前頭側頭型認知症 夫が前頭側頭型認知症に

夫が63歳で前頭側頭型認知症と診断されました。
若年性認知症なのだそうです。そんな夫の事など綴っていきます。 

138.腎不全 つづき

2014-03-05 11:12:29 | 前頭側頭型認知症


腎不全について調べてみても、悲観的な気持ちは消えず、
2月21日(金)主治医との面談をむかえました。

朝早く、主治医に聞くことを考えメモしました。

①腎不全の程度  
    ・ 薬物療法で済むのか、人工透析が必要か
    ・ 高度治療が必要になった場合
       転院せずに、日赤で入院治療継続可能か
②寿命はどのくらいか
③口から食べられるか
④本人に伝えたほうが良いか

④について
  人工透析が必要なら本人も知って納得しないと、拒否でどうなるかわからないと思いました。そうでないなら、家族だけ聞いて、夫に話すのは、更に希望を失わせることになるだろうと思うので、腎不全という事は伏せておこうと思いました。

病院に姑と出かけ、義妹と待ち合わせし、主治医と会いました。

主治医>どこで話しましょうか?
      ご本人も一緒の方が良いでしょうかね?

私たち相談し(と言うか、義妹の意見で)、本人も一緒の方がいいと返事をしました。

夫の病室に行き、主治医から説明を受ける前に、私のメモ(腎不全の文字)を主治医にそっと見せ、「S病院の相談員さんから電話があり、こう言われたのですが(メモの腎不全を指さし)」と、話をはじめました。

主治医> 〇さん、〇さんも話を聞いて下さいね~
   夫> ギョロ目か。いらね。お前とは話たぐね。
       水豚も一緒か、見たぐね。
主治医> 今日はそうきたか。
   私> すみません。おとうさん、失礼なこと言わないの。
 

こんな風に(これはごく一部)、いたたまれない夫の悪態の中、説明が始まりました。


主治医の説明

パソコンで、映像や数値を見ながら行われました。

脳のMRIの映像で、転落時の脳の出血が小さくなり、ほとんど脳外科的には大丈夫との事。
脳内の出血は、脳の中の、子宮にある羊水のような液体の中に流れ融けて、小さくなっているのだそうです。
(へぇ~と、変な感心をしてしまいました)

肝臓の数値と腹水について
肝臓の数値がこのように、異常に高く、肝臓のMRI検査をすることにした。
肝臓のMRIを内科の医師に診てもらったが、結果、特に肝臓・胆嚢にも胆石など診られず、そこが原因ではないとのこと。
そこで、腎臓を検査したのですが、腎臓に機能が低下が診られました。
(主治医は配慮してくださったようで、腎不全と言う言葉は使われませんでした。)

腹水も溜っていましたし、おしっこの出も悪かったので、利尿剤を使った所、利尿剤の量の調節も難しかったのですが、尿の出も良くなり、腹水も減り、肝臓の数値も少しずつですが下がってきました。(一気に私の不安・緊張もほどけました。もちろん、姑も義妹も同じだったと思います。)

それで、今がちょうど症状も落ち着き、転院の時期だと考えています。

   私> S病院の相談員さんから、どこか出血した時
       には手術はできませんし、出血した場所を予
       想した処置になります。それに、輸血を必要
       とした場合もそれが日曜日にあたった時には、
       すぐには出来ず、翌日になりますが、
       よろしいですかと、言われたのですが、
主治医> え?輸血の場合は同じですよ。
       それに、血管剥離(?)など、緊急の高度
       治療が起こった場合には、総合病院に
       緊急搬送することになると思いますから
       大丈夫ですよ。
   私> 高度治療を必要とする必要になるのであれば
       日赤は緊急の処置のための病院で、長く入院
       できないと思いますが、このまま入院させて
       いただくという事は出来ませんか?
主治医> それは出来ませんし、そうなれば、大学病院
       なり、日赤なりに、転院になると思いますよ。
       それに、ご本人がS病院に行くと毎日のように
       おっしゃっておられるので。ね!(看護師に)
看護師> そうです。
主治医> 〇さん、S病院に行きたいんだよね。
   夫> なだ。S病院さ行ぐ!
姑・義妹>でも、〇、もっと大変な事になった大変だよ
   夫> え(構わない)。S病院に行く。
   私> いいの?じゃあ、お母さん仕方ないじゃない
       本人がこんなに言うんだもの、そうしよう。
  義妹> んだよ。母さん。兄さんそれでいいって
       言うんだもの。そうしよう。
    姑> んだが。仕方ねな。
主治医> じゃ、そのように進めますね。

主治医が廊下に出るのを追いかけ、義妹も出て来て、
    私> あの、寿命はどのくらいでしょうか
主治医> それは、わかりません。
       はっきり言って、ご主人の場合、原因がなにも
       わからない状態なのです。
       私は脳外科なので、出血しているのであれば
       原因の出血を手術で取り除くわけですが、
       ご主人の場合は、糖尿の原因も、血糖値が
       乱高下する原因も、肝臓の数値が高くなり、
       腎臓の機能低下になって来たのも、何が
       原因かはっきりしたことはわからないのです。
   私> それでは、以前仰っていたように、
       いつ何時何が起こってもおかしくないという事
       ですか
主治医> そうです。
  義妹> それでは、口からご飯食べたりはできませんか?
主治医> それは、S病院に行って、症状が改善されれば
       可能かもしれません。


希望を持てそうな、そうでもないような、

でも、可能性もあると信じたいです。

義妹が忙しい所付き合ってくれたので、先に帰ってもらい
私は、姑を夫の部屋に残し、日赤の相談室に行き、S病院に転院する事になったと伝えました。私が、S病院に直接連絡するように言われました。

また、支払った入院費の額についてと、個室料金について質問し、
入院費は、市役所に行って、高額療養限度額適用を受ければいくらか戻る事がわかりましたし、個室料金も保険適用になるそうで安心しました。


何度か、夫の面会に行っていますが、相変わらず、悪態のつき通しです。
死ぬこと、もよく口にします。
火葬しろとか、財産狙いだとか、病院とお前の陰謀にはまったとか
お前は葬式に来るな、お前の実家の母さんも弟も来るな
葬式には10人だ、お前は来るな、等々

もう、心くじけます。反論してはいけないとわかっていても、病気だとわかっていても、「酷いよね」と、反論して、言い返してしまいます。
「病気が言わせているんだよね」
「お父さんの前頭葉がやられているから、そんな酷い事を言うようになったんだって」と、教えました。私の夫への反論も受け止めて欲しいよ、お父さん。

楽しい気持ち懐かしい気持ちになってほしいと思い、携帯電話にある、以前夫と出かけて撮った写真を見せました。

ずっと見ていた夫
「悲しくなる。もう見たくない。帰れ」と言いました。

どんなにかつらく悲しく、自分の今の状況を知った事でしょう。
悲しくなりました。帰りの車の中で、泣いてしまいました。

夫が暴言を吐くことも私は認めているつもり。
それに、暴言を吐いている夫に、前頭葉がやられているから仕方がないと思ってほしい、罪の意識を持たずに、暴言を吐いてもいいよと、そういう気持ちなのです。

言われるとくじけて、ショックを受けて、反論してしまいますが、本心はそういう気持ちなのです。

亡くなる時は、口から食べられて、満足して、幸せな気持ちで、旅立ってほしいのです。こんな事を考えるのは酷い事でしょうか?
もう亡くなる事が、現実になりつつあるようで、心が萎れて行きます。
誰かが、介護ブログに引きこもりの表現がありましたが、私の気持ちと行動が引きこもり状態になりつつあるみたいです。
このままで良い訳がないのですが、どうしようまなく、鼻水が出るほど涙がでます。


夫がかわいそうです。   
      




137.腎不全

2014-03-05 03:43:01 | 前頭側頭型認知症

まず経緯から、また時系列に書きます。
記憶を手繰らないと、
また、泣きそうです。

2月17日病院から、勤務中に電話があり、面談の日取りについて、いつが良いかと聞かれ、水曜日か金曜日と答えたところ、水曜日19日にしてほしいという事で、決めていました。

2月18日、病院から電話があり、、主治医がその日手術が入ったとの事で、面談日を金曜日の21日に延期することにしました。
また、前日の17日に個室に移りましたので、こちらに来た時に承諾書に署名お願いしますとの事だった。

(えっ)と言う感じだった。なぜ急に、それになぜ事後承諾なの?
16日の面会の時、私と夫の不穏な会話が、同室の患者さんに不安をもたらしたかもしれないし、看護師さんたちの印象も悪かっただろうと思っていたので、それが原因かもしれないと思いました。

