
南太平洋で増大する中国の影響力に対抗しようと、オーストラリアと米国がパプアニューギニアのマヌス島で海軍基地を共同で開発する計画が発表されたのですね。
片や、中国も地域に多額の投資を行っており、軍事基地の開設を目指していると噂されている。
世界第3位の経済大国、中国の隣人、そして米国の緊密な同盟国として、日本はアジアの勢力バランスにとって最も重要な存在になっていると指摘するのは、Financial Times。
ある日本政府高官は筆者に「中国人はまだ、自国のリーダーシップが脅かされていると感じた時に米国人が容赦ない反応を示すことを理解していない」と話してくれた。と同時に、米国に挑むうえで、中国は1930年代の日本よりも強い立場にあるとも。
真珠湾攻撃の時点で、日本経済の規模は米国経済の1割にすぎなかった。これに対し、中国経済は今、米国経済の規模の6割に達しており、購買力平価ベースでは米国より大きい。
中国側は、中国による投資主導のアジア進出は、1930年代、1940年代の日本の残虐な軍事行動とは全く比べ物にならないと訴えると。
南シナ海での軍事基地の建設は棚上げ?
米中の対立が、貿易戦争の域を超え、覇権争いに発展してきている今、世界第3位の経済大国、中国の隣人、そして米国の緊密な同盟国として、日本はアジアの勢力バランスにとって最も重要な存在になっていると、 Financial Timesでも認識される様になっているのですね。
安倍氏は2012年、領有権が争われている東シナ海の島々をめぐり中国に立ち向かう指導者になると約束し、首相の座に就いたとも。
ただ、Financial Timesは、興味深い見方も。
日本にとって、トランプ米大統領は同盟相手として、いら立たしく、警戒すべき存在にもなり、中国だけでなく日本に対しても関税の脅しを振りかざしている。
中国は日本にとって最大の貿易相手国であり、「日本企業はまだ中国の巨大市場に大きな重点を置いている」ことから、日本は賭けをヘッジし始めていると。
10月の安倍首相の訪中での、習近平との会談内容で、両国が接近姿勢を示したことを指しているのですね。
とはいえ、日本政府の長期的な想定は、日本の安全保障と独立に対する唯一最大の脅威は依然として中国だ、という見方で、深い理解も。
日本の島国経済が開かれたシーレーンに依存していることが分かっている東京の政策立案者は、急拡大する中国海軍に悩まされている。
このため日本政府は、米国にとどまらず、幅広い国際的関係を育むことに熱心になっていると鋭い見方。日本のオールド偏向メディアよりまっとうな見方。
地域の主要民主主義国の非公式ネットワークを構築する取り組みとして、安倍政権は、広大な地域の両端を潜在的に支える支柱となるインドとオーストラリアを主要パートナーとする「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」を築くことに取り組んでいることに注目してくれています。
日経と資本関係があるとはいえ、英国紙が正しい視点で見ていてくれることは、とかくはるか遠い極東の事情にうとい欧州で、貴重な存在ですね。
インド太平洋地域の大半の国は権威主義的な中国の影で暮らすことを望んでいない、一緒になって中国に対抗できるはずだ、という日本政府の認識だとの指摘は、日本の思い込みでの独走を戒めていただいていると、真摯に受け止めねばりません。
トランプ大統領の出現は、平成の黒船です。
米国の核の傘におんぶにだっこで護られてきた日本が、普通の国に脱皮し、自国は自国で護る。足らない相手には、同志と連携を図り平和を構築する。
「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」は、冒頭の米豪連携に観られるように、トランプ大統領も積極的に取り組んでいます。
オーストラリア、インドは英国連邦の国です。EUから抜ける英国。「CPTPP(TPP11)」への関心が高まっている様子。
取組が進むことを期待します。
# 冒頭の画像は、中国がアメリカからの輸入車への関税を引き下げ・撤廃することで合意した、 G20首脳会議が開催されていたアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで両国会談。
「車関税40%」引き下げ・撤廃へ 米中貿易戦争が休戦? - FNN.jpプライムオンライン

モンシロチョウ
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片や、中国も地域に多額の投資を行っており、軍事基地の開設を目指していると噂されている。
世界第3位の経済大国、中国の隣人、そして米国の緊密な同盟国として、日本はアジアの勢力バランスにとって最も重要な存在になっていると指摘するのは、Financial Times。
台頭する中国を相手にする日本の奮闘 緊張緩和を図る安倍首相、それでもアジアの超大国は重大な脅威 | JBpress(日本ビジネスプレス) 2018.12.5(水) Financial Times
日本の政府関係者にとって、パプアニューギニアで最近開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、若干気まずさを覚える追憶の旅だった。
ニューギニア島は第2次世界大戦でも特に激しい戦闘の舞台となり、米軍、オーストラリア軍との戦いで10万人以上の日本兵が命を落とした場所だ。
サミットに出席した日本の代表団は、この目立たない世界の一角が今再び、強国同士の争いの舞台になりつつあるという強い感触を得て東京に戻った。
APEC首脳会議と時を同じくして、オーストラリアと米国がパプアニューギニアのマヌス島で海軍基地を共同で開発する計画が発表された。
南太平洋で増大する中国の影響力に対抗しようとする明白な取り組みの一環だ。
一方、中国も地域に多額の投資を行っており、軍事基地の開設を目指していると噂されている。
米中間で高まる緊張は日本の一部の戦略家に、1930年代の米国と日本のライバル関係を思い出させる。
ある日本政府高官は筆者に「中国人はまだ、自国のリーダーシップが脅かされていると感じた時に米国人が容赦ない反応を示すことを理解していない」と話してくれた。
だが、同じ高官は、米国に挑むうえで、中国は1930年代の日本よりも強い立場にあると指摘している。
真珠湾攻撃の時点で、日本経済の規模は米国経済の1割にすぎなかった。これに対し、中国経済は今、米国経済の規模の6割に達しており、購買力平価ベースでは米国より大きい。
東京の関係者がふけるこうした物思いは、北京で激しい怒りを呼ぶ。
中国側は、中国による投資主導のアジア進出は――あるいは南シナ海での軍事基地の建設でさえ――、1930年代、1940年代の日本の残虐な軍事行動とは全く比べ物にならないと訴える。
歴史的な緊張がいつまでも消えないために、日本の役割は確実に、米中間で高まるライバル意識の公平なオブザーバーの域を大きく越える。
世界第3位の経済大国、中国の隣人、そして米国の緊密な同盟国として、日本はアジアの勢力バランスにとって最も重要な存在になっているのだ。
安倍晋三首相にとっては、国内外のすべての政策の統一テーマは、次第に力を増す中国に対処できるよう自国を備える取り組みだ。
安倍氏は2012年、領有権が争われている東シナ海の島々をめぐり中国に立ち向かう指導者になると約束し、首相の座に就いた。
安倍政権は、軍隊(自衛隊)が米国とともに戦うのが容易になるように憲法の解釈も変えている。
だが、ドナルド・トランプ米大統領は同盟相手として、いら立たしく、警戒すべき存在にもなり、中国だけでなく日本に対しても関税の脅しを振りかざしている。
このため日本は賭けをヘッジし始めている。
中国は日本にとって最大の貿易相手国であり、日本のある外交官が指摘するように「日本企業はまだ中国の巨大市場に大きな重点を置いている」からだ。
もし日本政府が中国政府との緊張を和らげられるのであれば、そうするだろう。
今年10月には安倍氏が北京を訪問し、習近平国家主席との間で、両首脳が2012年に権力を握って以来最も友好的な会談を持った。
とはいえ、日本政府の長期的な想定は、日本の安全保障と独立に対する唯一最大の脅威は依然として中国だ、という見方だ。
安倍政権は、日中間の経済的、軍事的なギャップが大きいこと、しかもさらに広がっていることを承知している。
急拡大する中国海軍は、自国の島国経済が開かれたシーレーンに依存していることが分かっている東京の政策立案者の想像を悩ませる。
このため日本政府は、米国にとどまらず、幅広い国際的関係を育むことに熱心になっている。
安倍政権の大きな外交イニシアティブは、地域の主要民主主義国の非公式ネットワークを構築する取り組みだ。
大きな狙いは、インドとオーストラリアを主要パートナーとする「自由で開かれたインド太平洋」を築くことだ。
両国はともに仲間の民主主義国にして重要な経済国であり、広大な地域の両端を潜在的に支える支柱となる。
日本のインド太平洋ビジョンは、開発支援や投資――中国が往々にして支出額で上を行ける分野――だけでなく、法の支配、開放性、自由貿易、航行の自由といった「基本的価値の普及」にも重点を置いている。
このスローガンの背後にあるのは、インド太平洋地域の大半の国は権威主義的な中国の影で暮らすことを望んでいない、一緒になって中国に対抗できるはずだ、という日本政府の認識だ。
<後略>
日本の政府関係者にとって、パプアニューギニアで最近開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、若干気まずさを覚える追憶の旅だった。
