中国は、無人探査機「嫦蛾3号」を月に軟着陸させ、探査車「玉兎号」による月面での活動を開始しましたね。
米露に続いて月を周回する衛星では日本が3番目で、「ひてん」「かぐや」がありましたが、軟着陸させたのは中国が日本を追い越して3番目となりました。
軟着陸や探索車の月面への繰り出し等は中国の独自開発の技術と言うことで、追い越されたことは残念ですが敵ながらあっぱれと言えます。
この花の名前は、メランポジウム
↓よろしかったら、お願いします。
米露に続いて月を周回する衛星では日本が3番目で、「ひてん」「かぐや」がありましたが、軟着陸させたのは中国が日本を追い越して3番目となりました。
軟着陸や探索車の月面への繰り出し等は中国の独自開発の技術と言うことで、追い越されたことは残念ですが敵ながらあっぱれと言えます。
月着陸 中国の技術誇示 国威発揚・資源にも野心 (12/16 読売朝刊)
中国の習近平政権が無人探査機を月に着陸させ、探査車による月面での活動を開始した。中国の宇宙開発は軍事技術開発と表裏一体である上、月面着陸には将来的な月の資源獲得に向けた発言権を確保する狙いもある。野心的な中国の挑戦に対する米国などの懸念は強い。 (北京 牧野田亨、ワシントン 中島達雄)
■「成功」大々的宣伝
「嫦蛾(じょうが)3号」の動きを厳密に再現するコンピューターグラフィックス(CG)が北京の宇宙飛行管制センターの大スクリーンに映し出された。中国中央テレビは14日午後8時(日本時間同午後9時)から、その模様を中継した。
「点火!降下開始」。スタッフの声が響き渡ると、午後9時、嫦蛾3号は月の周回軌道を離れ、約15キロの高さから毎秒1.7キロで降下し始めた。「10キロ」「5キロ」と放物線を描き、瞬く間に月面に接近。7分後、搭載カメラがでこぼこの月面の画像を送信してきた。
その直後に急減速し、約100メートル上空で、いったん静止。着陸場所を確定後、再び降下を再開し、約4メートル上空でエンジンを止め、4本の脚で月面に軟着陸した。
14日深夜(同15日未明)、センターから、探査車「玉兎(ぎょくと)号」の分離を指示。嫦蛾3号の最上部に姿を現した玉兎号は、レール状の着陸補助装置を使つて、ゆっくり月面付近まで降ろされた後、徐々に前進し、15日午前4時35分、月面に轍をつけた。
習政権は着陸の「成功」を大々的に宣伝することで、国内向けに科学技術力を誇示し、国威発揚を図る考えだ。今後は、玉兎号の調査結果を根拠に、覇権的な「権益」を国際社会で最大限アピールする思惑とみられる。将来的な核融合発電の燃料で、地球にほとんど存在しないヘリウム3が、月には豊富にあるとされる。
「月探査を展開し、実際の成果を得て初めて、月の権益を享受する『通行証』を獲得でき、月の権益を守ることができる」。中国紙「北京青年報」は15日の社説で、政権の狙いをあらわにした。
軍事利用に直結 無人機開発、核の放射線対策懸念も
■「100%国産」
中国の宇宙開発担当者は、嫦蛾3号の技術の80%以上は新たな開発によるもので、玉兎号の技術は100%国産だと説明している。降下の際に自在に速度を調整できるエンジンや、安全な降下場所を自動選択する地表測定システムも新技術だという。昼夜で300度の寒暖差に耐える熱制御システムも「世界初」としている。
柱の先に付いたカメラや6輪、太陽電池などの玉兎号の外観は、米航空宇宙局(NASA)の火星探査車によく似ている。だが、米国の単なる模倣とは言えないようだ。宇宙航空研究開発機構の橋本樹明教授は「大きさや車輪の形など、非常によく設計されている。可動式の斜面を使って玉兎号を探査機の高い位置から降ろす方式は、独自に開発したものだろう」と話す。
月探査は、月に探査機を衝突させる米ソの試みから始まり、日本は、約20年前に、工学実験衛星「ひてん」で両国に次ぐ月軌道への到達と月面への落下に成功している。2007年には、月探査機「かぐや」で月上空からの高解像度撮影にも成功したが、その後の計画が続かず、月着陸は中国に追い越された。
問題は、中国の宇宙開発が軍事利用に直結していることだ。
NASAの元研究者で、米テキサス州ヒューストンの「月惑星研究所」のポール・スプーディス主任研究員は、「中国が長期的に目指すゴールは恐らく、地球と月の間の支配ではないか」という。現在、米国を初めとする多くの宇宙利用は、3万6000~300キロの範囲に限られ、それらをさらに上空から監視することにつながる。このほか、制御用のコンピュータープログラムや軟着陸技術、地球の周回軌道よりも強い宇宙放射線の遮蔽など、いずれも無人機の開発や核兵器による放射線の対策に応用が可能という。
一方、米海軍大学のジョアン・ジョンソンフリース教授は「中国共産党はアポロ計画で米国が何を得たか理解しており、自国の技術振興や理数系学生の増加など様々な分野を活性化させたいのだろう」と見る。
■無視できない存在感
宇宙開発を巡る中国の存在感は一段と高まっている。
中国は、15か国で構成される現在の国際宇宙ステーション(ISS)計画には参加しない一方で、有人宇宙船「神舟」計画を独自に進めてきた。だが、ISSの後を見据え、小惑星や月、火星の探査を目指す日米欧などの「国際宇宙探査協働グループ」(ISECG)には参加している。ISECGの計画はあまり具体化しておらず、参加国の中国に対する期待は大きい。
米国は、連邦議会などで中国との接近を警戒する声が強く、オバマ政権では、NASAの資金を中国との協力に使用したり、NASA関連施設に中国人を招くことを禁じる条項が予算関連法に盛り込まれた。しかし、この対応には研究者から批判が多く、適用を緩和する動きも出ている。
1国でも野心的な宇宙開発を追求する中国を無視できなくなりつつあるのも事実だ。
中国の習近平政権が無人探査機を月に着陸させ、探査車による月面での活動を開始した。中国の宇宙開発は軍事技術開発と表裏一体である上、月面着陸には将来的な月の資源獲得に向けた発言権を確保する狙いもある。野心的な中国の挑戦に対する米国などの懸念は強い。 (北京 牧野田亨、ワシントン 中島達雄)
■「成功」大々的宣伝
「嫦蛾(じょうが)3号」の動きを厳密に再現するコンピューターグラフィックス(CG)が北京の宇宙飛行管制センターの大スクリーンに映し出された。中国中央テレビは14日午後8時(日本時間同午後9時)から、その模様を中継した。
「点火!降下開始」。スタッフの声が響き渡ると、午後9時、嫦蛾3号は月の周回軌道を離れ、約15キロの高さから毎秒1.7キロで降下し始めた。「10キロ」「5キロ」と放物線を描き、瞬く間に月面に接近。7分後、搭載カメラがでこぼこの月面の画像を送信してきた。
その直後に急減速し、約100メートル上空で、いったん静止。着陸場所を確定後、再び降下を再開し、約4メートル上空でエンジンを止め、4本の脚で月面に軟着陸した。
14日深夜(同15日未明)、センターから、探査車「玉兎(ぎょくと)号」の分離を指示。嫦蛾3号の最上部に姿を現した玉兎号は、レール状の着陸補助装置を使つて、ゆっくり月面付近まで降ろされた後、徐々に前進し、15日午前4時35分、月面に轍をつけた。
習政権は着陸の「成功」を大々的に宣伝することで、国内向けに科学技術力を誇示し、国威発揚を図る考えだ。今後は、玉兎号の調査結果を根拠に、覇権的な「権益」を国際社会で最大限アピールする思惑とみられる。将来的な核融合発電の燃料で、地球にほとんど存在しないヘリウム3が、月には豊富にあるとされる。
「月探査を展開し、実際の成果を得て初めて、月の権益を享受する『通行証』を獲得でき、月の権益を守ることができる」。中国紙「北京青年報」は15日の社説で、政権の狙いをあらわにした。
軍事利用に直結 無人機開発、核の放射線対策懸念も
■「100%国産」
中国の宇宙開発担当者は、嫦蛾3号の技術の80%以上は新たな開発によるもので、玉兎号の技術は100%国産だと説明している。降下の際に自在に速度を調整できるエンジンや、安全な降下場所を自動選択する地表測定システムも新技術だという。昼夜で300度の寒暖差に耐える熱制御システムも「世界初」としている。
柱の先に付いたカメラや6輪、太陽電池などの玉兎号の外観は、米航空宇宙局(NASA)の火星探査車によく似ている。だが、米国の単なる模倣とは言えないようだ。宇宙航空研究開発機構の橋本樹明教授は「大きさや車輪の形など、非常によく設計されている。可動式の斜面を使って玉兎号を探査機の高い位置から降ろす方式は、独自に開発したものだろう」と話す。
月探査は、月に探査機を衝突させる米ソの試みから始まり、日本は、約20年前に、工学実験衛星「ひてん」で両国に次ぐ月軌道への到達と月面への落下に成功している。2007年には、月探査機「かぐや」で月上空からの高解像度撮影にも成功したが、その後の計画が続かず、月着陸は中国に追い越された。
問題は、中国の宇宙開発が軍事利用に直結していることだ。
