
中国のアフリカでの過去のプロジェクトで多額の損失を伴う失敗が多発しているのだそうです。
ジブチと、エチオピアの首都アジスアベバを結ぶ鉄道は、中国輸出信用保険公司のチーフエコノミストによれば10億ドルの損失を被ったのだと。
債務の罠への警戒も強まり、シエラレオネが、中国の資金で新しい国際空港を建設するプロジェクトをご破算に。タンザニアのマグフリ大統領は6月7日、バガモヨ港の建設を無期延期。
ケニアの大物上院議員ムトゥラ・キロンゾ氏は、スリランカののハンバントタにある港の例を、「アフリカ諸国でもきっと起こるだろう。多くの借款の条件は債務のワナだ」と。
ケニアではウフル・ケニヤッタ大統領が、今年5月、10日間姿を消す事態が発生したのだそうです。
習近平は、昨年9月にはアフリカ諸国に計600億ドルの援助・借款を約束しており、その資金に「政治的なひもをつけない」と明言していたのだそうです。
ケニヤッタ大統領は、習氏から新たな支援を当然受けられると思っていたと思われ、鉄道敷設プロジェクトに自分の政治資本をかなり投じていたのだそうです。
そして、全4期のうち第3期(ナイロビからビクトリア湖畔のキスムまでの区間)の建設に必要な35億ドルも中国が出してくれると思っていたところ、中国から借りることができず、意気消沈していたのだと。
中国が貸しつけをためらうのは、過去に進めたプロジェクトの成果がまちまちなことの反映。
ケニアの鉄道は、汚職のせいで恐ろしく割高な事業になり、線路1キロ当たりの単価は国際平均の2倍に達していた。貨物輸送能力の計算も間違っているなど、当初から批判されていたのだそうです。
債権の罠を仕掛ける中国もさることながら、借り手側にも汚職などのずさんさがある。
また、どちらに起因するのか、計画のずさんさもある。
中国は遅まきながら、無駄金をつぎ込むことは間違いであることを理解したようだと英エコノミスト誌。
中国の貸し出し基準が西側諸国のそれに近づいたことは、正しい方向へ進む一歩だとも。
財政が苦しくなってきているせいもあるのでしょうか。過大な投資計画を設定し、強引な低価格で受注を獲得し、債務の罠で追い込み、覇権を及ぼす「一帯一路」の政策。適正な範囲での設定と競争ルールに近づくのなら、被投資国にも、投資国間の競争にも、正常化が歓迎されることになりますが。。
# 冒頭の画像は、ジブチに建設された中国人民解放軍の基地で行われた開設式典(2017年8月)
中国、「一帯一路」で世界中に軍事基地建設へ 米国防総省報告書 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

ミズバショウ
↓よろしかったら、お願いします。







ジブチと、エチオピアの首都アジスアベバを結ぶ鉄道は、中国輸出信用保険公司のチーフエコノミストによれば10億ドルの損失を被ったのだと。
債務の罠への警戒も強まり、シエラレオネが、中国の資金で新しい国際空港を建設するプロジェクトをご破算に。タンザニアのマグフリ大統領は6月7日、バガモヨ港の建設を無期延期。
ケニアの大物上院議員ムトゥラ・キロンゾ氏は、スリランカののハンバントタにある港の例を、「アフリカ諸国でもきっと起こるだろう。多くの借款の条件は債務のワナだ」と。
ケニアではウフル・ケニヤッタ大統領が、今年5月、10日間姿を消す事態が発生したのだそうです。
中国とアフリカ、蜜月の終わり? 過去のプロジェクトで手痛い失敗、新たな融資に二の足(1/5) | JBpress(Japan Business Press) (英エコノミスト誌 2019年6月29日号)
過去のプロジェクトで多額の損失を伴う失敗が多発している。
今年5月、ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領が10日間姿を消した。
国民はツイッターへの投稿で心配しているふりをした。使われたハッシュタグは「#FindPresidentUhuru(ウフル大統領を見つけて)」というものだった。
