民主党が国内法に則り処罰すると言いながら、姿勢がブレて最後は地検のせいにしてうやむやなまま船長を帰してしまうという、国家の主権が損なわれる大失政を演じ、以後、中国はもとより、ロシアのメドベージェフ、韓国の李明博の不法占拠強化の行動を招くまでに至りました。
そんな風化しかけていた東シナ海のガス田開発。中国は何故また新規開発を始めたのでしょう?
民主党政府 白樺ガス田の5割超の権益を中国に - 遊爺雑記帳
日中間の境界が画定していない東シナ海の日中中間線付近で、中国が新たなガス田開発に着手したことについて、日本政府は「東シナ海での一方的な独自開発を見合わせるとした2008年の合意に抵触する」と反発を強めている。
開発行為が確認されたのは、中間線から中国寄りの西側約26キロ・メートル、中間線上の樫(中国名・天外天)ガス田からは北北東約33キロ・メートルの地点。菅官房長官は3日の記者会見で、先月27日に河相周夫外務次官(当時)が中国の程永華駐日大使に、北京の日本大使館が中国外務省に、それぞれ抗議したことを明らかにした。
日本側は自衛隊や海上保安庁の航空機で現場海域を監視しており、「ごく最近」(政府筋)になって、中国の大型海上クレーン船によるガス田掘削用とみられる海洋プラットホーム(海上施設)の新設作業を確認した。日中間では08年6月、?中間線をまたぐ海域に共同開発区域を設ける?中間線の白樺(中国名・春暁)ガス田を日中共同で開発する━━ことで合意、中間線にある樫、翌檜(同・龍井)、楠(同・断橋)の3ガス田の扱いは継続協議とした経緯がある。
新たな開発現場は中間線から一定程度離れており、「中間線の日本側と地下構造がつながっているとは限らない」(政府筋)とされるが、地下構造がつながっている場合、中国側のガス採掘で日本側のガスも吸い取られるおそれがある。
中国は、10年の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件をきっかけに、08年合意を実現するための条約締結交渉を中断している。日本は交渉再開と、一方的な開発中止を呼びかける構えだ。
中国外交部の華春瑩報道官のコメント報道で、産経に微妙な表現がありました。
中国「抗議受け入れられない」 東シナ海ガス田施設建設 - MSN産経ニュース
華春瑩報道官は3日の定例記者会見で、新たな施設の建設について「報道で知った」と事実の確認を避けた。その上で「(報道が事実とすれば)中国は自国が管轄する海域で開発活動を行っており、日本側の抗議は受け入れられない」と述べた。とあります。
華春瑩報道官は、以前のレーダー照射事件の時にも、知らないので担当部署に聞いてくれといったことがありました。
つまり、外交部≒政府が指示している行為ではないと言いたいのでしょうか。
しかし、レーダー照射以上に新規ガス田開発が着手されている事実は明白ですし、2008年6月の共同開発合意に反する可能性があります。
華春瑩報道官は何故「報道で知った」と、責任放棄をしたのでしょう。何故今新規開発なのでしょう。
華春瑩報道官の責任放棄の発言は、以下が推測されます。
①中国のお家芸の、最初はジャブを小さく出して、世論の反応を見ながらエスカレートさせる戦術。
②本当に知らなかった。=中国政府内で意思疎通を欠いて新規開発が行われている。
知らなかったのは、外交部レベルなのか、政府トップレベルなのかでことの重大性は変わりますが。
何故今新規開発なのか。
①かつてはEEZ境界線の争いだったものを、尖閣の領海争いにまで押し込んだので、堂々と着手し中国の実績造りをした。
≒慢心、驕りからの勇み足
②尖閣の領有権争いを公式に認めない日本にいらだつ中国は、EEZ境界でも争いがあることを改めて世界にPRした。
≒尖閣の領有権争いの戦線を、積極的に拡大
埋蔵量は少なく、事業としては赤字が予測さされる東シナ海のガス田開発。中国がこだわるのは、東シナ海の制海権確立です。ガス田として建造物を構築し、制海権確立の一助にしようとしているのですね。
尖閣の領有も同様で、第一列島線での米国防衛ラインの確立が目的なのですね。
何故の回答は、今後の推移を観るとして、中国の侵略作戦がまた新たな段階へ進もうとしていることは間違いないでしょう。
日本の対応としては、かつて故中川昭一氏が経産相時代に、中国が独断先行するなら日本も探査を開始すると中国を牽制した様に、合意違反をただ口先で抗議するだけではなく、行動も辞さない覚悟を示すべきでしょう。
安倍政権は参議院選挙が終わったら行動しようと考えているのでしょうか。
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東シナ海ガス田 日本が試掘すれば、中国は軍艦を出す - 遊爺雑記帳
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