遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

再びの東方経済フォーラムでのプーチン・安倍会談は 進展なし

2019-09-06 01:24:18 | ロシア全般
 昨年の9月12日、ウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムの壇上で、安倍晋三首相に突如「前提条件なしで年末までに平和条約を締結しよう」と提案したプーチン大統領。
 その後事態は悪化の一途で、11月には安倍首相は、プーチン氏と「日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速化」することで合意するという北方領土に関する日露間の交渉の積み重ねの歴史を打消し、時計の針を、1956年10月まで戻してしまいまい、実質的に「4島返還」の立場から「2島返還」に譲歩する歴史的転換をしました。
 日本が引いた流れを逃さないロシアは更にゴールポストを動かし、いまやゼロ島返還での経済支援と平和条約締結のレベルにまで変遷してしまっています。
 完全な安倍外交の失政です。
 そしてまためぐってきた東方経済フォーラム。
 
 首相はロシア訪問に先立ち、5日の日ロ首脳会談について「平和条約交渉を次の次元へと進めていくため、腹を割ってプーチン大統領と話したい」と述べて出立しました。

 首相、平和条約は歴史的使命 ロシア国際会議で講演へ :日本経済新聞

 そして会談。
 
日ロ首脳、11月再会談 平和条約交渉を継続 :日本経済新聞 2019/9/5

【ウラジオストク=児玉章吾】安倍晋三首相は5日、ロシアのプーチン大統領と約1時間半会談し、平和条約交渉を巡り未来志向で作業すると確認した。北方四島での共同経済活動は10月に観光ツアー事業を試行する。11月にチリのサンティアゴで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にあわせ、再会談することでも一致した。

両首脳は会談で約20分間、通訳を交えて二人きりで話した。

首相はロシアのメドベージェフ首相の択捉島訪問プーチン氏が色丹島の工場稼働式にビデオ中継で参加した問題を念頭に、北方領土を巡る日本の法的立場を改めて伝えた。両首脳はロシアの主要7カ国首脳会議(G7サミット)への復帰を巡っても意見を交わした。

北方領土での共同経済活動では13~16日にゴミ処理専門家を派遣すると確認した。首相は会談で「大統領との合意事項が着実に実現している」と強調した。プーチン氏も「合意が継続的に実施されている。今後に関しても議論したい」と語った。

タス通信によると、ロシアのウシャコフ大統領補佐官は、首脳会談で平和条約交渉を巡る双方の立場は「従来のままだった」と述べた。

両首脳の会談は27回目となる。6月の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)にあわせて開いて以来だ。

 安倍首相は、メドベージェフ首相の択捉島訪問や、プーチン氏が直前に色丹島の工場稼働式にビデオ中継で参加した問題をを念頭に、北方領土を巡る日本の法的立場を改めて伝えたとのこと。ロシアのゼロ島返還への反動へ、釘をさしたのかどうか内容は不明です。

 会談の成果は、平和条約交渉を巡り未来志向で作業するとの確認や、APEC首脳会議にあわせ、再会談とか、共同経済活動ではゴミ処理専門家を派遣するといったもので、タス通信が、平和条約交渉を巡る双方の立場は「従来のままだった」と言う通りで、進展はなし。領土返還問題は触れられもしない。。
 安倍首相は会談で「大統領との合意事項が着実に実現している」と強調。プーチン氏も「合意が継続的に実施されている。今後に関しても議論したい」と語ったのだそうですが、白々しく感じるのは遊爺だけでしょうか。

 安倍首相が行った講演。
 
「平和条約の締結という歴史的使命がある」 ロシア東方経済フォーラム 安倍首相演説全文 - 産経ニュース 2019.9.5

<前略>
 北方四島での共同経済活動、人と人との交流も、かつてないまでに進みました。日露の新しい協力関係は、われわれ二人の努力によって、着実にその姿を見せつつあります

 
そしてその先に、平和条約の締結という歴史的使命がある。未来を生きる人々を、これ以上、もう待たせてはならない。ゴールまで、ウラジーミル、二人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。歴史に対する責任を互いに果たしましょう。平和条約を結び、両国国民がもつ無限の可能性を一気に解き放ちましょう。

 そのほとんど次の刹那、日本とロシアの連結は、地域を変える。世界を大きく変え始めるでしょう。

 会場の皆さん、ロシアのすべての皆さま、日本が皆さまの未来に加える新しい、そして大きな可能性に想像の翼をはためかせてください。歴史を一緒に作りましょう。未来をともに切り開こうではありませんか。

 ありがとうございました。スパシーバ。

 経済協力を進め、平和条約を締結!
 つまり、北方領土についてはみじんもなくなっています。

 北方領土の返還無くして、平和条約の締結は何のメリットもゆいので不用です。
 領土の返還どころか、軍事基地として装備の強化が進められているのは諸兄がご承知の通り。平和条約とは逆行するロシアの動きです。

 ロシア側の強気の攻勢に流され、国家の主権が犯されたままというより、むしろ軍事的威圧までうけている。
 日本が抜け駆けしている経済支援は凍結し、対露経済制裁をしている欧米(最近緩める兆候がある)と歩調を合わせるよう転換すべきです。

 そんな意味では、今年の東方経済フォーラムでの両国首脳会談で、平和条約交渉を巡る双方の立場は「従来のままだった」は妥当な結果と言えなくもないですね。



 # 冒頭の画像は、会談前、握手するプーチン大統領と安倍首相




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