して赤字でないこと。
④ 上記①及び②については継続的に充足することを誓約する書面を提出していること。
中小企業者が、保証料率の上乗せにより保証人の保証を提供しないことを希望していること(*4)。

(*)法人の設立後最初の決算が未了の者の場合にあっては①から③までに掲げるものを、法人の設立後最初の2期分の決算が未了の者にあっては③に掲げるものをそれぞれ除く。

【保証料率 】            
上記の③の要件の両方を満たす場合
信用保証協会所定の保証料率に0.25%上乗せ
上記の③の要件のいずれか一方を満たす場合又は法人の設立後2事業年度の決算がない場合
信用保証協会所定の保証料率に0.45%上乗せ
【保証人】    不要
【対象となる保証】    無担保保険(限度額8,000万円)に係る保証など。

中小企業庁の昨日の発表HP(以下)を参照され、専門家にぜひご相談ください。信用保証協会も現状の経済情勢を考慮し、経営者保証の提供を不要と考えるようになったということでしょうか。全国の保証協会がこぞって発表していると思われます。
HP:
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2024/240315.html

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

資本性劣後ローン

2024-03-15 16:59:36 | 独り言
多少の制約はありますが、新型コロナウイルスの影響を受けている企業は、資金繰りや財務の改善が見込める「資本性劣後ローン」を利用することができます。資本性劣後ローンは毎月の返済がなく、利息も赤字の場合は低く抑えられ経営状況に合わせて調整されるため、返済額を抑えて借入することが可能です。
劣後ローンですから会社が厳しくなり倒産し、資産整理を行い従業員の給与や税金などは支払う必要がありますが、資産がほとんどない状況でも、劣後ローンは優先順位が低いため、回収できない可能性の高いローンとなります。
しかし劣後ローンは負債ではなく自己資本の一部とみなされますので、債務が増えず、資本比率が上がることから、財務規模が大きいと判断することもできるため、他の融資を受けられる可能性が高くなります。
日本政策金融公庫では新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付(新型コロナ対策資本性劣後ローン)といい、冒頭で申し上げたように新型コロナウイルスの影響を受け業績が悪化した企業の方は利用できる可能性があります。
現在、金融機関からの追加融資が受けられず、経営に困っている企業などが使用するケースが多く、借り入れができれば経営が改善されるうえ、資本金にも含まれるため、金融機関からの追加融資を受けられる可能性もあります。
中でも従来から支援させていただいていますが、中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会を含みます。)の支援を受けて事業の再生を行う企業の方は、無担保無保証でもあり、返済方法は一括となりますが、返済期間にいくつかの選択肢があり利息は毎月支払う必要があるとしても、赤字期間は0.5%でありその後多少高く(2.6%から2.95%)になるとしても融資上限額は7,200万円ですから、挑戦するメリットもあるのではないでしょうか。
ただこうしたメリットがあるゆえに、いろいろな制約もありますので、提出する必要がある「新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付 事業計画書 」など内容を検討されながら、専門家などに相談されてはいかがでしょうか。
計画書のHPは以下の通りです。
HP:
https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/shihonseiretsugo.pdf

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東日本大震災、あれから13年

2024-03-11 09:46:54 | 独り言
東日本大震災からもう13年がたちます。多くのマスコミでも取り上げられている東北の復興状況。さらに今能登地方の復興が課題になっています。
TVなどでは専門家等による今後の地震予測など危機管理等についても報道され、少しでも自らできる対策などについて周知を促しています。
いつ起こるか分からない避けようのない危機に対して、不安が募ります。
東北の復興を願い、被災企業の支援を続けてきましたが、現地を見るたびに感じたのは復興の地域による状況の違い、場所による復興の度合いの違い、企業や戻ってきた人たちの復活・復興への対応や思いの違い。
行政や支援機関のそれぞれの支援の思惑の違い。
販路開拓の支援を行うたびに感じるのは、そうした個々の企業や地元の方たちの思いの違い。
皆さん復興への思いは強いのですが、温度差を感じます。
また支援側の支援疲れでしょうか。
次第に流れに任せるような支援。
販路開拓で思うのは、ポップアップであれ本売場であれ、百貨店やスーパー、コンビニなど空いている棚がないほど被災地以外の場所では商品が埋まっています。
道の駅や直売所の午後、空いた棚や場所を見かけることはありますが、どこでもそれほど潤沢に商品が棚を埋めています。
そうした空間の無い場所に新たに商品を埋めてもらう(仕入れてもらう)ことの大変さを意外と支援する側が理解していないケースを感じます。
ただマッチングの機会を提供すれば何らかの成果は上がるため、繰り返しそうした機会の提供で支援を行ったつもりになる。
その繰り返し。
震災やコロナを経験した消費者は、今自分の買い物には非常にシビアです。
まあこれでいいかという買い方はしなくなり、これでなければという思いでの買い物が主流です。
そうした消費者の購買活動に、一層真剣にモノヅクリから販路開拓まで行う必要があります。
株価が最高値を付けても、経済の実態はいかがでしょうか。
自らも消費者であり、ものづくりの前に自らの生活を振り返る必要があります。
消費者としてどのような思いで購買活動を行っているのか、どのような選択をしているのか。
復興の街づくりはまだまだ大変ですが、経済を回すことで少しでも復興への足掛かりにつなげたい時期に来ています。
インバウンドによる観光の活性化、少しでも被災地経済が回るための活動、地元の方の復興に対する思い、それぞれの思いは千差万別、バラバラのまだまとまりの少ない復興状況。地域差。
今、能登地方の復興に対して、東北の経験を活かした支援が必要です。
しかしその前に、復興の在り方を見直す必要がある気がします。
それは支援の仕方にも当てはまります。
現状を見た今後の支援について、そして今後の被災に対するモデルとなる復興を再度見直す必要があります。
ただ原発問題という大きな課題を持った東北の復興は、長い解決への時間を要します。
しかしいつまた発生するかもしれない同じような国難を、多くの皆さんに現地を見ていただきながら再考していただければと心から思います。
それには地域の「まとまり」も大切、まとまるのもまとめるのも大変ですが、個々バラバラな動きでは活性化へつなげる大きなうねりにはならず、歩みののろいものとなります。そこに地域差を感じます。
経済面での課題は非常に大きいですが、あれからもう13年、世界に起こる自然災害に対して、何とかモデルケースとなる復活を目指していきたいものです。
被災地の皆さんの苦労は筆舌に尽くしがたいものがありますが、親類家族が生きていてくれただけでもと思いながら、復興の在り方、偉そうに言えば支援の在り方について考えさせられる3月11日です。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする