1031ビジネス・コンサルティング

経営コンサルタントの目で、日々の出来事から、参考になるキーワードを取り上げて、解説したり、情報発信をします。

農業読本 ■20これから

2023-07-02 18:22:04 | 独り言
■食育?
食品自給率がカロリーベースで38%(令和3年度実績)と低いわが国ですが、生産額ベースでは63%で、令和7年度には少なくとも45%まで上げる目標を農水省では立てていました。しかし、実は下がっている指標の数値だけではなく、驚きなのはそうした食糧事情の中で、食品ロスの量が非常に多いということ。農産物の輸入が中国に次いで世界2位の日本ですが、世界的な人口増、食料消費増の中で、いつまでも食料の確保が可能なのかどうか、そんな中、環境省データでは食品ロスが年間約600万トン(2020年度には522万トン)という世界全体の食料援助量の2倍の量が日本で発生しています。しかも家庭でできるフードロスが247万トン、食品ロスを削減することが課題なのです。そのため、2019年5月24日に「食品ロス削減推進法」が成立し、最近では少しではありますが、減少傾向になってきました。
まだ食べることのできる食品が様々な段階で日常的に廃棄されていますが、食べものを無駄にしない意識を持ち、フードロス削減意識を常に持つことで、家庭での食事だけではなく、事業者もそれぞれの生産から流通、販売に至る流通過程でいかにフードロスを防ぐのか研究し努力する必要があります。生産現場から、卸、小売り、外食、家庭それぞれの立場で食品ロス削減に向けた取り組みが求められているのです。食品リサイクルループの推進で、農家や農業法人から食品関連事業者、リサイクル業者などの間で、廃棄物を循環させ、肥料などにして再利用する仕組みが工夫されたりしており、フードバンク等の活動で、未利用食品を必要とする人や福祉施設に提供する取り組みも始まっています。しかし世界の中でどれほどの規模に育っているでしょうか。NPO任せではここに頼る状況でビジネスとしての単位になりません。家庭や企業、行政など国を挙げての対策が求められる時期に来ています。
 昔、エンゲル係数という言葉を学んだことがありますが、いつの間にかエンジェル係数などと生活が豊かになり、家計に占める食費の割合より子供の教育などにかける費用の割合などが増え、忘れられた感がありましたが、コロナの影響でまたそのエンゲル係数が上昇傾向にあるようです。ただこの原因は我々高齢者にもあるようで、残り少ない人生を少々高くても少しでもおいしく良いものを食べたいという嗜好の表れかもしれません。しかし2020年でピークアウト、ロシア・ウクライナ戦争やいろいろな資源高、それに伴う物価高などで我々の生活は一変、上がらない給与などのために努力している食生活などの工夫により食に限らず生活の内容が変化してきています。日本が貧しくなったわけではないと思いますが、その可能性は無きにしも非ずで、食料消費の変化は、食料以外の消費の減少、思うように上がらない給与などのせいかもしれません。再度懐も心も豊かな世界を目指して、いろいろな生産現場で頑張っていただきたいものですが、そのためには、1次産業の復活、製造業の再活性化が求められます。今やモノづくりの現場が世界の位置づけの中でも地盤沈下してきた日本、少子高齢化、人口減少社会の中で、もう一度豊かさを求めるために、AI,IOT、ロボットなどの技術を活用し、人は知力を使ったモノづくりが求められています。どこに住んでも豊かなゆとりのある生活の実現をどのように図っていくのか、地方創生の掛け声の中で、実際に生かしていくのは我々の知恵と工夫に任せられています。
 ガラパゴスのモノづくりと言われながらも、やはり国内消費の拡大もなければ経済の循環はないわけですから、それぞれの地域での創意工夫、それぞれの地域に合った生活の確立、豊かな生活を取り戻すために、個々の「ストーリー」を考える必要があります。それぞれの置かれた立場で、それぞれの個人が何をするか、求められている時代ではないでしょうか。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする