近年統計学が見直され、ビッグデータの活用などデータ・サイエンティストの存在がクローズアップされています。
最近はITよりもICTという言葉が使われるようになっていますが、ITを「総合的な情報技術」ととらえ、ICTは「情報伝達技術」ととらえると、情報は伝達するだけではなく、蓄積された情報の分析も必要と考え、むしろそちらへの重きを置いてICTとここでは触れていきます。
小生もある漬物屋さんの支援を行うとき、当時健康志向の強い消費者がどのような言葉を検索用語としてみているのか調べたことがあります。ヨーグルト、ポリフェノール、乳酸菌など健康志向の消費者が毎月どのようなキーワードで検索しているのか研究し、トマト農家が摘果したミニトマトを漬物にして販売したことがあります。農家と漬物屋さんがコラボし、新たな商品づくりを行った例でもあります。漬物屋さんは別の商品ではありますが、漬物大賞を受賞された経験をお持ちです。最近はデータ・サイエンティストという職業にスポットが当たっていますが、興味ある方はぜひ勉強して、農業分野にも生かしてほしいものです。
これからの農業において、オランダなどの農業先進国に追いつき追い越すためには、ICTの技術を農業にも生かす必要があります。
*****************************コラム********************************
実は製造業の方を中心にデザイン・シンキング(思考)のセミナーを開きワークショップなども担当いたしましたが、ふとある怖さに気が付きました。
ある時のワークショップで受講生に課題を出した際、参加した皆さんが一斉に作業を開始します。その際にパソコンやモバイル端末など自由に使うことを許可していました。作業開始にあたっての最初の動きはまず「検索」から始まります。驚いたのはその時の参加者の画面です。同じキーワードの入力、同じ画面での情報収集、個性のある検索画面を見ている人は全く見当たりませんでした。「知識のコモディティ化」という言葉が頭をよぎりました。
デジタル社会になって、韓国がとりわけサムソンなどが日本の電機メーカーを凌駕していった「失われた20年」を振り返らざるを得ません。
すでに彼ら韓国企業はアメリカのIDEO社やfrog(フロッグ・デザイン)社などのデザイン会社というよりも「デザイン・シンキング(デザイン思考)」をツールとして事業戦略を構築するデザイン・コンサル企業と連携し、ものづくりを行い、事業戦略においても、そのデザインにおいても日本企業を凌駕していったのではと思われます。実際IDEO社はスタンフォード大学で、frog(フロッグ・デザイン)社はハーバード・ビジネススクールで授業を持っています。デザインを教える芸術系大学ではない大学で授業を持ち、ツールとしての「デザイン・シンキング」を教えているわけです。遅まきながら気が付いた電通や博報堂などの日本企業も彼らと連携し、今では出資や業務提携等をしているやに聞いていますが、その後の彼らの海外HPも昔の情報発信内容が制限され、つまらなくなっていました。以前はどのような考えに基づいてクライアント企業の商品づくりを行ってきたのか、それぞれの事例が非常に面白く拝見できたものです。デザイン・シンキングをツールとして教えても活用方法がまずい日本の企業で、これがその結果という成功事例にはまだお目に掛かっていません。商品的にアップル社のiphoneのような成功事例が生まれているでしょうか。ある企業の若手デザイナーに聞いた話ですが、デザイン系の大学では10年以上前から「デザイン思考」の授業はあったようです。しかし先輩デザイナーは勉強しておらず、言えなかったり使えなかったりしたと話していました。最近は「アート思考」といって問題解決型ではなく、デザイナーの発想を重視した商品開発方法なども注目されています。
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話を戻しますが、デジタル化社会におけるデータの活用方法、コミュニケーション能力は非常に求められているはずなのに、まだまだ活用されているとは言えないのが日本の現状ではないでしょうか。これから農業や製造業等に就職される若い方達には、いかにそうしたツールやデータを活用するか、また活用しながら学びを深くしてほしいと切に願わざるを得ません。
実は、自動車に興味があり、次に買い替えるときは安心・安全にこだわった車にしようといろいろと勉強していると、ドイツのdSPACE社のTargetlinkというソフトウエアの存在を知りました。実はこのソフトはドイツの農機具メーカーであるCLAAS社のコンバイン収穫機などに採用されているのですが、機械が収穫の最適な状況を判断して人間よりも的確に自動で行うというものです。航空宇宙産業向けなどにも開発されているこのソフトは、いろいろな分野に応用されているようで、自動車における「サービス・デザイン」の進化同様、いろいろな分野に影響をもたらすかもしれません。頼もしくもあり、日本のメーカーには頑張ってほしいとしか言わざるを得ません。最近、こうした海外の先進事例に良くぶつかるケースが増えてきました。気のせいなのか、歳のせいなのでしょうか。しかし最近HPを見ると日本のトヨタや日産、日立、三菱電機などのユーザー名が出てくるようになりました。
