
一昨日、トランプ政権は、2018年の1月下旬に公表した「国防戦略 2018(NDS-2018)」において、「大国間角逐(かくちく:互いに争うこと)」こそがアメリカ国防にとって最大の脅威であるという、国際軍事環境に対する現状認識を示し、トランプ政権が想定している「大国間」とは、現時点においては「アメリカ対中国」で、「米中間角逐」に打ち勝ってアメリカの国益を維持しなければならないと、対中軍事戦略強化を打ち出したことを取り上げさせていただいていました。
今度は、中国を最も意識したものと言われる貿易赤字対策として、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を表明し、安全保障体制につづいて、経済面でも対中対立姿勢を打ち出し、米国主導の国際秩序に挑戦する中国に強硬姿勢で臨む方針に転換した様子。
米中関係は「冬の時代」に入ろうとしていると、読売は指摘しています。
トランプ政権には厳しい対中認識が広がっているのだそうです。
ティラーソン米国務長官は途上国への中国の経済支援を、「自国民の利益のみを追求する新たな帝国主義」と批判。昨年12月に公表した国家安全保障戦略ではロシアよりも先に中国を「現状変更勢力」と位置づけています。
北朝鮮の核・ミサイル問題で中国の協力を得るため対中貿易赤字問題での妥協をちらつかせ、融和的な態度をとってきたトランプ政権でしたが、貿易赤字問題で中国は実質的な解決策を示さず、米側は大きく失望し、今後は是々非々で臨むのだと。
他方、鉄鋼の輸入制限は、選挙での支持層をつなぎ留めるための短慮ではないかと指摘するのは、読売社説。
対象国や製品などの詳細は未発表ですが、EUやカナダは、影響が及ぶようなら直ちに対抗措置を取ると表明しているのだそうです。
輸入制限の理由として、米鉄鋼産業が疲弊すれば軍用資材の調達に困るという、安全保障上の脅威も挙げるトランプ政権。輸入によって奪われている雇用を取り戻すという、11月の中間選挙に向けた支持層へのアピールだとしたら、今回の措置は鉄鋼業界での増加より、材料費が上がる自動車産業などでの減少の方が深刻だとの指摘があります。
世界の国々との間で、関税付与合戦が始まり、世界経済全体が混乱・縮小することになりかねない、トランプ政権の経済面での混乱。リーマンショック並の経済ショックを懸念するこえが聞かれるのは、諸兄がご承知の通りです。
他方、読売社説が要求するのは、米国の措置とはかかわりなく、健全な自由貿易の発展のため、中国が自主的に鉄鋼過剰生産の是正を進めることも大切とする点。過剰生産設備の整理を国際公約してきた中国には、その元凶の国営企業改革が求められます。
米国第一で、自由貿易の旗手の座を放棄したトランプ大統領。今日の経済発展を産んだ、鄧小平の集団指導体制や共青団派が引き継ぐ改革開放経済での民間の活力を重視する経済政策を否定し、国営企業を重視する習近平。この二大国家の、自己中心に走る流れが鮮明化してきています。
世界の安全保障も経済構造も、大きく揺れ動いている昨今。日本の国会は、重箱の隅つつきの政局に明け暮れる平和呆け。野党や偏向オールドメディアは、日本を沈没させたいのでしょうか。。
中国との対決に舵を切ったアメリカ 新「国防戦略 2018(NDS-2018)」 - 遊爺雑記帳
# 冒頭の画像は、関税を課す方針を来週発表すると明らかにしたトランプ大統領
トランプ、鉄鋼に25%・アルミに10%の関税導入 来週発表 : Newsweek

この花の名前は、エキナセア・パリダ
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今度は、中国を最も意識したものと言われる貿易赤字対策として、鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を表明し、安全保障体制につづいて、経済面でも対中対立姿勢を打ち出し、米国主導の国際秩序に挑戦する中国に強硬姿勢で臨む方針に転換した様子。
米中関係は「冬の時代」に入ろうとしていると、読売は指摘しています。
米中関係「冬の時代」 トランプ政権強硬鮮明 (3/3 読売朝刊)
【ワシントン=大木聖馬、北京=鎌田秀男】トランプ米大統領が1日に表明した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限は、安全保障や経済面で影響力を増大させている中国を最も意識したものだ。トランプ政権は2年目に入り、米国主導の国際秩序に挑戦する中国に強硬姿勢で臨む方針に転換しており、米中関係は「冬の時代」(在ワシントン外交筋)に入ろうとしている。