身長約172センチのアフリカ人で、最後に姿を確認できたのは中国の北京だった、何か知っていたら教えてほしいという行方不明者捜索のポスターまで作られた。
政府の広報担当者は国民を安心させようと、大統領は執務室で「瞑想している」と述べた。
しかし世間では、大統領は総工費100億ドルの野心的な鉄道敷設プロジェクトの次の段階で必要になる資金を中国から借りることができず、意気消沈していたのだと噂されている。
ケニヤッタ氏が不機嫌になるのも無理はなかった。何しろ中国政府のアフリカに対する気前の良さには限界がないと思われた時期もあった。
昨年9月にはアフリカ諸国に計600億ドルの援助・借款を約束しており、習近平国家主席はその資金に「政治的なひもをつけない」と明言していた。
これを聞いて大喜びしたのが、タンザニアの強権的な大統領、ジョン・マグフリ氏だった。
マグフリ氏は、西側諸国から融資を受けようとすると同性愛の男性を監禁するなとか「奇妙な条件」がついてくるとぼやいていた人物で、「中国は真の友人だ」と熱を込めて語った。中国の援助は「タダ」だ。
中国との友好はタンザニアに利益をもたらした。
米ジョンズ・ホプキンス大学の中国アフリカ調査イニシアチブ(CARI)の見立てによれば、この国が中国から借り入れた金額は2010年以降の累計で20億ドルを超えている。
2013年には、中国が100億ドルを投じてバガモヨに港を建設する話もまとまった。バガモヨはかつて奴隷と象牙の貿易の中心だったが、今はさびれた漁村にすぎない。
ケニアはこれ以上にうまくやっていた。
中国のグローバルなインフラ整備プロジェクト「一帯一路」にアフリカ勢としては早くから参加し、2006年から2017年にかけて少なくとも98億ドルの資金を集めた。中国からの借入額はアフリカで3番目に多い。
ケニヤッタ大統領は、鉄道敷設プロジェクトに自分の政治資本をかなり投じており、習氏から新たな支援を当然受けられると思っていたに違いない。
中国によるアフリカでの目玉プロジェクトの1つであることに加え、中国政府はすでにプロジェクトの第1期と第2期に計47億ドルを拠出している。モンバサの港と首都ナイロビを結ぶ全長ほぼ500キロの区間は開通済みで、第2期工事もほぼ完成した。
そのためケニア側は、全4期のうち第3期(ナイロビからビクトリア湖畔のキスムまでの区間)の建設に必要な35億ドルも中国が出してくれると思っていた。
資源に恵まれた内陸部とインド洋に面した港とを鉄道網で結ぶことが中国の最終的なビジョンなのであれば、プロジェクトへの資金拠出を半分で中止するはずはない、というわけだ。
中国は返済能力を上回る金額をわざと貸しつける、借り手の国がデフォルト(債務不履行)したら戦略的な資産を差し押さえて自分の懐に入れるのが狙いだ――。アフリカの一部にはそんな見方がある。
その例として挙げられるのが、スリランカのハンバントタにある港だ。中国が貸しつけた資金で建設された港が商業的に失敗すると、中国の国有企業が運営権を手に入れた。
インド洋をパトロールしたい中国海軍の艦船にとっては、手ごろな寄港地となる。
「スリランカが陥った状況は、異例なものではないかもしれない」
ケニアの大物上院議員ムトゥラ・キロンゾ氏はこう語る。「アフリカ諸国でもきっと起こるだろう。多くの借款の条件は・・・債務のワナだ」
ジョンズ・ホプキンス大学のデボラ・ブラウティガム氏は、ハンバントタは例外だと述べている。中国が資金を融通した海外プロジェクト3000件以上をチェックしたところ、債務の担保としてあのような資産が差し押さえられたのはこの案件だけだったという。
それでも、アフリカの政治指導者たちは恐れおののいている。中国側との対話もとげとげしくなっている。
タンザニアのマグフリ大統領は6月7日、バガモヨ港の建設を無期延期とした。中国側のパートナー企業から99年のリースと、タンザニア領内の他の港の開発停止を求められたことに尻込みしたのだ。
大統領は、応援団から反対派へとさっと身を翻し、「頭のおかしな人しか受け入れられない厳しい条件」をパートナー企業が課してきたと息巻いた。
