1031ビジネス・コンサルティング

経営コンサルタントの目で、日々の出来事から、参考になるキーワードを取り上げて、解説したり、情報発信をします。

デザインシンキング その後

2018-08-10 17:11:58 | 独り言
最近のものづくりに対して勉強しようと、ふと内閣府の発表したイノベーション25の内容を読み返してみた。
新しいライフスタイルが描かれてはいるのだが、アマゾンなどの動きをみるとすでに遅れていると感じてしまう。
アマゾンがホールフーズを買収したニュースが昨年から食品や流通業界をにぎわしているが、彼らが何を狙っているか、しっかり研究し対応する必要があるように思われる。
それはアメリカのネット購買におけるチャーンレート(解約率)の高さを下げるためではなく、顧客のすべての生活スタイルを把握し、すべての生活スタイルに対応し、顧客の囲い込みをする動きととらえるべきだと思われるからだ。
アマゾンのすべての事業を見るとその怖さが見えてくる。
ワンクリックでの注文、リコメンド機能、品切れ前の予測商品配達等、さらには物流に対する戦略、ジャンボ機をそろえ、ドローンでの配達を試験、物流は大きな変化をすると考えられる。
人材不足などもすでに彼らの視野に入っている課題であり、総合的な事業戦略をもはやまねできないレベルにまで持ってきている気がする。
ただ世界の小売業も手をこまねいているわけではなく、最近の新店舗などの売り場を見てみると、単に物売りの現場は少なくなってきており、顧客の商品現場(売場)における「体験」を重視し、ネットではできない「価値」を合わせて売る努力をしているように見える。
アメリカをはじめ最近の小売り事情を見て回ると、単に品揃えだけではなく、現場での体験をAR(拡張現実)/VR(仮想現実)/MR(複合現実)などの技術を絡めて、疑似体験などによる実体験への誘導など、また商品の販売などに結び付けている例をかなり見るようになってきた。
日本よりも海外で、例えばユニクロでもオーストラリアでヘッドセットからその人に適した衣料をモニター画面で推薦するような実験を行っていたり、靴などはいたるところでそうした技術を活用しオリジナルシューズを買うことができたり、車でさえそうした事前「体験」から実車試乗に至るなどのサービスが行われている。
残念なことにそこにはサムソンや海外企業の名前が挙がっているのが気にはなるのだが・・・

スーパーなどに買いに行かなくても、AIが冷蔵庫や過去の食事から家庭の冷蔵庫を埋め、食事まで用意してくれる時代が来ている。
いろいろな変化から、事業への影響を考え、対策を練っていく必要があるのに、日本ではそうした変化への対応が遅い気がする。
従来の発想や現実からなかなか新たな発想が生まれていないのではと心配になる。
デザイン思考はイノベーションを生むツールであり、ものづくりの戦略策定への有用なツールのはず。
なぜか「デザイン」という言葉が狭義の意味にしか理解されていないのではと思わずにはいられない。
さて今後どのようなイノベーションを日本の企業は生み出すことができるのか、世界を見ない若者が増えているのも気になるところ。
若者よ、世界に出て、生活に役立つイノベーションを生み出してほしい。
GAFA(グーグル、アップル、フェースブック、アマゾン)などのプラットフォームに負けない新たな生活の課題解決型プラットフォームをぜひ!
コメント
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