ここ数年コロナの影響で海外視察ができていませんが、食に関していえば2015年5月1日~10月31日に開催されたミラノ万博や2017年フランスのメゾンエオブジェ展示会などに見学や参加をいたしました。ミラノ万博は万博史上初の「食」をテーマとし、世界の食の紹介、気候変動で変わる自然環境や伝統を知り、食料廃棄問題や持続食料調達など、未来の地球のための各国の活動が伝えられました。日本館の展示は素晴らしいものがありましたが、レストランの日本食提供でいろいろな問題があったようです。食材の輸出に関して海外ではその国独自の規制があり、日本のだしなどが輸出できず、大使館枠などの奥の手を使ったなどと言われています。日差しの暑い中での顧客の行列を見て、担当者に日よけの工夫を他のパビリオンを真似して工夫するよう提案したことがありますが、中のすばらしさはパビリオンの外からも観客の立場に立ってみる必要があるとその時感じました。メゾンエオブジェでは海外出展の企業がどのような商品展示をしているのかまたどのようなパッケージなどの工夫をしているのか興味があり、じっくりと時間をかけて見て回りました。その時前年に大阪デザインセンターのセミナーでフランスのパッケージデザイン協会の会長やそうそうたるデザイナーの皆さん5名とセミナーのファシリテーター役で知り合いになり、メゾンエオブジェ訪問の際に彼らを表敬訪問しに訪れた時の通訳を安發さんにお願いしました。実は彼女は、日本人シェフなのに世界のコンクールでフランスを代表して2位になった安發シェフの奥様で、その後日本の食材などを彼女を通じて紹介したりしています。JETROをはじめ国やいろいろな機関が輸出に力をいれていますが、ビジネスの単位を求めると小生が支援する中小零細な農家にとっては量的にも少なく、輸送量を考えるとなかなかペイするものではありません。中小機構の海外販路支援の方とFOODEX やギフトショーの展示会での伴走支援の際に話したことがありますが、当時まずはインバウンドに力を入れ、知名度を上げるなどの工夫がいることを実感いたしました。年間どれほどの観光客が日本を訪れているか、そうした方たちに十分な情報発信ができているのか、海外の展示会に出展するとなると結構な費用が掛かります。海外に進出する際にはよく考え、自園や自社のビジネスモデルをしっかりと組み立て、出展目的を明確にし、そのうえで売りたい商品に適したターゲット(バイヤー)の集まる展示会を探す必要があります。出展に際しては事前の準備が必要で、海外に向けた提案ツールの作成やHPなどの対応をしておく必要があります。メゾンエオブジェに参加した際、出展されていた姫路の光洋製瓦株式会社さんはかなり大口の商談をされていました。さすが姫路城の瓦を製造されている会社だけあり、日本一の高さを誇るあべのハルカスなどでも、その瓦の端材を使ったインテリアが好評のようです。成功事例もありますが出店に関しては、日本企業でスタートアップのニューヨーク在住の方なども出展されていましたが、受注に結び付かないと嘆いている方もおられました。かと思うと福井県の暮しのほとり舎の今は生産を中止されていますが、クナプラスというプリーツのエコバッグなどMOMAのバイヤーに注目されギフトショップで販売されたりもしていました。ニューヨークを訪問した際、MOMAのショップの中央に置かれているのを見て感激したことを覚えています。デザインセンターふくいでの販路開拓の支援をしたことがきっかけで、MOMAの現場写真をお送りしたのを覚えています。MOMAの視察は実は桐生の松井ニット技研さんのカラフルなマフラーが10年以上MOMAでベストセラー商品として取り扱われていたからですが、バイヤーが変わり突然仕入れがストップしたため、現場視察を兼ねて訪問したからです。MOMAで取り扱われているとき、スペインのプラド美術館から声が掛り、そちらではまだ続いているやにお聞きしています。
食品とこうしたギフト商品などは輸出の方法も異なります。食品は特に外国での規制が厳しく、簡単には輸出できません。輸出予定地ですでに売り先を確保している場合はともかく、商社などを通じて輸出の手続きが必要となりますし、原産地証明がまず必要です。輸送や関税費用も考慮する必要があります。手続きに関してお話しするとかなりのページを要するためここでは簡単にしか触れていませんが、パートナー企業を国内外で持ち、しっかりした販路に繋げないと販路開拓は簡単にはできません。まずはJETROや商工会議所などの相談窓口を利用し、ご自身のネットワークを作りながら事業を進めていただきたいと思います。
食品とこうしたギフト商品などは輸出の方法も異なります。食品は特に外国での規制が厳しく、簡単には輸出できません。輸出予定地ですでに売り先を確保している場合はともかく、商社などを通じて輸出の手続きが必要となりますし、原産地証明がまず必要です。輸送や関税費用も考慮する必要があります。手続きに関してお話しするとかなりのページを要するためここでは簡単にしか触れていませんが、パートナー企業を国内外で持ち、しっかりした販路に繋げないと販路開拓は簡単にはできません。まずはJETROや商工会議所などの相談窓口を利用し、ご自身のネットワークを作りながら事業を進めていただきたいと思います。