昨年にはシエラレオネが、中国の資金で新しい国際空港を建設するプロジェクトをご破算にしている。過大な債務を抱えてしまうとの懸念からだった。
インド洋を中国の湖に変える計画だと受け止められてしまったことから、中国がアフリカで積み上げてきた政治資本は危険にさらされている。
ケニヤッタ大統領が就任した2013年以降で、ケニアの公的債務は3倍近くに膨れ上がった。
昨年には国際通貨基金(IMF)が、同国が債務破綻状態に陥るリスクを「低」から「中」に引き上げた。もしケニアがデフォルトすれば、中国が非難される恐れがある。
中国が貸しつけをためらうのは、過去に進めたプロジェクトの成果がまちまちなことの反映でもある。
ジブチと、エチオピアの首都アジスアベバを結ぶ鉄道は2017年に完成したが、中国の国有保険会社である中国輸出信用保険公司のチーフエコノミストは昨年、このプロジェクトのおかげで同公司が10億ドルの損失を被ったことを明らかにした。
汚職と管理の不手際がコストを押し上げている。
中には、計画が不合理なほど楽観的な場合もある。例えば、前出のバガモヨの港は、欧州最大の貨物港ロッテルダムをしのぐ量のコンテナをさばくと見込まれていた。
ケニアの鉄道は当初から批判されていた。
汚職のせいで恐ろしく割高な事業になり、線路1キロ当たりの単価は国際平均の2倍に達していた。貨物輸送能力の計算も間違っており、実際には見込みのわずか40%にとどまっている。
この鉄道を使えばトラックよりも安く運べるという触れ込みだった。実際はその逆だったにもかかわらず、ケニヤッタ政権は港で降ろされたコンテナをすべて鉄道に積み替えるよう強制している。
そのおかげで、モンバサで受け取るはずの荷物が一旦ナイロビに送られてしまううえ、これをモンバサに送り返してもらう運賃まで負担しなければならない気の毒な業者も出ている。
無駄金をつぎ込むことは間違いであることを、中国は遅まきながら理解したようだ。
そのため、今では中国も警戒するようになっている。今年5月に北京を訪れたケニヤッタ大統領の一行は、大統領のアドバイザーの表現を借りれば、あまり経験したことがない扱いを受けた。
まず、事業に必要な金額だけでなく汚職についても尋ねられた。また大統領は、国勢調査と憲法改正の国民投票はどのように行うのか問われた。
中国側は、大統領が再選を目指すつもりかどうかまで知りたがった(ケニヤッタ氏は2022年に退任しなければならない)。別の側近は「世界銀行と話をしているみたいだった」とこぼしていた。
もっとも、ケニヤッタ氏は手ぶらで北京から戻ることはしなかった。
中国にアボカドを輸出する話をまとめ、データセンターの建設とナイロビ郊外と空港とを結ぶ道路の敷設に必要な資金を借りる約束も取りつけた。
そのような穏当な取引なら祝福すべきだろう。
習近平氏には、人権を擁護するつもりはないかもしれない。しかし、中国の貸し出し基準が西側諸国のそれに近づいたことは、正しい方向へ進む一歩だ。
過去のプロジェクトで多額の損失を伴う失敗が多発している。
今年5月、ケニアのウフル・ケニヤッタ大統領が10日間姿を消した。
国民はツイッターへの投稿で心配しているふりをした。使われたハッシュタグは「#FindPresidentUhuru(ウフル大統領を見つけて)」というものだった。
身長約172センチのアフリカ人で、最後に姿を確認できたのは中国の北京だった、何か知っていたら教えてほしいという行方不明者捜索のポスターまで作られた。
政府の広報担当者は国民を安心させようと、大統領は執務室で「瞑想している」と述べた。
しかし世間では、大統領は総工費100億ドルの野心的な鉄道敷設プロジェクトの次の段階で必要になる資金を中国から借りることができず、意気消沈していたのだと噂されている。
ケニヤッタ氏が不機嫌になるのも無理はなかった。何しろ中国政府のアフリカに対する気前の良さには限界がないと思われた時期もあった。
昨年9月にはアフリカ諸国に計600億ドルの援助・借款を約束しており、習近平国家主席はその資金に「政治的なひもをつけない」と明言していた。
これを聞いて大喜びしたのが、タンザニアの強権的な大統領、ジョン・マグフリ氏だった。
