ゆうき凛々

飼い猫・田舎暮らし・作った物・趣味のこと
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まとまり無く、好き勝手なことを呟いていきます。

「マジックミラー」

2011年11月19日 | 読書

『マジックミラー』

有栖川有栖 著

有栖川先生の作品は、最初に読んだのが作家アリス(&火村)のシリーズでした。
作家アリスと火村のことがとても好きになってしまったもので、他の作品やシリーズを読めなくなってしまいました。
この心理って、わかる人にしかわからないのかもしれませんが…
私は、子供の頃ホームズシリーズを読んで、読む本がなくなったもので仕方なくルパンシリーズを読んだときも、なんともいえない感じがしたんですよねー。
ホームズを裏切ってる自分が許せないような……、まがい物を読んでいるような……(ルブラン、ごめん!)

私の仲良しの従姉は、「二次創作ものなんて許せん!!」という人なんですが、その気持ちもわからなくはない、というか。
自分が書くようになるまでは、私もどちらかというと否定派でしたからねー。

そんなこんなで…
推理小説としての評価は学生アリスシリーズの方が高いような気もするのに、その学生アリスシリーズすらも、なかなか読めなかったんですよ。
で。この『マジックミラー』も、随分前に購入していたのに、なかなか読めずにいましたが、某所で「空知=火村のいない世界のアリスに見えてしかたない」 というのを目にしまして。
丁度通勤時に読みたい本がなくなってもいたので、手を出してみることにしました。


なんというか……

読み終わってからの切なさは、読んだ方ならわかって頂けると思いますが。
なぜか私は最初から、切なくて切なくてしかたがなかったんですよね。
たぶんどこかで、ある種のネタバレを見てしまっていたからだとも思うんですけど。

最初の事件がまだ桜が咲く前の、琵琶湖北部で、ということで。
日本海側の重く暗い冬の雲、なんて景色を想像してしまったせいもあるんでしょう。
推理作家空知と担当編集者片桐との、楽しいはずのかけ合いすらも、胸が痛くてしょうがなかった……(T_T)

推理小説好きなくせに、私にはトリックなんてよくわかりません。読者への挑戦状付きの小説でも、謎を解こうと挑戦したことは殆どありません。
超方向音痴で、地図もちゃんと読めなきゃ、時刻表も開いただけで頭が痛くなる……という私に、時刻表トリックなんて、特に無理!!考えようという気にすらなりゃしない。
それ以外のトリックも、その出来の善し悪しの判断なんてできないんですけども。

でも読み終わってから、「ああぁぁ………」とか「ううぅぅぅぅ……」とか、言葉にできない感情をどこかに吐き出したい!!と感じた小説でした。
読み終わって数日経つのに、まだ「切ない」気持ちが抜けきらないんですもの。
殺人犯を応援…というか、なんとかして助けてあげたい!!と思ってしまったのは、「さまよう刃」(東野圭吾 著)以来かもしれない。
できることなら、どちらの小説でも、殺人犯の二人を、事件が起こる前に戻してあげたい。
そんな風に思ってしまいました…。

うーむ。
推理小説を、ネタバレしないように気をつけながら感想を書くって、超難しい!!!(汗)
全然紹介にも感想にもなってない気がするけど。
でも何か吐き出したかったんですよ。この小説に関しては。

 


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