「習近平・中国国家主席を非常に尊敬しているが、5000億ドルの貿易赤字は受け入れられない」トランプ氏は2月23日にワシントン近郊で行った演説でこう語り、中国に厳しく対処する方針を示していた。同氏は「(習氏との)関係は良好だ」と繰り返し持ち上げているが、外交筋は「首脳同士の個人的関係はいいが、米中の政府間関係は険悪だ」と指摘する。
トランプ政権には厳しい対中認識が広がる。ティラーソン米国務長官は途上国への中国の経済支援を、「自国民の利益のみを追求する新たな帝国主義」と批判。昨年12月に公表した国家安全保障戦略ではロシアよりも先に中国を「現状変更勢力」と位置づけた。
トランプ政権は発足当初、北朝鮮の核・ミサイル問題で中国の協力を得るため対中貿易赤字問題での妥協をちらつかせ、融和的な態度をとった。その姿勢に変化が見えたのは昨年秋頃との見方が多い。
外交筋は「貿易赤字問題で中国は実質的な解決策を示さず、米側は大きく失望した」と分析する。トランプ政権は今後、「中国に是々非々で臨む」(米政府関係者)構えだ。
一方、ワシントンではトランプ氏が輸入制限を発表したのと同じ1日、習氏の知恵袋とされる劉鶴(リウフォー)・共産党政治局員が米側との貿易協議に臨んだ。習氏は全国人民代表大会(全人代=国会)開幕目前という重要な時期にもかかわらず劉氏を訪米させ、米中関係重視の姿勢を見せたが、トランプ氏の電撃発表で「面目は丸つぶれになった」(西浜徹・第一生命経済研究所主席エコノミスト)。
中国の鋼材輸出のうち、米国向けは2%程度とはいえ、中国が米国産大豆の輸入制限など対抗措置を取る可能性もある。
ただ、米国との全面対立は避けたいのが中国の本音だ。農産物に高関税をかければ、国内の物価上昇としてはね返り、国民の不満を招きかねない。米国との貿易摩擦が激化すれば経済成長減速の火種となる恐れもある。
日本「米の安保に影響ない」
トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を表明したことを受け、日本政府は国内企業への影響を避けるため、対応に追われている。
トランプ氏は輸入制限の理由に米国の安全保障への影響を挙げている。世耕経済産業相は2日の記者会見で「同盟国である日本からの鉄鋼、アルミニウムの輸入が、米国の安全保障に影響することは全くない」と反論した。外務省幹部によると、日本政府は2日、米政府に外交ルートで日本製を輸入制限対象に入れないよう申し入れた。
河野外相は2日の記者会見で、「まだ何も正式な決定が行われているわけではない」として、今後の推移を見守る考えを示した。外務省幹部は「トランプ氏が関連文書に署名するまで全体像は見えない。情報収集を急ぐとともに、日本に影響を及ぼさないよう米側に理解を求めたい」と語った。
【ワシントン=大木聖馬、北京=鎌田秀男】トランプ米大統領が1日に表明した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限は、安全保障や経済面で影響力を増大させている中国を最も意識したものだ。トランプ政権は2年目に入り、米国主導の国際秩序に挑戦する中国に強硬姿勢で臨む方針に転換しており、米中関係は「冬の時代」(在ワシントン外交筋)に入ろうとしている。
「習近平・中国国家主席を非常に尊敬しているが、5000億ドルの貿易赤字は受け入れられない」トランプ氏は2月23日にワシントン近郊で行った演説でこう語り、中国に厳しく対処する方針を示していた。同氏は「(習氏との)関係は良好だ」と繰り返し持ち上げているが、外交筋は「首脳同士の個人的関係はいいが、米中の政府間関係は険悪だ」と指摘する。
トランプ政権には厳しい対中認識が広がる。ティラーソン米国務長官は途上国への中国の経済支援を、「自国民の利益のみを追求する新たな帝国主義」と批判。昨年12月に公表した国家安全保障戦略ではロシアよりも先に中国を「現状変更勢力」と位置づけた。
トランプ政権は発足当初、北朝鮮の核・ミサイル問題で中国の協力を得るため対中貿易赤字問題での妥協をちらつかせ、融和的な態度をとった。その姿勢に変化が見えたのは昨年秋頃との見方が多い。
外交筋は「貿易赤字問題で中国は実質的な解決策を示さず、米側は大きく失望した」と分析する。トランプ政権は今後、「中国に是々非々で臨む」(米政府関係者)構えだ。