こうしたドイツのソフトウエアだけではなく、オランダやイスラエル等の環境に合ったものづくり技術にも追いつきぜひ追い越して、食料自給率を上げ、安心・安全でおいしい野菜や果物などを生産し、輸出するまでにもっていっていただきたいものです。
またそうした生産の際に、筋力ではなく知力を使う努力をしてほしいものです。女性の農業への進出、若年層の農業への進出、そのためには農業も働きやすい環境の下での仕事場に変える必要があります。ICTの活用だけではなく、最新のロボットやAI、ドローンなどの活用が必要になってきます。自動化できる部分やロボットの着用や活用による軽作業化など、農業実務の課題解決に関してまだまだ課題も多いと言わざるを得ない状況です。オランダのハウス栽培の現場を見て、その大きさや天井高に驚くのではなく、なぜヨーロッパへの食品工場になっているのか、生産効率が高くなぜ輸出国になっているのか、根本的な部分を学び違いを理解しながら超えていってほしいものです。オランダの栽培方法と日本の大きな違いは、データを活かした病害虫対策だと思っています。日本では病害虫の発生後の対策に優れていますが、オランダではむしろ予防対策が進んでいるといわれています。リスクを最小限に抑えるデータの活用方法は日本でも学びたいものではないでしょうか。
■コラム*******************************
自動車に関連して
➀サービスデザイン
ベンツやBMWのヘッドライトが対向車や追い抜きの際に相手のまぶしさを減少させ、運転者側に対しては遠目に明かりが行くような機能が工夫されています。こうした安心・安全に対する機能開発が海外の自動車に行われ始め、日本の企業もオプションだけではなく機能として追加しだしています。
こうしたサービスデザインも「デザイン思考」からくる発想なのかもしれません。ベンツにはドイツのコンサル企業SASが色々な支援を行っています。今後安心・安全をテーマにより機能の充実が図られてくると思われます。
➁IT(VR)の活用
カナダには国産の自動車がなく、海外の自動車メーカーがしのぎを削っています。アメリカのフォードも大きな規模での販売拠点を設けていますが、100台近くにもなる試乗車をどのように顧客に提供しているか、興味が沸きます。
店舗に行くとヘッドセットの眼鏡をかけて試乗体験をまず行い、気に入った試乗車を選択して試乗するなど、いろいろな工夫が行われています。気になったのはそのサービス機能をどこが開発しているのか。フォードの提携先はサムソンでした。海外に出るとこうしたIT技術を活用したサービス機能がどんどん活用されています。農業に関しても同様、さて日本のメーカーはどこまで進んでいるのでしょうか。
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最近はITよりもICTという言葉が使われるようになっていますが、ITを「総合的な情報技術」ととらえ、ICTは「情報伝達技術」ととらえると、情報は伝達するだけではなく、蓄積された情報の分析も必要と考え、むしろそちらへの重きを置いてICTとここでは触れていきます。
小生もある漬物屋さんの支援を行うとき、当時健康志向の強い消費者がどのような言葉を検索用語としてみているのか調べたことがあります。ヨーグルト、ポリフェノール、乳酸菌など健康志向の消費者が毎月どのようなキーワードで検索しているのか研究し、トマト農家が摘果したミニトマトを漬物にして販売したことがあります。農家と漬物屋さんがコラボし、新たな商品づくりを行った例でもあります。漬物屋さんは別の商品ではありますが、漬物大賞を受賞された経験をお持ちです。最近はデータ・サイエンティストという職業にスポットが当たっていますが、興味ある方はぜひ勉強して、農業分野にも生かしてほしいものです。
これからの農業において、オランダなどの農業先進国に追いつき追い越すためには、ICTの技術を農業にも生かす必要があります。
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実は製造業の方を中心にデザイン・シンキング(思考)のセミナーを開きワークショップなども担当いたしましたが、ふとある怖さに気が付きました。
ある時のワークショップで受講生に課題を出した際、参加した皆さんが一斉に作業を開始します。その際にパソコンやモバイル端末など自由に使うことを許可していました。作業開始にあたっての最初の動きはまず「検索」から始まります。驚いたのはその時の参加者の画面です。同じキーワードの入力、同じ画面での情報収集、個性のある検索画面を見ている人は全く見当たりませんでした。「知識のコモディティ化」という言葉が頭をよぎりました。
デジタル社会になって、韓国がとりわけサムソンなどが日本の電機メーカーを凌駕していった「失われた20年」を振り返らざるを得ません。
