1031ビジネス・コンサルティング

経営コンサルタントの目で、日々の出来事から、参考になるキーワードを取り上げて、解説したり、情報発信をします。

村上和雄先生の本「コロナの暗号」

2021-09-30 09:39:05 | 独り言
コロナ禍で生き方を見直す機会が与えられた我々は、アフターコロナをどのように考えているのでしょうか。
2030年の分岐点、地球環境を地球レベルで真剣に考えているのは、スウェーデン人の環境保護活動家グレタ・トゥーンベリさん(17)しかいないのでしょうか。
今年亡くなられた筑波大学で遺伝子研究などをされていた村上和雄教授の本「コロナの暗号」をある先輩教授から勧められ一気に読みました。
モア・アンド・モア(もっともっと)の意識が地球を滅ぼすほどの危機を招いているのに、2030年ならずとも2050年には「ジャック・アタリ」の予言では民主主義も政府も、国家も無くなるといわれているのに、我々の心はモア・アンド・モアをそれでも求めている。
地球環境の破壊、人の生き方は変わらず、警鐘を鳴らす知識人の言葉に耳を貸していないかのような動き、村上先生は各章の終わりにまとめで端的に語られた内容を要約されています。
その中で目についた言葉の一つに「人新世」があります。
これから先数十年もたたず、抜本的な対策を打たなければ地球環境は修復不可能なほどのダメージを受けるけれど、人類は力を結集して新しい世の中での生き方を模索できるのか、はたまた無力であるのかが問われているということ。
人類が地球を破壊する時代、英知を集めて困難を克服するのか、それとも破滅に導いていくのか、世界的なコロナの広がりの中で、人類は合わせて、環境破壊の道を歩んでいることに対しても地球的な解決策を考えているでしょうか。
確かに国連では討議されていても、グレタさんほどの危機感を世界レベルで有しているか疑問に思えます。
村上先生の遺伝子研究の中から、亡くなられる直前までこの本を書き著わされていたと思うと、先生の思いがひしひしと伝わってきます。
一人の人間の力は弱くても、一人一人の力の結集は大きな力になると思えば、コロナ終息後を見据えて、SDGs等できることへの挑戦を工夫しながら、将来にわたる持続可能性の追求を図る必要があります。
先生の本を読み進めていくうちに、震災でのいろいろなエピソードなどにも触れられていました。
海外からの旅行者に対する被災地住民の方たちの対応、日本人の心を再認識するうちに涙が出るほど感動する内容が書かれています。
マスコミで取り上げられたかわかりませんが、被災地の苦労や厳しさもさることながら、それでも立ち上がる強い心、助け合いの精神、お互い様の気持ち、ぜひ実際に先生の本を手に取って読むことで、これからの「人新世」に、人本来の力を集めて新しい生き方を求めていきたいもの。
自民党の総裁選挙が終わり、どのような組織で変化が起きるのか、変わらないのか、それでも我々は変わる必要がある時を迎えようとしています。
コロナを克服して、モア・アンド・モアを求めるのではなく、住みたい日本、住みたい社会の確立を目指していきたいもの。
コロナで苦しむ人たちの社会・経済的な支援も継続して行い、日本らしさでよりよい社会を作りたいものです。



