1031ビジネス・コンサルティング

経営コンサルタントの目で、日々の出来事から、参考になるキーワードを取り上げて、解説したり、情報発信をします。

メゾン・エ・オブジェ と デザイン・シンキング

2017-09-26 23:52:14 | 独り言
久しぶりにパリに行き、メゾン・エ・オブジェ展示会を見てまいりました。
日本からも30社以上の出展があり、全ての企業の展示会場を見て回りながら、世界の中における日本企業の評価などの情報収集を行いました。
偶然、福井県で支援したことがある企業も出展されていましたが、ニューヨークに行った際、MOMA(近代美術館)で展示されており、福井県のデザインセンターに連絡した企業様でもあります。
メゾン・エ・オブジェの会場でMOMAのバイヤーと会い、三宅一生さんのプリーツプリーズではありませんが、プリーツの手提げバッグを気に入ってもらい、MOMAのギフトショップで展開してもらっているようです。
今回もMOMAバイヤーが訪問し、次のシーズン展開の話をされたようですが、メゾン・エ・オブジェ展示会の世界から注目されている理由が分かった気がしました。
扱ってもらったのに、1シーズンで終わった日本の企業もあり、今回の訪問もなかったと会場で残念がっていました。
ただ同様に支援していた桐生の企業様のカラフルマフラーがMOMAのギフトショップから外されたのと入れ替わりで、ちょっと寂しい思いもしたのですが、ニューヨークとパリを連続して今年は訪問し、いろいろと得ることがありました。
展示会場における商品陳列のすばらしさは、残念ながら日本企業の中では数社しか対応できていません。
初めての出展企業も結構ありましたが、もっと日本で勉強してから出展すべきではと思われる企業も多々ありました。

来月から始めるデザイン思考などのセミナーで、成果をお話しする予定ですが、実はメゾン・エ・オブジェの展示会終了後、昨年11月にフランスのデザイナーの皆さんと大阪の北ヤードでセミナーを行ったこともあり、各デザイナーの仕事場を訪問いたしました。
最近の世界のデザインについていろいろと彼らの意見を聞くチャンスがありましたが、普通に彼らが実践している「デザイン・シンキング」の仕事での活用と「オープン・イノベーション」の考え方に日本のデザイナーとの違いを感じた次第です。
もちろん日本でも実践されていることではありますが、教えられなくても実践している仕事ぶりに、ツールとして生かしている「デザイン・シンキング」、それは日本とは違い確実に成果を生む方法で実践されていることに衝撃を受けたことです。
デザイン・シンキングはあくまでもイノベーションを生むツールでしかありませんから、いかにうまく生かすことでイノベーションを生むかが重要ですが、ブレーンストーミングからプロトタイプつくりまで一連の仕事ぶりを拝見し、いかにスムーズにツールを活用しながら新たな商品づくりを行っているのか感心した次第です。
年齢や男女に関係なく自由な発想に基づく情報の拡散と集約、発想に至るオリジナル発想法ツールの作成など、独自の文化がそこには見ることができました。
プロトタイプを作っては壊しながら、完成度を高めていくための3Dプリンターや工具の数々、訪問したどこのデザイン事務所にも機種こそ違え、いろいろな道具や工具などが揃えられていました。
日本のデザイン事務所ではあまり見たことがありません。
日本では金型は別の会社に依頼するのですが、その前のプロトタイプづくりにこれほど時間と工夫を重ねるのか、セミナーにおけるワークショップなどの行い方も工夫が必要だと感じました。
10月からいろいろなセミナーの依頼をいただいており、早速に多くの方にニューヨークやパリで得た事実をお話ししながら、これからの「デザイン・シンキング」の実践に向けて一層警鐘を鳴らしていこうと感じた次第です。
久しぶりに充実した、パリ出張でしたが、実はまだまだ多くの情報を得ることができました。
それはまた改めて、報告したいと思います。
コメント
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