すでに彼ら韓国企業はアメリカのIDEO社やfrog(フロッグ・デザイン)社などのデザイン会社というよりも「デザイン・シンキング(デザイン思考)」をツールとして事業戦略を構築するデザイン・コンサル企業と連携し、ものづくりを行い、事業戦略においても、そのデザインにおいても日本企業を凌駕していったのではと思われます。実際IDEO社はスタンフォード大学で、frog(フロッグ・デザイン)社はハーバード・ビジネススクールで授業を持っています。デザインを教える芸術系大学ではない大学で授業を持ち、ツールとしての「デザイン・シンキング」を教えているわけです。遅まきながら気が付いた電通や博報堂などの日本企業も彼らと連携し、今では出資や業務提携等をしているやに聞いていますが、その後の彼らの海外HPも昔の情報発信内容が制限され、つまらなくなっていました。以前はどのような考えに基づいてクライアント企業の商品づくりを行ってきたのか、それぞれの事例が非常に面白く拝見できたものです。デザイン・シンキングをツールとして教えても活用方法がまずい日本の企業で、これがその結果という成功事例にはまだお目に掛かっていません。商品的にアップル社のiphoneのような成功事例が生まれているでしょうか。ある企業の若手デザイナーに聞いた話ですが、デザイン系の大学では10年以上前から「デザイン思考」の授業はあったようです。しかし先輩デザイナーは勉強しておらず、言えなかったり使えなかったりしたと話していました。最近は「アート思考」といって問題解決型ではなく、デザイナーの発想を重視した商品開発方法なども注目されています。
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話を戻しますが、デジタル化社会におけるデータの活用方法、コミュニケーション能力は非常に求められているはずなのに、まだまだ活用されているとは言えないのが日本の現状ではないでしょうか。これから農業や製造業等に就職される若い方達には、いかにそうしたツールやデータを活用するか、また活用しながら学びを深くしてほしいと切に願わざるを得ません。
実は、自動車に興味があり、次に買い替えるときは安心・安全にこだわった車にしようといろいろと勉強していると、ドイツのdSPACE社のTargetlinkというソフトウエアの存在を知りました。実はこのソフトはドイツの農機具メーカーであるCLAAS社のコンバイン収穫機などに採用されているのですが、機械が収穫の最適な状況を判断して人間よりも的確に自動で行うというものです。航空宇宙産業向けなどにも開発されているこのソフトは、いろいろな分野に応用されているようで、自動車における「サービス・デザイン」の進化同様、いろいろな分野に影響をもたらすかもしれません。頼もしくもあり、日本のメーカーには頑張ってほしいとしか言わざるを得ません。最近、こうした海外の先進事例に良くぶつかるケースが増えてきました。気のせいなのか、歳のせいなのでしょうか。しかし最近HPを見ると日本のトヨタや日産、日立、三菱電機などのユーザー名が出てくるようになりました。
こうしたドイツのソフトウエアだけではなく、オランダやイスラエル等の環境に合ったものづくり技術にも追いつきぜひ追い越して、食料自給率を上げ、安心・安全でおいしい野菜や果物などを生産し、輸出するまでにもっていっていただきたいものです。
またそうした生産の際に、筋力ではなく知力を使う努力をしてほしいものです。女性の農業への進出、若年層の農業への進出、そのためには農業も働きやすい環境の下での仕事場に変える必要があります。ICTの活用だけではなく、最新のロボットやAI、ドローンなどの活用が必要になってきます。自動化できる部分やロボットの着用や活用による軽作業化など、農業実務の課題解決に関してまだまだ課題も多いと言わざるを得ない状況です。オランダのハウス栽培の現場を見て、その大きさや天井高に驚くのではなく、なぜヨーロッパへの食品工場になっているのか、生産効率が高くなぜ輸出国になっているのか、根本的な部分を学び違いを理解しながら超えていってほしいものです。オランダの栽培方法と日本の大きな違いは、データを活かした病害虫対策だと思っています。日本では病害虫の発生後の対策に優れていますが、オランダではむしろ予防対策が進んでいるといわれています。リスクを最小限に抑えるデータの活用方法は日本でも学びたいものではないでしょうか。
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自動車に関連して
➀サービスデザイン
ベンツやBMWのヘッドライトが対向車や追い抜きの際に相手のまぶしさを減少させ、運転者側に対しては遠目に明かりが行くような機能が工夫されています。こうした安心・安全に対する機能開発が海外の自動車に行われ始め、日本の企業もオプションだけではなく機能として追加しだしています。
こうしたサービスデザインも「デザイン思考」からくる発想なのかもしれません。ベンツにはドイツのコンサル企業SASが色々な支援を行っています。今後安心・安全をテーマにより機能の充実が図られてくると思われます。
➁IT(VR)の活用
カナダには国産の自動車がなく、海外の自動車メーカーがしのぎを削っています。アメリカのフォードも大きな規模での販売拠点を設けていますが、100台近くにもなる試乗車をどのように顧客に提供しているか、興味が沸きます。
店舗に行くとヘッドセットの眼鏡をかけて試乗体験をまず行い、気に入った試乗車を選択して試乗するなど、いろいろな工夫が行われています。気になったのはそのサービス機能をどこが開発しているのか。フォードの提携先はサムソンでした。海外に出るとこうしたIT技術を活用したサービス機能がどんどん活用されています。農業に関しても同様、さて日本のメーカーはどこまで進んでいるのでしょうか。
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