1031ビジネス・コンサルティング

経営コンサルタントの目で、日々の出来事から、参考になるキーワードを取り上げて、解説したり、情報発信をします。

ある「パン屋さん」の支援と本

2014-04-08 09:28:42 | 独り言
まだまだ厳しい経営環境にある中小企業の支援が続いています。
大阪にあるある大きなパンの製造メーカーですが、京都の有名どころのOEM等をこなしている会社があります。
忙しさのあまり5Sをおろそかにしていると、大手流通業からの注文に対して、「安心・安全」ニーズに応えられず受注を逃がしています。
技術力があっても、今の消費者、その声を一番よく知っているバイヤーにとって、工場の5Sは一番の関心事。
安心・安全が確保できなければ、採用はされません。
会社を挙げて大掃除をすることを提案しました。

ところで、『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』(渡邊格さん著 講談社)という本を見つけ、読んでみました。
千葉県でパン屋を開業するも、東北の大震災を契機に岡山県真庭市に引っ越し、「パン屋タルマーリー」を再オープン。
小生もマルクス経済学を学んだのでちょっとその部分の内容は読み飛ばしたものの、天然麹菌と闘う姿は、一気に読ませてくれます。
週4日間開店するユニークな田舎のパン屋さん。
モノづくりにこだわり一般市価より高めの設定でも、その田舎では受け入れられているよう。
お子様たちが良い販促手段(?)になっているのかもしれません。
読むほどに渡邊さんのパン作りにかけた情熱が、伝わってきます。
こうした若い人たちのものづくりが、再び日本によみがえれば、また新たな希望が湧いてきます。
いろいろな企業や農家の応援をしながら、少しでも苦境を乗り越え、事業の確立を願っていますが、モノづくりの段階から販売まで総合的な事業の流れを理解している経営者の何と少ないこと。
いまだに作れば売れると思われている経営者がいます。
そろそろ消費者の価値観の変化を理解し、それに対応する商品づくりと、販売方法の工夫をしてほしいものです。
しかしモノづくりの時点で、こだわりを無くした企業もあります。
コモディティ化した商品は、価格競争の上淘汰され、市場から消えていきます。
分かっていても手を打てない企業、分かっていても価格競争を仕掛ける企業、まだまだ市場競争は厳しく、自らのドメインの明確化を図れない企業が存在します。
小さな企業ほどどこで飯を食うか、つまりターゲットを明確にしどの市場で生きていくかをしっかり把握して努力する必要があります。

渡邊さんのようなワークライフバランスの考え方もあれば、旧態依然とした残業に明け暮れる企業もあります。
ブラック企業の存在、経営者が意識しても、現場で動けない状況の会社もあります。

消費税が上がりやや消費が落ち着いているとき、再度事業を見直し、新年度をどのように運営していくか、足元の見直しを図るのもよいかもしれません。
新年度に入って、もう1週間、まだ1週間、どうとらえて行動されますか。
コメント
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