一方、ワシントンではトランプ氏が輸入制限を発表したのと同じ1日、習氏の知恵袋とされる劉鶴(リウフォー)・共産党政治局員が米側との貿易協議に臨んだ。習氏は全国人民代表大会(全人代=国会)開幕目前という重要な時期にもかかわらず劉氏を訪米させ、米中関係重視の姿勢を見せたが、トランプ氏の電撃発表で「面目は丸つぶれになった」(西浜徹・第一生命経済研究所主席エコノミスト)。
中国の鋼材輸出のうち、米国向けは2%程度とはいえ、中国が米国産大豆の輸入制限など対抗措置を取る可能性もある。
ただ、米国との全面対立は避けたいのが中国の本音だ。農産物に高関税をかければ、国内の物価上昇としてはね返り、国民の不満を招きかねない。米国との貿易摩擦が激化すれば経済成長減速の火種となる恐れもある。
日本「米の安保に影響ない」
トランプ米大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を表明したことを受け、日本政府は国内企業への影響を避けるため、対応に追われている。
トランプ氏は輸入制限の理由に米国の安全保障への影響を挙げている。世耕経済産業相は2日の記者会見で「同盟国である日本からの鉄鋼、アルミニウムの輸入が、米国の安全保障に影響することは全くない」と反論した。外務省幹部によると、日本政府は2日、米政府に外交ルートで日本製を輸入制限対象に入れないよう申し入れた。
河野外相は2日の記者会見で、「まだ何も正式な決定が行われているわけではない」として、今後の推移を見守る考えを示した。外務省幹部は「トランプ氏が関連文書に署名するまで全体像は見えない。情報収集を急ぐとともに、日本に影響を及ぼさないよう米側に理解を求めたい」と語った。
米鉄鋼輸入制限 報復合戦を引き起こす短慮だ (3/3 読売 社説)
選挙での支持層をつなぎ留めるための短慮ではないか。一方的に関税をかけても不毛な貿易摩擦に火を付けるだけで、何も得るものはないことを自覚すべきだ。
トランプ米大統領が1日、米国が輸入する鉄鋼に25%、アルミニウムには10%の関税を課す方針を明らかにした。
対象国や製品などの詳細は未発表だが、幅広く対象とされれば日本製品が含まれる恐れもある。
主な対象は輸出攻勢が続いた中国だとの見方がある。一方、欧州連合(EU)やカナダは、影響が及ぶようなら直ちに対抗措置を取ると表明している。
対抗措置の撃ち合いは、米国が戦後一貫して進めた自由貿易体制を逆行させる。米国自ら歯車を逆に回すのは誤った判断だ。
世界貿易への影響の懸念から、1日のニューヨーク株式市場はダウ平均株価が420ドル下落した。2日の東京市場でも日経平均株価が540円超下げた。
保護主義政策に対する市場の意思表示を無視してはならない。トランプ氏の大統領選での勝利は、中西部の鉄鋼産業地帯などの支持が決め手となった。
11月の米中間選挙を控え、輸入制限が支持層へのテコ入れ策だとすれば著しく正当性を欠く。
トランプ氏が重視する米製造業の雇用にしても、今回の措置は鉄鋼業界での増加より、材料費が上がる自動車産業などでの減少の方が深刻だとの指摘がある。
輸入制限の理由として、米鉄鋼産業が疲弊すれば軍用資材の調達に困るという、安全保障上の脅威を挙げたことも問題が大きい。
米国内法による今回の措置は、世界貿易機関(WTO)協定違反に問われる可能性がある。
WTOは例外的に安全保障上の理由による貿易制限を認めているが、米国防総省が資材調達難を否定するなど、トランプ氏の主張に説得力は感じられない。
各国が安全保障上の事情で拡大解釈を競い始めれば、WTO体制を骨抜きにしかねない。
超大国の米国は率先して、自由貿易の理念に基づいて抑制的に行動するのが本来の姿だろう。
米国の措置とはかかわりなく、健全な自由貿易の発展のため、中国が自主的に鉄鋼過剰生産の是正を進めることも大切だ。
中国政府は、主要20か国・地域(G20)首脳会議などで過剰生産設備の整理を公約してきた。地方政府の抵抗が強い国営企業などを聖域としてはなるまい。
選挙での支持層をつなぎ留めるための短慮ではないか。一方的に関税をかけても不毛な貿易摩擦に火を付けるだけで、何も得るものはないことを自覚すべきだ。
トランプ米大統領が1日、米国が輸入する鉄鋼に25%、アルミニウムには10%の関税を課す方針を明らかにした。
対象国や製品などの詳細は未発表だが、幅広く対象とされれば日本製品が含まれる恐れもある。