NASAの元研究者で、米テキサス州ヒューストンの「月惑星研究所」のポール・スプーディス主任研究員は、「中国が長期的に目指すゴールは恐らく、地球と月の間の支配ではないか」という。現在、米国を初めとする多くの宇宙利用は、3万6000~300キロの範囲に限られ、それらをさらに上空から監視することにつながる。このほか、制御用のコンピュータープログラムや軟着陸技術、地球の周回軌道よりも強い宇宙放射線の遮蔽など、いずれも無人機の開発や核兵器による放射線の対策に応用が可能という。
一方、米海軍大学のジョアン・ジョンソンフリース教授は「中国共産党はアポロ計画で米国が何を得たか理解しており、自国の技術振興や理数系学生の増加など様々な分野を活性化させたいのだろう」と見る。
■無視できない存在感
宇宙開発を巡る中国の存在感は一段と高まっている。
中国は、15か国で構成される現在の国際宇宙ステーション(ISS)計画には参加しない一方で、有人宇宙船「神舟」計画を独自に進めてきた。だが、ISSの後を見据え、小惑星や月、火星の探査を目指す日米欧などの「国際宇宙探査協働グループ」(ISECG)には参加している。ISECGの計画はあまり具体化しておらず、参加国の中国に対する期待は大きい。
米国は、連邦議会などで中国との接近を警戒する声が強く、オバマ政権では、NASAの資金を中国との協力に使用したり、NASA関連施設に中国人を招くことを禁じる条項が予算関連法に盛り込まれた。しかし、この対応には研究者から批判が多く、適用を緩和する動きも出ている。
1国でも野心的な宇宙開発を追求する中国を無視できなくなりつつあるのも事実だ。
問題は、中国が目指す目標です。
宇宙開発が軍事利用に直結していて、「長期的に目指すゴールは、地球と月の間の支配ではないか」と、NASAの元研究者で「月惑星研究所」のポール・スプーディス主任研究員は語っているのだそうです。現状の各国の宇宙利用高度の更に上空から監視できることになると。
小惑星や月、火星の探査を目指す「国際宇宙探査協働グループ」(ISECG)には参加している中国ですが、15か国で構成される現在の国際宇宙ステーション(ISS)計画には参加せず、8有人宇宙船「神舟」計画を独自に進めていますね。
地球上での覇権拡大、海洋進出を、宇宙でも実行しようとしているのですね。
月の探査について、「北京青年報」は、「実際の成果を得て初めて、月の権益を享受する『通行証』を獲得でき、月の権益を守ることができる」と、狙いを明言しているのだそうですから、共同開発というより、早い者勝ちで抑えてしまおうとしている本音を吐露しているのですね。
米連邦議会では中国との接近を警戒する声があり、政府がNASAの資金を中国との協力に使用したり、NASA関連施設に中国人を招くことを禁じる法制化をしたのですが、研究者から反対の声があがっているのだとか。
反対をしている研究者は、米国の資金で中国の宇宙空間での覇権拡大を援助しようと考えているのでしょうか?中国の技術にはかなわないと、中国に学ぼうとしているのでょうか?
財政難で追い越された日本ですが、国際協力での開発に貢献し、先導するグループに入り、宇宙での地位も確保できることを願います。
冒頭の画像は、「嫦蛾」
この花の名前は、メランポジウム
↓よろしかったら、お願いします。
米中宇宙競争の時代来たるもので、当面は、ロシアを含めた先進国間での技術競争、地球近隣の惑星への離着陸と資源開発能力を誇示するための、国策の宇宙開発が進むと思います。
その狭間に、テクノロジーレースとスペースショーの提唱によって、将来の宇宙資源の獲得能力を宣伝して、非協力国に対して金融レースを有利に運ぼうという動きも出て来るでしょうが、多少なりとも普遍夢に近づく期待感を、民間に抱かせ、世評を好転させる義務が、先進国にはあると思います。
宇宙には未知の資源がある可能性もありますが、莫大なコストを支払って地球に輸送するメリットがある大多数はレアメタルやレアアース、貴金属類で、燃料は宇宙船やステーションの中継基地として、大仰な宇宙のGS基地としての利用が初期段階には見られると思いますし、莫大な貴金属は、地球の金融を高騰させ、富をもたらすと思います。レアメタル、レアアースは宇宙空間が、新素材の研究の拠点となり、平和利用が前提とされるべきだと思います。少なくとも、当面は、宇宙に送り出すほどの人材達を武装化して、異常に高いコストの戦争を起こすような事は無いでしょう。つまり、宇宙というフロンティアは精鋭の手中にある間は安全だという事です。