マグフリ氏は、西側諸国から融資を受けようとすると同性愛の男性を監禁するなとか「奇妙な条件」がついてくるとぼやいていた人物で、「中国は真の友人だ」と熱を込めて語った。中国の援助は「タダ」だ。
中国との友好はタンザニアに利益をもたらした。
米ジョンズ・ホプキンス大学の中国アフリカ調査イニシアチブ(CARI)の見立てによれば、この国が中国から借り入れた金額は2010年以降の累計で20億ドルを超えている。
2013年には、中国が100億ドルを投じてバガモヨに港を建設する話もまとまった。バガモヨはかつて奴隷と象牙の貿易の中心だったが、今はさびれた漁村にすぎない。
ケニアはこれ以上にうまくやっていた。
中国のグローバルなインフラ整備プロジェクト「一帯一路」にアフリカ勢としては早くから参加し、2006年から2017年にかけて少なくとも98億ドルの資金を集めた。中国からの借入額はアフリカで3番目に多い。
ケニヤッタ大統領は、鉄道敷設プロジェクトに自分の政治資本をかなり投じており、習氏から新たな支援を当然受けられると思っていたに違いない。
中国によるアフリカでの目玉プロジェクトの1つであることに加え、中国政府はすでにプロジェクトの第1期と第2期に計47億ドルを拠出している。モンバサの港と首都ナイロビを結ぶ全長ほぼ500キロの区間は開通済みで、第2期工事もほぼ完成した。
そのためケニア側は、全4期のうち第3期(ナイロビからビクトリア湖畔のキスムまでの区間)の建設に必要な35億ドルも中国が出してくれると思っていた。
資源に恵まれた内陸部とインド洋に面した港とを鉄道網で結ぶことが中国の最終的なビジョンなのであれば、プロジェクトへの資金拠出を半分で中止するはずはない、というわけだ。
中国は返済能力を上回る金額をわざと貸しつける、借り手の国がデフォルト(債務不履行)したら戦略的な資産を差し押さえて自分の懐に入れるのが狙いだ――。アフリカの一部にはそんな見方がある。
その例として挙げられるのが、スリランカのハンバントタにある港だ。中国が貸しつけた資金で建設された港が商業的に失敗すると、中国の国有企業が運営権を手に入れた。
インド洋をパトロールしたい中国海軍の艦船にとっては、手ごろな寄港地となる。
「スリランカが陥った状況は、異例なものではないかもしれない」
ケニアの大物上院議員ムトゥラ・キロンゾ氏はこう語る。「アフリカ諸国でもきっと起こるだろう。多くの借款の条件は・・・債務のワナだ」
ジョンズ・ホプキンス大学のデボラ・ブラウティガム氏は、ハンバントタは例外だと述べている。中国が資金を融通した海外プロジェクト3000件以上をチェックしたところ、債務の担保としてあのような資産が差し押さえられたのはこの案件だけだったという。
それでも、アフリカの政治指導者たちは恐れおののいている。中国側との対話もとげとげしくなっている。
タンザニアのマグフリ大統領は6月7日、バガモヨ港の建設を無期延期とした。中国側のパートナー企業から99年のリースと、タンザニア領内の他の港の開発停止を求められたことに尻込みしたのだ。
大統領は、応援団から反対派へとさっと身を翻し、「頭のおかしな人しか受け入れられない厳しい条件」をパートナー企業が課してきたと息巻いた。
昨年にはシエラレオネが、中国の資金で新しい国際空港を建設するプロジェクトをご破算にしている。過大な債務を抱えてしまうとの懸念からだった。
インド洋を中国の湖に変える計画だと受け止められてしまったことから、中国がアフリカで積み上げてきた政治資本は危険にさらされている。
ケニヤッタ大統領が就任した2013年以降で、ケニアの公的債務は3倍近くに膨れ上がった。
昨年には国際通貨基金(IMF)が、同国が債務破綻状態に陥るリスクを「低」から「中」に引き上げた。もしケニアがデフォルトすれば、中国が非難される恐れがある。
中国が貸しつけをためらうのは、過去に進めたプロジェクトの成果がまちまちなことの反映でもある。
ジブチと、エチオピアの首都アジスアベバを結ぶ鉄道は2017年に完成したが、中国の国有保険会社である中国輸出信用保険公司のチーフエコノミストは昨年、このプロジェクトのおかげで同公司が10億ドルの損失を被ったことを明らかにした。