2月19日、午後勤務だったので、午前に洗濯した物を届けに病院に行きました。
主治医が手術の時のエンジ色の服を着ていました。
私に気付き、(え?今日じゃないと言ってないの?と看護師の方に顔を向けている)のが見えたので、「金曜日よろしくお願いします」と、会釈し、夫の個室に行きました。

その時、夫がいた場所に、沢山の計器を付けた新しい入院患者さんがおられました。
その方が入院して来たからかな、なら、良かったかもと、勝手に想像を巡らし安心したりしました。こんな気持ちになるのなら、個室に移る原因を聞いておけば良かったと思いましたが、後の祭りだし、今更聞いて、どうにかなるものでもないので、やめました。

夫は、穏やかでした。
個室に移って、他の気になる人が目に入らないからでしょうが、「(落ち着いて)寝れた」と言っていました。
なるほど、静かなのが好きだものなと納得しました。
そういう意味でも、また、夫の暴言への私の対応のへたさで他の患者さんに気を使うことも無いと言う意味でも、個室に移って良かったと思いました。
ただ心配なのは、個室料金の事でした。
大学病院でも、3段階あり、別途個室料金を払わなければならなかったので、どのくらいの支払いになるのか、心配になりました。
日赤は急性期の病院なので、入院しても、3ヶ月位で、症状が落ち着いたら、転院するだろうと思うものの、もうお金の心配も出てきました。
帰り、ナースセンターに寄り、個室の承諾書に署名して、急いで自宅に戻り、仕事に行きました。


2月19日勤務を終えて、自宅に車で帰る途中、後もう少しで家に着くという時、携帯電話が鳴り、車を道路脇に寄せて、暗い車中で携帯の着信を見ると、S病院。
日赤からの電話で、夫が急変したかと思い、車を停めたので、(?なんで?)と思いつつ電話に出ました。

電話に出たのは、S病院の相談室の男性相談員、Iさんでした。

Iさん>日赤から紹介状がきまして、
     転院を希望されているという事だそうですが、
     腎不全だという事で、

私>  えっ?腎不全?
     私まだ日赤からそんなこと聞いていませんけど
     それに、紹介状ですか?

Iさん>そうです。紹介状が送られてきて、そのように
     書いてあります。
     それで、以前入院されていた時は、
     精神科病棟でしたが、内科の入院になるかも
     知れませんが、よろしいですか?

私>  転院することを希望して日赤の主治医に
     話してありますが、・・・。
     肝臓の数値が高く、腹水が溜ってきたので、
     肝臓のMRI検査をしましたが、肝臓が原因
     ではなかったので、腎臓の検査をすること
     になり、その結果を聞くための面談を21日
     の金曜日をすることになっていますが、
     まだ、その面談を受けていませんから。
     その後で、返事をするというのではいけま
     
せんか?
     腎不全だとも、聞いていませんし、
     
そう書いてあるのですか?
Iさん>そうです。それでは、改めて、明日、内科
     担当の相談員から電話させますので。


????? なんで?
腎不全!!!!!

ただただショックでした。

それにしても、患者の家族に相談もなしに、(確かにS病院に転院を希望していたが)紹介状を送って、それも、病名を主治医からではなく、転院先の主治医からでもなく相談員から聞かされることになるとは・・・。

ちょっと怒りマークが、表れそうなりましたが、腎不全にショックを受けて、怒りも消沈していきました。

頭が、腎不全で一杯になり、人工透析の言葉が浮かんでは消えました。
まだ、何も聞いていない。詳しいことが判らない内に、余計な心配はしないようにしようと思いました。でも、腎不全。

仕事中は何とか考えずにいましたが、帰りの車の中では、

もう夫に死が近づいていると、悲観的なことしか思い浮かびませんでした。
夫に、鼻のチューブを外し、口から食べ物を食べさせてやりたい!
それが、例え肺炎を併発して死を早めることになろうとしても、血糖値のコントロールが上手くいかなくなって、更に合併症が出て来たとしても、意識のあるうちに、口から夫に食べたい物を食べさせ、「あ~~うめぇ~~」と、満足させてやりたい。幸せな気持ちにさせてやりたいと、思いました。
ベッドにくくりつけられ、動きたくても動けず、骸骨のようにやせ衰え、食べたくても食べられず、生き地獄じゃないか、と、夫がかわいそうでかわいそうで、ただただ涙が流れました。