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Well Being

2021-09-22 08:54:21 | 独り言
スマートシティ構想に興味があり、地方創生の中で自動運搬ロボットの活用を提案しながら、発展的にスマートシティへの連動を考えたことがありますが、日経新聞で最近アフターコロナを意識してか、よく取り上げられるようになってきました。
その中で非常に興味を持ったのが、「Well Being]の考え方です。
スマートシティの最終目的は実はWell Being(市民の幸福感)の向上ではないかというものです。
スマートシティは人間中心主義を明確に訴え、市民の視点から暮らしやすさ・幸福感を追及するもので、市民一人一人に寄り添ったサービスの提供を通じてWell Being(市民の幸福感)の向上を図ることを目的の一つとしているというものです。
単にデジタル化や利便性の追求、街の発展のためのものではない点に共感を覚えるとともに、シティに住まない町や村の住民のWell Beingとは何かを思うと、どこまで人間中心主義を進めてくれるのかふと立ち止まって考えてしまいます。
コロナ禍で困っている人は飲食業や観光業などに従事する人達だけではなく、いろいろなところに存在しています。
年齢に関係なく、住む場所に関係なく、コロナがもたらした影響は世界的な広がりをもたらしています。
更には自然災害や中国バブルの影響など、先行き不安をもたらす要因のなんと多いことでしょうか。
そんな中でWell Beingの響きが重さを増すとともに、スマートシティとの関連にふと違和感かじるのはなぜだろうと思った次第です。
小生のような高齢者に今更幸福指標などと言われても、自分主体の街づくりといわれても、その通りなのに自分にはなぜか当てはまらないのではと思ってしまうのです。
不便が幸せではないけれど、便利も本当に幸せなのかと、思ったりします。
遠く街から離れた村に近いところで、若い方はリモートワークで仕事や余暇を楽しめても、少しの農作業と横になって時間をつぶす日々、TV番組でよく見るぽつんと一軒家のなんと多いことか。
取材される人たちは意外と元気に毎日を送っているように見えても、そのたくましいほどの日々の暮らし方、過ごしてきた人生、そこに理由もなく日々を過ごす住人もいることを忘れないでほしいと思ったりします。
さしたる目的もなく過ごしてきた人生を別に悔やむでもなく、その日その日を自分なりに楽しみ、でも何か物足りなさも感じ、たまに会う人との会話を楽しみ、自由に暮らす日々、のんびりと過ぎていく時間、そうした生き方とスマートシティ構想のギャップ。
北欧の人たちの生き方と違い、自然に与えられたこの瞬間を毎日過ごしながら、なんとなく幸せ感を感じる、そんな過ごし方とWell Beingという言葉の違い。
仕事を離れた時と、仕事をしているときの気持ちの違い。
遠く離れた今はなくなった実家の墓参りのたびに、都会から離れて生活する村のそれも人里離れたようなところで過ごす人たちの生きざまを見るたびに、かっこいい言葉よりも、今の幸せ感をどのようにそうした人たちに感じてもらえたら喜んでもらえるのか、彼岸花を見ながらふとそうした人たちのWell Beingとは何かと思った次第です。



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ラストワンマイル競争

2021-09-13 16:26:37 | 独り言
コロナ禍でラストワンマイル競争が激しさを増している。
ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便等の大手だけでなく、中小業者や個人事業主などの新たな配送プレーヤーが参入してきている。
TVなどの宣伝にウーバーイーツや出前館などの露出が多く、フードデリバリーの変化を実感するが、実は近所の新聞配達の人たちまでも新聞配達終了後にいろいろな配達を受け持ったりもしている。
ECサイトによる利用者増がそうした参入を助長していると思われるが、この傾向がいつまで続くのであろうか。
ヤマトが物流量の増加に対しAMAZONに値上げ要求をしたが、アメリカにおけるAMAZONやそのライバルの動向に注目している。
実は日本でも、物流プラットフォーマーとしてアプリで企業と個人を結ぶマッチングサービスが増え、フードデリバリーだけでなく、トラック輸送でもビッグゴーやハコベル等、また自転車・バイク輸送のエニキャリなどが出現している。
配送する商品が微妙に異なり、現状ではうまく各社がシェアリングし、大手などの隙間を担う感じで推移している。
コロナ下で増加した「ドライバー」をうまく分け合い、活用しているように思われるが、結局はコストの最大を占める人件費の抑制であり、ドライバー不足が続いている間は、仕事も継続させることが可能と思われる。
アメリカや中国などのラストワンマイル競争は、「ソクハイ(即時配送)」つまり30分以内に届けるというサービスであったが、AMAZONは結局2時間以内の配送をやめ、日本ではライフと組み首都圏から関西圏など徐々にアメリカのホールフーズなどを利用した方法を採用している。中国ではアリババのスーパー「盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)」が昨年北京などを訪問した際はまだ行っていたが、最近事情は不明である。
最近AMAZONはAMAZONフレックス・サービスを拡大し、置き配による配送を充実させている。
ヤマトなどの大手は値上げにより、一時はAMAZONにその要求をのませた形になったものの、その後のアマゾンの動きは「フレネミー」そのものの動きと思われる。
昔の友は今の敵、つまり過去は仲良く手を組んで助け合っていた企業同士が、いつの間にかライバルとなり競争関係に陥る、アメリカで見た書籍や玩具などの企業倒産がそれを物語っているが、将来日本の物流がより大きな変化を招く可能性が高い。
ネット売り上げの拡大は商品物流の増加を示してはいるが、ラストワンマイル競争は厳しさを増し、価格競争になり、大手といえどもシェアは落としているのが実際である。
AMAZONに目を向けると世界ではジャンボジェット機を10数機保有し、独自の物流によるコスト削減サービス拡大を目指している。
AWSなどによる利益がこうした大胆な物流戦略を構築できると思われるが、ネット販売だけの売り上げや利益でそこまでの事業はできなかったと思われ、こうした力に日本の物流企業はどこまで太刀打ちできるのか、将来像がなかなか描けない状況にあるのではと思われる。
自分なりに描いている将来像は、地方創生で提案している、無人運搬ロボット(車)のプラットフォームをどこが立ち上げ、現状の配送業務と連動させてシェア確保ができるかだと考えている。
ドライバー不足はコスト面などを考えると、絶対数が結局は維持できず、ロボットに変わってくると思われ、今後の5Gなどの 基地局などの設置で、無人でも配送が可能になる地域が増えていくと思われる。それは無人での自動運転バスやタクシーなどの広がりと同時にもしくは早く行われるのではと感じている。
地方経済を回すためには人流も大切であるが、既存の住人の利便性を維持するために物流を円滑化させ、人手をかけないで商流を活発化させることである。
地方の高齢者は蓄財し、比較的豊かな生活を送っているが、コロナ禍で旅行もできず、消費の手立てを失っている。
そうした状況をネットなどを生かし、人手を介さずに受注と配送を円滑に行うようにすれば、現状のラストワンマイル競争は一気に変化する。
どこがこうしたプラットフォームを構築し、どのような商品もうまく現在の配送センターなどを生かしながら、人手をかけないシステム構築を行い、AIなどによる効率的な配送を行うようになるか、注意して最後のラストワンマイル競争の結果を見たいと思っている。
AMAZONに負けないで、独自の配送網の構築がいま日本の物流業に求められている競争である。
デジタル化をどのように進めていけばよいか、どこの企業が最終の姿を描いて戦略を練っているのか、皆さんはどこだと思いますか。