汚職と管理の不手際がコストを押し上げている。
中には、計画が不合理なほど楽観的な場合もある。例えば、前出のバガモヨの港は、欧州最大の貨物港ロッテルダムをしのぐ量のコンテナをさばくと見込まれていた。
ケニアの鉄道は当初から批判されていた。
汚職のせいで恐ろしく割高な事業になり、線路1キロ当たりの単価は国際平均の2倍に達していた。貨物輸送能力の計算も間違っており、実際には見込みのわずか40%にとどまっている。
この鉄道を使えばトラックよりも安く運べるという触れ込みだった。実際はその逆だったにもかかわらず、ケニヤッタ政権は港で降ろされたコンテナをすべて鉄道に積み替えるよう強制している。
そのおかげで、モンバサで受け取るはずの荷物が一旦ナイロビに送られてしまううえ、これをモンバサに送り返してもらう運賃まで負担しなければならない気の毒な業者も出ている。
無駄金をつぎ込むことは間違いであることを、中国は遅まきながら理解したようだ。
そのため、今では中国も警戒するようになっている。今年5月に北京を訪れたケニヤッタ大統領の一行は、大統領のアドバイザーの表現を借りれば、あまり経験したことがない扱いを受けた。
まず、事業に必要な金額だけでなく汚職についても尋ねられた。また大統領は、国勢調査と憲法改正の国民投票はどのように行うのか問われた。
中国側は、大統領が再選を目指すつもりかどうかまで知りたがった(ケニヤッタ氏は2022年に退任しなければならない)。別の側近は「世界銀行と話をしているみたいだった」とこぼしていた。
もっとも、ケニヤッタ氏は手ぶらで北京から戻ることはしなかった。
中国にアボカドを輸出する話をまとめ、データセンターの建設とナイロビ郊外と空港とを結ぶ道路の敷設に必要な資金を借りる約束も取りつけた。
そのような穏当な取引なら祝福すべきだろう。
習近平氏には、人権を擁護するつもりはないかもしれない。しかし、中国の貸し出し基準が西側諸国のそれに近づいたことは、正しい方向へ進む一歩だ。
習近平は、昨年9月にはアフリカ諸国に計600億ドルの援助・借款を約束しており、その資金に「政治的なひもをつけない」と明言していたのだそうです。
ケニヤッタ大統領は、習氏から新たな支援を当然受けられると思っていたと思われ、鉄道敷設プロジェクトに自分の政治資本をかなり投じていたのだそうです。
そして、全4期のうち第3期(ナイロビからビクトリア湖畔のキスムまでの区間)の建設に必要な35億ドルも中国が出してくれると思っていたところ、中国から借りることができず、意気消沈していたのだと。
中国が貸しつけをためらうのは、過去に進めたプロジェクトの成果がまちまちなことの反映。
ケニアの鉄道は、汚職のせいで恐ろしく割高な事業になり、線路1キロ当たりの単価は国際平均の2倍に達していた。貨物輸送能力の計算も間違っているなど、当初から批判されていたのだそうです。
債権の罠を仕掛ける中国もさることながら、借り手側にも汚職などのずさんさがある。
また、どちらに起因するのか、計画のずさんさもある。
中国は遅まきながら、無駄金をつぎ込むことは間違いであることを理解したようだと英エコノミスト誌。
中国の貸し出し基準が西側諸国のそれに近づいたことは、正しい方向へ進む一歩だとも。
財政が苦しくなってきているせいもあるのでしょうか。過大な投資計画を設定し、強引な低価格で受注を獲得し、債務の罠で追い込み、覇権を及ぼす「一帯一路」の政策。適正な範囲での設定と競争ルールに近づくのなら、被投資国にも、投資国間の競争にも、正常化が歓迎されることになりますが。。
# 冒頭の画像は、ジブチに建設された中国人民解放軍の基地で行われた開設式典(2017年8月)
中国、「一帯一路」で世界中に軍事基地建設へ 米国防総省報告書 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News

ミズバショウ
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