しかし、オバマ政権の本音は日中などの争いに巻き込まれたくない、輸出先として大きな市場の中国と敵対したくないとの気持ちも漏れ出ていて、中国に気遣う発言が随所にみられましたね。
今回のオバマ氏のアジア歴訪について、中国当局は「中国を挑発する旅だ」と受け止めていて、中国外務省の秦剛報道官は、オバマ氏の中国に対する一連の言動への不快感を表したのだそうですね。
習近平は米国に「新二大国時代」の提案をし、米国も乘りかけていますが、習近平の最大の敵は、どうやら中国国民らしいという説があります。
巨大と言われる防衛費より国内の治安維持費の方が大きいとされる所以ですが、一段とその危機が高まってきているのだそうです。
米大統領歴訪 「挑発の旅」習政権不快感 (産経新聞) - Yahoo!ニュース
尖閣に日米安保適用 オバマ大統領の本心 :日本経済新聞
4月21日、浙江省温州市蒼南県である事件が起こった。行政と民が路上で衝突、それをきっかけに大きな暴動事件に発展した。筆者はこの事件に注目している。なぜならば、事件のきっかけが“ほんの些細な出来事”だったからだ。
事件の発端となったのは、通りすがりの男性が行った携帯電話による撮影だった。この男性が撮影したのは、城市管理行政執法局の係員が行った“道端の取り締まり風景”だった。
この係員は、市民からは「城管」(chengguan)の略称で呼ばれ、主に路上での飲食販売や物品販売などの違法営業の取り締まりなどを行っている。
しかし、その取り締まりはむしろ“無慈悲ないじめ”にも近い。路上で物を売る人たちは、日銭で生き延びる、いわば社会の底辺層である。そんな彼らの営みを、法令法規をかざして蹴散らす城管は、庶民にとって恐ろしい敵だと言ってもよい。
城管もまた日頃のストレスを“庶民いじめ”で解消しているような節もある。彼らもまた低収入で生活はカツカツ、社会に対する不満は小さくない。
蒼南県で、この城管の取り締まりを巡って衝突が起きた。衝突した相手は道端の行商人ではない。彼らの立場に同情し、取り締まり現場にカメラを向けた1人の男性だった。この男性は城管の行為に「やめろ」と声を上げ、その一部始終をカメラに収めようとした。
城管もこの男性の撮影行為に対し「やめろ」と阻止した。ところがこの男性が写真を取り続けたため、数人の城管がこの男性に対し、殴る蹴るなどの暴行を加えたのだ。
中国ではひとたび喧嘩が起きると、必ずと言っていいほど分厚い人垣ができる。彼らを取り囲んでいた誰かがネット上でつぶやいたのだろうか、「城管が人を殴り殺した」とするデマが瞬く間に広まり、群衆が事件発生現場に集まってきた。事態はたちまちエスカレートし、今度は複数名の城管が民衆によって袋叩きにされた。
さらに現場には、城管を救出しようと公安車輛と中型バスが到着。だが、それらもまた群衆に囲まれ破壊行為の対象になった。現地紙によれば、タマゴや石を投げつける民衆もいたという。
ある日突然、暴徒化する民衆
中国では近年こうした暴力事件が増えている。反日デモのような「官制」という性格のものもあれば、新疆ウイグル自治区の独立を叫ぶ「組織立ったテロ活動」もある。自爆テロや連続爆破事件などは、中国各地で頻発している。
さらに注目すべきは、一般民衆による抗議活動である。不動産価格の下落や賃金の不満を抱える者たちによる抗議活動は、多くの場合、暴力沙汰にまで発展する。
直近では、4月14日に広東省の有名家電メーカー、広東中山格蘭仕(Galanz)の新工場で従業員らによる暴動が起きた。動機は「提示された給料と実際の額が違う」という給料への不満だった。従業員100人らが暴徒と化し、宿舎や食堂、スーパーやフォークリフト、コンピューターなど工場内の施設や設備を破壊した。
こうした事例は枚挙にいとまがないが、上述した蒼南県の衝突事件は、思想や政治的要求、あるいは経済的要求が引き起こした暴力沙汰ではない。普段は黙って生活苦に耐える一般民衆が、ある日突然ささいなきっかけによって暴徒化する危険性を物語る事例となった。
暴動の規模が容易に拡大する背景には「ネット上のデマ」が存在する。瞬時にして広まるデマの恐ろしさは中国当局も認知している。現在、流言は厳しい取り締まりの対象となっているものの、それでも抑えきれないというのが実情だ。
政府は「自信」をなくしつつある
中国社会と民衆心理の変化について、北京大成(上海)律師事務所の高級顧問、高居宏文氏は次のように指摘している。
「中国では、今後さらに暴動が起こる可能性が高い。若者は一生懸命働いても報われない社会に絶望し、老人は支給された養老保険では生活できない現状を不満に思っています。根底にあるのが“将来が見えない”という不安。中国社会は今、火が付きやすい危険な状況にあると言えるでしょう」