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BRUTUS みんなの農業

2021-09-11 10:27:43 | 独り言
BRUTUS9月15日号で農業の特集「みんなの農業」が取り上げられています。
ぜひ農業や家庭菜園などに興味のある方は読んでほしい内容になっています。
現在、京都大学の小田先生主催の農山漁村振興交付金を活用した地域活性化対策(人材発掘事業)事業に参加、昔週末農業という言葉が流行ったのですが、週3日農業をテーマに農業に携わる人材育成活動を行っています。
奈良県の明日香村での農業体験をベースに小田先生が農業人材の育成を目指し、いろいろなテーマに基づいて事業推進を図っています。
コロナ禍で内向きの生活を少しでも有意義に過ごすため、仕事といろいろな農作物の栽培に挑戦していただき、3Kと言われている農業を、楽しいものとして、しかも収穫した農作物のおいしさを農作業をした人にしか味わえない喜びとして感じ、豊かな生活を送る、そんなライフスタイルを楽しんでほしいもの。
小生も家で柑橘類である、文旦、八朔、甘夏、みかん、ゆず、それに柿やイチジクのキング等の栽培を行い、収穫した生の味や朝食のパンのジャムとして楽しんでいます。
年齢を重ね、1mだけでも土を掘って追肥をするのがつらくなってきましたが、自分で収穫した味は何とも言えないおいしさがあります。
おいしさを味わう至福の瞬間をいかに長続きさせ、農作業のつらさを軽減するか、BRUTUSでは土づくりから栽培するこだわり、初心者から未来型農業まで興味深く読むことができます。
おいしい菜園の作り方も特集されており、なんだか暮らしが豊かになるそんな内容になっています。
農業を挟んだかっこいい暮らし、もう少し若かったら、でもいろいろなことに挑戦したくなるそんな元気がもらえます。
若い皆さんにはぜひ読んでいただき、手短なところからちょっと始めてほしい「農業」、挑戦などという言葉ではなく、自分らしい生活を、自然に触れあいながら楽しむ、コロナ禍でも自分なりの豊かさを求めて、健康志向などと肩ひじ張らずにスーッとそうした生活の一部に取り込んでみてほしい、あなたらしさを再発見する、そんな生活をぜひ楽しんでいただきたいものです。


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