夕飯の時、姑にS病院からの電話の内容を伝え、上のような私の気持ちを話し、面談に一緒に行くように話しました。姑は嫌がり、「あんた一人で行って聞いて来てけれ」と言うのに、カチンと来て、
「自分の息子の事なんだから、聞きたいことがあったら、自分でちゃんと聞いて!」と、喧嘩ごしになってしまいました。いつも逃げてばっかりの姑に、いくら高齢だからとはいえ、腹が立ちました。高齢をいつも理由にしているのに、カチンと来ていました。

姑は、私の死が近づいたとしても、口から食べ物を食べさせるの考えにしぶしぶ承諾しましたが、「◎ちゃんと〇ちゃん(孫)と△(夫の妹)にも相談してからにしてけれ」というので、もちろん娘達には腎不全の報告をしなければならなかったので、今後どうするかも相談することにしました。
(娘達には電話をくれるようメールしておきました。)

こんな調子で、いつも優しくできない、きつい嫁です。

夜、看護師をしている知り合いに、電話で相談しました。
先ず悩んでいないで、聞きたいこと、知りたい事は、何度でも、聞くこと。
家族を連れて、本人も一緒に説明を受けたほうが良い。
その方が、例え、人工透析となったとしても、本人も納得する。
今はどんなことでも聞いたら教えてくれるからとアドバイスしていただきました。
聞きたいことをメモして持って行く事にしました。

眠れませんでした。夜中に何度も目を覚まし、なんで?それにと、また怒りが頭を出して来て・・・。

次の日の朝、姑も眠れなかったと言っていました。


2月20日S病院の内科担当の相談員Nさんから、勤務中電話がありました。

Nさん>こちらのほうは、総合病院ではないので、
     どこか出血しても、出血した箇所を予想し
     処置をすることになります。
     それに、輸血が必要になった場合も、
     それが日曜日だとして、担当の内科医師が
     不在の場合は、輸血もずぐには行われない
     ことになりますが、それでもよろしいですか?

まるで、なんで、転院してくるの?と、咎められ、転院してくるなと言われているように感じてしまいました。

私>  まだ、主治医と面談をしていませんし、腎不全だ
     とも、聞いていません。
     面談が終わってから、改めてお電話するのでも
     いいでしょうか?
Nさん>結構ですよ。

またまた、怒りが込み上げて来て、Nさんの対応に腹を立てた私です。

それでなくても、腎不全=人工透析という図式しかない知識なので、
不安は増幅されていくばかりでした。

また、夕食の時、姑にS病院の電話を伝え、重い気持ちで夕飯を食べました。
姑は、娘(夫の一番下の妹)に電話して一緒に面談に行ってもらうと言って、電話をはじめました。補聴器をしているのですが、その補聴器をわざわざ外して話そうとします。
補聴器のお店の人に、補聴器をしたまま電話に出ても大丈夫だと言われているのに、いつも、補聴器をはずし、聞こえなくて、「え?聞こえね」と、行っているのにも、私はいつもイラついていました。電話の様子で、忙しくて行けないようだとわかりました。
案の定、「代わって、説明してけれ」と、私に受話器を渡そうとしましたが、私は負けじと大声で(補聴器をはずしているので尚更大声で怒鳴り声を出し)、「忙しいんだったら仕方ないでしょ!」
姑「んだが、へばしかだねな。二人で行って来る」と、泣きそうな様子。

長女と次女にも電話し、説明し私の気持ちを話しました。
娘達は私の考えに賛成してくれました。

夜11時過ぎ、夫の妹から電話がありました。
腎不全の事、S病院の対応の事、夫への私の気持ち(死が近づいたとしても、意識のあるうちに、口から食べ物を食べさせてやりたい)、娘たちも私の考えに同意してくれていることなど、つい、泣きながら話してしまいました。
妹も心配してくれて、一緒に面談に来てくれることになりました。
姑にとって心強いことになり、私も、冷静で客観的に考えてくれる味方が出来た気持ちでした。

夜中、インターネットで、腎不全の検索をしました。明け方近くに床につきました。

腎不全については、循環器病情報センターの情報が詳しく解り易かったのです。
http://www.ncvc.go.jp/cvcdinfo