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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

安倍政権はTPP交渉参加の決断が出来るか

2012-12-22 23:50:04 | my notice
 安倍政権は、経済の再生を強く掲げて始動準備を進めています。
 選挙に際し唱えていた、「竹島の日」の国による式典や、尖閣での実効支配強化策などの見送りを決定するなど、大勝で政権の座に就いて、参院選を意識したせいか、決断や行動の先送りが目立つようになりました。いざ政権の座に就くと、変わるのは「出来ないことは言わない」と言って期待を持たせた安倍政権といえども、変わるのですね。
 普天間移転も、沖縄県出身の議員は県外移設を主張し、石破氏は辺野古経由県外と言い、安倍氏は辺野古移転と言い、民主党同様に党内の統制がとれていません。
 現実に即して、国益に沿う様に変わるといえば、TPP交渉参加も、公明党との政策協定で変化が見られました。
 「TPP交渉参加は阻止します。」と公言して当選している議員がいる中で、世界は日本の為に時計を止めてはくれません。交渉参加の決断の期限は迫っていますが、ここでも先送りなのでしょうか?
 

TPP決断参院選前か (12/22 読売朝刊)

 自公連立政権合意の中には、来夏の参院選後に判断を先送りできない課題
もある。
 「TPPに参加してもらいたい」
 21日朝、都内のホテルでの会合で、自民党の安倍総裁は、情報技術(IT)産業などの企業で作る経済団体、新経済連盟(新経連)の関係者から強い要望を受けた。
 
連立政権合意の最終案では、「TPPについては、国益にかなう最善の道を求める」とした。自民党政調関係者は「『国益にかなう』という表現なら、推進とも反対とも読める
」と語る。
 自民党は衆院選で「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、TPP交渉参加に反対」と公約に掲げた。ここにきて、
じわりと方針転換
に踏み出したのは、交渉参加表明の「タイムリミット」が迫っているためとの見方がある。公明党も衆院選公約では「十分な国民的議論ができていない」として、慎重な姿勢だった。
 TPPは関税の撤廃・見直し、貿易や投資のルール作りを通じて、参加国が太平洋地域の発展を目指す取り組みだ。米国や豪州、カナダ、メキシコなど11か国がすでに交渉を始めており、来年中の合意を目指している。来年10月にインドネシアで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が合意の一つの節目になりそうだ。
 しかも、日本の交渉参加には米連邦議会の「90日ルール」という関門がある。米国が他国と通商交渉を始めるには、議会で90日間かけて承認を得なければいけない。
 このため、
来夏の参院選後の交渉参加表明では、90日ルールに阻まれ、10月の合意には間に合わない
可能性が高く、「参院選前の交渉参加表明が最後のチャンス」との見方がある。
 日本が交渉参加の判断を先延ばしするほど、すでに交渉参加している関係国同士でルール作りが進み、
日本に不利なルールを押しつけられる
可能性も高まる。
 ただ、自民党の有力支持団体であるJA(農協)などはTPPに強く反対しており、
参院選前の交渉参加表明が選挙戦に影響を与えるのは確実で、安倍氏は難しい判断を迫られそうだ。まずは来年1月に予定する訪米でオバマ米大統領にTPPについてどう伝えるかが焦点となる。

 TPPと言えば、医療や保険、関税外障壁など取りざたされますが、農業が最も注目を浴びています。
 しかし、農業改革は、TPPとは関係なく高齢化・担い手不足が深刻で緊急の課題です。TPP参加の如何にかかわらず、検討を開始せねば破綻の危機にあります。
 
日本の農業再生 - 遊爺雑記帳

 交渉にも参加せず、ただ怯えて鎖国する。それで日本の経済再生が出来るほど、世界の経済状況や、国内の少子高齢化での市場縮小状況は甘くありません。
 金融・財政出動で、マインドを変え流れを転換することは大切ですが、実態の経済活動が活発化しなければ、金余りを招き、金融バブルが進みそのバブルが崩壊するといった近年の世界経済の悪循環の繰り返しをするだけです。
 実態経済を活性化させるには、市場の購買力を増すか、市場のパイを広げるしかありません。高度成長経済下であれば市場の購買力は右肩上がりで伸びますが、日本経済にその力は、今はありません。
 市場のパイを広げる=自由貿易を拡大するしかありません。特に、世界が注目するアジアの市場への連結が必要です。
 RCEPを唱える論もありますが、まだまだ構想段階で、夢の世界に近く、現実味は薄く、現実化したとしても、農業問題は同様に存在します。二国間交渉の、FTA, EPAにしても、オーストラリアとのEPAに見られるように、農業問題で交渉が停まってしまうのは、日本の農業改革の国内問題が解消していないからです。

 現実に多国間交渉が進み、遅れていた合意も近いとされるTPPに、交渉もせず逃げて鎖国をすることでの、不戦敗は防げとの声があります。同感です。
 

安倍政権に望む TPP「不戦敗」避けよ 伊藤隆敏 東大教授 (12/22 読売朝刊)

 新政権は、安倍総裁にとって2度目のチャンスだが、停滞してきた日本経済にとっては立て直しのラストチャンス
とも言える。
 前回の安倍政権だった約6年前と比べ、名目国内総生産(GDP)は7%も下がっている。その後、衆参の多数派が異なる「ねじれ国会」という政治状況が続き、重要なことは何も決められなかった。この間、消費税率の引き上げを含む社会保障と税の一体改革を決めたことが唯一の成果だ。
 
人口が減っていく中で経済成長を維持するのは至難の業だ。医療や介護、農業などの分野で規制を取り除いて成長産業を育てることや、輸出・輸入の双方を増やし、生活を豊かにしていくことが求められる。米豪など11か国による環太平洋経済連携協定(TPP)交渉には、ぜひ参加してほしい

 
交渉参加しないというのは不戦敗だ。TPP交渉参加のタイミングは、早ければ早いほど、日本の立場を主張できる余地が大きくなる。遅れれば「11か国で決めたことをのみなさい」と言われる可能性が高まる。「安倍政権は、貿易拡大による成長戦略をとるんだ」という強いメッセージを出すべき
だ。
 安倍氏は「聖域なき関税撤廃を原則にするのなら反対」と言っているが、全く何の規制も設けないという経済連携協定はあり得ない。「聖域」の定義を狭く捉えれば、米国ですら聖域はある。豪州との自由貿易協定(FTA)で、米国は砂糖を例外にしている。日本に聖域があっても問題はない。もし本当に聖域がないんだったら、
交渉を決裂させて帰ってくるというくらいの気持ちで臨めばいい

 物価が持続的に下がるデフレからの脱却については、(あらかじめ明示した物価上昇率を実現するように中央銀行が政策運営をする)インフレ目標を導入することが有効な手段となる。目標を達成できなかった場合、日本銀行総裁の責任を問うといった枠組みを整えることが重要だ。
 衆院選後、円安が進んで株価が上昇しているのは、新政権が今までにない手段を使ってでもデフレを克服しようとしていることを市場が評価しているからだ。リーマン・ショック後、日本は(大量のお金を市場に流し込む)量的緩和の国際的な流れに乗ることができなかった。日銀は、自らの政策が景気浮揚にどうつながっていくと考えているのか、市場とよく対話していく必要がある。

 金融・財政政策だけでは、カンフル剤の役目は出来ても、持続する経済成長の基盤構築には限界があります。遅れている少子化対策は、目途さえたっていません。
 製造業の六重苦を解消し、市場のパイを広げることで、アジアの活力と連結することが、金融・財政政策が産むカンフル剤効果を活かす道です。それには、TPPが即効性のあるベターな選択です。
 勿論、国内の農業改革の同時進行が必須条件です。

 政権を取り、更に参院選をにらみ、選挙時の公約から変化を見せる安倍政権。
 TPPの"交渉"参加の決断を出来るのでしょうか。一人区の心配の少ない参院選では、TPP交渉不参加の不戦敗での票の喪失のほうが大きいかもしれません。
 日本経済を復興させることを喫緊の最大目標とするのなら、TPP"交渉"参加を、決断されることを願います。



 # 冒頭の画像は、政策協定会談に臨む、自民党の甘利明政調会長(右)と公明党の石井啓一政調会長




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