その「火が付きやすい危険な状況」を裏付けるのが、上海の治安維持の強化だ。上海では4月20日から、武装警察に加えて、市内を巡視する1000名余りの警察官が拳銃と実弾を常時携帯するようになった。
背景には、今年3月1日に中国雲南省昆明市の昆明駅で発生した無差別殺傷事件がある。この事件以降、上海の繁華街には武装警察の車が乗り入れ、駅の構内では抜き打ちの職務質問が繰り返されるようになった。いつ何時、起こるか分からないテロ、突発事件のリスクが上海においても高まっているのだ。
上海の国際都市としての魅力の1つは「治安」にあった。治安の良さが、外国からの多くの投資や外国人居住者を引き寄せてきた。しかし今では、銃なくしては抑えきれないというところまで治安が悪化しているのだ。
こうした動きについて、高居氏は次のように語る。
「これまで中国の一般の警察は銃を所持しないことを誇っていました。中国政府の威信と力で平和が維持され、社会の安定がもたらされていることの表れだったからです。それが一転して銃を所持するようになった。これは、『政府の威光で抑えられるという自信』が失われていることを示唆するものです」
ちなみに、北京でも治安維持が強化されている。2013年10月に起きた天安門前の車両突入事件はウイグル族が関与したものとされている。同様の事件が再び起こることを警戒しているのだ。北京に駐在する日本人は「装甲車が走り回っている」と不安げに語る。
力による制圧は次の暴動を呼び起こす
中国人は基本的に快活で前向きである。立ちはだかる艱難辛苦を乗り越えるそのタフさと底力には脱帽させられるものがある。だが、そのエネルギーが今向かおうとする先は「明日の祖国建設」ではない。
国家の面子や威信の犠牲となり、経済成長に生活は追いついていけない。民衆の焦りと失望は怒りに転化し、おのずと政府に向かう。
何百万人規模の暴動が起きれば、もはや政府も抑えきれないだろう。仮に政府がそれを弾圧しようものなら、必ず次の暴動を呼び起こす。それは「蒼南県の衝突事件」に述べた通りだ。
中国では、オバマ大統領訪日のニュースを差し置いて、蒼南事件にいまだ高い関心が向けられている。国民が疑心暗鬼になり、政府もより過敏で神経質になる中国社会。国民の不満は、各地で“余震”を繰り返しながら、政治や社会、経済の“断層”に、いつ爆発するとも知れない巨大なエネルギーを蓄えつつあるようだ。
中国のデモといえば反日デモが思い起こされ、これは官制デモでもありました。
しかし、この中には、政府の政治に対する不満のはけ口として参加しているものがあるとも言われ、一定の対日アピールが達成されると急速に終焉させられてきました。
しかし、反日デモの中に、毛沢東の肖像を掲げるものがまぎれ明らかに、反政府の主張がみられ始めたのが、胡錦濤政権末期で習近平政権への橋渡しの時期、薄煕来の「昌紅」運動が隆盛しはじめたのは、国民の中の格差への不満の顕れでした。
胡錦濤、習近平の手で薄煕来は失脚させられ、国民の格差社会への反発運動は一旦は弾圧されましたが、水面下では膨らみ続けているのですね。
なので、一触即発、普段は耐えている思想や宗教に偏ったりしていない一般民衆でも暴徒化してしまう社会になってきているというのです。
格差社会、一党独裁での弾圧社会といったなかで、キリスト教が広まっているのだそうで、その弾圧も始まっているとの報道もあります。日本での徳川時代の鎖国政策の様な時代錯誤。
中国当局がキリスト教会取り壊し NHKニュース
若者は働き口がない。老人は養老保険では生活していけない。農民の土地などは地方政府の乱開発の為に取り上げられる。大気汚染は進む。中国社会は今、火が付きやすい危険な状況にあるというのです。
その溜まり続ける不満のマグマは、いつ大爆発するか判らない。
なので、習近平はガス抜きの反日プロパガンダに血道をあげることに追い込まれる。
習近平のもっとも怖い敵は、この国民の不満のマグマ溜まりなのですね。
日本は、この国民を支援・解放してあげるべきでしょう。ただ、気をつけなくてはいけないのは、さきの戦争で、中国に弾圧された朝鮮を解放するに際し、日本単独で行ったことから、敗戦により日本の悪行として語られています。
今回は、日米同盟やアジアの諸国と連携し、新帝国主義の一党独裁政治の国から国民を救うことが求められます。
政府の行動には限界がありますから、日本のメディアも、世界へ向けての発信を拡大すべきです。
# 冒頭の画像は、破壊される中国のキリスト教会
この花の名前は、アケボノソウ 撮影場所;六甲高山植物園(2013年 9月 撮影)
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