ニューギニア島は第2次世界大戦でも特に激しい戦闘の舞台となり、米軍、オーストラリア軍との戦いで10万人以上の日本兵が命を落とした場所だ。
サミットに出席した日本の代表団は、この目立たない世界の一角が今再び、強国同士の争いの舞台になりつつあるという強い感触を得て東京に戻った。
APEC首脳会議と時を同じくして、オーストラリアと米国がパプアニューギニアのマヌス島で海軍基地を共同で開発する計画が発表された。
南太平洋で増大する中国の影響力に対抗しようとする明白な取り組みの一環だ。
一方、中国も地域に多額の投資を行っており、軍事基地の開設を目指していると噂されている。
米中間で高まる緊張は日本の一部の戦略家に、1930年代の米国と日本のライバル関係を思い出させる。
ある日本政府高官は筆者に「中国人はまだ、自国のリーダーシップが脅かされていると感じた時に米国人が容赦ない反応を示すことを理解していない」と話してくれた。
だが、同じ高官は、米国に挑むうえで、中国は1930年代の日本よりも強い立場にあると指摘している。
真珠湾攻撃の時点で、日本経済の規模は米国経済の1割にすぎなかった。これに対し、中国経済は今、米国経済の規模の6割に達しており、購買力平価ベースでは米国より大きい。
東京の関係者がふけるこうした物思いは、北京で激しい怒りを呼ぶ。
中国側は、中国による投資主導のアジア進出は――あるいは南シナ海での軍事基地の建設でさえ――、1930年代、1940年代の日本の残虐な軍事行動とは全く比べ物にならないと訴える。
歴史的な緊張がいつまでも消えないために、日本の役割は確実に、米中間で高まるライバル意識の公平なオブザーバーの域を大きく越える。
世界第3位の経済大国、中国の隣人、そして米国の緊密な同盟国として、日本はアジアの勢力バランスにとって最も重要な存在になっているのだ。
安倍晋三首相にとっては、国内外のすべての政策の統一テーマは、次第に力を増す中国に対処できるよう自国を備える取り組みだ。
安倍氏は2012年、領有権が争われている東シナ海の島々をめぐり中国に立ち向かう指導者になると約束し、首相の座に就いた。
安倍政権は、軍隊(自衛隊)が米国とともに戦うのが容易になるように憲法の解釈も変えている。
だが、ドナルド・トランプ米大統領は同盟相手として、いら立たしく、警戒すべき存在にもなり、中国だけでなく日本に対しても関税の脅しを振りかざしている。
このため日本は賭けをヘッジし始めている。
中国は日本にとって最大の貿易相手国であり、日本のある外交官が指摘するように「日本企業はまだ中国の巨大市場に大きな重点を置いている」からだ。
もし日本政府が中国政府との緊張を和らげられるのであれば、そうするだろう。
今年10月には安倍氏が北京を訪問し、習近平国家主席との間で、両首脳が2012年に権力を握って以来最も友好的な会談を持った。
とはいえ、日本政府の長期的な想定は、日本の安全保障と独立に対する唯一最大の脅威は依然として中国だ、という見方だ。
安倍政権は、日中間の経済的、軍事的なギャップが大きいこと、しかもさらに広がっていることを承知している。
急拡大する中国海軍は、自国の島国経済が開かれたシーレーンに依存していることが分かっている東京の政策立案者の想像を悩ませる。
このため日本政府は、米国にとどまらず、幅広い国際的関係を育むことに熱心になっている。
安倍政権の大きな外交イニシアティブは、地域の主要民主主義国の非公式ネットワークを構築する取り組みだ。
大きな狙いは、インドとオーストラリアを主要パートナーとする「自由で開かれたインド太平洋」を築くことだ。
両国はともに仲間の民主主義国にして重要な経済国であり、広大な地域の両端を潜在的に支える支柱となる。
日本のインド太平洋ビジョンは、開発支援や投資――中国が往々にして支出額で上を行ける分野――だけでなく、法の支配、開放性、自由貿易、航行の自由といった「基本的価値の普及」にも重点を置いている。
このスローガンの背後にあるのは、インド太平洋地域の大半の国は権威主義的な中国の影で暮らすことを望んでいない、一緒になって中国に対抗できるはずだ、という日本政府の認識だ。
<後略>
ある日本政府高官は筆者に「中国人はまだ、自国のリーダーシップが脅かされていると感じた時に米国人が容赦ない反応を示すことを理解していない」と話してくれた。と同時に、米国に挑むうえで、中国は1930年代の日本よりも強い立場にあるとも。
真珠湾攻撃の時点で、日本経済の規模は米国経済の1割にすぎなかった。これに対し、中国経済は今、米国経済の規模の6割に達しており、購買力平価ベースでは米国より大きい。
中国側は、中国による投資主導のアジア進出は、1930年代、1940年代の日本の残虐な軍事行動とは全く比べ物にならないと訴えると。
南シナ海での軍事基地の建設は棚上げ?