主な対象は輸出攻勢が続いた中国だとの見方がある。一方、欧州連合(EU)やカナダは、影響が及ぶようなら直ちに対抗措置を取ると表明している。
対抗措置の撃ち合いは、米国が戦後一貫して進めた自由貿易体制を逆行させる。米国自ら歯車を逆に回すのは誤った判断だ。
世界貿易への影響の懸念から、1日のニューヨーク株式市場はダウ平均株価が420ドル下落した。2日の東京市場でも日経平均株価が540円超下げた。
保護主義政策に対する市場の意思表示を無視してはならない。トランプ氏の大統領選での勝利は、中西部の鉄鋼産業地帯などの支持が決め手となった。
11月の米中間選挙を控え、輸入制限が支持層へのテコ入れ策だとすれば著しく正当性を欠く。
トランプ氏が重視する米製造業の雇用にしても、今回の措置は鉄鋼業界での増加より、材料費が上がる自動車産業などでの減少の方が深刻だとの指摘がある。
輸入制限の理由として、米鉄鋼産業が疲弊すれば軍用資材の調達に困るという、安全保障上の脅威を挙げたことも問題が大きい。
米国内法による今回の措置は、世界貿易機関(WTO)協定違反に問われる可能性がある。
WTOは例外的に安全保障上の理由による貿易制限を認めているが、米国防総省が資材調達難を否定するなど、トランプ氏の主張に説得力は感じられない。
各国が安全保障上の事情で拡大解釈を競い始めれば、WTO体制を骨抜きにしかねない。
超大国の米国は率先して、自由貿易の理念に基づいて抑制的に行動するのが本来の姿だろう。
米国の措置とはかかわりなく、健全な自由貿易の発展のため、中国が自主的に鉄鋼過剰生産の是正を進めることも大切だ。
中国政府は、主要20か国・地域(G20)首脳会議などで過剰生産設備の整理を公約してきた。地方政府の抵抗が強い国営企業などを聖域としてはなるまい。
トランプ政権には厳しい対中認識が広がっているのだそうです。
ティラーソン米国務長官は途上国への中国の経済支援を、「自国民の利益のみを追求する新たな帝国主義」と批判。昨年12月に公表した国家安全保障戦略ではロシアよりも先に中国を「現状変更勢力」と位置づけています。
北朝鮮の核・ミサイル問題で中国の協力を得るため対中貿易赤字問題での妥協をちらつかせ、融和的な態度をとってきたトランプ政権でしたが、貿易赤字問題で中国は実質的な解決策を示さず、米側は大きく失望し、今後は是々非々で臨むのだと。
他方、鉄鋼の輸入制限は、選挙での支持層をつなぎ留めるための短慮ではないかと指摘するのは、読売社説。
対象国や製品などの詳細は未発表ですが、EUやカナダは、影響が及ぶようなら直ちに対抗措置を取ると表明しているのだそうです。
輸入制限の理由として、米鉄鋼産業が疲弊すれば軍用資材の調達に困るという、安全保障上の脅威も挙げるトランプ政権。輸入によって奪われている雇用を取り戻すという、11月の中間選挙に向けた支持層へのアピールだとしたら、今回の措置は鉄鋼業界での増加より、材料費が上がる自動車産業などでの減少の方が深刻だとの指摘があります。
世界の国々との間で、関税付与合戦が始まり、世界経済全体が混乱・縮小することになりかねない、トランプ政権の経済面での混乱。リーマンショック並の経済ショックを懸念するこえが聞かれるのは、諸兄がご承知の通りです。
他方、読売社説が要求するのは、米国の措置とはかかわりなく、健全な自由貿易の発展のため、中国が自主的に鉄鋼過剰生産の是正を進めることも大切とする点。過剰生産設備の整理を国際公約してきた中国には、その元凶の国営企業改革が求められます。
米国第一で、自由貿易の旗手の座を放棄したトランプ大統領。今日の経済発展を産んだ、鄧小平の集団指導体制や共青団派が引き継ぐ改革開放経済での民間の活力を重視する経済政策を否定し、国営企業を重視する習近平。この二大国家の、自己中心に走る流れが鮮明化してきています。
世界の安全保障も経済構造も、大きく揺れ動いている昨今。日本の国会は、重箱の隅つつきの政局に明け暮れる平和呆け。野党や偏向オールドメディアは、日本を沈没させたいのでしょうか。。
中国との対決に舵を切ったアメリカ 新「国防戦略 2018(NDS-2018)」 - 遊爺雑記帳
# 冒頭の画像は、関税を課す方針を来週発表すると明らかにしたトランプ大統領
トランプ、鉄鋼に25%・アルミに10%の関税導入 来週発表 : Newsweek

この花の名前は、エキナセア・パリダ
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