1031ビジネス・コンサルティング

経営コンサルタントの目で、日々の出来事から、参考になるキーワードを取り上げて、解説したり、情報発信をします。

春元の独り言 その950 百貨店の化粧品売上

2009-02-02 11:44:47 | 追加カテゴリー
2月2日付けの日経新聞景気指標欄に、百貨店の化粧品売上もついに前年を割ったと出ていました。

何故化粧品売上の前年割れが、百貨店にとって大きな意味を持つのか、コンビニに売上を抜かれ、今更という感がしないでもない方もおられるでしょうが、唯一前年比を上回っていた化粧品もついに陥落、主力商品が全て売上減となってしまったということです。

いいものがない。それは稼ぐものがないに等しいことです。

得意の婦人服・洋品が前年比マイナス13.1%(18ヶ月連続マイナス)、紳士服・洋品がマイナス16.2%(9ヶ月連続マイナス)、美術・宝飾・貴金属はマイナス18.5%(22ヶ月連続マイナス)。

記事には化粧品の陥落が深刻に受け止められているのは、「化粧品の売り方にこそ百貨店の存在証明ともいえる側面があった」からと記されています。

百貨店の売れ筋化粧品は、口紅やマスカラといったメーキャップ商品ではなく、保湿効果のある化粧水やクリームなどの基礎化粧品というわけです。

価格は高くても店頭での効用を伝える美容部員の説明が必要だったから、コスト構造が高い化粧品も価格競争に陥ることなく生き残ってきたと・・

基礎化粧品は百貨店で、メーキャップ商品は安売りドラッグで買うというすみ分けが崩れたと分析しています。

百貨店離れの危機感を訴えているわけですが、ではドラッグストアに消費が流れたとでも言うのでしょうか。(ドラッグストアも苦戦しています。)

消費者行動は多様で、そうした面も見られますが、グローバル経済下の消費者はもっと、賢い生活を送っています。

ちなみに指標が無いのが残念ですが、韓国の化粧品売上に占める日本人購買客の比率などが出ると面白いと思うのです。

冬のソナタで有名な「ヨン様ブーム」は、化粧品の売上では未だ根強い支持を得ているようで、ソウルのどの店舗を訪れて見ても日本人客ばかり。

なにを隠そう、12月日本の百貨店化粧品売上が前年を割ったその月に、小生も韓国で妻や娘につられてメンズ化粧品を買っていました。

グローバル経済下における消費行動は、為替変動によっても(当たり前ですが)、大きな影響を及ぼします。

ともかく、使用しても「韓国化粧品を侮るなかれ」の心境です。結構いいのです。

韓国の、いや「ヨン様」の回し者ではないですが、百貨店だけでなくこれからの売場作りにおいて、日本は中国や韓国の店作りを学ぶ必要があるのかもしれません。

なぜなら、彼らの方が真のグローバル化を進めているからです。

日本は優秀な日本人デザイナーやメーカーに依存しすぎて、欧米以外の商品でのグローバル化が遅れています。

アジアにおける日本の「モノヅクリ」での位置づけは高い、だから日本は「自分達が考えたものをアジアの国で作らせている」という思い上がりがあったのではないでしょうか。

追いつき追い越せのアジア各国の目標は、実は日本ではなく、欧米にあります。

アジアの一員としてより模範となれるような(この考え方が既に間違っているかもしれません)、「モノヅクリ」とその販売方法の工夫が今一度問われているような気がします。

中国の高級ショッピングセンターのマーケッターは、日本ではなく韓国を勉強していました。

日本に学ぶものは、「今はサービス」と彼らが語っていたのが印象に残っています。

益々世界がグローバル化している中で、日本は未だ「グローカル」ではと感じた記事でした。
コメント
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