米中の対立が、貿易戦争の域を超え、覇権争いに発展してきている今、世界第3位の経済大国、中国の隣人、そして米国の緊密な同盟国として、日本はアジアの勢力バランスにとって最も重要な存在になっていると、 Financial Timesでも認識される様になっているのですね。
安倍氏は2012年、領有権が争われている東シナ海の島々をめぐり中国に立ち向かう指導者になると約束し、首相の座に就いたとも。
ただ、Financial Timesは、興味深い見方も。
日本にとって、トランプ米大統領は同盟相手として、いら立たしく、警戒すべき存在にもなり、中国だけでなく日本に対しても関税の脅しを振りかざしている。
中国は日本にとって最大の貿易相手国であり、「日本企業はまだ中国の巨大市場に大きな重点を置いている」ことから、日本は賭けをヘッジし始めていると。
10月の安倍首相の訪中での、習近平との会談内容で、両国が接近姿勢を示したことを指しているのですね。
とはいえ、日本政府の長期的な想定は、日本の安全保障と独立に対する唯一最大の脅威は依然として中国だ、という見方で、深い理解も。
日本の島国経済が開かれたシーレーンに依存していることが分かっている東京の政策立案者は、急拡大する中国海軍に悩まされている。
このため日本政府は、米国にとどまらず、幅広い国際的関係を育むことに熱心になっていると鋭い見方。日本のオールド偏向メディアよりまっとうな見方。
地域の主要民主主義国の非公式ネットワークを構築する取り組みとして、安倍政権は、広大な地域の両端を潜在的に支える支柱となるインドとオーストラリアを主要パートナーとする「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」を築くことに取り組んでいることに注目してくれています。
日経と資本関係があるとはいえ、英国紙が正しい視点で見ていてくれることは、とかくはるか遠い極東の事情にうとい欧州で、貴重な存在ですね。
インド太平洋地域の大半の国は権威主義的な中国の影で暮らすことを望んでいない、一緒になって中国に対抗できるはずだ、という日本政府の認識だとの指摘は、日本の思い込みでの独走を戒めていただいていると、真摯に受け止めねばりません。
トランプ大統領の出現は、平成の黒船です。
米国の核の傘におんぶにだっこで護られてきた日本が、普通の国に脱皮し、自国は自国で護る。足らない相手には、同志と連携を図り平和を構築する。
「自由で開かれたインド太平洋戦略(FOIP)」は、冒頭の米豪連携に観られるように、トランプ大統領も積極的に取り組んでいます。
オーストラリア、インドは英国連邦の国です。EUから抜ける英国。「CPTPP(TPP11)」への関心が高まっている様子。
取組が進むことを期待します。
# 冒頭の画像は、中国がアメリカからの輸入車への関税を引き下げ・撤廃することで合意した、 G20首脳会議が開催されていたアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで両国会談。
「車関税40%」引き下げ・撤廃へ 米中貿易戦争が休戦? - FNN.jpプライムオンライン

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↓よろしかったら、お願いします。



